抱っこ紐で赤ちゃんと一緒に自転車に乗っているママ、この光景はよく見かけると思います。後ろの幼児座席には、お兄ちゃんお姉ちゃんが一緒に乗っているなんてこともあります。

でもちょっと待ってください。

そもそも幼児用座席ではなく、抱っこ紐で自転車に乗ることは法律で認められているのでしょうか?自転車は何人まで同乗してもよいのでしょうか?

今回は、赤ちゃんや小さい子がいる場合の自転車の正しい乗り方についてお伝えしていきます。

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抱っこ紐で自転車は違反?乳幼児との自転車二人乗りが認められているのは4パターンだけ

道路交通法により、自転車の二人乗りは基本的に禁止されています。

ですが、決められた座席の装着や方法により、6歳以下の未就学児、つまり幼児が同乗することが認められている場合があります。

16歳以上の者が運転し、幼児座席に幼児が1人同乗

まず一つ目のパターンとして、自転車に乗る人以外に幼児座席を前かまたは後ろに装着し、その幼児座席に幼児1名が乗る場合は、二人乗りが認められています。

基本的に自転車を運転する人は16歳以上と決められているので、小学生や中学生の兄弟児などと二人乗りをすることは、幼児座席を取り付けていても違反となります。

幼児座席が一つの場合は、後ろに装着する方がバランスを取りやすく安定し、前は荷物かごを取り付けて利用している人が多いです。

16歳以上の者が運転し、幼児1人を確実に背負って同乗

二つ目のパターンは、自転車を乗る人が、抱っこ紐やおんぶ紐などを使って、確実に安全におんぶをした状態で乗る場合です。

多くのママさん達が知らないことが多いのですが、前抱っこで赤ちゃんと自転車に乗ることは法律上認められていません。

必ずおんぶの状態であることが決められており、よく前抱っこで自転車に乗っている親子を見かけますが、実はそれは法律違反になるのです。前抱っこもおんぶも同じように固定されているのだから同じでしょう?と思っていたら、大間違いなのです。

16歳以上の者が運転し、幼児座席に幼児1人と幼児1人を確実に背負って同乗

3つ目のパターンは、幼児が2名の場合です。

自転車に乗る人以外に、幼児座席に幼児が1名と抱っこ紐などで確実に安全に幼児1名をおんぶの状態であれば、3人乗りの同乗も法律で認められています。

この場合も、幼児座席が前であろうが、後ろであろうが、もう1名の幼児は前抱っこではなく必ずおんぶの状態であることが決められています。

幼児座席を装着するのが1つの場合は、やはり3人乗りになっても後ろに装着する方が、自転車が安定しやすく運転しやすいです。

16歳以上の者が運転し、幼児2人同乗用自転車に幼児2人を同乗

最後の4つ目のパターンは、幼児2人同乗用自転車に幼児座席を前後に取り付け、幼児2名をそれぞれ幼児座席に同乗させる場合です。

この場合は、幼児座席を2つ取り付けてもよいと規定されている「幼児2人同乗用自転車」のみに限るので、お持ちの自転車が必ずしも対象となるわけではないことに注意が必要です。

このパターンで自転車の3人乗りを検討している場合は、自分達で装着せず、必ず自転車屋さんで正規の自転車に幼児用座席を取り付けてもらいましょう。


基本的には大きい兄弟児が後ろの座席、小さい子を前座席にすることで自転車が安定します。

前の幼児座席は、「ハンドルとサドルの間」の場合と「ハンドルの間」の2つが選択できます。

より安定するのはハンドルの間の方と言われていますが、子どもを2人連れて買い物や幼稚園、保育園の送り迎えとなると荷物も多くなります。その場合は、ハンドルとサドルの間に前用の幼児座席を取り付けると、さらに自転車かごも取り付けることが可能になります。

このパターンの場合は、前も後ろも重い状態になるので、一番バランスも取りづらくなるので、安全運転をより心がけてほしい乗り方になります。

参考文献:神奈川県警察

赤ちゃんや幼児をいつから自転車に乗せる?早くても首がすわってから

赤ちゃんや幼児と一緒に自転車に乗ることができるパターンがわかったところで、今度はいつごろから一緒に自転車に乗れるのかということについて説明していきたいと思います。

いつでも乗れるわけではなく、子どもがどの状態で同乗するかによって、適している年齢があるのです。

おんぶ紐の場合は、首が据わってから

今まで、前抱っこでは赤ちゃんと一緒に乗れず、必ずおんぶの状態であることが決められているとお話してきました。

ということは、早くてもおんぶができる月齢にならないと自転車に赤ちゃんと乗ることはできないということになりますよね。

おんぶができるようになるのは、最低でも首が据わってからになります。つまり、3ヶ月でも首がすわる子もいますが、しっかりと首すわりが安定する4~5ヶ月ごろから、おんぶの状態であれば自転車に乗ることができます。

前の幼児座席は最低でも1歳過ぎてから

前に幼児用座席を取り付けて一緒に乗る場合、前の幼児座席は基本的1歳を過ぎたころからが対象となります。

1歳より小さいとお座りも安定していませんし、固定のベルトを一番締め付けても緩い場合も多く、危険が伴います。またヘルメットも市販されているものは、一番小さくてもやはり1歳児程度の頭の大きさの物しかありません。

自転車屋さんでも前側の幼児座席の対象で推奨されているのは、1歳~1歳半ごろからとされています。


筆者も試しに1歳2ヶ月の娘を前の幼児座席に乗せてみました。座席はハンドルとサドルの間のタイプで行ってみました。

娘は標準のサイズの成長具合の子ですが、一番ベルトを締め、さらに寒い時期でしたのでアウターを着ている状態で、ぴったりという状態でした。ヘルメットは、一番小さい子用の一番締めた状態でも少しゆとりがある状態でした。

このことを考えると、1歳過ぎてからの乗車は可能ですが、より安全に乗るには1歳半くらいが適していると思います。

それぞれの家庭の都合もあると思います。1歳から乗車する場合は、しっかりと安全に固定することを心がけて下さいね。

後ろの幼児座席は2歳過ぎてから

後ろに幼児座席を取り付けて乗る場合は、だいたいですが2歳を過ぎたくらいからが対象となります。

後ろの座席は前座席よりさらに座席に余裕ができるので、2歳より小さい子ではベルトをどれほど締めたとしても緩さが生じてしまい、安全に固定できなくなってしまいます。

さらに、2歳より小さい子まだまだ注意が必要な子どもが、見えない後ろの座席に座っていると思うと、どんなに固定しているとは言え、運転する側も気を取られ、安全に自転車を運転することができないのではないでしょうか。

後ろの幼児座席に座るのは、ある程度の会話が成り立ち、親の話すことが多少でも理解できる2歳以降が自転車を運転する側からしても、安心ではないでしょうか。


前の幼児座席は装着する位置の関係上、幅に限度があるため、だいたい乗車できるのは2~3歳程度となります。それより大きくなると、前の幼児座席に座ることが困難になるだけでなく、重くなりバランスも取りづらくなります。

前に幼児座席を取り付けて自転車に乗ることが不安だと話すママも多いです。

あえて、不安を伴う状態で乗らずに、お子さんが後ろ座席に乗れる年齢まで待ってから自転車に乗るということも選択肢の一つにしてもよいでしょう。

子どもを守るのは親の務め、ルールを守って安全運転を

自転車があると、幼稚園や保育園の送り迎えや買い物など便利になる点は多くなるので、ついつい頼ってしまい、ちょっとそこまでと使う頻度も増えるのではないでしょうか。

自転車は便利で手軽な乗り物ですが、軽車両と同じです。怪我をすることも、怪我をさせてしまうこともあります。子どもとの自転車の同乗が増えたことで、近年は同乗している子どもを怪我させてしまう事故のケースも増えています。

どんな状態でお子さんと自転車に乗るかは、それぞれの家族構成や生活スタイルによって変わってくると思います。

幼児との乗車方法だけでなく、短距離でもヘルメットを装着する、スピードを出さない、無理な乗車はしない、決められた道を走行するなど、ルールを守って、安全運転を心がけていきましょう。

子どもの安全を守るのは親の務めです。無理なく、上手く生活に自転車を活用していくと良いですね。