子供の「自家中毒」という病気を知っていますか?聞き慣れない名前ですが、自家中毒で悩むご家庭はけっこう多いのです。

吐き気を主な症状とする自家中毒の、詳しい症状や原因、予防できるのか?そしてひどくなってしまった時には入院も必要なのか、ということについて詳しく見ていきましょう。

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自家中毒とは?

自家中毒とは、幼児期に主にかかる自立神経の病気です。早い子で2歳くらいから発症することが多いようです。

ですが、原因はまだはっきりしていない部分が多く、自立神経が作用していることの他には、ケトン体の血中濃度が高くなるすぎてしまい、体内の代謝などの機能が狂ってしまうことなど、まだまだ未知の部分が多い病気です。

自家中毒は正式には周期性嘔吐症という診断されます。

周期性嘔吐症という、頻繁に吐き気を催す状態になるのですが、内科的な病気が原因で吐き気が起こるわけではなく、症状もおさまったり、ひどくなったりを文字通り周期的に繰り返すため、親も心配でたまらなくなり、子供も非常に疲弊してしまう病気です。

自家中毒の主な症状は?

先にも書いたように、自家中毒の主な症状は、周期的に襲ってくる吐き気です。その他の症状に、だるさや食欲不振、胸がむかむかする、といったことがあります。

中でも、吐き気は一度襲われると、その子によっての程度の差はありますが、家に1人でいられなくなってしまうほど、それこそ胃液まで吐いてしまう状態になることもある、辛い状態になることもあります。

私の弟が自家中毒の軽いものに幼い頃かかっていましたが、当時は今ほどメジャーな病気ではなかったため、吐き気があっても熱も何もないということで無理に登園していた弟が、園で一種のパニックになってやはり帰ってきた、ということがありました。

弟の場合は比較的軽い方だったので、平日に親が留守をしていて、少し気持ちが悪くなっても、私や他の兄弟だけでもなんとかできたのですが、本当は親は大概の場合は離れられませんし、もっと重症な場合にはさらに頻繁に発作が起きていたと思います。

一見すると風邪の症状にも似ているため、自宅で発作が起きても、最初のうちは親も、兄弟や私でさえ、体の具合が悪いのだと思っていました。

ところが、元気になってもそのうちにまた同じような症状を訴えたり、実際にものすごい勢いで嘔吐して止まらなくなってしまったりといったことがあったので、そうなってから、内科の病気ではないということがはっきりしたのでした。

このように、風邪などの症状と非常によく似ているのですが、特に違うところが、咳が出るでもなく、熱もほとんど出ず、周期的に主に自宅で吐き気を催すところです。

自家中毒と他の病気との見分け方のポイントとしては、

  • 大きなイベント事が近づいてくると発作(吐き気など)を起こす
  • 元気になったり、また発作を起こしたり、を繰り返す
  • 吐き気が酷くて1人で家にいられない状態なのに原因がわからない
  • 体がだるい、気持ちが悪いと訴える

このような症状が頻繁に起こる場合は、自家中毒の可能性が考えられるので、すぐに受診しましょう。

自家中毒の原因とは?

自家中毒は原因がはっきりしない病気です。

現在言われている、可能性のある原因としては、過度なストレスや孤独感、寂しさ、過度の緊張感など、幼児期に精神的に大きな負担がかかることによるものと言われていますが、それもはっきりしません。

なぜかと言うと、常にお母さんが家にいるご家庭の子供でも、発症することがありますし、私の弟のように、兄弟もいて毎日楽しかったはずなのに発症することもあるからです。

子供が自家中毒であるとわかると、親はよく、寂しい思いをさせたからであるとか、厳しくしすぎたからである、など、自分を責めがちのようですが、原因が外の出来事である場合ももちろんあります。

子供にとってどんなことが不安で怖いのか、または寂しいのか、ということは、2~3歳くらいではまだよくわからないことがほとんどです。

ですから、原因を知ることは大切なことですが、親は必要以上に自分を責めないほうがよいと思います。

ただし、これらのことが原因で起こり得ることはわかっているので、予防策として、子供にストレスをかけ過ぎない、過度の孤独感や緊張感を味わわせない、といったことは有効のようです。

夜中になっても嘔吐が止まらない!どうすればいい?

子供が自家中毒だとわかっても、嘔吐が止まらなくなるととても心配になりますよね。見ていても苦しそうですし、早くなんとかしてあげたいと思います。

自家中毒の嘔吐は、先にも書きましたが「発作」なので、酷いときは一晩中吐こうとするときがあります。そうなると、親も寝ていられませんし、子供は可哀想だしで、親子共々疲れてしまいますよね。

そこで、嘔吐の症状を少しでも和らげる方法として、「とにかく落ち着かせる」ということが挙げられます。

自家中毒は不安やストレス、緊張などが原因になっているので、例えば翌日に運動会や大きなイベント事を控えているときなどに、やっぱり、という感じで発作が出ることがあります。

そんなときはまずは慌てずに、はお子さんに、「不安な気持ちになるのはわかるよ」ということを伝え、不安なのは悪いことではない、誰でも緊張するものだから心配要らないんだよ、という風に安心感を与えることが重要です。


私の弟の場合は、幼稚園生時代に、非常にお気に入りの毛布があり、発作が出そうになったときはその毛布にくるまっていました。そうするといくらか落ち着くらしく、そういった、子供のお気に入りのアイテムがあるとさらに便利ですよ。

夜中でも嘔吐が止まらないときもありますが、まずは慌てずに、不安な気持ちを落ち着かせるとともに、対処療法的に頭を冷やしてあげたり、気分がすっとするものを使うという手もあります。

ただし、あまりにも嘔吐が酷く、食べ物も飲み物も何も受け付けない、という場合は、脱水症状が心配なので、病院に連れて行って、点滴をしてもらうほうがよいようです。

脱水症状があまりにも酷い場合には入院になってしまうこともありますが、発作が収まれば自然と水分も摂れるようになってくるので、入院になったとしても、最短で1日もすれば退院できる場合がほとんどのようです。

夜中でも嘔吐が止まらないときのポイントは、

  • 不安な気持ちを落ち着かせる
  • 子供の好きな、毛布などのアイテムは積極的に活用する
  • 冷やすなど、気分がすっきりすることをしてあげる
  • 長く水分を受け付けない場合は、脱水症状が心配なので病院へ

といったことになります。

とにかく親が慌てないこと、これが一番だと思います。発作が出ているときに親も慌ててしまうと、子供も慌ててしまうので、まずは冷静になりましょう。

自家中毒はいつまで続く?いつ頃治るのか

自家中毒は、ずっと続くものではなく、成長と共に軽減していきます。

ごく一般的に言われているのは、子供が9~10歳くらいになって、筋肉量が増え、代謝も活発になってくるとだんだんと収まるようです。

ですが、幅があるので、子供の成長度合いで違うようです。

私の弟の場合は、8歳くらいですっかり落ち着きました。男の子のほうがかかりやすいと言われていますが、逆に言うと、男の子のほうが筋肉の発達は早いので、治るのも早いのかもしれませんね。

ですが、女の子でも、男の子よりも全体的に成長が早いので、原因の元になっているストレスや不安に対する耐性がつくスピードは速いように思います。

ひとつ言えることは、ずっと続くわけではないということですから、治るまで時間がかかったとしても、親はのんびり見守るほうがよい、ということですね。

まとめ

自家中毒は、あまり知らない人も多い病気なので、周りの人の理解を得ることが難しい場合もあるようです。

ですが、人は人、なので、気にせずに、不安なことや心配事は、事前に担任の先生などに報告しておくと、いざ発作が起こったときにも冷静に対処できるようです。

そして、日ごろの食事でも、なるべく夕食は高カロリーのものは避けるなどして、普段からぐっすりとよく眠れるように工夫してあげること、イベント事などの前は特に注意して見ていてあげること、できる限り安心させてあげること、といったことが、親としてできるサポートになります。

いつかは治るものなので、焦らず、上手に付き合っていくことが、親子ともに、大切なことですね。