お昼ご飯を食べた後はお腹も満たされてついウトウト…。大人でも午後の時間は眠気がやってくる時間帯ではないでしょうか。

小さな子どももお昼ご飯の後、自然とまぶたが閉じて昼寝に入り、1~2時間後に起きて元気に遊ぶパターンが理想ですが、さて、一体いつまでこの昼寝を続けていいのでしょうか?

寝る子は育つとよく言いますが、どのくらいまで昼寝生活を続ければいいのか、昼寝をしないとどうなるのか、そして質のよい睡眠を得るためにはどうすればいいのかなどについてお話します。

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乳幼児が昼寝をする意味

そもそも、昼寝とは乳幼児にとってどのような意味があるのでしょうか?以下に昼寝をする意味をいくつかあげてみます。

1.生活リズムを整える

お昼ご飯を食べたあと、1~2時間の昼寝をすると、目覚めた後にまた元気に遊ぶことができます。そして夕ご飯・お風呂・夜の就寝の生活リズムにメリハリをつけることができます。

ただ、子どもによっては昼寝を一切しない子もいます。ですので、昼寝をなんとしてもさせなきゃ!というよりも、その子にあった生活リズムを整えてあげることが大事です。

早寝早起きの生活リズムがメリハリをもってスムーズに行えるようになるといいですね。

2.気持ちを整える

昼寝をしたあとは心身ともにスッキリしていることってありませんか?それは心も身体も一旦オフになり休むことができたからです。

子どもも昼寝をすることにより、疲れが取り除かれ、気持ちも落ち着くことができます。昼寝をしないまま過ごして夕方眠くなってグズグズしてしまう日が続くのであれば、昼寝を積極的に取り入れてみましょう。

3.記憶力、集中力を養える

アメリカの医学専門サイトによると昼寝を通して記憶力が数倍アップしたという研究内容が発表されているそうです。ということは、覚えた内容を脳に定着させるには睡眠をとるといいのですね。脳の海馬という部分が物事を覚えておく場所ですが、睡眠を通してここがぐっと成長できる訳です。

また、本人は集中して遊びたいのに身体が疲れてしまって全然集中できず、ぐずってしまうことってありますね。そんな時も昼寝をすると疲れがとれて、午後の遊びも集中して遊べることができます。


我が家の話ですが、下の子は年長さんでもまだまだ昼寝をするタイプで、幼稚園がない夏休みなどはお昼ご飯の後よく二時間位寝てました。昼寝から目覚めて、好きな遊びをするのですが、お絵かきなどをすると、とても集中してたくさん書くのでびっくりしたことがあります。

朝起きてから朝食をとるまでの間も同じように集中してお絵かきをするので、やはり睡眠をとった後は集中力が上がるのだなと思います。

4.夜の睡眠を整える

昼寝をしても夜たっぷり寝ることができる子はまだ昼寝が必要と言えます。幼児期の平均睡眠時間は12?14時間必要と言われていますが、一日のトータル睡眠で十分な睡眠がとれているかが大事です。

昼寝をしなくても必要な睡眠時間を確保できていればよいのですが、そうでない場合は、夜の睡眠で足りていない部分を昼寝の時間で補うようにするといいですね。

子供の昼寝は何歳まで?いつまで続ける?

小学生になると保育園のように昼寝の時間がないので、小学校に入学の頃には卒業したほうがよいという考えもあります。それも確かにあると思いますが、私はその子が必要なら、小学校から帰ってきてからでも昼寝をして構わないと思います。というのも、上の子が通っている小学校の先生の談話として、こんな話を聞きました。

「小学6年生になる女の子がいるのですが、とても背が伸びて大人と同じくらいになっています。この子は実はよく寝る子で今でも昼寝をするのですよ。」

当時それを聞いた時は「へー!寝る子は育つという言葉を体現化した子なのだなあ!」と感心したものです。成長ホルモンは睡眠時に分泌されるものですので、昼寝を通して成長ホルモンがたくさんでている結果なのですね。

私はそれを聞いてから、昼寝は無理にやめさせるものでもないのだなと思いました。夜の睡眠に影響を及ぼしてしまうほど長時間寝てしまうのは問題ですが、そうでないなら、そしてもしその子が必要なのであれば、小学生になっても昼寝をしていいと思います。その際、例えば30分?1時間したらきっちり起こすなど、メリハリをつけて昼寝をさせてあげるといいですね。

昼寝をしないと影響がある?

昼寝を全くしない子は上で紹介した様々な昼寝によるメリットがない?ということはありません。昼寝をしない子でも、夜の睡眠が質の良いもので十分な時間を確保しているのであれば、問題ないと言えるでしょう。

厚生労働省のwebサイトにある 保育所保育指針には以下のように書いてあります。

“午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。”

保育施設において、昼寝を必ず全員がとる必要はないというのです。保育施設の中には、必要な子には昼寝をさせ、そうでない子は身体を休ませるような対応をとるところもあります。

もし、昼寝をしていなくて夜の睡眠も十分にとれず、日中ぼーっとしていたりグズっていたりするなら、睡眠不足の可能性がありますので、その場合は昼寝を少しでもいいのでとりいれることをお勧めします。

子供が昼寝を嫌がる・なかなか寝てくれない場合の対処法

「そうはいってもうちの子昼寝嫌がるし…。」「なかなか寝てくれない…。」というママ・パパもいるはず。わかります。寝かしつけ時のこどもが早く寝てほしいというママ・パパの声は今日もどこかで必ずあがっているくらい、育児生活の悩みですよね。

昼寝が不要(睡眠がトータルで足りているなど)ならいいのですが、昼寝が必要なのに寝てくれないという場合は、以下の方法を試してみてください。

1.添い寝で呼吸を合わせてみる

これは私がテレビで紹介して知った睡眠導入の方法です。上の子は4歳頃には昼寝を早々と卒業し夜ぐっすり寝られるタイプでしたので、昼寝はもう不要だったのですが、下の子は今もまだ昼寝をしているので、寝てくれない時など、この方法をすると「すやぁ…」とすぐに寝てくれます。

それは一緒に添い寝をし子どもの呼吸に合わせて大人も呼吸をすることです。

添い寝をして目をつぶり、子どもの呼吸に合わせて大人も息を吸ったり吐いたりします。最初はこの子どもの呼吸に自分の呼吸を合わせることが結構辛いのですが、慣れると腹式呼吸のような感じで行えますよ。ほんの少しおおげさに鼻からの空気音が聴こえるくらい、本当に寝ているような音で、身体全体も呼吸に合わせて少し上下する感じで行ってみてください。

必要なら子どもの背中に手を当て呼吸リズムに合わせてトントンしてみてください。ママの呼吸音と自分の呼吸音が重なって聴こえるから眠くなるのかわかりませんが、我が子はこれで大体は寝てくれます。

2.ショートストーリーを音無しの声で話す

これも我が家の寝かしつけ方法ですが、短い話(我が家は定番の童話(赤ずきんちゃん))を耳元でささやくように、少しゆっくりな口調で話します。最初はゆっくりな口調でスタートしますが、徐々にその口調のスピードをさらにゆっくりにしていき、ささやく声も少しづつ小さくしていきます。そして最終的にはフェードアウトする感じです。

話す内容は結末も知っている話のほうがいいですね。最初、私は自分で作った話(子どもたちが登場人物)を聴かせていたのですが、それだと「次どうなるの!」と目をランランと輝かせながら聞いてくるので逆効果でした。その話のオチ知っているよという内容だと、集中して話を聴くことより、リラックスして寝る方に向かうでしょう。

まだ子どもが寝ていなくても親が、すぅっと寝る(あるいは寝たフリをする)と子どももつられて寝てしまいます。話している親のほうがついつい気持ちよくて寝落ちしてしまわないようにするのが大変ですが、こちらもおすすめです。

3.シッシッシー(乳児の場合)

もう少し小さい子どもの場合はこちらもおすすめです。これは我が家の上の子が赤ちゃんの頃よく使った寝かしつけ方法で、これをするとコテっと寝てくれました。

やはり添い寝をして耳元で子音(しーっ)を聴かせるのですが、この子音のリズムを「シッシッシー…シッシッシー」と脈打つリズムのような感じで聴かせてみてください。

これは上の子がまだ乳児だった頃、胎内音を再現したおもちゃを売り場で見てその音を聞いたのがきっかけで考えつきました。ママの心臓の音か血流の音かをもし胎内で聴いていたら、それに近い音を再現したら安心して寝てくれるかな?と思い、試しに「シッシッシー」と聴かせてみたところすぐに寝てくれました。

大きくなってくると「ママ、うるさくて寝られない」と言われて効果なくなってしまったのですが(苦笑)、赤ちゃんならもしかして寝てくれるかもしれません。

子供が質の良い睡眠を得るポイント

以下のポイントに気をつけてみましょう。

1.夜8、9時までには就寝するようにする。

家庭によってライフスタイルがそれぞれ違いますので、なかなかこの時間までに寝かしつけさせるのが難しい場合もありますが、意識しておくだけでも違います。子どもにも「この時間はもう寝る時間にしようね。」と伝えておくといいですね。

2.朝は7時までには起きる。

早起き、早寝を意識すると生活リズムをつかむきっかけになります。朝は7時までには起きるとそれ以降のスケジュールも遅れることなく、結果的に夜遅くなってしまうことを防ぎます。

3.昼寝の時間は15時以降にずれ込まないようにする。

私にとってこれはかなり必須項目でした。下の子は15時以降?夕方まで寝てしまうと夜は10時11時と就寝時間が大幅に遅くなり、大人も「早く寝てくれ?(泣)」と悲惨な結果になっていました。ですので、15時過ぎてもまだぐっすり寝ているようなら、少々可愛そうですが起こしてお風呂に一緒に入って目覚めさせました。

昼寝から夕寝に移行してしまうことは生活リズムが崩れる原因になりますので、昼寝は2時間前後とし、15時以降にならないように気をつけてみましょう。

もし保育園の昼寝時間がこのような時間帯に該当し、かつそれによって毎晩寝る時間が遅くなってしまう場合は、保育園に時間の調整や起こしてもらうことが可能であるかどうか相談してみるといいですね。

4.お風呂とご飯の順番を入れ替えてみる。

これも有効な手段です。お風呂から上がり、時間が立つと身体の深部体温というものが下がってきて、だんだん眠くなってきます。

お風呂を先にして食事がその後だけど、夜寝る時間が遅くなってしまうのなら、逆にしてお風呂を後にしてみるとよいでしょう。お風呂からあがったあとは寝る支度をしてゆっくり絵本などを読んでいくうちに、深部体温が下がってくるはずです。

逆に食事が先でお風呂を後にしていて寝付きが悪い場合は、お風呂を食事の前にしてみるのもいいでしょう。


我が家もこのパターンでした。いつも寝る前にお風呂に入っていたのですが、子どもたちが暑がりで、お風呂に入った後はなかなか深部体温が下がりにくい状態でした。お風呂を先にすることで、時間をかけてゆっくりと深部体温を下げていくことができ、9時前後には寝てくれるようになりました。

寒い冬は湯冷めが心配なのでお風呂を後にするなど、季節によってお風呂と夕ご飯の順番を入れ替えています。

5.日中はたっぷり外遊びや身体を動かす運動をする。

大人でも身体をたくさん使った日の夜は、疲れて早めに就寝し、一晩ぐっすり寝られることってありませんか?子どもも同じように日中天気がよい日なら、公園で外遊びをたくさんすると夜は身体が疲れて早く就寝し、ぐっすりと寝てくれるようになります。

天気が悪い日は室内で過ごすにしても、じっと座っているだけでなく、大人とちょっとしたストレッチをしたり、一緒にダンスしたり、身体を動かす遊びをとりいれてみるといいかもしれませんね。

ただ、あんまり普段やらないような動きや激しい動きなどで興奮しすぎると、夜泣きにつながることもありますので様子を見ながら、その子にあった運動をすることをおすすめします。

6.寝る部屋は少し照明を暗くして過ごす。

明るい部屋で「早く寝なさい!」と言われても、明るすぎて目もぱっちり開いちゃいますね。お風呂も夕ご飯もすませ、歯の仕上げ磨きも終わったのなら部屋の電気の明かりを少し下げて過ごしてみましょう。

そして就寝する部屋に入ったらさらに明かりを落としてベッドや布団に入ってみてください。徐々に明るさが落ちていくので、心もリラックスモードに切り替わっていきます。お布団に入ったのなら、少し声のボリュームを落としてゆっくり気味で、絵本を読み聴かせてあげると、より一層リラックス効果を得ることができて、すぅっと寝てくれることでしょう。

まとめ

ここであげた昼寝の卒業タイミングや昼寝の対応策などは、あくまで一個人の意見・アイディアです。それぞれ個人差がありますので、子どもの成長と生活リズムに合わせて参考にしてみてください。

昼寝をしてくれるのならばその時間はお一人様タイムを楽しむもよし、一緒になって昼寝を味わうもよし、昼寝をしなくても夜ぐっすり寝てくれるのならそれでよし!というくらいに割り切り、上手に生活リズムを作って、そのリズムに乗って快適な毎日を過ごせますように。