夏に流行するとびひの原因と症状はどのようなものなのでしょうか。また、保育園への登園許可は必要なのかどうかまとめました。
とびひの原因と症状はどういうの?
子どもの蚊に刺されたあとが、なんだかジュクジュクしてなかなか治らない…。「なんだかほかにも増えてるし、傷が広がってるような…?」それは、夏によく聞かれる、とびひです。
とびひは黄色ブドウ球菌という細菌による皮膚病で、幼児・小児によくみられるのですが、大人にも感染します。
このとびひ、名前の由来は「飛び火」で、その由来の通りほかの部位やほかの人にうつっていくのです!
私もかつてかかりましたが、幼児だった妹がかかり、小学生だった私もかかりました。最初は足首の後ろ側の虫刺されあとがどんどん広がり、ジュクジュクしてきました。
「なかなか治らないなー」くらいにしか思ってなかったのですが、妹のとびひが発覚し、わたしのと同じだとわかりました。
さらに夏だったので座ったときに足首と触れる太ももの裏側も同じようになってきました。幼児で皮膚の弱い幼稚園児の妹は、細かいですが数は多く手足に出ている状態でした。
とびひは、私のように傷口から菌が入りとびひになってしまう場合と、特別な原因もなく急激にたくさんのとびひができる場合があるんです。
とびひの原因となる黄色ブドウ球菌は、特別な菌ではなく多くの人の鼻の中にふだんからいるんですって!鼻を触ってから、あちこち触るとそこら中に黄色ブドウ球菌がベタベタいることに…!
集団生活をしていると、この黄色ブドウ球菌には日々さらされているということになりますね。でも、手洗いをきちんとしていたり、皮膚バリアがきちんとしていたりすれば特に問題はないんです。
黄色ブドウ球菌がついた指や爪で、皮膚バリアが壊れたあせもや湿疹、虫刺されなどをひっかくとそこで細菌が繁殖し、発症してしまします。
水を介してうつることもあるので、完治するまでお風呂やプールは避けなくてはなりません。
皮膚の弱い子どもの場合、皮膚バリアがあちこち壊れているのでとびひはかかりやすく、夏は特に注意する必要があります。
とびひの治療はどういうの?
とびひかも?と思ったら、小児科か皮膚科を受診します。
治療は、抗生物質と塗り薬ですが、抗生物質は決められた期間しっかり飲まないと治りません。抗生物質は苦くて子供はたいてい苦手なんですが、ここは飲まないと治らないのですね。
抗生物質を飲む、塗り薬を塗る、それはもちろんですがそのほかにもスキンケアが大切なんです。もともと、皮膚バリアが破壊されたため細菌が侵入してしまうのがとびひです。
皮膚バリアをもとにもどしつつ、細菌を近づけないようにしていくのが完治への近道!
- 皮膚についた最近は洗い流したほうがいいので、石鹸を泡立てしっかりとシャワーで流します。これで、表面についている黄色ブドウ球菌は洗い流せるんですよ。
- 黄色ブドウ球菌が繁殖する条件は、高温と多湿です。…ってことは、皮膚を乾燥させ低温にしておけばいいということですね!
夏に低温はちょっと難しいので、多湿対策は汗をそのままにしないことです。汗をかいたらすぐに着替えることや、シャワーを浴びることで肌をサラサラに保って菌が増殖しにくい環境をつくります。
- 黄色ブドウ球菌は、指や爪についているので、とにかく手指を清潔にします。爪が長いと皮膚を傷つけ、そこから細菌が繁殖してしまうので、短くしておきます。
薬と①~③の点に気を付け、とびひの表面が乾燥しはじめたら、治りかけている証拠です。薬を飲んだり塗ったりしてから3~4日で改善し、1週間ほどで完治することが多いようです。
改善しない場合には、抗生物質が効かないタイプの菌かもしれません…。最近ちょくちょく耳にする、抗生物質に対抗できるタイプの耐性菌というヤツですね!
この場合には、抗生物質の種類を変えることなどで対応するので、再度病院を受診する必要があります。
とびひは保育園の登園許可がいるの?
とびひは、学校保健安全法で第三種感染症というものに指定されているんです。この第三種感染症というのは、他にも流行性結膜炎・手足口病・溶連菌感染症・水いぼなどがあげられます。
このなかで、とびひや水いぼは「通常は出席停止の措置は必要ないと考えられる伝染病」に位置しています。つまり、保育園側は「保育園に来ないでくださいとは言えない」ということです。
じゃあ、行ってもいいのか…と言われるとやはり伝染する病気です。特に小さい子どもたちは、免疫力も弱いのでうつりやすいですよね…。
保育園側から「できれば登園は避けてほしい」との要請があるのもうなずける病気なのです。
第三種感染症での登園の判断基準は、「医師がほかの人に伝染するおそれがないと判断するまで」とされています。
医師が「もうほかの人にうつらないから、保育園行っていいよ」というまでということですね。
処方された抗生物質を飲み切ったから、とびひの表面がすべて渇いたからといって行ってもいいことにはなりません。
病院の許可が出たら、保育園に「とびひでしたが、病院でもう、うつらないから保育園に行ってもいいといわれました。登園してもよろしいですか?」と聞きます。そして、幼稚園側から「それでは大丈夫ですね。来てください」という許可がいただけるとお互い安心ですね。