新生児期を過ぎた生後4,5ヶ月の頃、ふと気がつくことがあります。

それは、赤ちゃんの頭の形です。赤ちゃんは狭い産道を通りやすくするために頭蓋骨が4枚にわかれていて、それぞれが合わさって頭の形を小さくして産まれてきます。

そのため産まれてからしばらくは頭蓋骨が柔らかいのです。大泉門といわれるおでこの上の部分には、触るとペコペコ引っ込む場所もありますよね。そのくらい赤ちゃんの頭は柔らかいのです。

頭の形をいびつにしない予防法、いびつになってしまった頭の形の治し方、矯正方法について私の(長男+双子のママ)体験談を交えて紹介します。

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頭の形をいびつにしない方法

どうして頭の形がいびつになるのか、主な原因は4つ

赤ちゃんが誕生してまもなくは、喜び、感動、疲労、脱力・・・いろんな感情が次々でてきて、毎日が育児で精一杯ですよね。

でも、数ヶ月経ってママの心身ともに落ち着いてきた頃「あれ?赤ちゃんの頭の形がいびつ?」と気になる時期が来ます。

まずは、どうして頭が変形するのかその理由をチェックしましょう。主に4つの理由が考えられます。

頭の形がいびつになる主な4つの理由

  • 遺伝
  • 体内環境
  • 吸引分娩
  • 産まれてからの赤ちゃんの向き癖

遺伝

背が高いか低いか、目が一重か二重か、肌が敏感かどうかなどと同じように、頭の形も遺伝すると言われています。

ただ、親が絶壁で悩んでいる場合、我が子の頭の形に神経をとがらせている人が多く、最初から頭の形への対策を行っているケースが多く、それでも絶壁になることもあるようです。

体内環境

妊娠期に子宮筋腫があったり、双子や三つ子妊娠の場合、お腹の中で赤ちゃんの頭が押されて変形する場合があります。体内環境に関しては、対応策はないです。

医師の中には、妊婦健診のエコー時に頭の形について教えてくれる人もいます。その場合は産まれてから頭の形について意識を持って対応すればいいので、あまり深く考えないようにしてください。

吸引分娩

経膣分娩の際、分娩に時間がかかり母親の体力が低下したり、赤ちゃんが疲れてきた場合吸引分娩の措置がとられます。

吸引分娩は文字通り、赤ちゃんの頭に器具を装着し、吸引して赤ちゃんを引っ張る方法です。頭が長細くなったりしますが、大体は数日で元に戻るといわれています。

向き癖

親が対応できるのが、向き癖です。

生まれたての赤ちゃんは首が座っておらず、自分で頭を動かすことが出来ません。そのため、寝ているときは同じ頭の向きで居続けることになります。

ずっと同じ体勢で寝ているため、下になっている部分が平らになり、上部分が盛り上がっているように頭の形が変化しやすいのです。

さらに、生後7,8ヶ月までは特に頭蓋骨は柔らかく変形しやすいのです。

向き癖を治す?治さない?

赤ちゃんは産まれてくるまでは、狭いお腹の中で自分が居心地のいい向きで過ごしていました。なので、産まれてからも向き癖がある赤ちゃんはたくさんいます。

赤ちゃんにとっては、過ごしやすい、心地良い向きなのです。ただ、いつも同じ向きで過ごしていると、頭の形は変形します。

特に気をつけたい時期は、寝返りをうつまで。生後すぐ~4ヶ月くらいまでは、気にしていた方がいいでしょう。

生後7,8ヶ月を過ぎる頃から徐々に頭蓋骨は固くなり、生後1歳半くらいになれば大泉門も閉じて頭の形が形成されます。また早産の場合は、頭蓋骨は柔らかく、固くなるまで時間がかかるので頭の形対策は気をつけておいた方がよさそうです。


頭のいびつな形にはそれぞれ呼び名があります。

  • 左右どちらかが平らになる斜頭
  • 後頭部全部が平らになる短頭
  • 側頭部が平らになって頭が長細くなる長頭です。

予防法としては、同じ顔の向きで寝かせないことです。

寝かしつけの時は、赤ちゃんが好きな体制で寝かせて寝入った後に丸めたバスタオルや、向き癖対策用のクッションを使用して、向き癖のある方向とは逆の体制にしてあげましょう。

バスタオルなら費用はかかりませんがズレてしまい、結局向き癖が直せない場合もあります。

また、三角の形をした向き癖対応クッションはズレにくいので効果が期待できますが、3,000円前後で販売されており、安くはない費用がかかってきます。

長男+双子ママの体験談

長男の時はドーナツ枕を使用、添い乳で寝かしつけする場合は同じ向きが続かないように気をつけていました。

ただ、双子の時は寝てくれるだけでありがたかったので、向き癖は特に治しませんでした。実際、双子は向き癖がありましたが、そのまま放置していました。

その結果、それぞれ斜頭といわれる頭の形になりました。

赤ちゃんの頭の形がいびつに! どんな治し方がある?

向き癖と逆の向きに寝かせよう

簡単なようで、難しいのが向き癖と逆の向きで寝かせることです。赤ちゃんが心地良いから向き癖がついているので、逆向きにすると機嫌が悪くなる場合もあります。

なので、強制ではなく自然に向き癖とは逆の向きを向くようにしてあげるとママもストレスが少なくてすみます。

たとえば、赤ちゃんは明るい方向を向く習性があるので、日中は太陽の光が差し込む方向を意識して寝かしてあげたり、赤ちゃんは無意識にママを探しているので、ママがよく過ごす位置を工夫したり、向き癖と逆の方向から名前を呼んであげるなど、自然に向き癖と逆の方向を向くように対策してみましょう。

また、眠った後に向き癖と反対方向に向くようにバスタオルや、向き癖防止用クッションを身体の下にはさんであげるのも効果的です。



注意

頭が布団に着かない寝方=頭の形が変形しないとあって、うつぶせに寝かせる人もいるようですが、うつぶせは乳幼児突然死症候群の原因になると言われているのでやめておきましょう。

後頭部の部分がぺたんこになった形状のドーナッツクッションありますが、効果は賛否両論です。使用するときは、クッションがずれて赤ちゃんの口や鼻をふさがないように注意してください。

長男+双子ママの体験談

生後4ヶ月で開催される市の集団健診で、双子2人とも頭の形がいびつだと相談しました。

保健師さんの答えは、「向き癖を治してあげれば良くなることはあるけど、100%丸くなることはない」、「髪が生えてきたら気にならなくなる」とのことでした。

なので、「治らないんだ」と心のどこかで諦めつつ、これ以上ひどくならないようにバスタオルを使って向き癖を治すなど対策をしていました。

頭の形を矯正する方法もある

リモルディングヘルメットで、頭の形が矯正できる

「頭の形のせいで同じ向きでしか寝なくなった」や「極端に平ら、細長い」など身体機能に影響が出始めたら、矯正するのも選択肢の一つです。

一般的に、特殊ヘルメットを装着する矯正方法があります。

日本よりも頭の形を気にする欧米で開発されたリモルディングヘルメットといわれる器具を頭に装着します。オーダーメイドで、突出している部分に圧をかけて頭の形を矯正します。

脳神経外科、整形外科などで受診し、注文することができます。ただ、保険適応外で費用もかかりますし、1日23時間装着など子どもにかかる負担も決して小さくありません。

中には、蒸れて皮膚がかぶれる子もいますので、使用については担当医とよく相談するのがおすすめです。

平均的な注文時期は、生後6ヶ月前後。個人差がありますが、治療期間は約5ヶ月といわれています。注文後も経過観察のため、定期的な通院が必要になります。

頭蓋骨が固くなる1歳半までには治療を終えておきたいですね。

長男+双子ママの体験記

我が家の双子の場合は、向き癖を治してあげることで頭の形の変化がひどくなることはありませんでした。が、元に戻ることもありません。

寝返りをうつようになってからは、向き癖もなくなりました。ただ、市の保健士さんが言っていた通り、髪の毛が生えてきたら頭の形は気にならなくなりました。

矯正については、近くで対応している病院がありませんでした。

メーカーから直接購入も出来るようですが、やっぱりお医者さんの判断がないと不安だったので、矯正はしませんでした。

まとめ

赤ちゃんの頭の形をいびつにしないためには、まず予防をしっかり行うこと。いびつになったら、形状がひどくなるのをとどめる対策をとることが大切です。

ただ、親が気にしすぎるのは子どもにとってもよくないです。

遺伝要素もあるので、ある程度は仕方がありませんし、頭の形が多少いびつでも日常生活にはなんの支障もありません。

周囲にいろいろ指摘されるかもしれませんが、あまり気にしないのが一番です。