いつから始める?
私たち親世代が子供の頃、習い事と言えば小学校の時にピアノや習字に通ったりサッカーや野球のクラブチームに所属したりする子が多かったですね。
「幼稚園から英会話を始めた」などと言うと「教育ママなのね!」なんて言われていました。しかし、今の状況は一変しています。
ある調査によると子供の習い事開始時期として一番多いのは3歳で、全体の20%を占めています。入園をきっかけに習い事を、と考える親御さんが多いようです。
また、0~2歳の間に何らかの習い事を始めたと言う方も30%以上にのぼっており、今や幼稚園入園前の習い事も当たり前、という具合です。
目的意識をしっかりもって!
このような数字を目にすると、「え!みんなそんなに早くから始めているの!?それならうちも・・」と焦ってしまいますよね。
でも、ちょっと待ってください。習い事によっては早くに始めた方が良いものもありますが、必ずしもそうでないものもあります。
一般的に語学系や音楽系など感覚が大切にされるものは小さいうちに始めた方が良いとされています。絶対音感を育てる、バイリンガルになってほしい、というのであれば3歳から7歳くらいまでに始めると良いようです。
また、サッカーや水泳なども水やボールに早めに慣れておいたほうが良いと言われます。
しかし、これらはすべて将来的にプロを目指すような場合です。「楽しんでやってほしい」「体力をつけたい」「お友達を作りたい」など習い事に求めるものは人によって違います。
習い事を通してどんなことを身に付けたいか、目的意識をもちましょう。「みんなやっているから・・」ではなく、子供の個性と相談しながら、焦ることなく習い事の開始時期を決めていきましょう。
何から始める?
さてそろそろ何か習い事を始めようかな、と思い立ったとき「何から始めたいいの?」と迷ってしまいますね。
今はスポーツ、語学、音楽、ダンス、勉強などいろいろな種類があり、またそれらの要素を併せ持った新しいものも出てきています。
まずは年齢別の人気習い事をご紹介しましょう。
年齢別人気の習い事ベスト5
0~2歳
- ベビースイミング
- 英語
- リトミック
- 幼児教室
- ベビーマッサージ
2歳くらいまではまだ一人通うのは難しいので親子で一緒に通うものがほとんどです。水泳は「水を怖がらないうちに」という理由から、また英語も「耳の能力が優れている時期だから」ということで人気の習い事です。
ただ、やはりまだ体調を崩すことが多く、また「イヤイヤ期」と重なるなど集中してレッスンを受けるのが難しいのもこの時期の特徴です。
技術を習得すると言うよりは「親子のスキンシップをはかる」「近所のお友達とかかわる」「ママ友を作る」といった理由から、交流の場として習い事を始める方が多いようです。
実際に、「家だとなかなか向き合えないけど一緒に幼児教室に行くとしっかり遊んであげられる」「一緒に水の中に入ることでしっかりスキンシップがとれるようになった」といった声がよく聞かれます。
3~6歳
- スイミング・水泳
- 体操教室
- 英会話
- 学習塾(公文、そろばんなど)
- ピアノ
入園して集団生活を送るようになると習い事でも先生の話を聞けるようになったり、みんなで同じことができるようになりますね。
「小学校に入ってから苦労しないように」という視点が加わって水泳や体操など体育に役立つ実技が人気です。また学習習慣をつけてほしい、と塾に通い始める子もいます。
子供から「○○君がサッカーやってるから僕も!」などと言ってくることもあります。預かり保育時間中に英会話や体操を取り入れる幼稚園も多く、バラエティに富んできます。
小学生
- 水泳
- 体操
- 英会話
- ピアノ
- 学習塾
夏季に行われる短期教室や市営の水泳教室、またプロを養成するようなスイミングスクールなど何らかの形で水泳を習う子が圧倒的に多いようです。幼稚園で始めた習い事も継続して人気です。
また、オリンピック開催や日本人選手の活躍と言ったことが話題になると関連したスポーツの人気が高まります。
フィギュアスケートやテニス、また空手なども最近人気が急上昇してキャンセル待ちの教室も多くなっています。高学年になると学習塾の割合が高くなります。
子供が楽しむことが第一!
いくつか習い事を紹介してきましたが、どれを始めたら良いか迷ってしまいますね。あれもこれも・・と思ってしまいますが、まず大切なのは「子供が楽しいことから始める」ことです。
苦手分野を育ててあげたい、という気持ちもあると思いますが特に小さいうちは好きな事、楽しいことでないと子供は興味を持ちませんし、当然上達もしません。
逆に楽しいと感じれば大人ではまねできない程の集中力を発揮します。
絵を描いていると熱中して時間を忘れる、テレビの幼児番組で覚えた歌をずっと歌っている、お風呂に入ると湯船で楽しそうに遊ぶ、など子供が楽しんでいることを見つけて、それに合った習い事をまずは始めてみるといいですね。
長続きする秘訣は?
いったん始めた習い事、できれば楽しく通い続けたいですね。そのためにまずできるのは始めた後の生活をきちんとイメージし、どこかに無理がないか考えることです。
スケジュールに無理はない?
どんなに楽しい習い事でも、体が疲れてしまっていたり眠かったりすると子供は楽しめませんね。
ちょうどお昼寝の時間とぶつかっていたり、他の習い事と掛け持ちになってしまうといつも機嫌が悪いまま終わってしまうということになります。
また、習い事で疲れてしまって幼稚園や学校を休むようになっては本末転倒です。子供の体力に見合ったスケジュール管理をしてあげましょう。
また、共働きの家庭では平日に送迎が必要な習い事をするのは難しいですね。最近は土日にもレッスン日を設けている教室も多くなっています。
子供の体力に余裕があれば参加すると子供も楽しいですし、親も同じ地域のお母さんたちと情報交換する場になるでしょう。
経済的に無理はない?
習い事のほとんどは月々いくらの月謝制ですが入会時に教材や体操着の購入など初期費用が多くかかることがあります。
またピアノやダンスなど発表会がある場合は別途出演料や衣装代がその都度かかってきます。
年間ベースでどのくらいの出費があるのか、家計に無理は生じないか、ということをしっかり計画しましょう。
親の負担に無理はない?
子供が楽しめるかどうかももちろん大切ですがそれをサポートする親側の負担が大きすぎるのもやはり問題です。送り迎えだけでも毎週となればきちんと考えなければいけません。
小さい弟妹がいたり、教室が遠いと雨の日は大変ですね。習い事が始まってからの生活をきちんとイメージして無理のないようにすることが長く継続する最初の一歩です。
教室の選び方
習い事が決まったら次は教室選びです。地域にもよりますが一つのジャンルを教える教室がいくつかある場合は子供に合った教室を選ぶことが大事です。
百聞は一見にしかず!まずは見学から
子供の習い事では体験教室や見学の日を設けていることが多いので参加してみましょう!
実際に目で見て雰囲気を感じることが何よりです。生徒さんたちが集中してレッスンに参加しているか、先生が一人一人に目を配ってくれているか、雰囲気が活き活きとしているか、など百聞は一見にしかず、です。
また自分の子供がレッスン内容に興味を示しているか様子を観察しましょう。
先生の人柄も大切です。子供を受け入れてくれる優しい方が良いですが、きちんとした技量を持っていることも必須ですね。体験や見学のあと先生と話す機会を作ってレッスンの方針などをうかがえるといいですね。
習い事を始めたら
教室も決まり、習い事がスタート!はじめのうちは新鮮な気持ちで楽しんで通ってくれることでしょう。
しかし、どんなことにも山あり谷あり。時にはスランプに陥ってしまうこともあるでしょう。楽しく通い、できれば上達してもらうためにどんなことに注意すれば良いでしょう?
「教室に行ってるから大丈夫」はダメ!
教育の基本は家庭から、と言いますが習い事もそれは同じです。「教室に通っているから安心」と任せきりにしてしまっては、上達は難しいでしょう。
家庭練習が前提のピアノなどの楽器はもちろん、どんな習い事も家庭でのフォローが不可欠です。
一緒に復習をしよう!
習い事で学んだことは家庭で復習すると良いですね。「今日はどんなことを習ったの?」「先生になって教えてくれない?」などと声をかけると子供は張り切って教えてくれるはずです。
水泳やサッカーなど休みの日に親子で楽しんでみると子供のモチベーションも上がります。一人でやらせるのではなく、家族と一緒に復習することで吸収率がグンとアップします。
ほめてあげよう!
幼稚園や学校に行きながら習い事に通うのは大変です。
時には思うように上達しなかったり、「後から入った○○ちゃんはこんなに進んだのにうちの子はまだ・・」と他の子と比較して「もっとちゃんとやって!」などと思ってしまう事もあるかもしれませんが、子供は精一杯頑張っています。
「お疲れ様」「頑張ったね」「上手になったね」とたくさんほめてあげましょう。
辞めたいと言われたら
習い事をしていると必ずぶつかる壁と言ってもいいでしょう。「体操辞めたい・・・」「もう英語行きたくない・・・」と子供に言われたらどうしたら良いでしょう?
無理に行かせるのもかわいそうだし、でも簡単にやめるのもよくないし・・と迷います。
子供が辞めたいと言い出したらまずはしっかり向き合い、親子でその原因を考えましょう。原因を取り除くことでまた楽しく通えるようになるかもしれません。
原因①スケジュールが合わない!
習い事を開始する際、時間的に余裕がもてるようにきちんと考えたはずですね。
しかし子供が成長し環境が変わるにつれ、生活リズムも変わるので今のままでは習い事に通うのがスケジュール的に厳しい、という場合があります。
時間割が変わって、学校から帰って休む時間もなく習い事が始まってしまう、終わる時間が遅くて次の日起きられない、週の真ん中で習い事があり週末までに疲れてしまう・・など理由は様々です。
こういった場合は別の時間帯を選んだり教室を変えたりすることで習い事自体は継続することができますね。
また、入園したばかりの時期は疲れがたまりやすいので、一度休会して幼稚園に慣れてきたら再開する、という人も多いです。
原因その②先生と合わない!
教室によっては学年やクラスが変わると指導する先生が変わることもよくあります。大人から見ると良い先生であったり、評判の良い先生であっても、そこは人間同士なので自分の子供との相性が悪い場合があります。
教室では先生がルールであり絶対的な存在なので、先生と合わないと子供が感じれば習い事に行きたくなくなるのも無理はありません。クラスや曜日、また教室を変えることでまた楽しく通えるようならその方が良いでしょう。
原因その③お友達と合わない!
集団でレッスンを行う形態が多いため、そこにいるお友達と合わないため教室に行きたくない、ということもあります。
叩いてくる子がいる、レッスンの邪魔をする子がいる、などいろいろなケースがあります。まずは先生や教室を運営する会社に相談し、注意してもらうなど改善できるのであればお願いしましょう。
曜日やクラスを変えてもらえるならそれでも良いですね。習い事は上達するが大切な要素なので、きちんと対応していただけるでしょう。
ここがヤメ時!
上記のような理由であれば、「嫌なこと」を取り除くことでまた通えるようになります。しかし、時には本当にその習い事自体が嫌になってしまう場合もあります。
大人でも、楽しそうだと思って希望を抱いて始めたことが結果として自分に合わずやめてしまう事はありますよね。子供も同じです。
特に、小さいときにやりたいと思ったことでも、小学生になって個性がはっきりしてくるにつれ「やっぱり違った」と言う気持ちになるのは無理のないことでしょう。
ボール遊びは好きでサッカーを始めたけれどゴールを奪い合う猛々しさが苦手だったり、踊るのは好きだけど大勢の人に見られるのは嫌だったり。
それを無理に続けてもあまり良いことはありません。「嫌だな」と思いながらやっても上達しませんし、親のほうもせっかく習っているのに、とイライラします。
かえってその種目を嫌いになったり苦手意識がうまれてしまったりし、「辞めさせてくれなかった」という思いも残ります。
辞めると言うのは、始めるよりよほど勇気がいることです。しかしそれは子供も同じです。多少なりとも後ろめたさは感じています。ですから決して辞めることを責めず、「これまで良く頑張った」とほめてあげましょう。
習い事は、ごく一部をのぞいて必ずいつか辞めることになります。しかし通ったことは決して無駄にはなりません。続けるメリットよりデメリットの方が大きいと思ったら思い切って辞めましょう。
まとめ
ここまで、習い事を探すところから辞めるまでの流れをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
プロを目指すため、学校の授業で苦労しないため、など様々な理由で習い事をすると思いますが、一番大切なことは「子供が人生を豊かに過ごすこと」です。
大人になってストレスが溜まった時など息抜きにピアノを弾いたり、学校以外の場で野球友達と過ごすことで気分転換になったり、ダンスは辞めたけれど、ステージを見に行くのが親子共通の趣味になったり。
プロにならなくても習い事は人生に付加価値と自信を与えてくれます。基本は「子供が楽しむこと」。そして「家族が一緒にサポートすること」。
皆さんのお子さんが大好きな習い事と出会えますように、と願ってやみません!