最近話題の「マダニ」は死に至るケースもあるので、お子さんをお持ちの方は、何かと心配が増えると思います。ましてや、野外に多く見られるマダニは果てしなく生息し、駆除がお手上げ状態だと言えます。
しかし、子供はお外が大好き!「虫好き」のお子さんは森林や草地で遊ぶのが最高に楽しいことでもありますよね。
野外でマダニのいない環境を探して遊ばせるというのは、不可能に近いことだと思います。そこで「マダニ対策」を徹底調査してみました。
マダニとは
食品などに発生するコナダニや家庭内に発生するチリダニとは、種類が違います。8本脚からなる節足動物で外皮は固く、吸血前は3~4mmでダニの中では比較的大きめです。
吸血すると、1~2㎝ほどの大きさに膨れ上がるようです。血液を栄養源とし、吸血の際に原虫や細菌やウイルスなどの、さまざまな病原体を媒介します。
マダニの生息地とシーズン
主に森林や草地などの屋外に生息していて、日本全国に分布しています。しかし、森林に多いといえども、都市部の公園や河川敷にも生息しています。ときとして、住居内で発見したという情報もあるようです。
気が付かないうちに、マダニに刺されていることもあるというので驚きますよね。また、イヌ・ネコ・キツネ・イタチ等もマダニの吸血源になるので、ペットを飼育している家庭では注意が必要になってくると思います。
活動する時期は、4月中旬~11月下旬ですが、地方によって異なりもあるようです。5度以下だとほとんど動かないマダニは、15度以上で動きが活発になり、とくに5月の中旬~夏場に多いようです。
バーベキューやハイキングなどのレジャー時には要注意ですね。
マダニが媒介する感染症
症状
マダニに噛まれると、マダニが持っている細菌やウイルスによってさまざまな感染症が引き起こされます。
近頃テレビでもよく出てくるのが「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)というものです。SFTSというウイルスを持ってるマダニに噛まれることで起こる感染症です。
マダニ噛まれると6日~2週間程度の潜伏期間を経て、原因不明の発熱や消化器症状(食欲低下、下痢、嘔吐、腹痛)が現われるようです。
時に、頭痛や筋肉痛、神経症状(意識障害や昏睡)など、重症化すると死に至るケースもあることが分かっています。ただし、噛まれたからと言って、全員がSFTSになるわけではないので安心してくださいね。
感染患者の血液・体液・排泄物との接触感染も避けるように指示されています。
治療法
現在、特別な治療方法は見つかっていないようです。また有効なワクチンもないとのことで、ちょっと残念ですよね。
お年寄りの患者さんが多いようなので、免疫力の弱いことが原因の1つだと思います。子供にも免疫力を高めてもらえるよう、バランスの取れた食事や適度な運動を取り入れるのも良さそうですね。
マダニに噛まれてしまったかも?
子供の体をチェックする
マダニは、身体にとりついてすぐに噛むのではありません。体の柔らかい部分を探してから、噛む習性があるようです。マダニに噛まれたとしても、痛みも痒みも感じない子供が多いようです。これでは、なかなか気付かないですよね。
「ゴマのような小さなものがマダニだった」というお話を耳にしたことがあります。帰宅して着替える際は、洋服に付着していないか確認してみてください。
また入浴の際に、子供の身体をよく洗い流し、マダニに噛まれていないかじっくり確認してください。この確認するという作業が、最も重要だと思います。髪の毛の部分も見てあげてくださいね。
マダニに噛まれていた
マダニに噛まれていることに気が付いたら、まずは慌てないでください。医師に診てもらい慎重に除去してもらう必要があります。
噛みつかれた状況で、マダニを無理に潰したり引っ張ったりすると、マダニの口器がちぎれて皮膚内に残って化膿してしまうことがあります。また、病原菌から細菌が拡散する可能性もあります。
小さなお子さんの場合、とくに心配してしまいますよね。あまりの焦りに、ネットで調べて「殺虫剤を綿棒につけてマダニに塗る」「ワセリンで覆ってマダニを窒息させる」などの自己処理をするママもいるかもしれません。
しかし、救急や皮膚科に電話をするということを最優先にしてください。指示を受けてから受診することが安全に繋がります。
何科を受診する?
皮膚を除去することになりますので、一般的には皮膚科ですが、外科でも大丈夫だと思います。医師に診てもらう際は「いつ・どこで・どのようにして」刺されたのか説明しましょう。
また、皮膚ごとの切除でなく、アルコールをたっぷり含ませた脱脂綿をつけてマダニを取るという処置をする病院もあるようです。処置する方法は、症状や医師によって違ってくると思います。
いずれも感染症を起こさないためにも、抗生物質などを処方してくれますので安心できると思います。
マダニから身を守る対策方法
服装
最も重要なことは、マダニに噛まれないようにするということです。レジャー目的で森林などへ行く際には、とにかく皮膚の露出を避けてください。
そして、必ず長袖・長ズボンの着用を心掛けてください。さらに、ズボンやシャツの裾を入れ込んでマダニの侵入を塞ぎます。靴下と長靴を履くのもいいかもしれません。ちょっと暑いですが、軍手もおススメします。
虫よけ剤の使用
マダニをよせつけないためには、肌の露出部分や洋服の上から「DEET」(ディート)などの有効成分が含まれた虫除け剤の使用が有効です。ただし、お子さんもそうですが、目・口・耳・傷がある部位の使用は控えましょう。
メーカによっては乳幼児、小児の使用は控えるように推奨している場合もあります。必ず、説明書に目を通してくださいね。うちの子供も、虫大好きです。使用上の注意を守って、虫よけスプレーを使用しています。
現在では、ローズやハーブなどのいい香りがするタイプのものなど、たくさんの種類が出回っています。ドラッグストアで探してみるのもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?少しでも参考になれば幸いです。
特別な治療がないので、できる限り予防することが重要だと思います。もし、お子さんが噛まれてしまっても、焦らないで対応することを心掛けてみてくださいね。
知識があれば大丈夫です。お子さんをマダニから守りましょう!