我が子が8ヶ月の頃、川崎病で入院しました。川崎病で入院すると一体どういう治療をされるのか、入院中の治療やかかる費用、退院後についてお話します。
我が子が川崎病で入院した経緯
生後8ヶ月のクリスマス時期でした。地域のこどもクリスマス会に参加して帰宅した後発熱、数日間高熱が続き、最初の病院では突発性発疹かもという診断でした。が、三日後の真夜中に嘔吐を繰り返し水分を受け付けなくなってしまったので、夜間救急に行きました。
そこで初めて川崎病かもしれないと言われ、翌日は川崎病と診断、即入院となりました。
川崎病の治療方法は?治療薬はなにを使う?
川崎病は全身の血液が炎症してしまう病気です。
その原因はまだわかっていませんが、川崎病と診断されたら一刻も早く炎症を抑えることがとても大事になっていきます。というのも血液が炎症を起こし、そのままにしておくと合併症により心臓の壁に瘤ができてしまう「冠動脈瘤」がでてきしまう恐れがあるからです。
これは治療が遅れると後遺症が残ることがあります。治療の最大の目的はこの「冠動脈瘤」を生じさせないことです。ですので、川崎病と診断されると即入院となり、すぐに投薬開始となります。
免疫グロブリンで治療する
免疫グロブリン療法、別名ガンマグロブリン療法とも言われています。これは炎症を抑える働きをします。
この免疫グロブリンというのは血液の中からグロブリンという成分をとりだしたもので、過剰な免疫応答を抑制する血液製剤です。血液製剤と聞くとちょっと不安になるかもしれませんが、現段階ではこの治療が最も血液の炎症を抑えて、かつ冠動脈瘤ができるのを防ぐ効果がある治療法となります。
もう一つの療法であるアスピリン療法だけで治療するよりも高い効果が得られているため、9割の川崎病患者がこの治療を受けています。
免疫グロブリン療法の効果は?
この治療を開始すると多くの患者は解熱するとのことで、我が子も入院後すぐにこの免疫グロブリン療法を開始し、翌日には数日間続いていた高熱がようやく下がりました。
具体的にどんな感じかというと、手に点滴の針を指し、そこから少しずつ身体の中に製剤を投与していきます。大量の免疫グロブリンを投与するので、包帯で針を固定して数日間絶え間なく投与され続けていました。
まだ8ヶ月だったので点滴の針が気になるものの、それほど取りたがりはしませんでしたが、もう少し大きかったらきっと針が気になって取りたくて大変だったに違いないと思います。
免疫グロブリン療法の副作用は?
免疫グロブリン療法の副作用には以下のようなものがあげられます。
- 発熱
- 発疹
- じんま疹
- かゆみ
- 局所のむくみ
- 吐き気
- 嘔吐
- さむけ・ふるえ
- 肝機能障害
稀にアナフィラキシーショックを起こす場合があります。投与開始後1時間以内にでることがあるので、その場合はいったん療法を中止、あるいは点滴の間隔を調節します。
さらに極稀にですが、無菌性髄膜炎や急性腎不全、血小板減少症などが起きるケースもありますので、投与してから子供の様子がなにかおかしいなと思ったらすぐに担当医や看護師に伝えましょう。
私も最初その説明を受けていたので、入院一日目はずっと我が子の様子を見ながら早く熱が下がりますようにと祈っていました。
アスピリン療法の副作用としては、肝機能障害、消化器官潰瘍などがあります。こちらもよく子供の様子を観察することが大事ですね。お腹を痛がっていたり嘔吐がみられるようならすぐに担当医や看護師に伝えましょう。
アスピリン療法
免疫グロブリン療法と並行して、あるいは症状が軽い場合にはこれ単独だけで治療が行われます。
アスピリンは血液を固まりにくくし、血栓を予防し、炎症を抑える働きをします。また解熱作用もあるので急性期の症状緩和にも期待できます。
川崎病の入院日数・治療期間は何日間くらい?
我が子の場合は約10日間入院しました。最初からずっと点滴を入れていましたが、最後の方はそれもとれて、最後にきちんと心エコー(心臓超音波検査)で心臓をチェックしてからの退院となりました。
調べてみると入院期間は早い子だと1週間ほどで退院できるケースが多いですね。ですが、熱が一旦下がったもののまた熱が上がってしまった場合などは、もう少し期間がのびます。また、冠動脈瘤ができてしまった場合は、約2,3週間治療のため入院します。
我が子は熱が再び上がったというケースではなかったのですが、月齢が小さかったからなのか、少し時間がかかったかなという印象でした。
川崎病の治療費はどれくらいかかった?健康保険の適用で大丈夫?
乳幼児医療費助成制度というものがあり、とても助かりました。川崎病で入院した場合の一般的な治療項目のみで、他になにか特別な治療をした訳でなかったので、自己負担額は数万円で収まりました。
また、本当は個室で入院したかったのですが、上の子がいて24時間付き添いが難しかったのと、当時個室が空いていなかったので、他の川崎病のお子さんと同じ部屋での入院でした。が、後々考えるとそれも差額ベット代等がかからずに済んだので、よかったです。
もし入院費に不安があるようならお住いの地域の乳幼児医療費助成制度を確認・問い合わせてみてください。
注意
なお、冠動脈瘤ができてしまった場合、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象(慢性心疾患)となり助成が受けられますので、そこも含めて担当医に確認してみることをおすすめします。
冠動脈瘤がなく退院となった場合はこの助成はでません。乳幼児医療費助成制度のみとなりますのでご注意ください。
退院後はどうなる?完治までは?その後の検診のこと
退院後しばらくは外出禁止でした。人混みにでるのはやめて自宅で安静にしてくださいと言われました。
もう少し大きな子になると運動制限があったりするそうですが、我が子は8ヶ月だったので運動制限というよりは、大勢の人と会ったり元気に動き回ったりするのを控えて安静にしましょうという感じでした。ちょうど年末からお正月にかけての時期だったので、親戚等にもその旨を伝え、この年は自宅で過ごしました。
あわせて、飲み薬をしばらくは服用し、約1ヶ月後に診察のために再び病院にいきました。そこで大丈夫だったので、数ヶ月後、そしてその先は半年に一回、そして一年に一回の検診を5年間続けましょうと言われました。
心エコーで心臓に問題がないかどうかをチェックする定期的な検診は必要です。我が子は特に冠動脈瘤はありませんでしたが、それでも定期的な検診は大事ですと担当医から言われました。
川崎病急性期カードについて
川崎病は発見されてまだ50年と新しい病気でまだ原因不明の病気です。ですので、こどもが他の病気にかかった時に川崎病にかかっていたという情報が大事な場合もあります。
この川崎病急性期カードには治療を受けた時の医療情報が記載されていますので、母子手帳などと一緒に保管・携帯しておくといいでしょう。そして、なにかの時にはすぐに提示できるといいですね。退院時に担当医からもらうこともありますし、なにも言われなければ聞いてみるといいでしょう。
参考までに以下に日本川崎病学会が出しているPDFのリンクを紹介します。
まとめ
川崎病は早めに発見できて適切な治療を早く受けることができれば、大体は1週間〜1ヶ月弱で退院することができます。また、かかる治療費や入院費も特別ななにかがない限り、乳幼児医療費助成制度などを利用することで大変な金額になるということはないでしょう。
そして、退院後は定期的な検診を受けることが大事です。入院期間中や退院後に少しでも不安なことがあれば、その都度担当医や看護師に質問してくださいね。
お子さんが一日でも早く退院し元気になられますように。