自分のこどもが川崎病になると、なにが原因でかかってしまったのだろうかとママやパパはあれこれ考えてしまうものです。できれば原因を突き止めて、二度とかからないように予防したいと思うもの。

川崎病は一体なにが原因でかかってしまうのでしょうか。

ここでは川崎病について、その原因は一体なんであるのか、感染経路や予防接種のワクチンを受ける時の注意点、我が家も下の子がかかった時の話などについてお話します。

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子供に多い川崎病とはどんな病気?

川崎病は主に4歳以下のこどもがなる病気で特に1歳前後の乳児に多い病気です。

男の子の方が女の子よりやや多くかかる傾向があり、欧米よりもアジア諸国に多くみられます。全身の血管炎症をおこすため、発疹、発熱、冠動脈に異常をきたすなど様々な症状をひきおこします。

正式名称は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群ですが、1967年に川崎富作博士が発見したことから、その名前をとって名付けられたのが川崎病です。川崎公害とは無関係です。

かかった子の数%が再発していることがわかっています。また、伝染病ではないのですが、1,2%の確率で兄弟姉妹でかかることがあります。

治療が遅れて炎症で心臓の壁にこぶができたために死亡してしまう率は0.05%と、極端に恐れる病気ではありませんが、決して身体を休めていれば治るという病気ではありません。早期発見と適切な治療が必要となる病気です。

川崎病の原因ではないかと言われているもの・感染経路は?

発見から50年、まだまだ新しい病気のため、原因不明の病気とされています。ですが、原因はこれなのではないか?という推測や研究はなされています。

下にその原因ではないかと言われているものを挙げます。

ストレス

ストレスが原因であるという説はほとんど見当たりません。川崎病の原因はストレスではないといえるでしょう。

合成洗剤

合成洗剤が普及しだした1961年以降川崎病が全国的に問題になりました。合成洗剤が世にでてくる前は川崎病は1例もなかったことから、これが原因なのではないかという論文もでてきました。

ただ、合成洗剤を一切使っていない(石鹸のみ使用)家庭のこどもも川崎病にかかっていることから、これが原因であるとは言い難いのが現状です。

我が家の下の子も8ヶ月の時に川崎病になりました。当時洗濯機の側に衣類用洗濯洗剤を床に直置きにしていたため、ちょうどハイハイで動き回っていた下の子がそのボトルを持ち上げて、キャップをなめたりしたのが原因か?とも思いました。

それから一時期は衣類用洗濯洗剤を粉石鹸に変えたりしましたが、結局私も調べていくうちにこれだけが原因かどうかはわからないなと思い、(床に直置きはやめましたが)またもとの洗剤に戻した経緯があります。

犬や猫などのペット

飼っているペットが原因でアレルギーとなり川崎病を引き起こしたということは原因として考えにくいです。ペットを飼っていようが飼っていまいが、川崎病になることはあります。我が家はペットは飼っていませんでしたし、当時、近所で犬や猫を飼っている家はありませんでした。

カンジダ

川崎病は年々増加しており(※1)数年に1度大流行することから、その年の気流を調べると空気中に多く含まれるカンジタという菌が大陸から運ばれてきたのではという研究が進められています。ただこれも川崎病とカンジタ、気流の因果関係は明らかにされていません。

ダニ

厚生省の川崎病研究班というチームが農薬、水銀中毒、抗生物質、溶連菌、リケッチア、カンジダ、ウイルス、サンギス菌、ダニが原因かもしれないという研究をしましたが、いずれも可能性があるというだけで、原因と特定されているわけではありません。

溶連菌

溶連菌は以下の症状があげられます。

  • 発熱
  • 発疹
  • いちご舌
  • 落ち着いてくると手足の皮が剥ける
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 喉の腫れ

それに対して川崎病の症状は以下の6つのうち5つが当てはまると川崎病と診断されます。

  • 発熱
  • 発疹
  • 唇の腫れ・出血、いちご舌
  • 手足の腫れ(その後手足の皮が剥ける)
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 目の充血

これだけ症状が似ていると、川崎病という診断がくだされるまでに、溶連菌の検査もして陽性だったが、実は川崎病だったということもあるくらい、小児科の医師でも溶連菌と川崎病の区別をつけるのが難しいことがわかります。

川崎病の原因が溶連菌かもしれないという説は古くから言われていましたが、最近になって溶連菌そのものよりも溶連菌がだす毒素が原因ではないかという発表もあります。ですが、これが有力であるという確証までには至っていません。

遺伝

川崎病は感染する病気ではありませんが、兄弟姉妹でかかる率が1,2%というデータがあります。これからもわかるように遺伝が関係しているのではないかという説があります。

遺伝は親からの情報です。親がかかりやすい体質だと子も、その子の兄弟姉妹もかかりやすいのではないかという研究がなされています。また、川崎病は欧米にはほとんどみられず、日本人に多い遺伝子多型が関与している可能性があるという研究もあります。

共同研究グループは、以前実施したゲノムワイド連鎖解析において川崎病との連鎖の傾向がみられた12番染色体にある「ORAI1遺伝子」に着目し、日本人の川崎病患者729人、非患者1,315人を対象にSNPを用いた関連解析を実施しました。次に関連が認められたSNPについて、上記とは別の患者1,813人、非患者1,097人で検証を行いました。その結果、ORAI1タンパク質を構成するアミノ酸の配列の変化に関わるSNPが川崎病と関連することが分かりました。このSNPのリスク型[6]の頻度は人種によって大きく異なり、最も頻度が高いのは日本人でした。共同研究グループはさらに解析を進め、ORAI1タンパク質のアミノ末端[7]付近にある「まれな遺伝子多型(レアバリアント)」も川崎病と強く関連することを確認しました。

これによりますと、日本人の遺伝子のある部分が川崎病と強く関連しているということがわかります。

感染経路は?

川崎病は原因不明の病気ですので、未だ感染する病気なのかどうかわかっていません。

ただ、日本川崎病学会病因検討小委員会の研究発表によると、マイコプラズマや黄色ブドウ球菌などの細菌に感染した後に川崎病にかかるという事例が報告されていることから、細菌が川崎病の一部に関わっているという可能性が高いということがわかってきました。

ただ、それが川崎病の全てを説明するということは現段階では難しいということでした。

我が子も8ヶ月で川崎病に!同時期にご近所さんも川崎病で入院していた・・・

下の子が8ヶ月の頃川崎病にかかました。同じ時期にちょっと先の近所のお子さんも川崎病にかかって入院していたことが後になってわかりました。

お互いに数ヶ月後に道で会って話をし、川崎病で入院していた時期が全く同じだったことがわかりました。こんな偶然ってあるんだねとびっくりし、その後帰宅してから、もしかして近くに工場があるから?住んでいる地域のせい?など、色々原因を自分で突き止めようとしましたが、結局頭の中でぐるぐる考えるだけでした。

たまたま偶然だったと思いますが、当時は気候のせいにしてみたり、ちょうどクリスマス時期だったので、外出先の人混みのせいにしたりと随分悩んだのを覚えています。

ワクチンを受けるときの注意点

予防接種を受ける時に「予防接種予診票」を記入しますね。その時「6ヶ月以内に輸血あるいはガンマグロブリンの接種をしましたか」という項目があることをご存知でしょうか?

川崎病の治療で使われるガンマグロブリン製剤に含まれる抗体が、生ワクチンの免疫を妨ぐ可能性があるため、麻疹,風疹,水痘.おたふくかぜのワクチンを接種する時は注意が必要です。

厚生労働省の予防接種ガイドラインより

接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は,本罪の効果が得られないおそれがあるので,3カ月以上過ぎるまで接種を延期すること。また,ガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は,本剤の効果等の治療において200mg/kg以上投与を受けた者は,6カ月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11カ月以上)過ぎるまで接種を延期すること。

まとめ

原因不明の病気ではありますが、治療法が確立されていますので早期発見と適切な治療をもってしっかりと治していきたいですね。

極端に恐れることなく、かといって見過ごして後々後悔することのないよう、少しでも疑問や質問があれば医師や看護師にその都度聞いていきましょう。また、退院後の経過観察も大事ですので、定期的な検査は必ず受けるようにしていきましょう。