いじめというのは、どこにでも起こり得る問題ですよね。そして、我が子には起こってほしくない問題ですが、悲しいことに幼稚園でも、いじめ問題というのは起こりやすいものです。
そこで、どんなタイプの子供がいじめられやすいのか?幼稚園のいじめってどうして起こるのか、解決策は?といったことについて説明します。
いじめはなぜ、幼稚園でも起こる?
幼稚園生と言えば、まだまだ小さいですから、「いじめ」と言われてもあまりピンとこない人もいるかと思います。
ですが、集団生活の中で起こりやすいいじめは、幼稚園児の間でも起こります。あんなに小さい子たちなのに、どうしてなのでしょうか。
小さいからこそ起こる
いじめと言うと、何かこう、陰湿なイメージがありますが、それは子供同士がある程度大きくなっていて、いかにして相手をより傷つけられるか、ということにまで考えが及ぶために、陰湿になります。
大人の世界でもいじめはありますよね。ところが、幼稚園生のいじめというのは少し様子が違うようで、幼稚園で起こるいじめ問題と言うのは、もっとダイレクトなものばかりです。陰湿ではないんですね。
なぜかと言うと、まだ精神的にもとても幼いので、誰かに意地悪をしようと思ったら、あからさまにやる場合が多いのです。そして、ハッキリものを言うタイプの子は、相手が嫌だと思っていることに気が付かずに嫌なことを言う場合もありますよね。
つまり、まだまだ精神的に幼く、小さい子同士だからこそ起こりやすく、そして陰湿なものはあまりない、という特徴があります。
幼稚園でいじめられやすい子のタイプは?
幼稚園のような、常に先生や保育者が周りにいる中でもいじめられやすい子供のタイプは、状況によって違いますが、いくつか挙げられます。
- 大人しい、・活発ではない
- おっとりしている
- 活発で、すぐに手を出す
- なんでもよくしゃべる
- 自慢話ばかりする
- 他の子よりも精神的に幼い
これらのタイプのうち、全く正反対のタイプが混じっているのですが、その理由について説明していきます。
大人しくて活発ではない、おっとりさん(優しいタイプ)
最初に、誰もが思いつくであろうタイプの子供についてですが、とても大人しくて活発ではなく、おっとりしている子供というのは、活発な子供にいじめられやすいです。
おっとりさんな子は、周りのお友達の言うことを、楽しく「うん、うん」と聞いてしまいがちなので、例えば活発な子や、いじめっ子が、その子に対してあまりやりたくないな、言われたくないな、と思うようなことを言ってきても、うまく断ったり、嫌だと言えずに、素直に従ってしまう傾向が強いです。
はっきりものを言うのが苦手な子供に多いですが、「嫌なものは嫌」と言えないタイプということですね。
こういうタイプの子供は、自己主張があまりできないので、そのせいでいじめられてしまうことが多いです。
大人しい子でも、目立たない子はいじめられない?
大人しくては活発ではなく、おっとりしていても、あまりにも目立たない子、という子供もいますよね。
1人で遊んでいる方が好きであったり、といったタイプの子が当てはまりますが、こういう、あまり目立ないタイプの子は、逆にいじめられにくいです。
と言うのも、あれこれ口を出したり手を出したりしたくなるのは、わりとそばにいる子の場合が多いのですね。ですから、あまりお友達と絡む時間がない、少ない、目立たない子はいじめられにくいです。
とは言っても、やはり自己主張が苦手な場合には、何かされた時にされっぱなし、ということになる場合もあります。
活発でよくしゃべる、すぐに手を出すタイプ
意外に思うかもしれませんが、活発でよくしゃべり、目立つしすぐに手を出すタイプであっても、いじめられることは少なくありません。
活発な子と言うのは、そもそも目立つし色んなお友達に話しかけたり、ちょっかいを出してみたり、とにかく活動範囲が広いですよね。
すると、同じようなタイプの「目立つ子」とも接触する機会や遊ぶ機会も多いですし、言い分が衝突することでいじめ行為に発展することも多いですし、相手に手を出しやすいのであればなおさら、「やられたらやり返す」タイプの子には逆にやり返されてしまいます。
こういった、とてもわかりやすいケンカやいじめに合いやすいのは活発なタイプの子供のほうが多いのかもしれません
わかりやすく言うと、「自分でいじめの原因を作ってしまいやすい」と言えますね。
自慢話が大好きな子は要注意
本人には全く悪気はないのに、周りの人が聞くと自慢にしか聞こえないような発言がとても多い子がたまにいます。こういうタイプは要注意です。
いくら幼稚園児であっても、年中さんくらいになってくれば、相手に言うとあんまりよくないかもしれない言い方や、言葉はある程度わかってくるものですし、小さいなりにオブラートに包んでお話ができる子が増える中で、一人だけ、何も悪気がなく、小さなことから大きなことまで自慢話が多いという子供は、いじめられやすいです。
そしてこういうタイプの子供の場合は、本人には全く悪気がなく、家に帰ってからいじめられたことを親御さんに言った場合に、本当は本人に理由があるのにあらぬ誤解を招きやすいので、注意が必要です。
お友達の持ち物などをよくけなす子供も同様で、こちらは悪気があるのですが結局、いじめたほうが悪いことになってしまうので注意しましょう。
いずれにしろ、幼稚園児ならではの「精神的な幼さ」がほとんどのタイプの子に当てはまる、とうことですね。これは、いじめる側も同じです。
自分の子供がもし、いじめられてしまったらどうしたらいい?
自分の子供がいじめられているようだ、と気が付いたら、すごく傷つきますし、心配になりますよね。
幼稚園の先生から連絡がくる場合もあると思いますし、子供の話から知る場合もあると思います。
まずは真実を把握すことが先決ですが、今後同じことが続かないようにするにはどうすればいいのでしょうか。自分の子供の性格に合った解決策をいくつかご紹介します。
大人しい子の場合
大人しく、自己主張の少ない子供の場合は、まずは慰めてあげること、あなたが悪いのではないということを強調したほうがいいでしょう。原因が本人にない場合がほとんどだからです。
その上で、「嫌なことを言われたりされたりしたら先生に言う」ということを教えましょう。
その場で嫌だと言えないからいじめられてしまうので、何かあったらすぐに先生や大人に言うこと、これを習慣づけるようにさせるといいですよ。
本当は、その場で「嫌だ」「やめて」と言えるのが一番なのですが、それが言えないうちは先生などに頼ってもいいということを教え、少しずつ、自己主張していけるようにサポートしてあげてください。
活発な子の場合
活発で、よくしゃべる子の場合は、親も本人から話が聞きやすいと思います。そこで、話を聞いてみて、まずは、「周りの人のこともよく考えてみること」を一緒にお話ししてみましょう。
本人にも悪かったところがあっても、なくても、子供が活発なタイプの場合にはトラブルにも合いやすいので、その予防のためにもなります。
「どうしてその子はそんなことしたのかな?」「なぜその子はそんなこと言ったのかな?」といった、「どうしてだろう」「なぜだろう」という部分を一緒に考えることで、もしかしたら自分があれをやったからかな?あれを言ったからかな?と考えさせるきっかけにもなります。
すべての子供に対して有効な解決法は、これ
いじめられるタイプにも、いじめるタイプにもいろんな子供がいますが、どちらの場合にも、解決策は基本的には「相手のことも考える」ことが大切になってきます。
いじめる側の子供だけでなく、いじめられる側の子でも、「なぜあんなことされたのだろう?」と考えることが必要になります。
そうすると、本人もいじめられる原因をなくす努力をするきっかけにもなります。
幼稚園児同士のけんかやいじめは、男女の関係がない
小学校や中学校なら、いじめられる子供は、主に同性からのことが多いですが、幼稚園児の場合には男女関係なくトラブルは起こります。まだ小さいですからね。
ですから、親としては、そこのところも頭に入れておくと、「どうして男の子のくせに女の子を泣かせるの?」「どうして女の子のくせに男の子に乱暴するの?」といった、性差による無駄な怒りを抑えることもできますよ。
まとめ
幼稚園でいじめられやすい子供のタイプや解決法についての話でしたが、いじめられるというのは、園児であっても心に大きなダメージを受けるものです。
ですから、できれば事前に防げればいいですよね。それでもトラブルが起こってしまった時は、なるべく早めに対処すことや、同じことが繰り返されないように気をつけたり、一緒に努力したりといったことが、親にできるサポートになります。
いじめまでいかないケンカ程度であれば、子供同士で成長できるいいチャンスになることもあるので、なるべくおおらかな気持ちで見守っていきたいですね。