あなたのお子さんは吃音がありますか?
我が家は下の子がもうすぐ3歳という頃、急に出てきました。日に日に吃音が酷くなっていき、「ま、ま、ま、っまままママ、だっ、だっ、…大好き!」と話す我が子を前にどうすればいいのだろうと悶々とする日々でした。
幼児期、それまでおしゃべりが上手だった子が急にある日吃音で話すようになることは一過性のものとしてありますが、吃音の初期症状でもあります。
ここでは吃音の原因と言われているものと、我が子の吃音の経験を照らし合わせながらお話します。
今、お子さんが吃音でとても心配なママ・パパにとって、少しでも参考になればと思います。
急にでてきた・・・子供のどもり(吃音) 症状は、3歳になり幼稚園に入園する頃
下の子がもうすぐ3歳になり幼稚園に入園という頃(3月生まれだったので)、私は焦っていました。おむつが外れていないなど、入園に向けての準備ができていないことに対して焦っていました。
「3月生まれだからいいかな」と少し自分自身甘えていた部分があり、入園してからでもいいかとずっと思っていたのですが、さすがに年が明け、そろそろちゃんとしなくてはと思い始めていました。
そこでオムツはずしや食事、朝の支度など「ほら、ちゃんとできるようになろうね」など普段より厳しい口調と態度で接し始めたのですが…。
ある日突然「まままままママ」「ここここここれやって」「…たっ、…たっ、…立ってできたよ」など、急に吃音しはじめたのです。
子供(幼児期)のどもり(吃音)の原因は?
吃音には大きく2種類に分けられます。獲得性吃音と発達性吃音です。
- ■獲得性吃音
- 1.主に青年期以降に発症し脳や神経の病気などが原因で起こってくる。
- 2.学校、会社、家庭でおこる心的なストレスやトラウマが要因で起こってくる
- ■発達性吃音
- 1.幼児期に発症し原因がよくわかっていない吃音
吃音の9割がこの発達性吃音であると言われていますが、原因はよくわかっていません。が、次のような要因が組み合わさったり影響したりして発症すると言われています。
1.遺伝的、体質なもので、吃音になりやすい体質をこども自身がもっている
我が家は両親そろって、緊張する場面などは若干言葉が詰まったりどもったりします。言葉を選んで話そうとすると「うっ…」と詰まってしまったり、焦って話そうとして最初の単語の1音目を繰り返し発音してしまうのです。
これが我が子の吃音が出てきたことになんらかの影響があったのかどうかわかりませんが、少なくとも現状はそうです。
2.発達的なもので、身体や言葉や感情が発達する2,3歳の頃にでてくる
2歳も過ぎて上の子の影響もあり、よくしゃべるようになってきた頃にでてきました。本人も言葉を発することが楽しい、言葉で内にある思いを伝えたいというのがわかるくらい、「急におしゃべりできるようになったね」と家族で話していた頃でした。
3.環境によるもので、家族の関係や日常生活の日々のできごと・ストレスによりでてくる
私はまさにこの環境的なものがトリガーとなって吃音になってしまったと考えています。
生活習慣などで私が厳しく接し始めた途端に吃音になってしまったのです。トイレが間に合わずに粗相してしまった時、着替えや食事など、様々なシーンで急にママが厳しい言い方や態度で注意するようになったことは、子供にとって相当なストレスであったに違いないと猛反省しました。
間違いやすい、吃音とチック症との違い
吃音は言葉や発音がメインで症状があらわれるのに対して、チック症は運動と発音や音に関してでてきます。吃音は意識のもとででてくるのに対して、チック症は無意識にでてきてしまうものです。
チック症の症状
- ■運動性チック
- 白目をむく、ギュッと目をつぶる、まばたき、首をかしげるなど
- ■音声性チック
- 同じ言葉を繰り返したり、咳払い、あーあーなどの音を出すなど
どもり(吃音)の症状
- 1.「連発、連声型」
- 冒頭にもありました「ままままママ」や「おおおおおおおはよう」など、最初の言葉を連続して発音する状態です。
- 2.「伸発型」
- 「あーーーーのね」と、最初の1音目を伸ばして発音する状態です。
- 3.「無声型、難発型」
- 「こっ…こっち」というふうに、最初の言葉の後が続かない、あるいはしばらくしてからようやく続きがでる状態です。
我が子の場合は主にこの吃音の1.と3.がありました。特に3.の最初の言葉の後が続かない時、自分の太ももを手でパチン!と叩いたり、片足でドン!と地面を踏んだりしていました。言葉がでないことへのもどかしさゆえなのか、あるいはそうすることで言葉のリズム、タイミングをとっているのかなと思いました。
現在の吃音症状は
吃音症状がではじめてから、すぐに生活習慣で厳しくしていたことを一切やめました。
また、地域のこどもセンターで臨床心理士にカウンセリングしてもらったり、上の子が面白半分で真似をするのをやめさせたり、表面上はあまり吃音症状に注目しないように(内心ではドキドキしながら注意深く見ていましたが)、話し終えるまでしっかり聞いて、かぶせて話しかけたりしないようにして過ごしました。
それから約1年くらいの間にひどかった吃音症状が少しづつ治まり、年中さんになる頃はほぼ治まってきています。
もし吃音症状が悪化してようなら早めに専門家に相談を
こどもの吃音は小学生になる頃までに約50%が自然に治ると言われていますが、心を痛めるママ・パパは多いことでしょう。現に私もそうでした。
ここであげられる原因は全て「…と考えられている」ものです。しかし、お子さんの症状が徐々に悪化しているのならば、一度、お住いの地域のこどもセンターに相談したり、一般社団法人日本言語聴覚士協会や言語聴覚士会の言語聴覚士に相談に行かれることをおすすめします。