単純に「切迫早産」という言葉を耳にすると、赤ちゃんがすでに早く産まれてきそうな状態を止めているわけだから、長い間陣痛に耐えなければならないような難産にならないのでは?と思ってしまいますよね。

実際に切迫早産で入院や安静生活を余儀なくされ、辛い思いをしている妊婦さんからするとせめて出産は楽でありたい!という願望もあり、「切迫早産だと安産だ!」という話を信じたくなりますが、実際はどうなのでしょうか?

実は私も切迫早産の末、出産したママの一人です。私のケースをご紹介します。

スポンサーリンク

私の切迫早産の重症度

妊娠27週の頃、何となく左の脇腹が痛いような気がして検診ではなく自己判断で病院を受診した際、子宮頚管が3㎝ないので自宅での絶対安静と錠剤の子宮収縮剤(ウテメリン)を8時間おき1日に3回飲むようにという指示が受けました。

しかし、帰宅していざ子宮収縮剤を飲み始めるとすぐに8時間持たずにお腹が張るようになってしまい、病院に電話すると6時間おきに1日4回飲むように増量してくださいという指示を受けました。

その日から仕事も完全に休職し、リビングに布団を敷いて1日寝たきりの生活が始まりました。洗面・トイレ・軽食の準備と飲食以外は横になっていました。お風呂も3日に1回のペースでしか入っていませんでした。

自分では安静にしていたつもりだったのですが、妊娠32週で子宮頚管が2㎝になり、強制入院となりました。

すぐにウテメリンの点滴が24時間付きっぱなしになりましたが、お腹の張りが治まらず、入院翌日に1日に投与できるウテメリンの量ギリギリになってしまいました。

それでも治まらず、ウテメリンに加えマグセントという点滴も合わせて投与することになりました。このマグセントも2日ごとに投与する量が増えていき、入院してからわずか1週間でウテメリンもマグセントも限界量ギリギリになってしまいました。

ここでなんとか正期産になる37週まで持ちこたえ、点滴を抜き退院してから2日後に出産となりました。

切迫早産の原因の数々

一般的に切迫早産の原因がはっきりとわかることは少ないようですが、それでも私には思い当たる節が多々ありました。

細ガリの体形

私はいわゆるマッチ棒のような体形をしています。身長164㎝で体重45㎏が通常値です。洋服のサイズは基本S、7号を着ていました。

妊娠時もあまり体重が増えず、プラス6キロに留まり、出産後すぐに元の体重に戻りました。病院の医師や助産師さんにも一般的にこういった体形の方は切迫早産になりやすいと言われていました。

便秘症の体質

妊娠前から下剤を使わないと解消されないほどの重症の便秘症でした。妊娠後ますますひどくなり、かなりの頻度で下剤を使用していました。

病院できちんと処方されたものを飲んでいましたが、2~3日に1回は激痛2時間ほど耐えなければ便秘を解消できずにいました。妊娠期間中、出ないか極度の下痢をずっと繰り返していたことも子宮には良くなかったのかも…と思っています。

仕事をしていたということ

仕事自体も1日中座りっぱなしの事務ではなく、物を事務所に届けたり来客を案内したりする仕事だったので動き回っていたことと、自宅から駅までの通勤に自転車を使用していたこともあると思います。

私はお腹があまり出なかったので自宅安静になる直前まで自転車に乗っていたのですが駅まで結構距離があったので、歩くよりは体に負担がかからないかな?との自己判断で乗っていました。

切迫早産の出産はこうでした!

結果は超安産!

点滴を抜いた直後から定期的な前駆陣痛に見舞われていた私ですが、退院して2日後に自宅で「なんだか生理中みたいな腹痛がきたぞ」と思っていた矢先におしるしが出ました。

この時点でこれは陣痛だ!と思ったので早々に病院に駆け込みました。そこで内診時に破水、その後3時間で無事産まれました。

子宮口が開く待ちだった

私の場合は最終的に切迫早産により退院した時点で、赤ちゃんがかなり降りてきており、子宮頚管が1㎝ちょっとしかなかったので、本当に子宮口が開けばすぐに出てくるよ!という感じでした。

病院に着いた時点では3㎝ほどしか開いていませんでしたが、助産師さんがいきみたくなったら分娩室へ行きましょう!というので、結局子宮口6㎝の状態で分娩室へ入り、その後30分で産まれました。

切迫早産は出産後が過酷だった

出産自体はスピード安産でしたが、なにせ2ヶ月半も寝たきりの状態だったので全身の筋力・体力が衰えた状態での出産に体が耐えきれず、出産の翌日は立つことすら全くできない状態でした。

切開の傷が痛いとかそういうことではなく、全身むち打ちのような症状とめまいと戦うような感覚でした。

しかし、赤ちゃんの授乳は待ってくれません。産後1日は看護師さんに赤ちゃんをお任せしましたが、翌々日からは歩いて病室外の授乳室で慣れない授乳を夜間以外は3時間おきにこなしました。

産後3日目には母子同室になり、日中仮眠すら取れなくなりました。頼れる両親がいなかったので里帰りせず、自宅に戻った私はそんな体の状態で家事と育児をこなしていたため、悪露が終わるのが遅く、産後の体調は最悪でした。

母乳が思うように出ない

よく出産前に母乳が良く出るようになるおっぱいマッサージをした方が良いと言われますが、実はその時期のおっぱいマッサージは子宮収縮を誘発するため、切迫早産だとマッサージが禁止されていました。

ただでさえ母乳が出にくい体質だった私が何もケアしないまま、授乳を始めてすぐに母乳が出るわけがありません。体調が悪かったことも加え、精神的にもかなり参ってしまいました。

絶対に安産かというとそうではない

私の場合は赤ちゃんが早めに降りてきていることと、子宮頚管が短かったこと以外に何も問題はありませんでした。

たまたま点滴がよく効いていたために、点滴を抜いたらすぐに産まれましたが、そこから予定日を超えても産まれてこない人もいると聞きました。

さらに私の赤ちゃんは割と小さめだったので、体力がない状態の私のいきみでもなんとか赤ちゃんが出てきてくれましたが、出産中に体力が持たず、緊急帝王切開になることもあると医師から言われていましたから、とてもラッキーな方だったようです。

確かに私のような切迫早産のケースは赤ちゃんが降りてくるのを待つ時間が通常より短いので、長い時間陣痛に苦しむことなく安産だったという場合が多いのかもしれません。

産後はとても辛かったのですが、産まれてしまえばかわいい我が子を励みに頑張れますから。

切迫早産だから絶対に安産だ!とは言い切れませんが、切迫早産の自分を励ますために、ここで頑張っている分きっと安産に違いない!と気持ちを奮い立たせてその期間を乗り越えていけるといいですね!