2015年1月、双子の母となった私の体験です。我が家は一卵性の双子男児を授かりました。

夫婦ともに親戚に双子はおらず、なぜ、私たちのところに双子が来たのか?と最初は不思議に思っていましたが、双子妊娠は誰にでも可能性があることだと知りました。

双子妊娠が分かってから出産までの体験を紹介します。

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妊娠中のトラブル

驚きの双子妊娠発覚

我が家にはすでに長男がいました。そろそろ、2人目欲しいねと主人と話しながら、4年が経とうとしていた頃、「もしや妊娠したかな?」と。妊娠が確定するまで病院に行かず、普段通りの日常を過ごしていました。

生理の予定日を2週過ぎた頃、微量の出血が続きました。1日経っても出血はとまらず、心配になり産婦人科に駆け込みました。すると、衝撃の診断が告げられました。

「双子を妊娠している」

「流産しかかっている」

特別な処置はなく、止血剤と胃薬が処方され1週間後に再診となりました。

診断後はショックが大きく動揺していました。自分で車を運転して一人で病院に来ていたのですが、車の中で気持ちが落ち着くまで泣いていました。

止血剤を飲み始めて少しずつ出血量は減り、1週間後の再診時には出血は止まっていました。

ネット検索すると「初期の出血」を経験している妊婦さんは案外多く、何もないケースもありますが、私はそのまま放置せずに病院に行くことをお勧めします。

妊娠16週まで、辛いつわりに苦しむ

ホッとしたのもつかの間、こんどは辛いつわりです。

双子を妊娠しているから辛いのか、男児を妊娠しているから辛いのかとネット検索しましたが、結局どちらも信憑性はなし。双子を妊娠していてもつわりがない人もいるし、つわりの程度は性別関係ないようですね。

つわりは妊娠16週目まで続きました。食欲はないので無理に栄養を取ろうとせず、飴や、ヨーグルト、アイスクリームなど食べられるものを食べていました。

料理をするのも臭いがダメだったので、主人と当時4歳の長男には市販のお弁当を用意していました。つわりでほとんど寝ている私に対し、主人も長男も優しく気遣ってくれてとてもうれしかったです。

双子の膜性、我が家はMD双胎

双子というと「一卵性?」か「二卵性?」と聞かれますが、妊娠中はそのことはあまり重要ではなく、膜性が重視されます。膜性によってリスクが全く違うからです。

膜性には、大きく分けて3つあります。

  • DD双胎・・・二絨毛膜性二羊膜(2人で2つの胎盤がある。癒合胎盤といって、見かけ上1つの胎盤になることもある)
  • MD双胎・・・一絨毛膜性二羊膜(2人で1つの胎盤を共有。別々の羊膜に包まれている)
  • MM双胎・・・一絨毛膜性一羊膜(2人で1つの胎盤を共有。同じ羊膜に包まれている)


双子妊娠では、DD双胎が一番の妊娠中のリスクが低く、MM双胎はリスクが高く厳重な管理が必要になります。なので、双子妊娠が分かったら、リスク管理をするために妊娠初期の間に膜性診断を受けます。

私は、12週のときに膜性診断を受け、MD双胎と分かりました。

実は、双子妊娠が分かって地域の総合病院から、大きな医療センターに転院したのですが、転院前の病院では「MM双胎」といわれていました。なので、転院後「MD双胎」と分かったときは正直、嬉しかったです。(医師からは「MD双胎も十分リスクが高い」と釘を刺されました)

管理入院は回避!トラブルは貧血のみ

双子妊娠中は、仕事も辞めて家で寝てばかりいました。ストレスもなく安静にしていたおかげでしょうか、妊娠の経過は順調でした。

双子妊娠では、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、早産などの発症のリスクが高くなります。

実際、私も妊婦健診のときに産院で自分の順番を待っていたら、前の診察を終えた人が緊急入院をする姿を見たことがあります。一人ではありません、3、4人見かけました。後で聞いたら、双子妊婦さんでした。


私は妊娠後期に貧血気味で鉄剤が処方されたくらいで、特に大きいトラブルはありませんでした。ただ、2人が入ったお腹はぐんぐん大きくなり、妊娠6ヶ月で長男の臨月時の腹囲を超え、妊娠後期には100cmになっていました。

とにかくお腹が重くて動くのが辛かったのと、膀胱が圧迫され頻尿に悩まされました。

1時間、2時間おきにトイレに駆け込むことも珍しくありませんでした。夜も熟睡はできません。そのせいか一日中眠たくて、昼間も最低限の家事をこなした後はずっと横になってゴロゴロしたり、お昼寝して体力を温存していました。

妊娠28週頃から経過観察のため管理入院が必要な病院もあるようですが、私が通っていた病院はトラブルがある場合のみ入院する方針でした。私はお腹の張り、出血など早産の傾向もなかったので管理入院はしませんでした。

双子の出産準備には何が必要?

双子出産準備リスト

産まれるまでに揃えておきたい双子アイテム

双子妊娠は、トラブルによる急な入院やお腹が大きくなって動きにくくなります。なので、妊娠中期に入ったら少しずつ出産準備を始めました。

まずは、出産前に双子用に揃えたもの。我が家の双子は冬産まれです。

  • 短肌着(8枚)
  • 長肌着(6枚)
  • ツーウェイオール(10枚)
  • おむつ4パック(新生児用の一番小さいサイズ)
  • おしりふき8パック
  • ミルク缶大2つ
  • ほ乳瓶4本
  • ほ乳瓶の除菌用セット
  • ベビー布団1組
  • 毛布のおくるみ2枚
  • ベビーバス
  • チャイルドシート2台
  • ベビーベッド


洋服類、ベビーバス、ベッドは全てお下がりです。

長男のもありますが、長男が通う幼稚園のママ達、親戚からたくさんお下がりをもらいました。双子だと伝えると、「洋服譲るよ」と気軽に声をかけてもらいました。洋服はどれもきれいな状態でしたが、すべて水通ししておきました。

私がお世話になった病院は、おむつ、お尻拭きは自分たちが用意しなければいけなかったので、赤ちゃんの入院用にまとめて置いてました。念のため、主人に「産まれたらこれを持ってきてね」と伝えておきました。

28週過ぎたら、自分用の入院アイテムもかばんへ

出産・入院に必要なものは病院がリストを渡してくれたので、それに添って揃えました。下着、パジャマ、スリッパ、洗面道具、割り箸、産褥パンツ、夜用生理ナプキン、帝王切開用腹巻き(病院内のコンビニで購入)、帰宅時の洋服などです。

診察があったり、産後の身体の状態を考えるとパジャマは前開きのものがお勧めです。私は母が浴衣をリメイクしてパジャマを作ってくれたので、それと併せて2枚用意しました。

また、帝王切開用腹巻きは1枚3,000円ほどかかりました。これは、購入するようにと病院からの指示でした。

緊急入院になった場合を考え、妊娠28週すぎた頃には入院セットを鞄にまとめることをおすすめします。

帝王切開か?自然分娩か? 選べた出産方法

帝王切開か?自然分娩か?

妊娠38週で予定帝王切開にて出産

双子妊娠は帝王切開になると思っていましたが、病院では「問題がなければ自然分娩で産みましょう」と言われていました。

長男の時も自然分娩で、陣痛がきてから病院に駆け込み7時間で産まれました。

初産にしてはお産の進行が早いと言われていたので、2人目ましてや双子なので、「陣痛がきてから病院に行くまでに産んでしまうんじゃないか?」「1人目を産んだ後にトラブルが起こって緊急帝王切開になるのが怖い」と不安でした。

医師に相談しても、「そういう場合もある」とだけしか言われず、あまり親身になってはくれませんでした。


妊娠32週になったころ、双子のうち1人が逆子になっていることが分かりました。逆子だと帝王切開になります。

この時「帝王切開で産みます」と医師に断言し、そのまま分娩の予約を取りました。正期産の妊娠38週目の手術日が決まりました。

その後、逆子は元に戻りましたが、私の強い希望でそのまま予定帝王切開での出産となりました。

いよいよ帝王切開手術

予定帝王切開日まで陣痛、破水、出血が起こることなく、妊娠を継続できました。正直、妊娠35週目以降はお腹が重たすぎて苦しく、早く産みたいと思っていました。

医師からは「いつ産まれてもおかしくない」状態で、「予定帝王切開手術の前に陣痛がきたらそのまま自然分娩で産むことになる」と言われていました。

帝王切開手術の前日お昼に入院し、手術に備えて夜ご飯はなし。夜は、右足の付け根がつって一睡も出来ませんでした。朝6時に水を飲んで、シャワーを浴びて手術着に着替えました。

これは、看護士さんから「手術後はすぐシャワーを浴びれないから、手術前に入っておくといい」と言われたからで、実際術後は3日間、シャワーを浴びれませんでした。

翌日朝9時から帝王切開の手術が始まりました。予定帝王切開、部分麻酔、横切りです。麻酔が効いてからは下半身の感覚がまったくなく、手術の様子もわかりません。

「1人目でるよ」

「2人目!」その間はたったの一分でした。

枕元に赤ちゃんを見せてくれた瞬間、涙が自然と溢れました。抱っこしていた看護士さんが頬と頬を触れあわせてくれました。2人とも2342gで産まれ、一生懸命泣いていました。

双子は保育器に入れられて新生児室へ行きました。私は安心からか昨晩寝れてないせいかとても眠くてウトウトしていました。妊娠中から診てくれていた医師に「先生ありがとう」と伝え、そのまま寝ていました。

帝王切開後の痛み

起きたら自分の病室に戻っていました。主人から「おつかれ」とひと言。

私もぺったんこになったお腹をさすり「産んだんだな」と実感がわいてきました。産んだその日は赤ちゃんのお世話はしませんでした。

手術から3日目、麻酔が切れました。痛くて動けず、仰向けになって硬直していました。ナースコールを押し追加で麻酔を入れてもらいました。

翌日、麻酔が切れても、我慢できる程度の痛みになっていました。

よく「帝王切開の後、看護士さんに動けと言われて辛かった」なんて体験を聞きますが、私は動きたくて身体がうずうずしていました。

ですが、傷口が痛み、前に90度屈まないと歩けません。ただ、麻酔の影響で大量の汗をかいていたのでシャワーをどうしても浴びたくて、その一心で動いていました。

手術の翌日から数えて5日目に退院しました。

これは病院によって帝王切開後の入院日数は違います。もちろん、まだお腹の傷は痛いです。双子のうち一人を抱いて、ゆっくり休憩しながら迎えの車まで移動しました。

もう1人は主人が抱っこしていました。軽自動車しか持っていなかった我が家、大人2人、チャイルドシート2つで車は満員。なので、迎えは主人1人、私が抱っこするしかなかったんです。

帝王切開の手術から1ヶ月ほどで痛みは消え、普通の日常生活が送れるようになりました。冬の寒い時期でしたが、お風呂も1ヶ月後から入り始めました。

かかった出産費用

双子の出産費用

出産費用で利用した制度、保険

まず、出産にかかるお金は「出産育児一時金」が加入している健康保険から支給されます。

私の場合は国民保険で、1人あたり42万円。2人で84万円支給されました。

直接支払い制度を利用したので、国民保険から病院に直接金額が支払われ、私自身がまとまった金額を用意する必要はありませんでした。これは、入院してから書類にサインするだけで手続き完了でした。


次に、入院する前に病院から申請しておいてと言われたのが「高額療養費」です。一ヶ月の医療費が一定の金額を超えると、その部分が還付される制度です。

住んでいる市役所に申請しに行き、後日、高額療養費限度額認定証が自宅に送られてきました。入院する際に病院に提出しました。



また、私は民間の医療保険に加入していたので、帝王切開が保険適応になるか事前に調べました。

すると、保険が適応されると分かったので必要な書類を保険会社から取り寄せ、入院時に診断書を医師に書いてもらいました。診断書をもらうのに2週間ほどかかりました。

出産費用は黒字?!

2人を予定帝王切開で産みましたが、出産費用の明細を見ると出産1回、新生児の世話代2人分で計算されていました。

その他、差額ベッド代、一部負担金などもあわせて出産・入院でかかった費用は、約53万円です。

出産一時金、加入していた民間の保険会社から支給された金額から53万円差し引くと、出産にかかった金額は黒字ですね。

ですが、双子にはお金がかかります。

このお金は結局、オートスウィング機能付きハイローチェア代、2人用ベビーカー代、そして、家族みんなが車に乗れるように軽自動車からファミリーカーに買い換えた費用に消えてきました。

まとめ

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大変だった双子妊娠、出産ですが、育児も大変です。やっぱり、1人目の長男のときとは比べものになりません。

ですが、双子として私のお腹にきてくれ、そして無事に産まれてくれたそのことだけでも愛おしくてたまりません。2人揃って並ぶ姿を見ると、双子に「ありがとう」と感謝しています。

双子を妊娠して不安な人も多いと思いますが、ママの不安は双子にも伝わります。難しいかもしれませんが、少しでも気持ち穏やかに、ゆったり構えて双子妊娠ライフを過ごしてくださいね。