長かった妊娠期間もあと少し。もうすぐ可愛い赤ちゃんに会える♪とウキウキしていたら、突然先生からの帝王切開の提案をされる方も出てくる頃。
恐怖、緊張、イメージしていた出産方法じゃない・・・などなど、不安な気持ちを挙げたらきりがありませんね。
いまの日本では約5人に1人の赤ちゃんが帝王切開で産まれています。そこで今回は、入院準備から入院中の過ごし方まで!備えて安心、帝王切開に必要な事前知識を紹介します!
一般的な入院準備と帝王切開ならではの入院準備リスト
妊娠後期(妊娠8か月ごろ)を迎えると、産院から出産準備品をそろえておくよう指導があります。いつお産が始まっても慌てないために、臨月を迎える前の妊娠9か月ごろまでに赤ちゃんを迎える準備を整えておくと安心です。
ここでは、お産方法に関わらずどのママにも必要な一般的な準備品と、先輩ママたちに聞いた帝王切開ならではの必需品をご紹介。また、用意したけど使わなかったものも紹介します。
一般的な出産準備品
出産準備品は、基本的に産院からの指定があったものを用意します。最近ではママの持ち物は母子手帳のみでOK!という設備の整った病院もあるので、自分の産院ではどこまでの準備が必要なのか確認しておくことが大事です。
大事な赤ちゃんと自分の身体を預ける病院ですから、たくさん質問して看護師さん・助産師さんとコミュニケーションをとりましょう。
手続きに必要なもの
- 母子手帳
- 印鑑
- 財布
- 入院のしおり
これらのものは入退院に関する手続きに必要なものなので、必ず忘れないようにしましょう。
入院費の支払いのため多額の現金を持ち込み入院しようとする人もいるかもしれませんが、盗難の可能性があり危険です。入院費は家族に預けるなどしておくとよいでしょう。
また、最近では施設内にATMがあったりカード払が可能だったりする病院も多いです。後日振込の対応をしてくれることもあるので、病院に確認しておきましょう。
ママの入院生活に必要なもの(アメニティとして不要な産院もアリ)
- 下着(産褥パンツ、授乳ブラ)
- パジャマ
- 生理用品(悪露用)
- 母乳パッド
- スリッパ
- 歯ブラシ
- 眼鏡(必要な人のみ)
- 基礎化粧品、メイク道具
- バスグッズ
これらのグッズはママの必要最低限の持ち物です。下着やパジャマなどは、産院によって指定があることも。購入前によく確認しておきましょう。
帝王切開の場合、下着やパジャマは傷口を刺激しないものが一番です。ショーツやズボンなどは、傷口にかぶらないよう股上が深めのものがラクチンです。
最近ではこうした基本的なものをアメニティとして揃えているサービス満点な産院も珍しくありません。自分の利用する産院からの準備品リストをよく確認しておきましょう。
あると便利なもの
- ・ボールペン、スケジュール帳
- 赤ちゃんのお世話のコツや出産祝いをいただいた時の覚書など、メモを取るのに必要です。退院後の検診や母乳外来の予約日なども入院中に決めるので、スケジュール帳に記入できると安心。
- ・クリアファイル
- 入院中は意外と書類などをもらうので、持ち帰る際にあると便利。
- ・小銭
- 個人の産院などでは自販機での買い物がメイン。小銭は大目に用意しておくと両替や釣り切れの心配なし。
- ・大きいポケットつきの羽織
- 赤ちゃんのお世話のために両手を開けられるようにする。そして肌寒いときにも◎。
- ・耳栓、アイマスク
- 大部屋予定で神経質な人にはマスト。体力回復に良質な睡眠は欠かせません。少しでも寝られる工夫をしましょう。
- ・マスク
- 術前と術後の絶飲食中、のどの乾燥をやわらげます。来客があるけど化粧する気力がないときにも便利!
- ・爪切り
- 大人用と赤ちゃん用。長い入院期間だと必要。生まれた時から爪の長い赤ちゃんもいます。
- ・ヘアゴム、ヘアクリップ
- 授乳のときや、洗顔のときにあると便利。
- ・ヘアブラシ
- けっこう盲点…。置いていない産院だと、ぼさぼさの頭で過ごす羽目に。
- ・タオル
- 産院によっては必要。アメニティとして置いてある産院でも、枚数を気にせず使いたい人は持参を。
- ・時計
- ボタンを押すと光るタイプは、夜中の授乳時もパッと時間の確認ができ重宝する。
- ・冷えピタ
- 赤ちゃんに合わせて室温が高めの病棟が多い。術後の火照りや寝不足の頭を冷やしたいときにも活躍。わたしはカチカチに張った胸にも貼ってました!
- ・大きめの洗濯ネット
- 家族に着替えの洗濯を頼むとき、相手によっては中をジロジロ見られたくないことも。洗濯ネットごと渡せばそのまま洗ってもらえる上、ビニール袋の節約にもなるので便利。
- ・ゴミ袋
- 入院日数×枚数があると安心です。
- ・ノンカフェインの飲み物
- 母乳を与える間のカフェインは禁物ですが、意外と産院の自販機には揃っていないことも。お見舞いの時に頼むのも手。
- ・授乳クッション
- 授乳の際にはあると無いで大違い。帝王切開後は傷口のガード役にもなるので大活躍します。
- ・間食
- 夜間の授乳でお腹がすいて眠れないことも。小腹を満たすことでストレス解消にもなります。私のまわりではドライフルーツが人気でした!
- ・おっぱいケア用品
- ランシノー、ピュアレーンなどのおっぱい用保湿クリーム。トラブルは最初のケアが肝心です。少しでも痛みを感じたときは、しっかり保湿を!(じゃないとぱっくり避けちゃいます)
退院に必要なもの
- 退院時に着る服、下着
- 赤ちゃんのおむつ、肌着、服
- チャイルドシート
出産後すぐにお腹が引っ込むわけではありません。特にお腹回りにゆとりのある服を選びましょう。靴もむくみがひどく入りにくい場合があるので、多少余裕のある靴を用意しておいてください。
赤ちゃんの服装について、以前はセレモニードレスを着せて退院することがほとんどでしたが最近では少数派。季候にあった服をきせてあげましょう。
チャイルドシートは車で帰る場合には絶対に必要なので、入院するまでに設置しておくと安心です。
あると便利だったもの(退院編)
- 抱っこ紐、スリング
- 予備のトートバッグ
単身で退院する場合、抱っこ紐はマスト。付き添いがいる場合でも、赤ちゃんを抱いたまま両手が自由になるのはメリット大です。
お見舞いの品や着替えなどで、来た時よりも荷物が増えた…なんてことも。予備に大き目のトートバッグを持っておくと困りません。
あって良かった!帝王切開の必需品
術後は痛みとの闘いです。1日寝たきりの状態から歩行訓練まで、ほとんどの時間をベッドの上で過ごすことになります。付き添いの家族や看護師さんもずっと一緒にいてくれるわけではないので、不便のないよう準備しておきましょう。
- ・S字フック
- ベッド脇にいろいろ吊るすのに便利
- ・ストロー
- 身体を起こさず飲み物が飲めるように
- ・延長コード
- スマホの充電器がベッドまで届かない場合
- ・イヤホン
- 術前の不安な時間の気分転換に
- ・着圧ソックス
- むくみがひどく出やすいので
- ・帝王切開用骨盤ベルト
- きつく巻くことで傷口を保護してくれ、お腹にも力が入りやすくなるので動作の助けになることも。傷口にマジックテープが当たらないものを選んで
- ・汗ふきシート
- 何日間かはお風呂に入れないので、あると便利
- ・ボックスティッシュ
- 入院が長いからこそ、ストレスなく好きなだけ使えるように
- ・スプーン、フォーク
- 術後の食事の時、箸よりも楽に食べられる
- ・傷口保護テープ
- 退院の時、それまで貼っていたガーゼをはがされそのまま退院という病院も。傷口を綺麗に保つためには乾燥や摩擦などの刺激は禁物。事前に用意しておくと安心です
- ・小さいトートバッグ
- 売店に行くとき、授乳室にいくとき、シャワー室にいくときなど、ちょっとしたものをいれるのに便利。服のポケットは傷を刺激して痛むため
- ・暇つぶしグッズ
- 本、ゲームなど)(術前の不安解消や、術後母子別室となると結構暇なもの。痛みを紛らわすためにも何か用意しておくと退屈せずに済む。ただし産後は目を使いすぎるとよくないので目の酷使には注意
準備してみたけどいらなかったもの
- ・デジカメ
- スマホカメラで事足りる
- ・育児書
- 意気込んで準備するも、すぐに母子同室でお世話が始まる場合は忙しく読んでいる暇はないかも
- ・育児日記
- 張り切って用意したけど、入院中って思ったより忙しいもの。ゆっくり日記なんて書いてる暇ありませんでした
帝王切開の入院中の過ごし方
帝王切開は入院期間が長い!
普通分娩の入院期間は4~6日間程度ですが、帝王切開の場合は6~10日間と長めに設けられています。そして個人の体調により必要な入院日数が前後し、ケースによりばらつきがあるのが特徴です。
帝王切開でのお産は、自然分娩と違い医療行為となります。病気ではないとはいえ、お腹を切るということは母体にとって非常に大きなダメージです。
退院後に待っている赤ちゃんとの生活のためにも、入院中は母体の回復に最善を尽くさなくてはなりません。
ドキドキ!術前の過ごし方
帝王切開の入院日数が長いのは、多くの病院が手術前日から入院が必要だからという理由もあります。
帝王切開という手術自体は複雑なものでないケースが多いですが、生産期に手術を行う場合はいつ陣痛が始まってもおかしくありません。万一の場合にすぐ対応ができるように、前日に入院し母体を管理することが大切なのです。
とはいえ、手術前に家族と離れてひとりで入院となると不安な気持ちも大きくなりますよね。体力温存の為にも睡眠をとるのがベストですが、緊張でなかなか眠れないママも多いものです。
そんなママにオススメの気分転換方法を5つ紹介します!せっかくのひとりの時間、有効活用しましょう♪
- ・音楽を聴いてリラックス
- イヤホンで好きな音楽を聴いて気分転換。大部屋でも時間を選ばず出来るので、眠れない時も安心
- ・甘いお菓子を食べる
- 母乳育児がはじまると、カロリーの高いお菓子を食べただけで乳腺が詰まってしまったり母乳の味がおちたりするので食事には注意が必要になります。健康状態に問題がなく食べるのが好きなママは、好きなお菓子やケーキを食べて気分転換するのもよいでしょう。ただし前日夜9時ごろから絶飲食となるので、それまでに済ませておきましょう。
- ・ベビー服をみて、赤ちゃんの誕生を心待ちにする
- とっても小さな新生児用の洋服を見ると、いよいよわが子がこの世に生まれるという実感が湧きますよね。母は強いと言いますが、赤ちゃんに会えることを思えば不思議と手術前の不安が前向きな気持ちに変わります。
- ・友達や家族と面会、電話する
- 一人で不安を抱えるのがつらい時は、家族や友達と気持ちを共有すると心が少し軽くなりますよね。気軽に話せる相手がいるなら、素直に甘えてみましょう。
- ・スマホで映画鑑賞
- 寝た方がいいとわかりつつも眠れない…そんな時は開き直って、育児が始まってからはなかなか出来ない映画鑑賞もおすすめです!今はとっても便利な時代。スマホの機能をフル活用し、せっかくの一人の夜を楽しみましょう!(ただし、ほかの患者さんに迷惑にならないよう光や音には注意してください)
術後~退院までの過ごし方
術後は麻酔の効いた状態で、ベッドごと入院している部屋へ戻ります。
母体の経過が順調な場合、病室で赤ちゃんと家族との対面の場が設けられます。ほどなくして赤ちゃんはナースステーションに預けられ、ママは平均して二日間ほど安静が続きます。
その後ベッドの上で起き上がる事から始め、徐々に歩行訓練を開始し、トイレまで歩けるようになったら尿道カテーテルを抜き通常の生活に戻っていきます。
術後合併症である血栓症の予防のためには、早期離床や積極的な運動が効果的とされています。経過に問題がない場合は、ゆっくりでもいいのでとにかく歩くようにしましょう。
産後の母子同室については、産院によって方針が大きく異なります。帝王切開の場合、退院まで母子別室で母体の回復を優先させるところもあれば、経過が順調で歩行もできたらさっそく母子同室!というところもあります。
しかし、病院の方針だからといって無理は絶対に禁物ですよ。退院してしまえば赤ちゃんのお世話のほとんどはママがしなくてはなりません。入院中は決して無理をせず、自分の体調とよく相談して決めてくださいね。
術後の痛みについて
術後の痛みには、大きく分けて二種類あります。
- 一つは帝王切開による傷跡の痛み
- もう一つは、後陣痛と呼ばれる子宮が収縮することにより生じる痛み
術後麻酔の効果が切れはじめると、これらの痛みを感じるようになります。そのときは我慢しないで看護師さんや助産師さんにお願いし、鎮痛剤を使ってもらうようにしましょう。
普通分娩の場合も陣痛に始まり、お産で膣が裂けたり後陣痛があったりと、かなりの痛みと闘わなくてはなりません。しかし帝王切開の良いところは、「痛い!」と訴えたとき様々な処置をしてもらえる点です。
このメリットをフル活用しない手はありません!たくさん痛み止めをもらってたくさん動き、身体の回復に努めましょう!!
まとめ
帝王切開の術後は思うように動けず、痛みと付き合いながら過ごすことになります。入院期間も長く、普通分娩よりも母体の回復に時間が必要な場合が多いです。
だからこそ、帝王切開でお産をするママは入院期間中いかに回復するかが重要になってくるのです。産院にいる間はたくさんの看護師さんや助産師さんが、ママと赤ちゃんを全力でサポートしてくれます。
- 入院準備は妊娠9か月までに
- 自分の入院する産院の病棟設備を調べておく
- 不安やストレスを上手に解消する
この3点を意識して快適なマタニティーライフを送り「いいお産だった!」と心から思えるように、事前準備・イメージトレーニングはしっかりと行っておきましょうね。