妊娠期間中は、様々な体のトラブルに悩まされるもの。赤ちゃんが成長するにつれ、「お腹が重くて、なかなか寝付けない」「寝苦しい」といった、睡眠の悩みを抱えるママも多いのではないでしょうか?

では、妊娠中であっても、できるだけ質の良い睡眠をとるために、どんな点に注意すればよいでしょうか?

妊娠中の正しい寝方について、これから詳しくみてみましょう。

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寝るときは横向き姿勢がベスト

妊娠初期の頃は、まだお腹がそれほど出ていないので、仰向け寝でもうつ伏せ寝でもよいのですが、妊娠中期以降は、お腹も少しずつ膨らんでくるので、寝る時の姿勢に気をつけなければならなくなってきます。

妊婦さん本人が楽な姿勢で眠るのが一番ですが、一般的には、お腹や腰を圧迫しないために、横向きに寝るのがベストだと言われています。実際に私も、妊娠中は横向きで寝ていました。

しかし、体の右側を下にして寝るのと、左側を下にして寝るのとでは、何か違いはあるのでしょうか?

どちらを下向きにして寝るか、というのは、それほど大事なことなのでしょうか?それを知るためには、人間の体の仕組みを理解しておく必要があります。

右側を下に?それとも左側を下に?

人体には無数の血管が張り巡らされ、全身に血液を運んでいますが、実は体の右側と左側で、大きな違いがあります。

背骨の右側に大静脈、左側には大動脈があり、その他の静脈も体の右側に、動脈も体の左側に集中しています。そして、動脈は丈夫で弾力性があるのに対し、静脈の壁は薄く、圧迫されやすい、という構造上の違いもあります。

妊娠中は、どちら側を下向きにして寝たほうが良いのか、もうお分かりでしょうか?

そうです、答えは体の左側を下向きにすることです。右側を下にして寝るならば、大静脈が圧迫されて、血流が悪くなることにより、寝苦しく感じたり、むくみが生じやすくなります。

ですから、「なかなか寝付けない」「寝苦しい」「足がだるい」「途中で目が覚めてしまう」といった症状に悩まされている妊婦さんは、どちら向きで寝るのかを常に意識しながら、横になってみてください。

まずは、横向き姿勢で。そして、体の右側にある静脈を圧迫させないように、体の左側を下にして休んでみてください。

目には見えませんが、自分の体の中を流れている血液の流れについて正しく知っておくことは大切です。

シムスの体勢とは?

「シムスの体勢」または「シムス位」という言葉を聞いたことはありませんか?これは、妊婦さんにとって、大変楽に寝ることのできる姿勢だと言われています。

では、具体的にどのようなポーズをとったらよいのか、順を追ってご説明しましょう。

  1. 身体の左側を下にして、ややうつぶせ寝の状態で横になる。左側を下にするのは、前述しました、体の右側を流れる静脈を圧迫させないためです。

    しかし、左右どちらでも、自分がそのときに楽だと感じる方を下側にしても、もちろんかまいません。

  2. 下側になった足(左足)を少し後ろに下げる。
  3. 上側になった足(右足)を少し前に出して膝を曲げる。
  4. 下側の腕(左腕)は、背中のほうに回して曲げる。
  5. 上側の腕(右腕)は、前に出して曲げる。


シムス位は、ママだけでなくお腹の中の赤ちゃんにとっても、おすすめの体勢だそうです。リラックスした状態で安眠できますので、ぜひ試してみてください。

より快適に眠るために安眠グッズ

寝る体勢に加えて、次のようなお助け安眠グッズを活用するのもおすすめします。

  • 抱き枕
    抱き枕を使うと、より楽に横向きに眠ることができます。下側になる足に、上側の足の重みが、かかりにくくなりますし、横向き姿勢をより安定させることができます。
  • 授乳クッション
    授乳クッションは、授乳中だけでなく、妊娠中も活用できます。足の間に挟んだり、足の下に置いて足を高くして寝ることにより、足のだるさやむくみ改善にも役立つでしょう。
  • 座布団やクッション
    わざわざ、抱き枕や授乳クッションを購入しなくても、手持ちの座布団やクッションでも代用できるかもしれません。

まとめ

妊娠中はなかなか熟睡できずに、つらい思いをすることが多いです。私もトイレが近くなる、足がつる、などの症状に悩まされ、夜中もたびたび目を覚ましていました。

睡眠不足の状態が続くと、なかなかきついですよね。もし眠ることができないようでしたら、昼間のちょっとした時間でも横になって眠ると、だいぶ違うと思います。

そして、横になるときは、ぜひ「妊娠中の正しい寝方=シムスの体勢」を意識してみてください。

妊娠期間中は「早くこの大きなお腹から解放されて、自由な姿勢で眠りたい!」と誰しも思うものです。その時は、思っている以上に早く来ます。

それまでの間は、正しい姿勢やグッズの力を借りるなど、できるだけの対策をとって、少しでも楽に眠ることができるように努力してみてくださいね。