最近は外食先やスーパーの製品にもアレルギー表示は当たり前になってきていますよね。といっても実際食物アレルギー持ちではない人には、正直あまりピンと来ないことも多いのではないでしょうか?

実は私自身もそうでした。今回はうちの娘が離乳食期に発症した食物アレルギー経験を元に、食物アレルギー症状や対処法をお伝えしていきます。

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赤ちゃんの食物アレルギーの症状や原因はどんなもの?

食物アレルギーとは一体どういうものなのでしょうか?

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは身体の免疫機能が食物に含まれているタンパク質を異物と認識してしまい、自身の身体を守るために咳やじんましん、嘔吐等の過剰反応を起こしてしまうことです。

食物アレルギーの症例数が多く、また重篤な症状になりやすい特定原材料7品目に、卵・小麦・乳・えび・かに・そば・落花生が指定されています。

食物アレルギーの症状の出方は?

食物アレルギーの症状はさまざまですが、主に発疹やじんましんの皮膚症状をはじめ、咳、鼻水、嘔吐下痢の消化器症状、重い症状では呼吸困難や血圧の低下が起こって最悪死に至るケースもあり、これをアナフィラキシー症状といいます。

食べて症状が出るだけではなく、空気中に浮遊しているアレルゲンを吸ってしまったり、皮膚に触れるだけで症状が出る場合もあります。

食物アレルギーの原因は?親の遺伝?妊娠中の食事との関係は?

我が子が食物アレルギーを発症したとき、妊娠中に食べたものが原因だったらどうしよう?とママは考えてしまいがちですよね。実はこの答えはNO!

確かにアレルギー持ちの子どもは昔に比べてかなり増えています。しかしそれは妊娠中のママの食事うんぬんではなく、もっともっと大きな問題が原因なのです。

食生活が急激に変化し昔の人が口にしなかった食品添加物や欧米の食生活、環境ホルモンの問題も大きく、もはや個人では防げないものが原因となっています。


ただ両親や祖父母が何かしらのアレルギー体質の場合(鼻炎、花粉、ハウスダスト、動物等)、子どもにアレルギー体質が遺伝する確率は50%以上と言われています。

例えば、親が小麦アレルギーだからといって子どもも小麦アレルギーになるということではなく、何かしらのアレルギーを持っているということが遺伝する可能性が高く、実際は検査をしてみなければ分からないのです。

次では食物アレルギーの症状は一体どんなものなのか、私の娘の実例をあげてお伝えしていきます。

1歳で食物アレルギー反応が判明した娘の実例と症状

私自身の体験から食物アレルギーを発症したときの食事や症状をお伝えしていきます。

父親・母親、父方・母方の祖父母のアレルギー症状

子の親(私・主人)と祖父母のアレルギーの種類は、

•親(私・主人) 花粉症、猫アレルギー、ハウスダスト アレルギー性鼻炎、花粉症、大人になってから猫アレルギー発症
•父方の祖父母(主人の両親) なし アレルギー性鼻炎、花粉症、大人になってから卵と牛乳で消化器反応が出る
•母方の祖父母(私の両親) 花粉症、大人になってから甲殻類アレルギー発症 なし

親族に激しい食物アレルギーの者もいなかったので、そこは特に気にすることなく離乳食を進めていました。

ただ乳児に出やすいとされる“小麦・大豆・乳製品・卵”を使用するのは何となく積極的にはなれず、一歳になったら始めようかな?ぐらいに考え、それまでは加熱した野菜や魚を中心に食べさせていました。

離乳食期1歳で食べたパンにアレルギー反応

一歳になり、初めて娘にパンを食べさせました。

もともと食が細く、体重は7キロ前後と小柄でした。私はどうにかして娘に食べることの喜びを知ってもらいたいと試行錯誤を繰り返し、離乳食には様々な工夫をこらすも思い虚しく、娘は結局ベーッと出すか、食べ物で遊びだしてしまう始末。

掴んで食べられるものなら興味を示すのでは?と考え、歯も生えていたので、だったらそろそろパンを食べさせてみようと思いつき、市販の添加物も気になっていたので国産小麦粉を購入し手作りしてみました。

今度こそ食べてほしい!と、思いを込めて生地をコネコネ、小さなスティックパンを焼き、娘に手渡してみました。するとパクパク美味しそうに食べてくれるではありませんか!

私は天にも昇りそうな嬉しい気持ちでいっぱいになり、母と手を叩き合って喜んでいました。


しかし、それもつかの間。食べて1時間程で急に激しく泣き始め、体中を掻きむしりはじめた娘。

1分、2分、3分…と時間が経つにつれ、顔周りからお腹、両手両足から体中に蚊に刺されたような大小無数のじんましんが出てきました。最後には耳が真っ赤になってパンパンに、顔もまぶたも腫れ上がり小さな娘の顔が激変してしまうほどで、いわゆるアナフィラキシー症状が出てしまったのです。

じんましんだけでなく鼻水やくしゃみも酷く、外来の時間が過ぎていたので救急で診察をしてもらいました。

酸素濃度のチェックと点滴で応急処置

病院に着くとすぐに指先で酸素濃度を測ってもらい、幸い酸素濃度に問題はありませんでした。顔の腫れや全身のじんましんが酷く、2時間程点滴をしてもらい少し落ち着いたので帰宅しましたが、顔の腫れは3日ほど続きました。

私はそんな娘の姿を見ていたたまれなく、自分を強く責める日々を過ごしました。

食物アレルギーで怖いのが呼吸困難や血圧の低下です。呼吸困難になっているかどうかは見て判別がつくものではありませんし、数分で呼吸ができなくなることもあるので、この場合は迷わず救急車を呼ぶことが大切です。

特に赤ちゃんの場合は言葉も喋れませんので、難しいですがママのとっさの判断が重要になります。

血液検査にて小麦・乳・大豆・卵アレルギーの判明

血液検査は赤ちゃんの手の甲の血管から採血をしました。2週間後、娘の血液検査の結果は、「“小麦・乳・大豆・卵”に対するアレルギーの可能性」と判明。

アレルギーには「クラス」というアレルギーレベルを表示する数字が0〜7クラスまであるのですが、実際パンで反応が出た小麦はクラス3、大豆・乳がクラス2、卵はクラス6と高い数値でした。

しかし、血液検査で反応が出たからといって必ずしもじんましん等の症状が出るわけではなく、あくまで「出る確率が高くなるかも」という目安でしかないのです。

逆にクラス1〜2あたりであっても症状が強く出ることもあり、ママとしては怖いですがこれは実際に赤ちゃんに食べさせてみなければ分からないのです。

食物アレルギーの対処法!離乳食の調理ポイント・進め方、病院受診の目安

上記では我が家のアレルギー発症~血液検査に至るまでの過程を書きましたが、アナフィラキシーが出てしまったものの呼吸困難には至らない例でした。

それでは赤ちゃんの離乳食を進めるにあたり、食物アレルギーの対処法や離乳食の調理ポイント、病院へ受診する目安をお伝えします。

初めての食材は、赤ちゃんの体調の良い時に与えること

初めての食材をあげるとき、まず赤ちゃんの体調が万全であることが大事です。

というのも、アレルギー症状は単に皮膚に出るパターンだけでなく鼻水や咳といった一見風邪とよく似た症状があるので、風邪気味の時に食べさせてしまうとアレルギー症状なのか、風邪症状なのか判別がつきづらいのです。

また免疫が落ちているときはアレルギー反応が出やすくなるので、赤ちゃんの体調が万全の時に始めるようにしましょう。

初めて食べさせるものは少量から、しっかり加熱させること

初めて食べさせる食材は、赤ちゃんがパクパク食べるからと与えすぎるのはとても危険です!

私が病院で指導されたのは、しっかりと加熱させてから少量ずつあげることです。

食べてから30分〜1時間の間に症状が出やすいので、様子を見てから大丈夫そうであればまた少量をあげてみる。食材によって怖い場合は、一度食べさせて何ともなければ翌日に持ち越してみましょうと言われました。

しっかり加熱することで、食材の中のアレルギー反応の原因になるタンパク質が壊れてアレルギー症状が出にくくなります。

例えば、食パンならそのままあげるのではなくしっかりトーストする、納豆も茹でてから食べさせる、といったひと手間が発症を和らげることにつながります。

食物アレルギー反応がないか、顔や口周りの発疹に注意すること

食物アレルギー反応で一番分かりやすいのが食べさせてから1時間以内に出る顔やまぶた、口周りの発疹です。(遅延型といって数時間〜数日後に出るような分かりにくいタイプもあります)

顔に出る発疹やじんましんはママも変化に気づきやすいので注意して観察しておきましょう。写真でビフォーを取っておくのも有効です。

うちの娘は背中や脚にもよくじんましんが出ていたので、もし顔周りの発疹に気づいたら一度服を脱がして全身をチェックしてみて下さい。

乳児湿疹を放っておくとアレルギー反応しやすくなる

また、赤ちゃんのお肌が荒れていても乳児湿疹だと素人判断し、アレルギーとは無関係だと考えてしまうことも少なくありませんが、これは大変危険な判断です。

実は乳児湿疹を放っておくと傷ついた皮膚からアレルゲン反応しやすくなり、食物アレルギーに繋がりやすくなると医師から指摘されました。

乳児湿疹の場合は小児科でお薬や保護クリーム等を処方してもらい、なるべく早めに治してあげることがアレルギーを予防することになりますので、しっかり肌を保湿してあげましょう。

痒がる場合は冷やしてみる!発疹・じんましんが長引くときは迷わず病院受診!

発疹やじんましんが出て赤ちゃんが痒がっているときは、ガーゼにくるんだ保冷剤で冷やしてあげると少し症状が和らぎます。

じんましんが出た場合は温めると余計にかゆくなるので、お風呂を控えて、濡れタオルで汗をやさしく拭き取ってあげるぐらいにしておきましょう。

注意

発疹が長引き、じんましんが引かず痒がっている場合は迷わず小児科を受診しましょう。

症状を病院に伝えるために、アレルギー症状や発疹が出たらスマホで記録する!

じんましんや発疹が出た場合、軽症重症に関わらずスマートフォンの写真やムービーに記録しておくのをおすすめします。

いざ病院へ向かっても、診察時には症状が引いてしまい実際の症状が医師に伝わらないケースも多いのです。

また、これはアレルギー症状なのか?と分からない場合も多々あるので、その都度写真に残しておき、それを元に診察を受けるほうがスムーズです。私も写真をたくさん見せながら診察してもらいました。

少しでも症状が出ているようなら一度小児科やアレルギー科で診てもらう方が良いでしょう。何もなければそれでよし!ママと赤ちゃんの安心に繋がりますからね。

赤ちゃんの食物アレルギーは成長とともに症状が改善されていくことが多い

乳幼児がアレルギー反応を起こしやすい食物の代表格は小麦・乳・卵といわれていますが、これは赤ちゃんの身体や消化器官の成長とともに食べられるようになっていくパターンも多いそうです。

ただ食物アレルギーに関しては色んな要因が絡んでおり不明な点が多く、医師でさえ「本当のところは分かりません」と言われているのも事実です。

赤ちゃんのときに発症する食物アレルギーは体質というだけではなく、内臓が未熟なせいでアレルギー反応として出てしまうことが多く、小麦、乳、大豆、卵アレルギーだったうちの娘も、1年間、医師の指示に従い、完全除去時期から緻密な付加時期を経て、二歳を過ぎてからはほぼ食べられるようになり、ようやく外食を楽しめるようになりました。

食物アレルギー持ちの子のママさんは日々の食事づくりが本当に大変だと思いますが、子ども達が少しでも多くの食物を食べられるようになることをイチ母として願っています。