熱性痙攣とは、小さな子供が熱のストレスに耐えきれずSOSのサインを送っている状態です。

熱性痙攣の症状を起こした場合、ほとんどの命の危険や障害が残るなどのリスクはありません。しかし、出来れば2回目、3回目が起こるのを避けたいですよね。

今回は、子供の熱性痙攣の再発予防や対策方法をご紹介したいと思います。

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熱性痙攣を起こしやすい子はどんな子?1回起こすと繰り返す?

熱性痙攣を起こしやすい子の特徴をいくつかあげてみたいと思います。

ただし、すべて当てはまったからと言って必ず起きるという訳ではありませんし、当てはまる項目がゼロだったからと言って熱性痙攣が起きない訳ではありませんのでご注意を!

熱性痙攣は遺伝する可能性がある

両親やおじいちゃん、おばあちゃん、兄弟など、血縁関係者の中に熱性痙攣を起こしたことのある人がいる場合、遺伝する可能性があります。熱性痙攣を起こしてから病院へ行くと、まず問診で聞かれます。

女の子よりも男の子

男の子、女の子、両方育てたことのあるママが良く口にします。

「男の子は病気をしやすい気がする」その反面、「女の子は本当に丈夫」はっきりとしたデータがあるわけではありませんが、熱に弱いのは男の子だと言われています。

脳が未熟な小さな子供

熱性痙攣を起こしやすい子供は脳が未熟な小さな子供がほとんどです。だいたい生後6カ月頃~5歳前後の子が起こしやすいです。

生後6カ月未満、もしくは5歳前後で頻繁に痙攣を起こした場合には、別の病気が原因な場合もありますので、専門医への相談をオススメします。

熱性痙攣を1回起こすと、2回・3回と繰り返す可能性がある

熱性痙攣は1回経験すると、その後も繰り返す可能性があります。

ただし、2回目を起こす子は、1回目の熱性痙攣を経験した子の約3割です。そして3回目、4回目とその後も繰り返すのは約1割程度、ほんのわずかの子供なのです。

熱性痙攣の起きるタイミングはいつ?起きるかもしれないタイミングを知って再発予防

熱性痙攣は熱がある時に起きるのか?と言われると、そうではありません。熱性痙攣の起きるタイミングは全く予測がつかないのです。発熱したらある日突然起こるので、周囲の人もパニックに陥ってしまいます。

ただし、熱性痙攣の起きるかもしれないタイミングを知っておけばこまめに様子を見ることが出来ますね。

熱性痙攣の起きるかもしれないタイミングは熱が上がりだした直後

熱性痙攣は熱のストレスで体がSOSのサインを送っている状態だと冒頭でお話しましたが、実際に熱性痙攣が起きるかもしれないタイミングは、高熱の状態が続いた時ではありません。

熱性痙攣が起きるかもしれないタイミングは、熱がグングン高くなっている途中なのです。

熱性痙攣が起きやすい病気は2つ!

熱性痙攣が起きやすいと医師が口にする病気が2つあります。

  • 突発性湿疹
  • インフルエンザ

突発性発疹とは、産まれてから数カ月はママの免疫をそのまま引き継いでいるので、病気をしにくい状態です。しかし、月齢が進んでいくと、その免疫力も徐々に落ちていき、突発性湿疹を発症します。

数日間の高い熱が続き、熱が治まってから体じゅうに赤いポツポツが出来ます。特にかゆみも痛みもなく、赤ちゃんは何ともありません。飲み薬や塗り薬などの治療法もありませんので、そのまま引いていくのを待つだけです。


インフルエンザは、皆さんよくご存知ですよね。インフルエンザに発症したことのある人は、どれだけ辛いのかも覚えているのではないでしょうか。高熱が続き、体中の体力を奪われるような状態で、とてもしんどい病気です。

熱性痙攣はこの2つの病気が原因で熱が出る時に起こしやすいです。

熱性痙攣を2回・3回と繰り返さないための再発予防薬!その効果と使い方は

熱性痙攣を1回でも起こしたことのある子には、2回目以降の熱性痙攣を予防する為に予防薬の投薬がされる場合があります。

同じ効果のあるものですが、飲み薬と座薬の2種類があります。座薬の方が使いやすく、管理も簡単です。

熱性痙攣の座薬はどんな効果があるの?

熱性痙攣の座薬には、熱を下げる効果があるわけではなく、痙攣自体を予防する効果があります。座薬を使う事によって脳をストレスフリーの状態にして、痙攣が起きるのを予防します。

ただし、座薬を使うタイミングがずれたり、効き目が切れてしまうと熱性痙攣が起こってしまう可能性もあります。

熱性痙攣予防の座薬の使い方・使うタイミング・間隔

熱性痙攣を予防するための座薬は、熱が出た時に早めに使用します。子供の発熱は37.5度以上の場合です。

  1. 最初に熱があるかも?と感じた時点で熱を計測します。37.5度以上あった場合には、1回目の座薬を挿入します。
  2. そして1回目から8時間後に熱を測り、この時にも37.5度以上あれば2回目の座薬を挿入します。
  3. 翌日以降は寝る前に熱を測り、37.5度以上ある場合に3回目の座薬を挿入します。

我が子の投薬された座薬は、1度の熱で最大3回までの座薬の使用指示があり、その後は要相談でした。

熱性痙攣の予防薬の使う使わないは家族の判断に任される

我が子は1歳9カ月の時に、突発性湿疹の熱で熱性痙攣を起こしました。

念のために入院治療をして、退院するときには医師から熱性痙攣の座薬をすすめられましたので頂いて帰りました。

しかし、その座薬の使い方がとても複雑なものでした。

熱性痙攣の座薬は使っても良いし使わなくても良い

繰り返しになりますが、熱性痙攣は決して悪い病気ではありません。子供が熱でオーバーヒートしている状態と例えても良いもので、我が子が入院した際にお世話になった医師からも心配ないと何度も説明を受けたくらいです。

そして、退院時に熱性痙攣の予防薬の説明を受けましたが、この予防薬の扱い方がとても難しいと感じました。

医師の説明では、「熱性痙攣の座薬は、使っても良いし、使わなくても良い」この説明方法は他の医師の場合でも同じでした。

熱性痙攣の予防薬をなぜ使っても良いし使わなくても良いのか?これには副作用が関係している

熱性痙攣を予防出来るのであれば、はっきりと使ってください!と言ってもらった方がすんなり受け入れられますよね。医師がこんな曖昧な言い方をしたのには理由がありました。

  • 熱性痙攣以外の他の症状が分かりにくくなる
  • 熱が出るたびに使い続ける必要がある

熱性痙攣予防の座薬を使用すると、副作用でふらつきや眠気が出ることがあります。すると、本当に薬の副作用でふらついているのか?他の症状が出ているのではないか?など、見分けがつきにくくなります。


そしてもう一つ、熱性痙攣は熱が出るたびに症状が起こる可能性があります。ですから予防の座薬も熱が出るたびに使い続けなくてはいけなくなります。

熱性痙攣を起こしやすい年齢は生後6カ月~5歳前後ですので、この期間ずっと使い続けなくてはいけません。

熱性痙攣は起きても問題はないけれど、痙攣している姿をもう見たくないと思う家族がほとんどですよね。しかし、上記のようなリスクがある場合本当に使った方が良いのかどうか悩めば悩むほど分からなくなりました。

退院後、熱性痙攣の座薬についてかかりつけ医に相談をしにいきました

我が子が入院した病院は、救急外来のある総合病院でした。この病院は普段通院している病院ではなく、近所の小児科クリニックがかかりつけ医でした。

入院中の主治医には大変申し訳ないのですが、私の中でかかりつけ医の方がこれまでの信頼関係、病気に対する治療方針に共感できたので、セカンドオピニオンを受けることにしました。

かかりつけ医の熱性痙攣の捉え方はこうでした。

熱性痙攣をもし病院で起こしても処置はしない

近所のかかりつけ医は、入院施設のない小さな小児科クリニックです。

「もしも、待合室で誰か子供が熱性痙攣を引き起こしたとしても、私(かかりつけ医)は何もせずに痙攣がおさまるまで見守っているだけです。その後の処置も何もすることはありません。」

このことから、副作用のある座薬を使うメリットが少ない。

そもそも、熱性痙攣を繰り返し起こる子の方が少ないため、2回目までは様子見3回目から初めて座薬を使っていこうかと投薬しますという治療方針でした。

予防薬の座薬を使いだしたらキリがない

予防薬は熱が出るたびに使わなくてはいけません。しかも使用スタートは37.5度以上です。

「子供は少しぐずって泣いただけでも37.5度以上になってしまう。医療知識がない人には使用の見極めが難しい上に、幼稚園や保育園に通いだすと月に1度は熱を出すようになる。その都度使っていてはキリがない。」

今後起こるか分からない熱性痙攣を予防する必要は絶対ではないという答えでした。

我が家は座薬を使わないことにしました

座薬についてしっかりと納得のいく答えをもらった私は、今後熱が出た場合の座薬の使用を控えることにしました。

ただ、熱性痙攣が起きやすいインフルエンザの時期だけは、使った方が安心出来るかも?ということでしたので、その時にまた相談に行こうと思っています。

発熱時も予防薬を使わない!座薬なしで熱性痙攣を再発対策する方法

かかりつけ医から熱性痙攣を予防薬を使わずに対策する方法を教わりました。

ワキや足の付け根を適度に冷やす

熱性痙攣を予防するには、熱を適度に下げると効果的です。太い血管が通っているので、この部分を冷やしてあげると良いですよ。

ただし、冷やしすぎると熱が長期化する恐れがありますので、注意してくださいね。

水分を多くとる

熱性痙攣は脱水とも大きく関係しています。

熱が出ると体から汗で水分が少なくなり、脱水状態になります。脱水になると熱性痙攣が起こりやすくなってしまいます。スポーツドリンクやジュースなど飲めるもので良いので、こまめに飲ませてあげましょう。

まとめ

熱性痙攣の予防についてご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。

出来ればもう起こってほしくない熱性痙攣の仕組みと予防法をしっかりと理解して再発予防につながれば安心ですね。