妊娠する前から氷が大好きという方いますよね。

しかし、普段は、全然食べない氷を無性に食べたくなって、不思議に思っていたら妊娠していたという妊婦さんがいるのもよくある話です。

朝から晩まで、氷が口の中にないと不安を感じてしまう「氷食症」。

「もとはただの水だから水分補給になるし大丈夫」そう思っている妊婦さん、要注意!

おなかの赤ちゃん、大丈夫ですか?

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妊娠中に氷が食べたくなるのは病気の始まり?

アイスクリームやかき氷って、ひんやりしてとってもおいしいですよね。だからといって、ずっと食べ続けるわけにもいきません。

冷たいものが食べたい時に、アイスクリームやかき氷がなかったら、氷でも食べようかななんて思って食べると、これがまたまた、とってもおいしいんです。

同じような経験をしたことがある人はいますか?


もともと、アイスクリームやかき氷が好きで、その代わりに1~2個食べる分には、みなさんもご存知の通り、氷は水でできているので、まったく問題ありません。

それどころか、アイスクリームやかき氷を食べるより、断然、身体に優しいといえます。

しかし、これがそもそも氷食症の始まりともいえるのです。

先ほど述べたように1~2個食べる程度であれば、まったく問題はありません。

1~2個が5個になり10個になり、20個になり・・・気付けば、片時も氷失くしては生きていられないくらいにまで、ひたすら氷を食べ続けてしまう状態に陥ってしまっているみなさん。

そんな状態のみなさんは「氷食症」という病気になっている可能性があるんです。

氷食症は異食症の中のひとつ

氷食症は、常に決まったものを食べたくなる異食症の1種と考えられています。

この異食症とはいったいどのような症状でしょうか?

私の母親は、私がおなかの中にいる時に、母が慣れ親しんだ土地を離れ、私の出身地に引越しをしました。引越しの荷物の片付けが落ち着いた頃から、急にバスから出る排気ガスを吸うために、常にバスの後ろを追いかけ始めたそうです。
 
昔のジーゼル機関車の映像をTVで見たことはありますか?

私がおなかの中にいた時代は、もくもくと出る黒い煙、あの煙と同じような煙を出しながらバスは街中を走っていました。

そして、その後ろを煙が吸いたくて必死に追いかける妊婦さんの姿・・・とてつもない異様な光景ですよね。

私が産まれた時、母は、無事に産まれたことに本当にホッとしたそうです。


ポイント

異食症というのは、私の母のような煙だけではなく、土や髪の毛、石、チョークなどのような普段では考えられないような、まったく栄養のないものを無性に食べたくなり、歯が壊れようと、身体を壊す可能性があることがわかっていようと、ひたすら食べてしまう病気で、過度なストレスなどによる精神障害のひとつである強迫性障害が原因ではないかと考えられています。

氷食症は、こんな異食症の中のひとつなんです。

製氷機1皿以上の氷を食べる氷食症の症状とその原因

氷食症は、もともと水からできている氷を食べるのですから、異食症の中でも身体への害は少ないほうでしょう。だからといって、安心してはいけません。

氷食症の目安は、1日に製氷機1皿以上の氷を食べることです。

1日に製氷機1皿以上もの氷を食べるのですから、身体が冷えて、血管が収縮してしまいます。血管が収縮すれば、肩こりや頭痛、冷え症、下痢などのように身体に異変が起きます。

氷でお腹がいっぱいになってしまい、ご飯が食べられないということもあるでしょう。


しかし、氷食症で最も怖いのは、氷を食べたくなる原因です。

はっきりとした原因は解明されていないものの、ストレスなどの精神障害を除くと、口の中の温度が上昇することで、口の中を冷やそうとするため、氷が食べたくなるのではないかという説が濃厚だと考えられています。

氷が食べたくなると同時に、めまい、動悸や息切れ、倦怠感、体力や記憶力の低下などの症状がある人はいませんか?

症状に思い当たる人は、早いうちに病院に行き、検査をしてもらうことをおすすめします。ストレスからくる氷食症ではなく、貧血が隠れているかもしれません。

貧血検査ではわからない隠れ貧血?

普段より1.5倍もの血液量を必要とする妊婦さんは、血液量が不足して貧血になる可能性が高く、貧血の中でも、鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血になるケースはよく聞く話です。

この鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの血中濃度を検査して正常値以下であるかどうかで判断します。


では、ヘモグロビン検査ではわからない隠れ貧血というものをご存知ですか?

ヘモグロビン中の鉄分は、身体の中の鉄分の3分の2を含んでいて、残りの3分の1は、血液中の鉄分が不足した時のために、フェリチンという蛋白の中に蓄えられています。

血液中の鉄分が不足すると、まずフェリチンから鉄分を補給するため、ヘモグロビン中の鉄分の量は維持されます。

しかし、食事などによって十分な鉄分が補われなければ、蓄えることができずに、どんどんフェリチン内の鉄分が減少してしまいます。

これが隠れ貧血=滞在性鉄欠乏症です。



前に述べたように、妊娠中には1.5倍もの血液量を必要とします。これに伴うだけの鉄分の補給がされなければ、まずフェリチン内の鉄分が不足します。

しかし、貧血の検査としてヘモグロビン検査は行っても、フェリチン検査を行う病院は少ないようです。

そこで、大切になるのが妊婦さんによる先生への報告です。

隠れ貧血の状態になり始めた段階で、氷食症の症状が出始める妊婦さんも少なくありません。貧血検査で問題がなかったとしても、氷食症の症状に思い当たる妊婦さんは、必ず、かかりつけの病院で相談をしましょう。

妊娠中の氷食症による赤ちゃんへの影響と予防策

妊娠中に氷食症になると、妊婦さん本人だけではなく、赤ちゃんにも大きな影響があります。

  • 早産や流産の危険性
  • 逆子の危険性
  • 胎脂(たいし=赤ちゃんがクリーム状の脂をまとっている状態)の危険性
  • 難産の可能性
  • 栄養不足による低体重の可能性

たかが氷と思っていはいけません。赤ちゃんの命に関わるさまざまな影響をもたらすのです。

氷食症の予防、すなわち貧血の予防はお母さんの大切な役目です。


そこで、私がおすすめしたいのはプルーンです。

プルーンは、他の果物に比べて栄養価が高く、妊娠中に必要とされる葉酸が豊富に含まれています。また、抗酸化作用に優れていて、妊娠中の宿敵ともいえる便秘の解消や体内の毒素を外に出す効果があります。

妊娠中ではないのですが、高校生の時に急に過度な運動をしたことでヘモグロビンが壊れて貧血になった時、ドライプルーンを液状化した栄養補助食品のお世話になったことがあります。

通常では考えられないほどの回復力で、病院の先生にびっくりされました。


もちろん、栄養補助食品は栄養を補うためだけのものです。個人差もありますし、絶対によくなるというものではありません。

鉄分が豊富なレバーやお肉の赤身、大豆、ほうれん草、魚介類などと、鉄分を補給する手伝いをしてくれるビタミンCが豊富な、柑橘系の果物や緑黄色野菜をしっかりと摂りいれて、バランスのとれた食事をすることで、貧血予防をすることが大切です。

まとめ

「氷食症かも・・・」と思ったら、氷を食べるのを我慢するのは後回し。

原因が改善されれば、氷食症の症状も自然と改善されるもの。氷食症の主な原因ともいえるストレスや貧血の改善が、最優先です。

ストレス予防や貧血予防に心掛けるとともに、かかりつけの医師に相談することが、氷を我慢することよりも、おなかの赤ちゃんにとって大切なことですよ。