ラーメンというのは不思議な食べ物で、ときどき無性に食べたくなる料理の一品ですよね。
ラーメンは炭水化物で、そして、スープは塩分の宝庫。どれだけ身体によくないか・・・。
「妊娠中にそれだけ身体に悪いラーメンを食べて大丈夫なのかな・・・」そう考えてしまうのも無理はないと思います・・・が、大丈夫!不安ばかりにとらわれず、食べたい時には食べちゃいましょう!
ラーメン好きにとってラーメンは麺類じゃない!
一口に麺類といっても、うどん、そば、スパゲッティ―など、たくさんの種類がありますよね。
中でも、ラーメンは他の麺類とは違って、身体によくないという悪いイメージが強く見られがちな傾向があって、なぜか、他の麺類とは違うとらえ方をされる特殊な料理です。実は、麺類とは違ったラーメンというジャンルの料理とさえ言えるのかもしれません。
しかし、ラーメン好きな人にとっては、どんなに身体によくないと言われても、「我慢して長生きするより、好きなものを好きなように食べた方がいい」とさえ言います。
妊娠中の人は、「我慢してストレスを溜めると赤ちゃんに良くないから」と、理由を並べて毎日のようにラーメンを食べる人もいます。
「身体によくないんだよな~」という心の声に、耳を傾けずに無視し続けている自分がいるのが正直な所・・・という人も多いのではないでしょうか。
特に、妊娠中にラーメンを食べるということは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても、決していいものとは言えず、たくさんのリスクを伴います。
だからといって、ラーメンを食べたらダメというわけではありません。
身体によくないからと言っていると、食べるものがなくなってしまいますし、妊娠中でつわりがあり、ラーメンだったら食べられるという人にとっては、大切な栄養源です。
「食べたら出す」これを意識してさえいれば、食べても大丈夫なんですよ。
ラーメンってどうして身体によくないの?
麺類は、どれも同じように小麦粉から作られている炭水化物です。
ラーメンでよく問題視されているのが塩分や油分なのは、誰もが知っていることです。
スーパーでいろいろな種類の生麺や乾麺の表示を見てみると、食塩が入っていない麺類はスパゲッティ―だけでした。しかし、そのスパゲッティ―もゆでる時に塩を入れますよね。
そして、どの麺類においてもスープに塩分を使い、お肉などを入れたり油分もあります。
では、同じように他の麺類にも入っているのであれば、どうしてラーメンだけが身体によくないと言われるのでしょうか?
「塩分」
他の麺類とは違いラーメンの場合、独特のちぢれや色、弾力を出すために、食塩ではなくかん水を使って麺を作ります。
現在、日本では、塩の主成分でもある炭酸ナトリウムの他に炭酸カリウム、リン酸塩などを化学的に調合した物を使っている場合がほとんどで、他の麺類と比較すると、塩分量は2倍以上入っています。
特に、かん水に含まれているリン酸塩を摂りすぎると、カルシウムの吸収率を下げるうえに、身体の外にカルシウムを排出してしまい、骨粗しょう症の原因になります。
非妊娠・妊娠中の人ともにカルシウムは1日に650mg以上摂ることが進められています。
しかし、このリン酸塩をたくさん摂ることによって、せっかく必要量のカルシウムを摂っていても、どんどん流れ出てしまうという結果につながってしまうのです。
「油分」
スーパーで販売されているラーメンは、生麺、乾麺どちらを見ても、麺に植物油脂を使用しています。
この植物油脂。植物油と勘違いされ、動物油脂と違って身体にいいと思われがちですが、実は、決して身体によいものではないんです。
植物油というのは、単にさまざまな植物から取れる油を混合させたものです。
油は液体、脂は固体とよく言われますが、本来、植物から取れる油は、動物油脂のように常温で固まることはありません。そこで、植物油に水素を加えることで植物油をマーガリンのように固体化することが考えられました。
これが、植物油脂です。
植物油脂は、本来固まることのない植物油を固めるために、水素以外にもさまざまな食品添加物が使われています。
ラーメンの麺は、これだけ化学調味料や食品添加物がたくさん含まれているのですから、塩分だけでなく、化学調味料の宝庫と言えます。
これでは、赤ちゃんに影響がないなんて、誰も言えないですよね。
塩分の決めてはスープにある
麺の説明だけで、妊娠中にラーメンを食べることのリスクはわかっていただけたと思いますが、ラーメンの決めてにもなるスープにも問題があります。
みなさんは、ラーメンのスープを作ったことがありますか?
わが家の場合、昆布、煮干し、鰹節、鶏がらなどの他に、キャベツ、しいたけ、人参、玉ねぎ、生姜、にんにくなどの野菜をたくさん入れてだしを摂ります。
これだけ聞くと、とても身体にいいスープが出来るように感じますよね。
しかし、この後が問題なんです。スープを作る時の塩分の量、これが半端でないんです。
1日の塩分の摂取量は、非妊娠・妊娠に関わらず7g以下がベストだと言われています。
一般に販売されているラーメンの生麺の食塩量は約2gで、多いものであれば2.5g近い塩分が入っています。麺だけで1日に摂る塩分量の約3分の1が摂れてしまうのですから、スープには、塩分を入れずに・・・というわけにはいきませんよね。
ラーメンのスープには、たくさんの塩分が入ります。好みによって違いがあると思いますが、わが家では、生麺の約3倍にあたる約6~7g程度の塩分が1食分に入ります。
麺とスープを合わせると2+6~7=8~9gになり、1食食べただけで1日の塩分摂取量を超えてしまいます。
これを毎日になってしまえば、塩分の摂りすぎによって、妊娠高血圧症候群になるのも無理はないです。
ラーメンの決めてともいえるスープをみなさんは、残す派ですか?全部飲む派ですか?
ラーメンのスープは、もったいなくても、作ってくれた人に失礼だと思っても、全て残してください。
ラーメンのスープを残すことで、塩分量は約3分の1に下がります。
妊娠中でもラーメンを食べたいという人は、絶対にスープを残すことを忘れないで下さい。
悪いものを身体から出すことが1番大切
ここまで読むと、どれだけラーメンという料理が身体によくないか、お腹の赤ちゃんによくないかわかっていただけたかと思います。
しかし、塩分を全く使わずに作る料理はあるでしょうか?
ラーメンという料理に限って言えることではなく、どんな料理にも塩分は欠かせない調味料であり、オーガニック食品でない限り、保存料などのさまざまな化学調味料や食品添加物が含まれているのですから、ラーメンを絶対に食べたらダメという理由にはなりません。
私達がラーメンを食べる上で気を付けることは「回数を減らす」「薄味にする」「食べたら出す」この3つです。
回数は多くても1週間に1食がベストです。
そして、味見をして「少し薄いかな・・・」そう感じる程度でいいので、薄味を意識しましょう。それだけで、塩分が身体に入る量は全く違います。
そして、1番大切なことは、塩分がたくさん入っているラーメンのような料理を食べた後には、ほうれん草、いも類、大豆、海藻などのカリウムを多く含む食材をたくさん食べることです。
カリウムは、血圧を下げる効果があって、さらにカリウム:塩分=1:1の割合で、尿と一緒に塩分を身体の外に出してくれる優れものです。
また、キャベツやさつまいもなどの食物繊維が豊富な野菜を食べて、老廃物を出すようにとよく言われますが、他にもアスパラやブロッコリー、えんどう豆、にらなどには、発がんを抑圧する効果があり、化学調味料や食品添加物などの毒素を外に出す手助けをしてくれますよ。
まとめ
妊娠中は、赤ちゃんへの影響を考えると、塩分を減らし、化学調味料や食品添加物を全く食べずに生活をしたいと思うのは当然のことですが、なかなか難しいというのが現状です。
食べたいのに身体に悪いからと我慢して「ラーメンを食べたらだめ」と考えるのではなく、「食べたら出す」を1番に考えて、より楽しい妊娠ライフを過ごしましょう。