子供の習い事で人気の高い「ピアノ」。小さな子供が一生懸命ピアノを弾いている姿は、とっても可愛らしくて、微笑ましいもの。
私が子供の頃は、ピアノは女の子の習い事というイメージでしたが、今では、男の子も女の子も関係なくピアノを習っていますね。
「うちの子にも、ピアノを習わせてみようかな?」と考えているお父さん、お母さん。実は、決断する前に知っておいていただきたいことが、たくさんあるのです!
この記事では、ピアノを習うことによる効果やメリット、何歳から始めたらよいのか、月謝の相場や教室の選び方、楽器をどのように準備すればよいか・・・などを、元ピアノ&エレクトーン講師の立場から、アドバイスさせていただければと思います。
ピアノを習わせると、どんな効果やメリットがあるの?
ピアノを弾くということは、身体の様々な部分をすばやく使う、とても複雑な作業です。
- 楽譜を目で見る
- 脳に楽譜の情報が送られ、理解する
- 脳から指令が送られ、指で弾く
- 耳で音を聴いてチェックする
この4つの流れを、瞬時に繰り返し行なっています。脳の働きに良い影響を与えることは、言うまでもありません。
楽譜が読めれば、ピアノに限らず、どんな楽器演奏にも応用できます。また、ピアノが上達するためには、毎日の地道な自宅練習が必要不可欠です。できないところを繰り返し練習し続けることにより、集中力や粘り強さが自然と身に着きます。
発表会など、人前で演奏する機会も多くありますので、緊張をコントロールしたり、うまくできたときの達成感が自信につながります。これは音楽に限らず、人生のあらゆる場面で役に立つことでしょう。
ざっと挙げただけでも、これだけの効果やメリットがある「ピアノ」。では、いつから始めるのが効果的なのでしょうか?
いつから始める?
習い事をするなら、できるだけ早い時期から始めたほうがよい、と思われがちです。
特に音楽の場合、小さい時から始めないと、絶対音感が身に着かない、などとよく言われます。確かにそうかもしれませんが、音楽をやっていく上で、絶対音感はどうしても必要なわけではありません。
それよりも、毎日の生活の中で、良い音楽に触れる機会を多く持たせてあげることのほうが、もっと大切です。
ピアノの個人レッスンの場合、子供は親から離れて、先生と一対一でレッスンを受けることができなければなりません。また、ピアノは両手を使う楽器なので、右手と左手の区別を理解している必要があります。
そして、教本を使いますので、ひらがなを読めたほうが、レッスンもスムーズに進むでしょう。
そういうわけで、ピアノの個人レッスンを希望する場合は、4~5歳以降がおすすめです。
もちろん、お子さんによっては、3歳からでも始めることができるかもしれません。しかし、覚えておいていただきたいのは、ピアノの始めどきは、子供によって違うということです。
子供自身がピアノにあまり興味を示さなかったり、集中してレッスンを受けられない場合は、もう少し先に延ばしましょう。
実際、私の生徒で、小学2年生からピアノを始めた女の子がいましたが、幼稚園から習い始めた子達を、あっと言う間に追い越して、すぐに難しい曲が弾けるようになりました。焦る必要は全くありません。
ピアノ教室の月謝はいくらぐらい?
ピアノ教室の平均的な月謝の相場は、7,000円~8,000円ぐらいでしょう(週1回30分)。もちろん、これはあくまでも相場なので、実際は、教室によって大きな差があります。
同じ教室の生徒であっても、レッスン時間やレッスン内容、年齢などにより、変わってきます。出張レッスンの場合は、お月謝に交通費がプラスされます。
月謝の額は安いほうがいいに決まっていますが、あまりにも安い月謝の場合は、レッスン内容もそれなりのレベルかもしれません。指導力のある先生は、月謝に見合ったレッスンを必ずしてくださいます。
ピアノ教室はどうやって選べばいいの?
ピアノを習いたい場合は、大手の音楽教室か、個人が開いているピアノ教室のどちらかを選択します。
大手のピアノ教室
大手の音楽教室の場合は、ホームページから情報をすぐに入手できますし、システムが明快なので、入会する際の不安はあまりないかと思います。
しかし、実際にどのような先生にあたるかは、入会してみないと分かりませんし、個人教室のように、先生との密接な関係は築けないでしょう。
個人ピアノ教室
個人教室の場合、これは指導力、先生の人柄、教室のレベル、月謝、教室の設備・・・すべてにおいて、千差万別です。
どの教室がよいのか、全くの素人が選ぶのは大変難しいでしょう。一番頼りになるのは口コミによる評判です。また、実際に幾つかの教室でレッスンを体験させてもらい、指導者からお話をじかに聞いてみましょう。
自宅にピアノを購入しないといけない?電子ピアノやエレクトーンはダメ?
ピアノは大変高価な楽器です。また、アパートなど、ピアノを設置できないお家もあります。
その他様々な事情でピアノを準備できない場合、電子ピアノの購入を検討されるかもしれません。電子ピアノでは、ピアノを習うことはできないのでしょうか?
結論から言えば、そのようなことはありません。
今の電子ピアノは性能も良く、上級機種になればなるほど、音色や鍵盤のタッチが、本物に限りなく近づいています。ですが、電子ピアノはあくまでも電気の楽器であり、ピアノと電子ピアノは、根本的に別物であることを理解していただきたいと思います。
エレクトーンでピアノを習うことはできない
エレクトーンもピアノと同じ鍵盤楽器ですが、ピアノとは全く別の種類の楽器です。エレクトーンでピアノを習うことはできません。
エレクトーンを習う場合は、エレクトーン専用の教本で、レッスンを受けましょう。
楽器の購入にあたって注意すること
ピアノを購入する場合は、新品か中古かということになります。中古ピアノを購入する場合は、地元の楽器店や先生の紹介など、信頼できるところで購入してください。
中古にしても、決して安い買い物ではありませんから、予算の範囲内で慎重に決めましょう。実際にそのピアノで練習するのは、お子様なので、お子様本人にピアノを弾いてもらい、タッチや音色を一緒に確認してあげてください。
電子ピアノの場合は、できるだけ新品を購入しましょう。20万円~の電子ピアノなら、ピアノレッスンに十分堪えます。
電子ピアノも、メーカーにより音色が微妙に違い、機能も様々ですから、先生とよく相談して決められることをおすすめします。
まとめ
端的に言えば、ピアノを習う上で重要なことは、①子供の意欲、②よい指導者、③よい楽器、ということになります。そして、言うまでもありませんが、本人の努力と家族のサポートがどうしても必要です。
お子さんがピアノを習い始めたなら、できるだけ長くレッスンを続けられるよう、温かく支えてあげてください。何よりも、音楽を楽しみながら、上達していけますように!