前向き抱っこ紐に対する評価は世間一般的にあまり良くありません。

「赤ちゃんへの刺激が強すぎる」「赤ちゃんの身体への負担が大きい」「顔が見えないから赤ちゃんの反応がわからない」など良くないとされる意見は数々ありますが、前向き抱っこ紐は本当にデメリットばかりなのでしょうか?

実は、前向き抱っこ紐にだって、素晴らしいメリットがあるんです。

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デメリットが多い前向き抱っこ紐、本当に赤ちゃんに良くない?

最近、前向き抱っこをしているお母さん、けっこう増えていますよね。

初めてスーパーで前向き抱っこ紐をつけている姿を見て、とても驚き、違和感を覚えました。同時に、「動物園に行った時に子供に動物を見せてる時って、動物から見ると、あんな風に抱っこしてるように見えるんだろうな」と思いました。

前向き抱っこをするお母さんが増えている半面、「前向き抱っこできる抱っこ紐を持ってるけど、前向き抱っこなんてしたことない」そんなお母さんもたくさんいます。

では、どうして前向き抱っこの評判はよくないのでしょうか?

どんなデメリットがあるのか調べてみました。

     

  • 股関節脱臼になる可能性がある
  • 男の子の場合、精巣に負担がかかる
  • 背骨がまっすぐになり負担がかかる
  • 脳への刺激が強すぎて夜泣きの原因になる
  • 寝た時によりかかることができない
  • 赤ちゃんの反応を見ることができない
  • 足元が見えない
  • 転んだ時に赤ちゃんの顔がまともにぶつかる可能性がある
  • 物を落として拾う時に頭を支えるのが大変
  • 抱っこ紐をつけている人の肩や腰への負担が大きい


これだけたくさんのデメリットがあると、前向きに抱っこ紐を使うのが嫌になる気持ちもわからなくはありません。

では、メリットなんてないというお母さんもいるようですが、そうなのでしょうか?

前向き抱っこのメリットや効果は?赤ちゃんにとって必要?

前向き抱っこ紐には、子供の成長において、欠かすことのできない大きなメリットがあります。

それは、なんといっても赤ちゃんの脳に刺激を与えることです。

「脳への刺激」というのは、デメリットにもありますよね。たしかに、デメリットでもあるように、刺激が強すぎると脳が混乱し、夜泣きの原因になります。

しかし、過度の刺激でなければ赤ちゃんの脳の活性化に繋がります。逆を返せば、赤ちゃんの脳に刺激を与えなければ、脳が活性化されないということなんです。

前向きに抱っこをするということは、お母さんと同じ目線で物を見ることができます。対面抱っこでは、まずあり得ないことです。

赤ちゃんの脳が刺激を受ければ受けるほど、いろいろなものに興味を持ったり、考える力が備わたり、記憶力が良くなったり・・・脳に刺激を与えること自体は、決して悪いことではないんです。


前向き抱っこに、これだけ素晴らしいメリットがあっても、デメリットが多すぎるし、「メリットであってデメリットでもあるでしょ。やっぱり前向きに抱っこ紐をする気にはなれない」と思うかもしれませんね。

でも、成長に合わせて抱っこ紐をフルに有効活用することで、赤ちゃんの成長を促すことができると考えてみたらどうでしょうか?

前向き抱っこ専用紐という商品は、ほとんどありません。

前向きの他に対面抱きとおんぶができる3WAY、あるいは、前の3つにプラスして横抱きができる4WAYタイプなどのように、多機能タイプの抱っこ紐がほとんどです。

せっかく多機能の抱っこ紐を持っているんだから、使わないと損してると思いませんか?

前向き抱っこはいつからできる?股関節と背骨への負担には注意!

抱っこ紐のメーカーや種類によって、推奨月齢に違いがあり、首がすわってからか腰がすわってからというものがほとんどです。

私は、どんな前向き抱っこ紐でも、赤ちゃんの成長を考えると、腰がすわってからの使用をおすすめします。

首がすわった頃から前向き抱っこをしてもいいとされる抱っこ紐をお持ちのお母さんであれば、「どうして?」と疑問を持つかと思います。

それは、デメリットにあるように赤ちゃんの股関節と背骨への負担が大きいからです。

腰がすわる前の赤ちゃんに、おしりではなく股関節側に体重がかかるのは負担が大きい点、そして、赤ちゃんのくにゃくにゃでC字の背骨がまっすぐになるのは、とても負担がかかります。

しかし、腰がすわってしまえば、股関節脱臼の心配も半減しますし、背骨もしっかりしてC字ではなくなります。



また、新生児のうちは視覚や聴覚が発達していないため、嗅覚で周囲の判断をしています。

この視覚・嗅覚・聴覚は、脳の働きを促すための大切な役目をしていますが、赤ちゃんは、お母さんのおなかの中という真っ暗な所から、急に明るい外に出たのですから、全てのものが新しい情報として脳に伝達されます。

そこで、私は視覚に注目し、赤ちゃんの視力について調べてみました。

赤ちゃんの視力はどのように発達する

月齢 視力 判別能力
0~1ヵ月 0.01~0.02 明暗を認識できる、黒・白・灰色のみで輪郭は認識できない
1~2ヵ月 0.01~0.02 20~50cmくらいのものがぼんやり認識できる
3~5ヵ月 0.04~0.08 表情・形・色・奥行がぼんやり認識できる「追視」の始まり
6~12ヵ月 0.1 視覚で人の区別ができる・奥行や距離感を把握できる
1歳以降 0.2~0.25 空間を把握できる、急成長して3歳までに1.0くらいになる


まだ、首がすわったばかりの赤ちゃんということは、3~4か月くらいです。表から考えると、20~50cmくらいのものがぼんやり見えて、奥行きが認識できるようになる頃です。

前向きに抱っこをすると、お母さんにとって前方から歩いてくる人がいてすれ違う時、赤ちゃんにとっては、急に目の前に現れて、せまってくるように見えることもあるそうです。それは、それは恐ろしい状態に見えるでしょう。

腰がすわってくる6か月以降になると、表にあるように、奥行きも距離感も人の区別もできるようになりますから、そんな恐ろしい状態に見えることもなくなります。

赤ちゃんにわざわざ恐怖を覚えさせなくてもいいですよね。

短時間の前向き抱っこで赤ちゃんの好奇心を育てよう

赤ちゃんがいろいろなものに興味を持ち、なおかつ、視力も発達してきて腰がすわった6か月頃からが、前向き抱っこ紐の活躍の時です。

腰がすわる6か月頃の赤ちゃんって、いろいろなものに興味を持って、手を伸ばして欲しがったり、自分が行きたい方に身体を伸ばそうとすることありますよね。

視力もついてきて、動物園や水族館、公園などに行っても興味を持ち、親子で楽しむことができるようになってきます。
 

動物園や水族館などに行って対面抱っこをしていると、興味津々で後ろを振り向こうとすること、ありませんか?

そんな時、私もそうでしたが、赤ちゃんの興味がどこにあるのか、どこに行きたいのか知りたくて、抱っこ紐を外して片腕を赤ちゃんのおなかに回し、赤ちゃんのおしりを片腕に乗せて支えながら抱っこしている光景をよく見かけます。

この抱っこの仕方、おしりを支えている腕がつりそうになったり、両手がふさがってしまって荷物が邪魔になったりするので、けっこう大変なんですよね。

「前向きにつけられる抱っこ紐があったら、どんなに楽だろう・・・」と、何度思ったことか・・・

たしかに、前向き抱っこ紐のさまざまなデメリットを考えると、対面抱っこに比べて、長時間つけたままにするのはおすすめできませんし、前向き抱っこで抱っこ紐をつけるのを嫌がる赤ちゃんもいるので、絶対にしてみた方がいいとは言いません。

しかし、それは対面抱っこ紐やおんぶ紐だって同じことです。

赤ちゃんの好奇心を育て、脳に刺激を与えるのはお母さんやお父さん、周囲の人の役目です。そのために有効活用できる物があるのであれば、使わないのは損です。

抱っこ紐の使い方のひとつとして、前向き抱っこは、1度試してみる価値はあると思います。

まとめ

デメリットが多くて嫌がるお母さんが多い前向き抱っこ紐。

しかし、赤ちゃんの好奇心を育てるという、とても素晴らしいメリットがあります。

デメリットを考慮したうえで、腰がすわる6か月頃から短時間、前向きで抱っこ紐をつけてお母さんと同じ目線で物を見ることで、赤ちゃんの好奇心を育ててみてはいかがでしょうか。