生まれたばかりの赤ちゃん、可愛いですよね。お母さんのおなかから出てきたばかりの赤ちゃんにとっては目に映るものすべてがはじめてで、新鮮なものばかり。
とは言え、赤ちゃんの目はどのくらい見えているのでしょうか。よく新生児は目が見えていないと言うけれど実際のところはどうなのでしょう?またいつごろから見えてくるのでしょうか?
赤ちゃんは目が見えないの?その理由は?
実は赤ちゃんはおなかの中にいるときから目が見えていると言います。もちろん色などは分かりませんが、外の明るさによって「まぶしい」「暗い」といったことは感じているようです。
新生児でも明るさを認識することできますし、物を見るための組織は備わっています。しかしはじめからちゃんと見えているわけではありません。
生まれたばかりの頃は物の形は分かりませんし、色の認識もできないため白黒でしか見えていません。
その理由は脳の発達と密接に関係があります。物を見る、というのは目だけで行う事ではありません。目で見たものを脳が処理してはじめて「見る」ことができるのです。
また、赤ちゃんの視力と運動能力にも深いかかわりがあります。生まれてすぐの赤ちゃんはすべてか発達段階にあり毎日いろいろな経験を積み重ねることで学習していきます。
時期別~赤ちゃんの目の発達をご紹介!
このように、赤ちゃんの目は成長段階によって見え方が変わってきます。視力だけでなくすべての身体能力が1歳までの1年間で大きく成長します。
一体どんな風に目が見えてくるのか、時期別にご紹介しましよう。
新生児期~1ヶ月
新生児の視力は0.01~0.02ほどです。両目を使ってピントを合わせる、という事が出来ないので物の輪郭はぼやけて見えています。
明暗を認識することはできるので、光が顔に当たると「まぶしい!」と目をつぶってそむけるような仕草をします。色はまだよくわからず、ほとんどのものが白、黒、グレーに見えます。
赤ちゃんをあやしているとお父さんやお母さんのおでこのあたりをじっと見ていることがありますね。それは髪の毛とおでこの境目が赤ちゃんの目には判別しやすいためだと言われています。
色々なものを見ていくうちに徐々に視界に入ったものを識別する能力が育ってきます。
この頃はお父さんお母さんの姿も目だけでは認識できないので、声やにおいで探しています。いっぱい名前を呼んだり、「おはよう」「おなかすいたね」などと声をかけてあげたりするといいですね。
2ヶ月~3ヶ月
視力は0.04くらい。両目を使ってピントを合わせることができるようになるのでぼんやりとものの輪郭が認識できるようになります。
お父さんお母さんの表情も少しずつ判別できるようになってきます。色も分かってきます。
はじめに見えるようになる色は何色かわかりますか?「赤」なんです。そしてはっきりした色から見えるようになっていきます。
赤ちゃん用のおもちゃ売り場には赤、青、黄など原色を取り入れたものが多く置いてありますが、赤ちゃんに見えやすいようにという配慮なのですね。
自分の手を見つめる「ハンドリガード」が見られるのもこの頃です。昔は「ゲンコツを見る」などとも言いましたが、ハンドリガードは赤ちゃんが自分の手の存在に興味を持ってジッと見つめるような行動の事です。
指しゃぶりをしようと顔の前に持ってきた自分の手を「これなんだろう?」と実に不思議そうに眺めている姿は本当に可愛いですね。自分の体を認識し、動かすことによって脳も運動神経も視力もどんどん発達していきます。
ガラガラなどのおもちゃにも興味を持ち始めるので、顔の前で左右に振って遊んであげると親子のかかわりの時間としても、成長を促すという意味でもとても有意義ですね。
4ヶ月~5ヶ月
視力は0.08ほど。4ヶ月に入るころになると、左右の目のバランスが発達し、物の奥行きが分かるようになり、見える物を立体的に認識するようになります。
目の前で動くものを目で追い、手を伸ばして捕まえようとします。見たものを脳が理解し、さら手を動かす、という動作につなげることができるのです。伸ばした手と物の距離を感じることで空間認知能力も発達します。
少し離れた場所におもちゃを置いておくと「取りに行きたい!」という気持ちから寝返りをうつ動きを見せるかもしれません。
6ヶ月~1歳
視力は0.1ほど。ずっと寝転んでいたのが、おすわりができるようになると急に視界が広くなり、興味の対象も広がります。
これまで声やにおいを頼りに認識していた人の顔を区別し、覚えられるようになるので人見知りが始まる子もいます。身体能力が育ち、ハイハイやたっち、伝い歩きができるようになるとさらに刺激が加わってより遠いものや細かいものも見えるようになっています。
人の動作などにも注意が向くようになり、大人と同じように手を動かすなど物まねをしたりします。「いないいないばあ」遊びや柔らかいボールの投げっこなどが楽しめるようになります。
動けるようになるにつれて視界も興味の対象も広がります。脳と運動能力、そして目の見え方が連動してどんどん発達していくのです。
1歳~
1歳頃の視力は0.2~0.25ほど。遠いもの、近いものを見るときには自然とピント調節できるようになってきます。3歳くらいには0.6位になり、大人とあまり変わらなくなります。そのあとは6歳くらいまで発達を続けると言われています。
歩けるようになったなら陽気の良いときに外にお散歩に出かけたり公園で遊んだりして下さい。青い空に眩しい太陽、季節ごとに咲く花の色など様々な色を見ることで目はもちろん心も成長していきます。
テレビやスマホの画面にも興味持ち始めますが、赤ちゃんの目には刺激が強すぎることもあるのであまり使いすぎない方が良いようです。
大切なのは親子のかかわりです!
いかがでしたか?赤ちゃんの目の見え方は視力だけの問題ではなく、いろいろなものと触れ合うことで脳や運動神経と共に発達していくのですね!その中でもやはり一番大切なのは「お父さん、お母さんとのかかわり」です。
目があまり見えていない新生児でも自分の名を呼ぶ優しい声はちゃんと聞こえています。大好きなお父さんお母さんともっといっぱい遊びたい、いろんな景色を見たい、という気持ちが様々な能力を育てていきます。
赤ちゃんは一日として成長しない日はありません。今できること、今見えているものを大切に過ごし、健やかな成長につなげていきたいですね。