「明日から安静生活を送ってください。」妊娠中には突然医師からこう伝えられることがあります。

自分では全く問題がないと思っていても、お腹の中で異変が起きていたり、赤ちゃんが早くに産まれてきてしまう危険性がある時に、リスクを少しでも減らすためにママが唯一出来る事です。

では、安静生活とはどのような生活を送れば良いのでしょうか?

妊娠7ヵ月頃に前置胎盤と診断され、1ヵ月の自宅安静生活を過ごし、その後は出産まで入院して安静生活をすることになった私の経験を紹介します。

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安静生活とは一切動かないが目標!

安静生活と聞いてどんな生活をイメージしますか?

  • 家事を減らし、マイペースに行えばいい?
  • 体重管理のためのウォーキングを少しの間お休みすればいい?
  • 疲れを感じた時、お腹が張ったと感じた時に横になればいい?


答えはNOです!安静生活とは一日中一切動かないという事が目標です。

毎日家事をしなくてはいけない事は十分に分かります。掃除をしなくては家じゅうにホコリが溜まり、料理をしなくては旦那様の食事も作れません。洗濯をしなければどんどん着るものがなくなってきますよね。

しかし、家事をこなせば赤ちゃんに危険が及ぶと言われたらどうですか?

体重管理のウォーキングやマタニティヨガは人気がありますが、これを行おうなんてもってのほかです。

そして疲れを感じた時、お腹の張りを感じて初めて横になればよい、これも問題外です!お腹の張りを抑える為に安静生活の指示をされているのです。

家族や両親の強力があれば必ずなんとかなりますよ。

安静生活で動いていいのはどんな時?

安静生活で唯一許される動きがあります。食事、トイレ、お風呂です。

ただし、食事はなるべく早くに切り上げる事、トイレでは長時間お腹に力を入れたり座った体勢を続けない事、お風呂は湯船には浸からずシャワーで済ます事、一秒でも体を起こした状態を減らすことが大切です。

私は前置胎盤と診断され約1ヵ月間の自宅安静生活を過ごすことに

私は妊娠7ヵ月を過ぎた頃に安静生活の指示がされました。

安定期頃から既にお腹の張りを頻繁に感じていたこと、前置胎盤という妊娠中のトラブルが分かり、突然の大量出血の恐れがあった事、この2つの事があり、我慢とイライラの安静生活を送ることになりました。

安静生活がスタートする

安静生活を始める前日まで、私はフルタイムパートとして勤めていました。本当だったらもっと早めに仕事を辞めて安静生活を送らなくてはいけない状態でしたが、職場に迷惑をかけるまいと無理をしていました。

医師からも当然早く仕事を辞めて安静生活を送りなさいと何度も言われていましたし、そうしなくてはいけないと自分自身でも思っていましたが、ズルズルと時間だけが過ぎていきました。

そして無事に退職日を終え、安静生活のスタートを切ったのです。家事は旦那と近くに住む義母に協力してもらう。家事さえ何とかなれば生活するにあたって特に問題ありません。

安静生活は3日で飽きる

安静生活の始まりです。

旦那がいつもよりも早めに起きて洗濯、朝食の準備をしてくれ、出勤していきます。家を出る時も私はリビングのソファに寝たままで、傍から見たらグータラ主婦状態です。

食事を済ませ手早く洗面を済ませてからは、また定位置のソファに戻りテレビを見たり、スマホで前置胎盤についてや出産関係の情報収集を開始します。

静かな部屋の中で冷静に周りを見渡すとあれもこれもと気になって動きたい衝動にかられます。

掃除がしたい、入院グッツを準備したほうがいいかな?時間があるという事はいろんな事を考える時間があり、しかし行動に移す事は出来ない。それがストレスになりました。

テレビに飽きたら昼寝をして、ちょっと小腹がすいたからとおやつを食べる。旦那がもしもこの状況を知ったらと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

こんな安静生活は3日でギブアップしました。

妊娠中はただでさえ情緒不安定になる

日に日に募る動けないイライラ、いつ起こるか分からない前置胎盤の出血への不安、家事を手伝ってくれている旦那や義母への申し訳なさ・・・

そんなネガティブな事を考える瞬間と赤ちゃんを守れるのは私だけ、いつかはこの辛い時間も終わりが来る!!そんなポジティブな考え方をする瞬間が一日になんどもありました。

この感情の爆発は旦那がいる時間帯に突然起こり、何の前触れもなく泣きだしたり文句を言う私に旦那は一番戸惑っていたでしょう。

自宅安静より病院での入院生活の方が更に過酷

自宅安静を開始して約1カ月の頃、安静にしていたにも関わらず、わずかな出血が起こってしまい、万が一のことを避ける為にも出産を終えるまで入院生活をすることになりました。

そして入院中の安静生活は自宅安静とは比較にならないくらい過酷なものになりました。

私が入院した産婦人科病棟では、入院してすぐに安静度の説明が看護師からされました。

一人ひとりどこまで動いていいか、こまかい制限があります。私の安静レベルは「中」。以外にも自宅安静よりもゆるいのではないかと思うくらいの制限でした。

  • 歩行は産婦人科フロア、1階下の売店までOK(ただし、お腹の張りを感じる時はNG)
  • ベッド上での座った状態での作業はOK(ここで言う作業とは食事やテレビを見たりすることです)
  • 一日おきのシャワーOK


お腹の張り止め点滴を行っていたことと、何かあったときでもすぐに処置が出来るという事もあり比較的自由度がありました。

ただし、その時点で出血が止まっているから自由度があるだけであって、わずかな出血が起きた場合は安静度が一気に上がります。

入院中の安静度MAXとは?

安静度がMAXになった時の制限も聞くことが出来ました。

「ベッド以外の移動は一切禁止」

この一言を聞いたとき一瞬「?」となりませんか?私も、え?と再度聞き直した覚えがあります。

ベッド以外というのはトイレ、シャワーはもちろんいけませんし、週に一度ある診察のときも車椅子での移動が必要になります。トイレ、シャワーにいけないとなると、どうなるの?と思いますよね。

シャワーは温かいタオルで体を拭くことでしのぎます。シャンプーは出来ません。洗い流し不要のシャンプーなどを使用して我慢することになります。


では、肝心のトイレは?これは、トイレに行きたいと思った時にナースコールをしてお尻の下に専用のシートを敷いてもらいそこで用をたします。

場合によっては簡易トイレをベッド横に置いてもらいそこですることもありますが、どちらにしろ絶対にやりたくない事ですよね。100歩譲って個室ならまだしも、大部屋です、絶対に今の安静度をキープしなくてはと自然と無駄な動きはしないようにと決意がかたまります。

ここまでの重度な安静度になる人は本当にごくわずか、ただしゼロではないという事。

そんな安静度に一歩間違えれば自分がなってしまうかもしれない。頭の中でグルグルと考えました。

まとめ

行動の一つ一つに神経質になりながら安静生活を続けました。幸い入院中にはわずかな出血もなく、無事に出産を終えることが出来ました。

出産を終えて感じる事は、終わってみると辛かった毎日の記憶はすぐに遠い過去のように薄れてしまうという事です。

安静生活中は本当に辛くて嫌で逃げ出したい気持ちで毎日を過ごします。しかし、可愛い我が子の顔を見れば大したことはなかったなと感じる事が出来ます。

必ず終わる日がくる安静生活、元気な赤ちゃんを産む為にも頑張って乗り越えましょうね!