妊娠中には「絶対大丈夫」という言葉はありません。むしろいつどんなトラブルが起きるか分からない、そう自分に言い聞かせておくほうが良いかもしれません。

私は我が子を妊娠中、前置胎盤と切迫早産の危険性がある為、約三カ月の長期入院生活を送りました。入院中は絶対安静。長期の安静生活の後には様々な体の変化があり、それが原因で育児が出来るのか不安もありました。

今、前置胎盤や切迫早産などが原因で安静指示を必要とするプレママに、長期入院後の体力不足の状態で育児が出来るのか?体験談をもとにご紹介したいと思います。

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自宅安静より入院安静のほうが体力や筋力は落ちる

前置胎盤や切迫早産の疑いがあるプレママには安静もしくは絶対安静の指示が出されることがあります。安静指示の最終目的は体の動きを最小限にとどめ、赤ちゃんを一日でも長くお腹の中で育てる事です。

安静指示には自宅や病院で入院する二つの方法があります。自宅安静よりも入院をして安静生活を送る方がより体を動かさず過ごす事が出来ます。

私は自宅安静と入院安静、どちらも経験しました。

自宅安静は約1カ月間、入院生活は約3カ月間。安静生活を送ったのちに経験した体力や筋力の落ち方はやはり入院安静の方が大きかったです。

入院安静をしている最中に感じた体力の衰え

入院中は一日の大半をベッド上で過ごす事になります。ほとんど歩くこともせず、手の届く範囲内に必要なものが揃っている。歩くといえばトイレと洗面くらいでした。

傍からみればこんな極楽な生活はありませんが、こんな生活を長期間送っていれば当然体力はみるみる落ちていきます。足がすごく華奢になったな~と少し嬉しい気持ちも感じるくらいになり、目で見てもはっきりわかるくらいでした。


入院安静中に筋力が驚くほど落ちたと最も感じた瞬間がありました。

それは一度しゃがむと自分の力では立ち上がれなかった時です。床に物が落ちてしまい、拾おうとしゃがみ込みました。するとそこから動けなくなってしまったのです。

立ち上がろうとしても立てない、力が入らず、だんだんプルプル足が震えてきます。ナースコールを押して看護婦さんを呼ぼうか‥でもナースコールのボタンが届かない。近くに手すりがあり手すりにつかまりやっとの思いで立ちあがることが出来ました。

これには正直自分でも驚きましたが、人間は動かない生活をしていると一気に体は弱っていくものなんだと実感させられました。

安静生活を終えそのまま出産。帝王切開は体力がなくても大丈夫

切迫早産の危険があるプレママはだいたい妊娠36週を超えると退院して自宅で陣痛が来るのを待ちます。

私は前置胎盤を抱えていましたので、自然分娩は不可能でした。その為退院せず、帝王切開の日を迎えることになりました。

帝王切開は手術台の上でじっと赤ちゃんが産まれてくるのを待っているだけなので、体力は必要ありません。

もしも自分が自然分娩だったら?体力勝負だという出産に耐えることができるのか不思議でたまりません。

出産後からは育児がスタート!赤ちゃんが重たくて腕がプルプル

帝王切開二日目から母子同室生活が始まりました。

まず感じたのが赤ちゃんは重たい!

我が子は早産でしたので2348gとチビッ子でした。しかし、体全体の筋力が落ちています。抱っこするだけでも必死で、5分抱っこしているだけで腕がプルプル震えてきます。特に慣れない授乳の姿勢をするだけで汗だくでした。

退院までに沐浴といって赤ちゃんのお風呂の練習もします。大きな洗面台にたっぷりとお湯を張り、左手で赤ちゃんを支え、右手で洗います。これが一番苦労しました。

両手で抱っこしていても重たい赤ちゃんを片手で抱え、更には溺れさせないようにしなくてはいけません。フニャフニャの赤ちゃんの抱き方も危うい状態での沐浴は緊張感がたっぷりです。

赤ちゃん自身にもその緊張感が伝わるのか?必死につかまれる場所を探しているので笑ってしまいました。

めでたく退院!が、体力や筋力が落ち駐車場まで歩いて行けない!

出産後8日目にめでたく退院することが出来ました。長期入院の荷物、多くの出産祝い、多くの荷物と赤ちゃんを抱っこして旦那と久しぶりの自宅へ戻ります。

荷物は旦那に持ってもらい、私は赤ちゃんを抱っこして駐車場へ向かいました。入院病棟が5階、駐車場が1階、途中エレベーターを使い、ゆっくり歩いても5分の距離です。

久しぶりの屋外にドキドキしていましたが、途中からそんな気持ちも吹っ飛んでいきました。

産婦人科病棟を出てエレベーターに乗る頃、既に私の足はマラソンを終えたような疲労感を感じていました。赤ちゃんを抱っこする腕も震えだし、今にも落としてしまいそう。

旦那はどんどん先に進んでいってしまい、ついていく事が出来ません。やっとの思いで車に乗り込むとゼエゼエと呼吸が上がって仕方ありませんでした。

実家に里帰りすると言えども、こんな状態で明日から育児が出来るのか?不安でたまりませんでした。

実家で過ごした1カ月間で体を十分に休める

病院から自宅に戻り、しばらく休憩してから里帰り先の実家に行きました。

実家にいれば食事の支度も掃除洗濯も何もしなくてもよいので、赤ちゃんのお世話だけに集中して過ごす事が出来ます。

両親と弟がいますので、抱っこに疲れたり、休憩を取りたい時はいつでも交代して赤ちゃんの面倒を見てくれます。なので、本当に楽な生活を送らせてもらい、体を十分に休めることが出来ました。

あっという間に1カ月間が過ぎてしまい、泣く泣く自宅に戻ることになりました。

自宅に戻ってからは1カ月ほどで筋力や体力もついてきた

自宅に戻ってからは、一日の大半を赤ちゃんと二人きりで過ごす事になります。旦那はもちろん仕事に行ってしまいますので、頼ることが出来ません。

久しぶりに家事をやるので、いまいちどんな感じだったのか思い出すまでに時間がかかりました。手抜き出来る事はどんどん手抜きをする。疲れたら赤ちゃんと一緒に寝てしまう。

そんなスローペース過ごしていましたが、やはり体には負担がかかっていました。

抱っこしていた腕の力はこの1カ月間でだいぶ力が付き、震えが起こる事はなくなりました。そしてチョコチョコと家事や家の中を移動するようにしていたので、動きすぎて息が上がることもありません。

ただ、膝に痛みを感じる事が多くなってきたのです。赤ちゃんを抱っこして立ち上がる時に両膝が痛くて立ち上がれず、動けなくなってしまいます。

この膝の痛みは赤ちゃんが大きくなるにつれどんどん激しくなりましたが、4カ月頃にはほとんど感じなくなりました。

自信を持って!体力が落ちても育児はできる!

安静生活~出産後に何度も体力が落ちたなと感じる事はありました。しかし、体力が落ちたからと言ってどうしようと悩んでいる暇はありません。

母は強いな!不思議とそんな事を自分で思うくらいです。育児は体力と忍耐力が大切とも言いますが、正直なところ体力も忍耐力もなくてもなんとかなります。

腕の筋力が落ちたから赤ちゃんを抱っこ出来ないなんていっている暇がありません。泣いたら抱っこ、そのまま一時間立ちながらユラユラ抱っこだって出来てしまいます。

毎日赤ちゃんのお世話と家事をしていれば気が付けば今まで苦労して持っていたお米袋もヒョイっと軽々持てるようになってしまいます。

深く考え込ます、出来ることを少しずつこなしていけば、体力もだんだんついていきます。赤ちゃんとの幸せな時間をのんびりと過ごしていきましょう!