私は妊娠中に前置胎盤というハイリスクを抱えての出産に挑みました。

前置胎盤とは胎盤の位置が悪く、突然の大量出血が起こる可能性が高い病気です。27週の妊婦健診のとき「明日から出産日まで入院してください」と言われ、退院まで約三カ月を病院で過ごしました。

前置胎盤のみではなく、早産の危険があるママも同様で赤ちゃんを守る為突然の入院指示をされることがあります。

では、妊娠中の入院生活はどのようなものなのか?私が経験した病院での一日のスケジュールを詳しくご紹介したいと思います。

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妊婦さんの入院目的は1日でも長く赤ちゃんをお腹の中で育てる事!

妊婦さんの入院は長期になる事が多いです。入院理由はどうであれ短くても一週間、長いと数カ月はよくある話です。

これは母体だけではなく、お腹の赤ちゃん二人ともを守る為であり、小さなリスクをも回避する為に必要な事です。

入院中は早朝から昼食までが最も慌ただしい!

6時

入院中は本当に規則正しい毎日を送ることになります。6時に起床でしたが、妊婦さんは早朝から慌ただしい一日がスタートします。

入院中の妊婦さんのほとんどは、お腹の張り止め点滴を行っています。この点滴をすることによって子宮の収縮を抑えることができ、あらゆるリスクを減らす事が出来ます。

この点滴は効果が非常に高いのがメリットですが、その反面副作用も強いため、毎週血液検査をする必要があります。


週に一度、目覚めた瞬間から採血の検査がありました。寝ぼけた状態でも看護師は枕もとのライトですばやく採血してくれます。

その後、お腹の張りが頻繁になっていないか、赤ちゃんの心拍が元気に動いているか確認するための検査をします。ベッド上に仰向けになりお腹にベルトを巻きます。安静状態で約30分間過ぎるのを待ちます。

この検査は1日に3回朝昼晩と行います。検査の結果次第で処置内容が変わったり、点滴の強さを強くするなどの処置がとられます。


検査が終わるとやっと朝食です。

朝食を終えると各自交代で洗面を済ませ、その間に担当医の朝の回診が行われます。

回診では不安な事を相談したり、早朝の検査結果の話をしたりします。担当医が休みでいない時を除き、必ず1日1回顔を出してくれます。


担当医の回診が終わると、看護師の回診が始まります。

朝食がしっかり食べれたか、前日の尿あと便の回数、血圧などを測ります。毎日違う看護師が担当してくれるため、誰が来るのかドキドキの瞬間でもあります。


その後は、シャワーを順に浴びることが出来ます。

お腹の張りが落ち着いている人は1日おきで入る事が出来ますが、状態が悪い人だと落ち着くまで入る事は出来ません。シャワーを浴びる事の出来ない人は支給されるホットタオルで体を拭くことで清潔な体を保ちます。

昼食から夕食までは退屈な時間

12時

12時を迎えると昼食の時間です。

入院中の食事の時間は孤独との戦いです。食事メニューも当たりはずれがありますが、当たりだね~と喜べる相手もおらず、逆においしくないねと愚痴を言う相手すらいません。

お箸が食器に当たる音が部屋のあちこちで聞こえるくらい静かな食事時間です。

昼食を終えるとお昼の検査の時間です。朝に行ったお腹の張りを調べます。


15時

検査が終わると妊婦健診や診察を行い、15時頃には最大の楽しみである面会時間が始まります。

面会時間は家族や友人などと迷惑にならない程度でおしゃべりが出来ますが、毎日誰かが来てくれるという人の方が珍しいです。旦那様は仕事をしている人ばかりですので、夜になるまで退屈な思いをしている人の方が多いと思います。

暇つぶしに本を読んだりゲームをしたり。一番多いのがベビーグッズを作る人が多いと看護師さんに聞きました。

入院中には自由な時間だけがたっぷりとありますので、私は業者かと思うくらい大量にスタイを作りましたよ。しかし、長時間座った姿勢でいるとお腹の張りにも繋がりますので、ほどほどにしましょう。

夕食時間からは大部屋がにぎやかに

18時

夕食は18時頃から始まります。

この時間になると旦那様の面会が多くなり大部屋がにぎやかになります。一緒に食事をしようと売店でカップラーメンを買ってくる人、お弁当を持ってくる人、中にはケンタッキーを持参して部屋中ニオイが漂った人もいました。

病院の規則で大部屋での飲食の持ち込みは不可ではありましたが、なんせ辛い入院です。看護師さんも暗黙の了解で気づかないフリをしてくれていました。


20時

20時には面会時間も終わり、お腹の張りを調べる検査を行います。

検査が終わると消灯の22時までは自由時間です。テレビを見たり洗面を済ませてゆっくりと過ごします。

普段の生活で22時に就寝しなさいと言われてあなたは就寝する事が出来ますか?

誰もが寝れるはずがないと感じる人が多いと思いますが、不思議と同じサイクルを繰り返していると眠気が出てくるものです。早い人だと21時には消灯している人もいました。

就寝中も熟睡は出来ない

22時

22時の消灯時間になると病棟が一気に静まります。

しかし、簡単に眠りに入る事は出来ても朝まで熟睡する人はほとんどいないようでした。

妊娠中はただでさえ頻尿になります。その為、深夜に入れ替わり立ち代わりトイレに入るのです。その都度スリッパの音やドアの音で目が覚めてしまい、起きてしまった以上自分もトイレに行こうと立ち上がります。

私は約三カ月入院しましたが、就寝してから起きるまで一度も起きなかったのは2・3回しかありません。不思議と眠っている間も気が張っていたのかもしれません。

まとめ

入院中は毎日毎日同じことの繰り返しで本当に辛いと感じる日々でした。なかでも最初の一週間が山場です。

体はいたって健康なのに動けない情けなさ、人と会話をしたいのに話せない孤独感、名前も知らない人たちに24時間気を遣わなくてはいけないストレス。

しかし、赤ちゃんを無事に出産するまえはただひたすら耐えるのみです。

赤ちゃんは小さく産まれてきてしまうと何らかの障害が残ってしまったり、最悪死産という結果になる事もあります。一分一秒でも長くお腹の中で育ててあげる事が出来るのはママだけです。

かわいい赤ちゃんに会えるまで頑張りましょう!