妊娠中に誰もが感じる「お腹の張り」。これは赤ちゃんの過ごしている子宮が収縮している状態です。

お腹が大きくなるにつれお腹の張りを感じやすくはなりますが、その頻度があまりにも多くなるのはあまり良い状態ではありません。

お腹の張り止めを内服で服用し症状が落ち着けばよいのですが、それでも落ち着かない場合は早産の危険もある為、入院しお腹の張り止め点滴を受ける必要があります。

私は前置胎盤で入院となり、この張り止め点滴を約3ヶ月のあいだ体に流し続けました。

この記事では、お腹の張り止め点滴がどのようなものなのか?そして効果や副作用について、

内服から始まり、入院して24時間の点滴となった体験をご紹介したいと思います。

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お腹の張りを感じたのは安定期、そして前置胎盤の診断

安定期を過ぎたころからお腹に不快感を覚えるようになりました。下に引っ張られるような痛みを感じていました。

しかし、初めての妊娠でもあったので、お腹の張りがどのようなものなのかも分からず、ただひたすら耐える毎日でした。

そして、さらに追い打ちをかけたのが前置胎盤という病気の診断です。

前置胎盤とは胎盤の位置が悪く、ほんの少しのお腹の張りが原因で出血しやすくなる病気です。前置胎盤はハイリスク出産の一種で、驚くほどの大量出血が起こる危険性も十分にある病気です。

この前置胎盤の恐ろしさは出血が誰にも予測できないという事です。出血を防ぐためにも出来ることはお腹を張らせない事。ただ一つでした。



お腹の張り止めの内服を開始してみる

お腹の張り止めには内服と点滴があります。まず内服を開始して効果があればそのまま内服を続け出来るだけ安静に日常生活を送ります。

しかし、この内服はお腹の張りを抑える効果が高いのがメリットですが、その反面副作用が出やすく、副作用に苦しむ妊婦さんがたくさんいます。

副作用の中でも上位にあげられるのが手の震えと動機です。

しかし、服用を忘れたり自己判断で中止してしまうとお腹の張りが抑えられなくなってしまいますので飲み続ける必要があります。

私は幸いにも体が鈍感なのか、あまり辛いなと感じたことはありませんでした。もちろん手の震えや動機も感じましたが、日常生活に影響のない程度でした。

内服の効果がなく病院の転院、NICUのある総合病院で入院

お腹の張り止め内服をしっかり飲んでも、私のお腹の張りは一向におさまりませんでした。このままでは危険と判断され、個人クリニックから市内の総合病院への転院を余儀なくされました。

総合病院には万が一早産となってしまってもNICUがあり、赤ちゃんを助けることのできる可能性が高まります。

NICUとは小さな赤ちゃんを専門とした病棟です。何らかの理由で予定日よりも早く産まれてきてしまい、自分の力で生きていく事が難しい場合にも専門の医療スタッフの手助けを受けて元気に退院する事を目指します。

このNICUの施設があるのとないのでは赤ちゃんの生存率が大きく左右されます。

入院してお腹の張り止め点滴が24時間ついたまま

転院した次の日から出産日まで入院生活をおくることが決定しました。

もちろん入院なんてしたくない気持ちでいっぱいでしたが、前置胎盤は出血が起こってから5分が命取りだと聞き入院せざるを得ない状況になってしまいました。

自分のベッドに案内されると既にお腹の張り止め点滴の準備がされていました。

お腹の張り止め点滴は一度開始すると簡単に中断する事は出来ません。そして24時間止めることなく流し続けます。

ご飯を食べる時もトイレに行く時も就寝中でも常に一定の間隔で点滴を流し続けます。この点滴が赤ちゃんを守る為に出来る唯一の方法でした。

お腹の張り止め点滴の効果や副作用は?

お腹の張り止め点滴は内服薬の強力バージョンです。効き目も強くお腹の張りをほとんど感じなくなります。

しかし、内服薬の何倍も強い為、副作用もきつく感じます。激しい手の震え、動悸、暑くて暑くて汗が止まりません。

食事の時に汁物を食べようとお椀を持つと、手が震えてお汁がこぼれてしまうくらいです。胸はドキドキしてフルマラソンを走っているようでした。

私が入院した季節は夏でしたが、部屋の冷房が効いていないわけではありません。むしろ寒すぎるくらいの温度設定でしたが、汗でパジャマがベトベトでした。

この副作用は点滴を体に入れ始めた時が一番強く表れて、だんだん体が慣れてくると治まってきます。

しかし、副作用に慣れてきたときにはお腹の張りも多くなりがちで点滴の強さを上げることになります。

そうすると薬が強くなった分副作用との戦いが始まるという無限ループが続きます。

1週間に1度の点滴の差し替えが辛い

24時間点滴を体に流し続けていますが、衛生上の問題で点滴の針は最長一週間ペースで交換しなくてはいけません。

実はこの針の差し替えが地獄なのです。

お腹の張り止めの点滴薬は血管を固くする副作用があります。その点滴を絶えず流しているとだんだん血管がもろくなり上手く針がささらなくなってしまいます。

その為、一回で上手く差し替えが出来れば良いのですが、もともと血管が細い人や長時間点滴を続けている人だとだんだん刺せる場所が減っていくのです。

上手く刺さったとしても数分後に薬剤が血管から漏れてしまった、上手く体に流れていない事があるとまた差し替えです。

私は幸い入院生活後半に入るまで一週間に一度の針の差し替えで済みました。しかし、入院生活終盤には血管がもろくなり3日に1度くらいのペースで差し替えをしています。

3日に1度は少ないほうで、同じ部屋の妊婦さんは毎日2・3回差し替えていた人もいました。

針を刺されることが好きな人はおそらくいません。私も点滴や注射は大っ嫌いでしたが、人間不思議なものでイヤイヤながら慣れてしまうものです。

点滴を流している部分を長持ちさせるコツ

点滴針の交換は最長1週間、病院によってはもう少し短いところもあるようですが、とにもかくにも1回でも針の差し替えを減らしたいと思いますよね。

しかし、針の差し替えと言っても、腕の血管にずっと針が入っているわけではありません。

点滴を刺すときの針を留置針と言います。これは刺すときは針で刺しますが、血管内に残すのは針ではなく柔らかい細い管の様なものです。針はそのまま体内から外されてこの留置針を通って点滴薬剤が流れています。

この留置針は本当に柔らかくて腕を曲げたり伸ばしたり、普段通りの動きもできますが、あまり頻繁に動かすとその分点滴が漏れやすくなったり、腕から抜けてしまう事があります。

そうなるとまた針で差し替えをしなくてはいけないので大切に扱う事がポイントです。

  • 針の刺さっている部分はむやみやたらに触らない
  • 腕を曲げたり力を入れるのは極力控える
  • 腕は伸ばして心臓よりも高く上げない事

この3つを自己流ですが意識することでなんとか乗り越えることが出来ました。

まとめ

私は入院生活を約3カ月過ごしました。3カ月となると医療スタッフからはもはや長老扱いです。

出産をして赤ちゃんを見た時の喜びは想像以上でしたが、この長くて辛い点滴生活から離脱できた時の喜びも同じくらいかそれ以上強かったと思います。

腕はボロボロ、筋力も落ちてしまい歩くだけで筋肉痛です。

でも、自分自身で思う事は母は本当に強い!!

これから妊活を始める人、既に妊娠中の人、誰もがお腹の張り止め点滴をしなくてはいけない可能性があります。

しかし、絶対みんな乗り越えることが出来ます!赤ちゃんの為にも頑張りましょう!