予定日が間近と迫り、早く陣痛がこないかなとドキドキしながら待っている妊婦さんや、予定日を過ぎたのに全く陣痛がくる気配がなく焦っている妊婦さん、陣痛はきたものの弱くて出産が長引いている産婦さんなどに、良い陣痛がくるために効果的なツボがあります。
プロの助産師もお産の現場で押すという「三陰交(さんいんこう)」というツボ。このツボ押しは、筆者が以前働いていた産婦人科でもよく使われていた方法の一つです。
今回は、その三陰交について場所や効果などをお伝えしていきます。
陣痛を促進させる方法の一つにツボ押しがある
なかなか陣痛がこなかったり、陣痛がきても弱くてお産が長引いてしまったり、お産の場面では思うような陣痛がきてくれなくて、妊婦さん産婦さんを悩ませることがあります。
そのような時、陣痛を促す方法というものがいくつかあります。その一つにツボ押しという方法があります。
すぐに実践できる陣痛を促す方法はこれ!
何も準備する必要がなく、今すぐ始められる方法で陣痛促進の効果が期待できるなら、陣痛を待っている妊婦さんは試してみようと思えるのではないでしょうか。
その方法の代表的なものがツボ押しです。
ツボ押しは、そのツボの場所を覚えてしまえば簡単にできますし、陣痛がくるまでの自宅待機をしている時に妊婦さん自身でもできることから、とてもおすすめできる方法です。
他には
- スクワットなどの股関節を広げる運動
- 乳頭マッサージ
- リラックス、休息をとる
などがあります。
準備が必要な陣痛を促す方法
陣痛を促すことができるけれど、多少の準備が必要であったり、医療者しかできないという方法もいくつかあるので、今回は参考程度にご紹介します。
- ハーブティー(ラズベリーリーフティー、タンポポ茶など)
- アロマオイル(クラリセージ、ラベンダーなど)
- 足浴(気軽にできますが、お湯の準備が必要です)
- 卵膜剥離(内診にて医師が行うものです)
などがあります。
三陰交の場所はどこ?ツボの押し方をマスターしよう
陣痛を促す効果があるというツボの一つ、三陰交(さんいんこう)。
このツボは難しい場所でもなく、比較的ツボ押ししやすい場所のため、妊婦さん自身でもすぐに実践できます。
三陰交の場所は内くるぶしの指4本上
三陰交の場所は、「足の内側くるぶし頂点から、手の親指を除いた4本の指の幅分まっすぐ上」にあります。
少し押してみると、痛気持ちいい感覚があるという方が多いです。筆者も同様の感覚があります。
足を通る、陰の経路である3つの経路が交わるツボなので、三陰交と言われています。
押し方は5秒、7秒、5秒で
ツボの位置がわかったところで、今度は押し方です。
両手の親指でツボの位置を押していきます。
- 5秒かけてゆっくりと、徐々に力を込めて指圧します
- 7秒かけてその力をキープします
- 5秒かけてゆっくりと力を抜いていきます。その時指は足から離しません。
①~③を1セットで、5分ほど繰り返します。
自分でやることが安産へつながる
足の内くるぶしのツボ押しとなると、臨月の妊婦さんにはお腹が大きくて自分でやるのは難しいのでは?と思う方もいるでしょう。
陣痛を待っている妊婦さんが、旦那さんにツボ押ししてもらうということも、夫婦のスキンシップの一つとなり、リラックス効果もプラスされることで、さらに良い陣痛を促す効果になります。
ですが、できれば妊婦さん自身で実践してみましょう。
お腹の大きい妊婦さんが自らツボ押しをしようとすると、必然的にあぐらの姿勢になると思います。あぐらの姿勢は骨盤を広げる姿勢なので、妊婦さんにおすすめの姿勢となるのです。
ツボ押しを抜きにしても、妊婦さんは正座ではなくあぐらをかくようにすることをお勧めします。
三陰交は女性の味方の効果ばかり
婦人科全般の万能ツボとも言われているくらい、三陰交にはツボ押しすることでの効果があります。
陣痛待ちの妊婦さんにおすすめしていますが、産後も女性にとって覚えておいて損はないツボの一つです。
陣痛を促す効果
ツボ押しすることで、すぐに陣痛がくるという即効性があるわけではありませんが、赤ちゃんを押し出すだめの良い陣痛を促す効果があると言われています。
産婦人科などの実際の現場では、微弱陣痛で陣痛が長引いている時や、破水したけど陣痛が来る気配がないなどの時によく利用する方法です。
三陰交にお灸やアロマをすることもありますが、その方法は自己判断で行わずに産科医や針灸師などに相談してからにしましょう。自分で陣痛促進する場合も、37週の正期産に入ってからにしましょう。
冷え性を改善の効果
冷え性であるという女性は多くいます。身体の冷えは血液の流れを悪くし、様々な不調をもたらすので冷え性は改善した方がいいでしょう。
三陰交には冷え性を改善する効果もあるので、ツボ押しはもちろん、足浴する時は足先だけでなくこの三陰交までお湯につかるようにすると効果がさらに得られます。
妊婦さんは特に体を冷やさないでほしいのですが、陣痛を促す効果があるツボなので、満期でない場合は自己判断で行わずに、まずは産科医や助産師に相談してからにしましょう。
婦人科全般の万能効果
三陰交は婦人科の万能ツボと言われるくらい、婦人科の不調に効果的です。
生理痛や生理不順、不正出血などだけでなく、逆子を直す効果もあると言われています。そのどれもが冷え症も関係していると言えますから、冷え性を改善してくれる=婦人科系を整えてくれるということも繋がってきます。
更年期症状に効果的
妊婦さんにはまだ早い症状ですが、更年期症状のほてり、イライラ、頭痛や倦怠感などの不定愁訴に効果があります。
更年期は閉経によるホルモンバランスの変化によるものなので、病気ではないのですが、不快症状を少しでも軽減して元気に生活を送るためには、ツボ押ししてみると良いです。
内臓系を整えてくれる
三陰交は3つの経路が交差しているツボです。そのために、腎臓や肝臓、脾臓などの内臓系に関する経路も通っているので、それらの内臓系の働きを整えてくれます。
気持ちをリラックスが一番
陣痛を促す効果のある三陰交は、妊婦さんでも簡単にできるツボ押しできるツボです。
陣痛を待っている妊婦さんや効果的な陣痛になってほしい産婦さんなどにはぜひ実践してほしいですが、より良い陣痛にするために一番必要なことは、気持ちを落ち着けてリラックスすることなのです。
出産を控え、期待や不安を抱くことは当然です。
ですが、極度の不安などは自然と身体も緊張させてしまい充分な休息が取れずに疲労ばかりがたまってしまい、結果、効果的な陣痛ではなくなって痛みだけ増強するという悪循環になってしまいます。
早く赤ちゃんに会いたい気持ちもあると思いますが、穏やかな気持ちで赤ちゃんが出てきたいタイミングを待ってあげましょう。ツボ押しするときも穏やかな気持ちで行うとより効果的です。
出産を控えている妊婦の方々、お産頑張って楽しんでください。