妊娠5ヶ月を過ぎ安定期に入ると、つわりが落ち着いてくる方も徐々に増えてくる頃。終わりの見えないつわりの症状がひと段落すると、出産やその後の赤ちゃんとの生活が一気に待ち遠しくなってきますよね。
赤ちゃんの成長、安産のためにできることは何でもしたい!という気持ちのママや、そんなママをサポートしたいご家族の方はたくさんいらっしゃることでしょう。
現在の日本では、女性の2人に1人が冷え性に悩まされています。
実はこの身体の冷え、妊婦さんとお腹の赤ちゃんにはとっても怖いもの。冷房の普及や食生活、自律神経の乱れなどにより季節を問わず年中冷えてる!という方も大勢いるんです。
私自身は長女を妊娠中、ひどい冷え性が原因で後期に胎児の体重が伸び悩んだり、逆子が治らず帝王切開になったりと様々な冷えの弊害がありました。切迫流産や切迫早産の一因も頑固な冷え性と言われているほど、冷えとは恐ろしいものなのです。
そこで今回は、妊娠中からお産の時にも役立つ!身体の冷え・むくみ・安産にも効果があるツボをご紹介します。
自分で押してもよし。誰かに押してもらってもよし。そして温めても効果絶大!ツボを刺激して、赤ちゃんを元気に迎えられるよう体調を整えていきましょう!
そもそもツボってなに?
健康のためにツボを押すと良いということは知っているけど、そもそもツボってなに?知っているようで実は知らないツボについて、簡単に解説します。
人体には肺経、腎経、脾経など14の経絡があるとされています。
これは東洋医学の独特な捉え方で血管系でも神経系でもありませんが、この経絡上にあるツボ(経穴:全身に670ほど存在)を刺激することにより病気の予防、美容、精神安定などに効果があるとされています。
指圧や鍼灸によるツボ刺激は気血が巡る経脈と経穴に作用し、自律神経や内分泌ホルモンの働きを整え、新陳代謝を活発にし、人が持つ本来の自然治癒力を高めていきます。
こうしたツボ刺激による人体機能の賦活化は古くから行われていますが、とくに手技によるものは現代人に手軽にでき、副作用のない療法といえます。
このように、ツボの刺激には身体の調子を整える効果があるとされており、WHO(世界保健機関)でもその効果が認められています。
安産に良いとされており、助産師さんやお医者さんからも積極的に進められるのは運動ですが、時間や気候条件などの制限がありいつでもできるものではありません。
それに対しツボの刺激は場所や時間を選ぶ必要がなく、手軽に行うことができます。また、基本的に副作用がないことも妊娠中にはうれしいポイントですよね。
妊娠中の冷え対策・むくみ解消・安産効果のあるツボ3選!
人の身体には361箇所のツボがあるとされていますが、その中でも特に妊娠中の女性に良いとされているツボがあります。今回はその3つのツボについてご説明します。
女性にうれしい効果満載のツボ~三陰交(さんいんこう)
三陰交は「安産のツボ」と呼ばれるほど、妊娠中の女性にとって大変効果のあるツボです。また、妊娠中以外でも生理トラブル・不妊・冷え・更年期障害などに効果があると言われており、女性ならば覚えておいて損のない万能のツボですよ!
【場所】
内くるぶしから指4本分上にある、骨と筋肉のあいだのあたり。
【妊娠中、産後にうれしい効能】
- 冷えの解消(子宮の血流改善)
- むくみ解消
- 分娩時間の短縮、分娩時の出血を抑える
- 胎児の胃腸を丈夫にする
- 産後の肥立ちが良くなる
- 母乳の出を助ける
妊娠中のつらいむくみやつわりに~足三里(あしさんり)
三陰交は女性の身体の不調に対し万能であることから「婦人の三里」と呼ばれていますが、その「三里」は足三里を示しています。こちらのツボが男女問わず多くの症状に万能とされていることがその名の由来となりました。
松尾芭蕉が「おくのほそ道」の冒頭でお灸を据えた場所としても有名です。長距離を歩くための健脚のツボとして知られていますが、精神不安や吐き気、歯痛や倦怠感など様々な症状にも効果を発揮するのです。
【場所】
膝の外側、お皿から指4本分下のあたり。膝を曲げたときにくぼむ場所。
【妊娠中、産後にうれしい効能】
- つわり症状の改善
- むくみ解消
- こむらがえりの防止
不妊から産後の肥立ちまでカバーできるツボ~腎兪(じんゆ)
腎兪とはその字の通り、腎臓の近くにあるツボです。
腰痛に対しての効果がメジャーなツボですが、実は男女問わない不妊のお悩みから産後の肥立ちまで、妊娠・出産にまつわる効能を発揮してくれるツボでもあるのです。
男性にも効果のあるツボなので、夫婦のコミュニケーションとして押してあげるのにもよい場所ですね。
【場所】
ウエストの一番細いところ(腰椎の2番・3番の間)、身体の中心線から親指一本半外の部分。
【妊娠中、産後にうれしい効能】
- 妊娠中のストレス解消
- 腰痛の緩和
- 冷え性改善
- 出産後の体調管理(卵巣・子宮・膣の回復、産後乱れがちなホルモンバランスを整える)
妊娠中のツボの押し方~基本編
ツボを手で刺激するには、主に指の腹で押し揉むのが基本です。
強さは「痛気持ちいい」と感じる程度が目安ですが、妊娠中の場合は強い刺激を与えてはいけません。リラックスできる程度の強さにとどめましょう。その際押し揉むだけでなく、優しくさすったり叩いたりするだけでもかまいません。
基本的にはいつ刺激してもよいですが、入浴後は血流もよくリラックスしやすいため効果が出やすくオススメです。
ツボは押すだけじゃないんです!妊娠中には足湯でツボを温めよう♪
ツボといえば、指圧のように痛いところをグイグイ押しまくる!というイメージがつきもの。
もちろんツボへの刺激は指圧がメジャーな方法ですが、ツボ押しの知識や経験がない場合、どれくらいの力加減で刺激すればよいのかなかなか分かりませんよね。妊娠中のデリケートな身体ですから、ツボの刺激のリスクが気になる…という方もいるでしょう。
そこで非常にオススメなのが「足湯」です。
【足湯のオススメポイント4つ】
- 素人では分かりにくいツボをまんべんなく温めることができる
- 妊娠初期から後期まで、いつでも行うことができる
- リラックス効果が高い
- 子宮のツボが多い足を温めることで、子宮の冷えをとることができる
- 簡単なので習慣化しやすい
このように、足湯は妊娠中の女性にとって大変メリットのある体調管理法なのです。
また、「体調がすぐれず足湯の準備が面倒…」というときは足先にドライヤーの温風をあてることもオススメです。出かける前や寝る前、さっと身体を温めたい時にもできる時短テクニック。ぜひお試しください。
始める前に必ず担当医に相談を
ツボ押し、足湯は原則副作用がないとされています。しかし、妊娠中の女性の身体はとてもデリケートです。
特にツボ押しは子宮に対応する場所を刺激することにより健康効果を得ようとするものなので、妊娠の過程に問題がある場合や慢性疾患を抱えている場合などは適さないこともあります。
ツボ押しや足湯を始める前には必ず担当の医師に確認をし、許可を得てから行うようにしましょう。
また、妊娠初期は母子ともに不安定な時期であるため、特に子宮に関連するツボの刺激は避けた方が良いとされています。安定期に入ってつわりが落ちついてきた頃に、医師と相談しながら行ってください。
まとめ
妊娠中は安易に薬が飲めず、ちょっとした不調は休養と工夫だけで乗り越えていかなくてはなりません。大事な赤ちゃんを自分のお腹のなかで育むとても幸せな時間ですが、実際には身体や心が思うようにいかず苦しむママも大勢います。
そんな時、ツボ押しや足湯といった赤ちゃんにもママにも優しい体調改善法はとっても心強い味方ですよね。
また、妊娠前には仕事や生活に忙しく見落としがちだったママ自身の身体の冷えにじっくり向き合える大きなチャンスでもあるのです。
妊娠中の今こそ、日々のケアで身体と心の不調を吹き飛ばしましょう。