長いようであっという間に過ぎてしまう妊娠期間。辛いつわりを乗り越え安定期を過ぎ、入院準備を進めていたらあっという間に臨月を迎えていた!という方も多いはず。

臨月とは36週0日~39週6日のことを指します。このころになると、定期健診で「安産に備えて運動をするように」と勧められることが増えてきますね。

それは、お産に備え妊婦さんの身体を柔軟かつスタミナのある状態にしておく必要があるためです。

お産はママと赤ちゃんの大仕事。初めてでも回数を重ねても、不安な気持ちは付き物です。

しかし、臨月から安産体操を続け出産に向けたカラダづくりをしておくことで、実際のお産を少しでもスムーズに行う助けができるのです!

この記事で紹介する安産体操を生活に取り入れ、母子ともにハッピーなお産に向けて頑張りましょう。

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そもそも安産とは?安産になるには何が必要?

そもそも、安産とはどのようなお産のことを指すのでしょうか。

経産婦さんならお産のイメージをつかむことは容易ですが、初めての出産を控える妊婦さんにはなかなかイメージしづらいですよね。

ここでは、一般的に何をどうすれば安産となりやすいとされているのかのポイントを簡単に解説します。

安産ってなに?安産の定義とは

安産とされるお産の定義には、以下のものがあります。

  • 母子ともに無事に出産を終えること
  • 出産予定日付近でのお産
  • 陣痛からお産まで短時間で済む
  • 痛みの少ないお産

最終的に母子ともに健康な状態であれば問題ありませんが、できることならあまり苦しい思いをせず、ママ自身が自然と「また子どもがほしい!」と思えるような良いお産にしたいですよね。

安産になるための母体側の条件・必要なことは?安産体操で得られる効果

では、このように母子ともに負担を最低限に抑えたお産をするには何が必要なのでしょうか。

安産になるためには主に母体側の条件について、以下のことがわかっています。

  • 腹圧をしっかりとかけられる筋力がある
  • 産道が赤ちゃんの通りやすい状態に整っている(骨盤が歪んでいない、股関節が柔らかい、骨盤底筋が緩んでいる)
  • 陣痛開始からお産が終わるまで耐えられる体力がある

上記の通り、安産に必要なママの身体の条件は主に筋力、柔軟性、スタミナの3点に絞ることができます。

このことを踏まえ、カバーできる内容の安産体操を行えばママ自身の心の支えにもなりますね。コツコツ努力してきた自信があれば、ポジティブな気持ちでお産を迎えられることでしょう。

臨月でも自宅で運動!気持ちいい安産体操~ストレッチ編

まずは柔軟性を養うために必要なストレッチからご紹介します。

運動は苦手、体調に不安がある…そんな妊婦さんは簡単なストレッチから始めてみることをオススメします。

寝ながら簡単!骨盤体操のやり方

お産が始まると、赤ちゃんはママのお腹の中でゆっくりと回転しながら産道を進みます。赤ちゃんが回転しながら下りてくる際、ママの左右の骨盤が歪んでいるとスムーズに下がってくることができません。

骨盤を正しい位置に整えておくことで、ママの産後のボディラインにもうれしい効果がありますよ。

≪手順≫

  1. 仰向けに寝て、手は軽く開き床に広げる
  2. 両膝を揃えたまま立てる
  3. 息を吐きながら、両膝を片側に倒す(上体を床から離さないよう注意)
  4. ゆっくり戻し、反対側も同様に倒す

(往復5セット/1日3回を目安に行う)
※深い呼吸を意識し、骨盤まわりの筋肉が伸びるのを感じながら行いましょう

ながらにピッタリ!股関節ストレッチのやり方

骨盤や産道付近の筋肉を柔らかくするためには、股関節の柔軟性はとても大切です。

しかし、日ごろあまり動かさない股関節はほぐそうと思ってもなかなか効果のあらわれにくい部位。時間をかけて柔軟性を取り戻す必要があります。

そうした継続必須のストレッチは、ながらで取り入れるのが一番!産後のダイエットにも大活躍のストレッチなので、ぜひ習慣化しましょう。

≪手順≫

  1. 床に座り、両足の裏を合わせあぐらをかく
  2. 両足の踵(かかと)を自分の方へ十分に引き寄せる
  3. 両手を膝にのせ、息を吐きながら床に向かって力をかける

(1セット20回/1日2~3セットを目安に行う)
※呼吸を止めず、無理のない範囲で圧を加えてください。股関節まわりの固まっている筋肉を伸ばすように行いましょう。




天気も関係なく家で運動!臨月の安産体操~室内トレーニング編~

安産に備えた運動で最も広く知られているのはウォーキングです。かかりつけの産院で、助産師さんやお医者さんから勧められた、というママも多いでしょう。

しかし、大きなお腹を抱えて歩くのは一苦労…。お天気や時間帯などで毎日続けるのが難しく、人によってはあまり手軽に続けられるものではありませんよね。

そこでオススメなのが、室内でできる簡単なトレーニング。

思い立った時にスグできて、無理せず続けられるエクササイズを3つご紹介します!ストレッチ同様、産後のボディメンテナンスにもピッタリなトレーニングですので、是非続けてみてください!

おうち版ウォーキングのやり方!踏み台昇降運動で子宮口を開き産道を柔らかくしよう

踏み台昇降を行うことで骨盤とその周辺の筋肉が緩み、子宮口を開き産道を柔らかくする効果があります。また、ウォーキングと同じ有酸素運動に分類され、心肺機能の改善や基礎代謝量の向上、ストレスの緩和や発散などにも効果的です。

家にいながらウォーキングと同じ、またはそれ以上の効果が望めるとはとても魅力的ですよね。

一般的な踏み台昇降は、何にも掴まらず台の昇り降りを繰り返します。しかし妊娠中の場合、転倒すると非常に危険です。必ず手すりのある階段の一段目や、机などに掴まれる場所で行うようにしましょう。

≪手順≫

  1. 手すりにつかまり、片足ずつ台に昇る
  2. 最初に乗せた足から順に降ろし、①に戻る(繰り返し)

(はじめは1日5分からスタート/慣れたら1日10分を目安)

スクワットで骨盤周辺を広げよう!思ったより簡単なスクワットのやり方!

ダイエットや筋トレのイメージが強いスクワットですが、最近では安産にも効果的なトレーニング法ということが広く知られるようになりました。

ものすごくハードなんじゃ…と敬遠しがちなママも多いと思いますが、筋トレとは違い大きな負荷をかけること自体が目的ではありません。妊婦さんに必要な効果を目指すには、少ない回数でも十分なのです。

安産体操としてのスクワットでは、運動による体力向上、骨盤周辺を広げ、柔らかくすることをめざします。大きくなったお腹の分だけ負荷も増えているので、無理のない回数でコツコツ続けることを意識しましょう。

≪手順≫

  1. 足を肩幅より少し広めに開いて立つ
  2. 両手をまっすぐ伸ばし、肩の高さまで上げキープ
  3. 膝がつま先より前へ出ないように注意しながら腰を落とす
  4. お尻~裏腿(うらもも)にちょうどいい負荷がかかるところで3秒キープ
  5. ゆっくりと腰を上げ②の姿勢へ戻す

(1セット10~15回/1日2~3セットを目安)
※呼吸を止めず、背筋を常に伸ばした状態で行いましょう。腰に負担がかからないよう注意。

腰上げ運動で骨盤底筋を鍛えよう!寝ながらできる腰上げ運動のやり方!

お産に関わる筋肉の中で、もっとも鍛えにくいといわれているのが骨盤底筋です。

骨盤底筋とは、子宮・膀胱などを支えるための筋肉です。文字通り骨盤の底にあり、ハンモックのような形状で内臓を支えています。

妊娠し胎児が大きくなっていくにつれ自然と伸びやすい筋肉ですが、事前に鍛えておくことで収縮しやすい状態に整え、赤ちゃんの通りやすい産道に近づけることができます。また、産後も継続して鍛えることで尿漏れなどの産後トラブルを防ぐことができますよ。

≪手順≫

  1. 仰向けに横になり、足を肩幅に広げ膝を直角に立てる
  2. 手は軽く開き床に広げる
  3. 息を吐きながらゆっくり腰をあげる
  4. 腰がしっかりと上がり身体が一直線になったところで5秒キープ
  5. 息を吐きながら、ゆっくりと腰を下ろし①の姿勢へ戻る

(1セット5回/1日2~3セットを目安に行う)
※腹式呼吸を意識しながら行いましょう。お腹が重くて腰が上がりきらない場合は無理をしないでください。



安産体操を行うときの注意点

これだけ効果的で赤ちゃんとママの双方にメリットのある安産体操ですが、必ず担当の医師に体操を行ってもよいか確認を取ってから行うようにしてください。

妊娠中の女性の身体は非常にデリケートです。一口に妊娠といっても妊婦さんによって状況は異なります。安産に効果的とされる運動ですが、妊娠の状況によっては運動が良い効果をもたらさない可能性も想定されます。

また、許可をもらった場合でも体操を行うことで不調や違和感がある場合はただちに体操を中止してください。心配な場合はすぐにかかりつけの産院へ連絡しましょう。

まとめ

臨月に入ると出産に向けて気がはやる一方で、身体は重くなり運動をしようにもなかなか腰が上がらないこともありますよね。

今回紹介した安産体操は自宅ででき、ながらで行うことができるものばかりです。身体を動かすことはストレス解消にもつながるので、お産や子育てに対する不安を抱えている人の心にもピッタリですよ。

毎日少しずつの運動で、お産という大仕事の負担を少しでも減らせるよう臨月から頑張ってみませんか?