それまでずっとうつ伏せか仰向けの横になった状態だった赤ちゃんをみていると、この子がどうやっておすわりができるようになるのか不思議に感じた経験はありませんか?
同じ月齢の赤ちゃんがおすわりしている姿をみると、寝た姿勢しかとらない自分の子どもが本当におすわりをできるようになるのか、不安に思うこともあるでしょう。
自分の子どもの成長が遅い?それとも練習をさせてないからできないの?でも練習ってどうやってやればいいの?そんなおすわりに関する疑問を解決していきます。
赤ちゃんがおすわりができた・完成したと判断する基準
おすわりとは、赤ちゃんが背筋を伸ばして、支えがなくても自分自身で安定して座っていられる状態のことをいいます。
それまでねんねの体勢をとっていた赤ちゃんが、ある日突然支えられることなく座れるようになるわけではありません。
まずは、おすわりがどうやって完成していくかを確認していきましょう。
おすわりをしたがる
おすわりに興味を持つ時期には、赤ちゃんの個人差がありますが、赤ちゃんがおすわりに興味を持つ理由のひとつに視界が広がることが挙げられます。
それまでのねんねの姿勢のときは仰向けで天井を見ているか、うつ伏せで低い位置の世界しか見ることができなかった赤ちゃんが、大人の膝によりかかる体勢でおすわりのときに見える視界を経験すると、ねんねの姿勢を嫌がり、おすわりをしたがるようになることがあります。
こうした経験を積むことで、赤ちゃんの興味は様々な方向への広がり、自分でおすわりしたい、という意欲につながっていきます。
おすわりまでの過程
うつ伏せの状態から腕の力で上半身を起こすことができるようになってくると、徐々におすわりの体勢にチャレンジすることがでてきます。
ただ、このころはまだ足腰やおしりの筋力も弱く、一人で安定して座ることもできませんし、バランスを崩して倒れてしまうことが多いので、机の近くや固いおもちゃなどがない安全な場所でチャレンジさせてあげましょう。
最初は前かがみの姿勢ですが、徐々に自分の手を突っ張り、頭を起こせるようになり、やがて、片手ずつ床から離して、おすわりの姿勢が完成します。
そして、だんだんと足腰やおしりの筋力、背骨がしっかりしてきて、少しずつ自力でおすわりの姿勢をキープできるようになります。
おすわりの完成
おすわりの姿勢をさせて、大人が手を離したとき、その体勢を少しでもキープできればおすわりが完成したととらえる方もいるかもしれませんが、おすわりが完成したと判断する基準は、腰座りができるようになったときを指します。
腰座りとは、赤ちゃん自身の手や大人の支えがなくても両足を前に出して座っている状態のことです。
腰座りができるようになると、赤ちゃん自身が自分でおもちゃを手に取り、両手でおもちゃを持って遊ぶことができるので、夢中になって一人で遊ぶ時間も増えてきます。
おすわりができるのはいつから?できる・興味をもつ時期の月齢目安と成長過程
成長に個人差があるとはいえ、いつ頃おすわりに興味を持つようになり、おすわりにチャレンジするようになるのか、またいつ頃までにおすわりが完成するのか、気になるところです。
次に、おすわりができるようになる月齢の目安についてご紹介します。
おすわりができる・興味を持つ時期の月齢目安
おすわりに興味を持つ時期は、早い赤ちゃんで3ヶ月頃ですが、5~6ヶ月頃が多い傾向にあります。
寝返りができるようになり、足腰の他に背中の筋肉もつくようになるので、おすわりにチャレンジする身体的な条件がそろってきます。
その後、グラグラしたり、バランスを崩して倒れたりもしながら、おすわりにチャレンジする日々を経て、腰座りと言われる安定したおすわりができるようになるのは、8~10ヶ月といわれています。
ただ、赤ちゃんのなかには、おすわりの姿勢に興味を示さない赤ちゃんもいます。
おすわりをしてほしいからといって無理におすわりの姿勢をとらせていると、ますますおすわりを嫌がるようになるので、興味を示していない場合には、無理に座らせず、様子を見ながら試してみましょう。
おすわりができるまで成長過程や順序は様々
- 寝返りができるようになり、
- うつ伏せの体勢から前に進むズリバイをし、
- やがて手で体を持ち上げてハイハイをするようになり、
- 足腰が強くなってきたところでおすわりをするようになる
といった赤ちゃんの成長パターンを基準に考えてしまいますが、赤ちゃんの成長過程は様々です。
実際に私の子どもはうつ伏せが嫌いだったので、早くからおすわりの姿勢を好んでいたので、6ヶ月頃にはおすわりができるようになっていましたが、ズリバイはせず、ハイハイができるようになったのも9ヶ月頃になってからでした。
このように思っていた順序で進んでいなくても、赤ちゃんは各自のペースで成長していきます。本人の興味と体の成長状況をみながら、成長を見守りましょう。
おすわりが遅い・しない場合、練習の必要性と練習方法
目安として記した月齢の頃に、おすわりをする気配がない場合、練習をさせた方がいいかどうか悩みますよね。
そこで、おすわりの練習の必要性と、練習する場合の練習方法についてご紹介します。
おすわりの練習の必要性
おすわりをなかなかしないからという理由で、無理におすわりの練習をさせる必要はありません。どうしても気になるようでしたら、まずは、赤ちゃんがなぜおすわりをしようとしないかを考えてみましょう。
「おすわりの楽しさをまだ知らないときの練習方法」と「おすわりに恐怖を感じているときの練習方法」では大きく異なってきます。
その理由に応じた練習方法を少しずつ赤ちゃんの生活に取り入れてみることは、赤ちゃんの脳への刺激にもなり効果的です。
おすわりの練習方法
■大人の足の間に座らせてみる
赤ちゃんがおすわりしたときに見えるようになる視界をまだ知らないようであれば、たまに大人の足の間に座らせてみましょう。
このとき赤ちゃんが不安にならないように足と手でしっかりと体を支えてあげることを忘れてはいけません。
■縦抱きの視界に慣らす
縦抱きで見える風景もおすわりのときのものに近いので、縦抱きの視界に慣らすことも効果的です。
■おすわりに興味を示さない場合
おすわりに興味を示していないようであれば、おすわりの姿勢から手が届く範囲にお気に入りのおもちゃを置き、手にとる喜びを感じてもらう方法がおすすめです。
おすわりだからできることがあると知ることで、やる気を出してくれることがあります。
■おすわりの姿勢を嫌がるようになった場合
急におすわりの姿勢を嫌がるようになった場合は、体のバランスがとれないことに恐怖を感じている可能性があります。
その場合は、ソファーや柔らかい布団の上で座らせてみましょう。倒れても痛くないことを覚えることで、また積極的になる時期がくるでしょう。
おすわりの練習の注意点
どの練習方法をとる際にも、注意しなければいけないのは、赤ちゃんに不安や恐怖心を抱かせないことです。
まだ安定していないのに支えを外したり、嫌がっているのに長時間練習させたりすることは、おすわりから赤ちゃんの意識を遠ざけてしまいます。
また固い場所での練習は、倒れたときにぶつかる危険があるので、特に練習初期は柔らかい場所で、倒れても危険がないように行いましょう。そうすることで、赤ちゃんにも安心感を与えます。
まとめ
おすわりの時期の目安についてお伝えしましたが、これはあくまでも目安の月齢です。
赤ちゃんの成長は個人差が大きく、できるようになることの順序も時期も赤ちゃんひとりひとり異なります。無理強いをせず、新しい世界があることを伝えながら、赤ちゃん自身のペースに任せて、温かく見守りましょう。