- 「赤ちゃんがなかなか横になって寝てくれないから、家事ができない」
- 「出掛ける時にずっと自分の腕で抱っこしてるのはつらい」
- 「気持ち良く寝てるから」など・・・
抱っこ紐をつい長時間使用してしまうことって、ありますよね。
お母さんの肩や腰に負担がかかるように、赤ちゃんにも影響があることをご存知ですか?
抱っこ紐は何時間まで連続使用していいの?
抱っこ紐を最高何時間、続けて使用したことがありますか?
続けて使用するのは2時間くらいまでと、SG(製品安全協会)では示しています。では、抱っこ紐を連続して使用してもいい時間は2時間までという基準は、どこから来るのでしょうか?
連続使用2時間くらいまでとする根拠をみつけることは出来ませんでしたが、授乳時間やおむつ替えの時間が関係しているというのが濃厚なようです。
赤ちゃんの授乳時間はだいたい2~3時間おきです。
大便をしない限り、紙オムツを取り替えるのも同じタイミングのお母さんが多いと思います。さらに、赤ちゃんもお母さんも疲れがピークになる頃です。抱っこ紐から解放されて、ホッと一息つく時間として、ちょうどいいのかもしれません。
しかし、基準が2時間といわれているからといって、それは、絶対ではありません。
同じ体勢でいるのが苦手で30分持たないというお母さんいませんか?
赤ちゃんがそんな苦手タイプの赤ちゃんだったら・・・
逆に、同じ体勢でずっと過ごすことがそれほど苦にならずに、何時間でも大丈夫なお母さんもいるのではないでしょうか。
赤ちゃんがそんな苦にならないタイプの赤ちゃんだったら・・・
2時間はあくまで目安です。
赤ちゃんの様子をしっかり確認して、まったく問題がない状態であれば、2時間を超えたからといって赤ちゃんに影響はありません。
しかし、授乳をせずにオムツを替えずに長時間そのままであれば、赤ちゃんもおなかが空いてきますし、オムツの中はおしっこでいっぱいです。
オムツかぶれをしてしまう可能性があります。授乳とオムツ替えだけは忘れないようにしてあげたいですね。
長時間、抱っこ紐を使用することによる影響
基準になる時間は2時間。
しかし、赤ちゃんが気持ちよさそうに寝ていたり、遠距離の移動などによって、長時間抱っこ紐をつけることってありますよね。
- 「こんなに締め付けられていて大丈夫なの?」
- 「けっこう揺れてるけど大丈夫?」
- 「足の色が紫になってきてる気がする」
このような経験したことありませんか?
このような症状が出るということは、赤ちゃんに何かしらの影響があるかもしれないと考えなければいけません。
そのままの状態で、長時間使用を続けた時、赤ちゃんにどんな影響があるのでしょうか?
血行障害の可能性
血行障害とは、冷えたり、何かしらの原因で強く締められることによって血流が悪くなり、身体の細部まで血液が行き届かなくなります。その結果、血液が行き届いていない場所が壊死したり、臓器や脳に影響を及ぼしたりする場合もあります。
抱っこ紐をしていると暑いと感じていても、手足が外に出ていて、冷えていることがあります。また、最初はきちんと装着していても、長時間使用している場合、お母さんの動く振動などによって赤ちゃんが動き、抱っこ紐で締め付けられてしまうことがあります。
手足が紫色になってしまった状態のまま長時間抱っこ紐をつけていると、血流が悪い可能性が高く、血行障害になる可能性があります。
股関節脱臼の可能性
股関節脱臼とは、骨盤と太ももの骨がずれてしまったり、外れてしまったりすることで、乳児の場合、先天性股関節脱臼といわれています。
先天性といっても、生まれた時に既になっている場合は稀で、何かしらの負荷がかかることによって生じる場合が多いようです。
最近の抱っこ紐は、足がM字になる状態で抱っこできる商品が多数販売されています。
しかし、抱っこ紐から赤ちゃんを降ろした時、お腹やお尻、付け根の辺りにオムツの跡がくっきり残っているのを見たことがありませんか?
横になって寝ている時には考えられないような負荷が、赤ちゃんのお尻や付け根の辺りにかかっている証拠です。「足がM字になっているから大丈夫」と安心して長時間使用を続けると、負荷がかかり過ぎて、股関節脱臼になる可能性があります。
成長が遅れる可能性
抱っこ紐をつけている時、赤ちゃんは身動きができない状態にあります。
身動きせずに運動することがないと、筋肉が発達することはありません。筋肉が発達しなければ、それまでできなかったことができるようになることはありません。
1日の中で抱っこ紐をつけている時間が長いと、赤ちゃんの運動量が不足し、首のすわりや背骨がしっかりするのが遅くなる可能性があります。
さらに、「お座り」「寝返り」「はいはい」はもちろん「歩く」のさえも遅くなってしまう可能性があります。
わが家の長女は、まさにこの状態で、長男と年子で産まれた長女は、首が座り始めてから、おんぶや抱っこをされている時間がかなり長く、1歳9ヶ月になってやっと歩けるようになるほど、成長が遅かったです。
揺さぶられっこ症候群の可能性
揺さぶられっこ症候群とは、赤ちゃんを強く激しく揺さぶることによって、頭がい骨の中で脳が揺さぶられて脳の血管に傷がつき、網膜出血・硬膜下出血・くも膜下出血が起こることをいい、新生児~生後6カ月くらいまでに多くみられます。
「高い、高い」をした時や、乱暴に揺さぶることで起きることが多いといわれているので、普通に抱っこ紐をつけた状態で、揺さぶられっこ症候群になることはありません。
しかし、正しく装着していなければ首の支えが弱く、激しく揺れてしまうことがあります。また、抱っこ紐をしたまま走ったり、自転車に乗ったりすることは想定されて造られていません。
過度の揺れが生じる抱っこ紐のつけ方を長時間続けると、揺さぶられっこ症候群と同様な状態になる可能性があります。
外傷性頸部症候群の可能性
外傷性頸部症候群とは、事故やスポーツなどによって首に大きな衝撃を受け、むちのようにしなることによって、首が痛くなったり回らなくなったりすることです。
一般的には、むちうちといった方がわかる人も多いかもしれませんが、最近では、外傷性経部症候群と呼ばれています。
抱っこ紐をつけたまま走ったり、自転車に乗ったりすると、どんなにしっかりと首を固定していても、かなりの揺れが生じます。
抱っこ紐で揺さぶられっこ症候群になることは、本当に稀な話で、揺さぶられっこ症候群になる前に、外傷性頸部症候群になる可能性があります。
抱っこ紐で赤ちゃんが影響を受けないためにできること
こんなにたくさんの影響が赤ちゃんにあることがわかったら、抱っこ紐をつけるのが怖くなるお母さんもいるかもしれませんね。
しかし、抱っこ紐を使わずに育児と家事を両立するのは、とても大変なことです。2人目、3人目になるとなおさらです。
赤ちゃんへの影響ばかりを心配して不安を感じていると、お母さんと一緒にいる赤ちゃんにも不安が移ってしまいます。赤ちゃんに不安が移ると、抱っこをしなければ泣き止まないなどの悪循環になってしまい、お母さんの精神面が心配です。
抱っこ紐を使用することは、決して間違いではなく、絶対に影響があるものではありません。
赤ちゃんは自分で自分を守ることができません。赤ちゃんを守るのは、お母さんやお父さんを始め、赤ちゃんの周りにいる大人の役目です。
抱っこ紐をすることでの影響を心配するばかりでなく、抱っこ紐をすることで赤ちゃんが影響を受けないためにできることをすることが大切です。
まとめ
抱っこ紐を連続使用する目安は2時間。
この、2時間にこだわり過ぎると、大切な赤ちゃんの様子を見逃してしまいがちになってしまう危険性があります。負担が少なく見える抱っこ紐であっても、まったく負担がないというわけではありません。
抱っこ紐を苦に感じる時間は、赤ちゃんによって、お母さんによって個人差があります。授乳やオムツ替えを忘れずに、赤ちゃんの様子を見ながら、抱っこ紐の使用時間を赤ちゃんと相談することが1番大切です。