入園、入学して集団に入ると同年代の子をたくさん目にするようになります。
そんな中で「うちの子、背が小さいのかな」と心配されるお父さんお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。また子供自身が気にしている場合もありますね。
まだまだ成長途中ですから個人差も大きいですが、背が低いことによってスポーツでも体格負けしてしまったり周りの子と比べて自信をなくしてしまったり、ということもあるかもしれません。
子供の身長はどのようにして決まるのでしょうか?
子供の身長は遺伝で決まる?
体格のいいお子さんがいると「あそこは両親ともに背が高いから」などと言われますが、実際のところ遺伝が身長に及ぼす影響は25%程度だと言われています。
遺伝よりも後天的な生活習慣の影響のほうがはるかに大きいのです。実際、日本人の成人平均身長は1950年代からの60年で10センチ前後伸びています。
これだけ見ても遺伝だけが影響しているわけではないとわかりますね。
身長を伸ばすための3大習慣
遺伝的要因ではなく後天的に身長を伸ばすための方法があるなら是非取り入れたいものです。
一般的に身長を伸ばす3つの習慣は「食生活」「睡眠」「運動」が柱になっています。
食生活
戦後間もない時期と比べて最も変わったのが食生活かもしれません。食の欧米化がすすんだことが平均身長に大きな影響を与えていると考えられます。
大切なのはバランスよく栄養を摂取すること。「これさえ大量に摂取すれば良い!」という特効薬はありません。
それでも、身長を伸ばすのに役立つ栄養素はいくつかわかっています。
身長の伸びを促す栄養素
カルシウム
骨を強化する作用があるカルシウムは成長に欠かせない成分です。
昔から「背を伸ばしたいなら牛乳を飲もう」と言われていましたが牛乳にはカルシウムを体内に蓄積するのに有効なマグネシウムなども含まれているため効果的です。
ただ、飲みすぎるとカロリー過多になったり逆効果になることもあるので小魚や海藻、納豆や小松菜などいろいろなかたちでカルシウムをとりいれるといいですね。
マグネシウム
マグネシウムは前述のとおり、カルシウムの吸収に欠かせない栄養素です。
マグネシウムが不足してしまうとカルシウムを頑張って摂っても骨になりにくいのです。マグネシウムは玄米やアーモンド、ワカメや納豆などに含まれています。
タンパク質
骨を強くする、というとカルシウムが思い浮かびますが、タンパク質は骨や筋肉を生成する役割があります。
血液や内臓のもととなり成長ホルモンの分泌を促すたんぱく質は子供の成長に欠かせません。肉や魚に多く含まれますが、脂肪分を摂りすぎないように注意が必要です。
比較的脂肪が少ないのは鶏のササミやモモ、豚ならヒレやモモ、牛はヒレやサーロインです。
また白身魚やマグロの赤身なども脂肪分が少なく良質なタンパク質を摂ることができます。
タンパク質は一定の期間を過ぎると体の外に排出されるので毎日のレシピに取り入れたいものですね。
亜鉛
亜鉛は細胞分裂を促進させ、成長ホルモンが正常に働くよう作用します。
骨の発達に欠かせないミネラルなのでアーモンドやレバー、納豆や豚肉などを摂取するようにしましょう。
ビタミン類
ビタミン類の中でも背を伸ばすのに効果的なのがビタミンCとビタミンDです。
どちらもカルシウムの吸収を効率よくしてくれる大切な栄養素です。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に、ビタミンDはキノコ類に多く含まれます。
おすすめできない食べ物
ここまで身長を伸ばすのに役立つ栄養素をご紹介しましたが、逆に成長を妨げてしまう食べ物や食習慣もあります。
代表的なのがカルシウムや亜鉛を押し出してしまう作用のあるリン酸です。スナック菓子やハンバーガー、またソーセージやハムなどにも使われています。
これらの食品を摂りすぎるとせっかくの栄養素が効率よく作用しません。
またスポーツドリンクの飲みすぎもミネラルバランスの乱れにつながるので、スポーツ時や病気の時以外に水代わりにして飲むのは辞めましょう。
睡眠
「寝る子は育つ」は本当だった!?
睡眠をしっかりとることで成長ホルモンが活発に分泌されます。
成長ホルモンは軟骨周りの組織を育て、骨を成長させてくれます。成長ホルモンをしっかり分泌させることが身長を伸ばすことにつながるのです。
質の良い睡眠を促す方法
睡眠は習慣です。夜8時になる日もあれば10時の日もある、というのではリズムが乱れてしまい成長ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。
また、夜の10時から2時までの間はゴールデンタイムと呼ばれ成長ホルモンが最も盛んに分泌されると言われています。この時間帯にしっかり深い睡眠をとれるように以下のことに注意しましょう。
- 寝る前のテレビやゲームは控える・・・刺激が強く脳が活性化してしまい眠れなくなる
- 夕飯は寝る2時間前には済ませる・・・胃の中に未消化の食べ物があると眠りが浅くなる
- 部屋を暗くする・・・体内時計を正常化し深い眠りを促す
日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短いと言われています。小学生のうちは10時間程度の睡眠時間を確保できるようにするといいですね。
運動
しっかり運動すると筋肉や軟骨などが刺激を受け、身長の伸びにつながります。
「小さいときに運動しすぎると背が伸びない」という説もありましたが、成長ホルモンを促すにも適度な運動は必要です。
身長が伸びやすい運動
一般的に、骨を縦方向に刺激する運動は身長が伸びやすくなると言われています。
なわとびやジョギング、バスケットボールやバレーボールなどジャンプの動きが多いものも良いようです。
また、腕立て伏せやスクワット、上体おこしなどのトレーニングやストレッチなども効果的です。
身長の伸びにくい運動
ダンベルなど特定の部位に偏った筋トレや消耗が激しすぎるマラソンなど
は筋肉や軟骨を傷つけてしまう事があるのであまりおススメできません。
また疲労した筋肉はしっかり休ませてあげなければ成長しませんので毎日激しい運動をしては効果が出づらいようです。体全体を鍛えるトレーニングを適度に行うことが望ましいですね。
また特別なトレーニングをしなくても、
鬼ごっこなどの外遊びをするだけでも太陽の光を浴び、食欲増進や睡眠改善につながります。
オーバートレーニングにならないよう注意し、バランスよく鍛えることで身長の伸びを促していきましょう。
まとめ
身長というのは髪の色や声の高さと同じく個性です。身長が低いから大変、高いから幸せ、と決めつけることはもちろんできません。
しかし子供が自信を持ってさまざまなことに挑戦していくために少しでも手助けになるなら親としてできることはしてあげたいですね。
ここでご紹介したことは身長の伸びにかかわらず、健康な生活を送るために大切な習慣ばかりです。
是非実践していただき、お子さんたちが心身ともに健やかに育っていかれることを願っています。