赤ちゃんの成長の過程で、「首がすわったのはいつごろですか?」「腰がすわったのはいつごろですか?」という質問をされることがあります。

寝返りやハイハイといった動きは、この日にできるようになったと明言しやすいのですが、首すわりや腰すわりの完成した時期は、目に見える動作ではないので、なかなか判断しづらいものです。

特に腰すわりは、おすわりの練習を考える時期と関わってくるので、腰がすわっているといえるかどうかを気にする人も多くいます。

腰すわりができるってどういう状態?いつごろまでにできればいいの?おすわりの練習はどの段階でするべき?といった腰すわりに 関する疑問を解決していきます。

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腰すわりができるとは?定義と判断基準

まずは、赤ちゃんの「腰すわり」について、腰すわりがどういうことができる状態で、何を基準に腰すわりができたと判断したらいいかを確認しておきましょう。

腰すわりとは

「腰すわり」とは、赤ちゃん自身の手や大人の支えがなくても、両足を前に投げ出し、上半身を起こし、背筋を伸ばした状態を維持できることをいいます。

大人が手を離しているあいだ、少しでも座っている姿勢をキープできたら、おすわりができたと判断してしまう人もいますが、おすわりができるようになったと判断する基準は、この腰すわりが完成した時点となります。

腰がすわるという言葉のとおり、足腰や背中の筋肉がつき、自分自身の上半身を腰で支えられるようになったことを意味します。

腰すわりの判断基準・確認方法

「腰がすわった」と判断する目安としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 赤ちゃんが両足を前に投げ出して座っている
  • 前かがみになりすぎず、背筋が伸びている
  • 赤ちゃん自身の手を床についておらず、おもちゃを手に取って遊ぶ余裕がある
  • おすわりの姿勢で、音の聞こえる方や気になるものがある方向に顔の向きを変えられる

大人や自分自身の手の支えがなくても、背筋がぴんと伸び、手や顔などが自由に動かせるようになっていることが、上半身を腰で支える腰すわりが完成したと判断する基準となってきます。

腰がすわる時期・月齢はいつ?腰がすわるまでの成長過程

腰がすわったことを確認できるのは、おすわりが安定したときなので、おすわりに興味を持つようになり、自分自身の手で体を支えて座れるようになり、さらに自分の手で上半身を支えなくても座っていられるようになるまで、2~3ヵ月程度を要します。

腰すわりのきっかけとなるおすわりに興味を持つ時期の目安から、腰がすわったと判断できる月齢の目安までをご紹介します。

腰がすわる月齢の目安

腰がすわっておすわりが安定する時期は8~10ヵ月頃が多い傾向にあります。

おすわりに興味を示すようになるのが5~6ヵ月といわれており、そこから自分の手で上半身を支えたり、大人の手を借りたりして、徐々におすわりを習得していくなかで、足腰や背中、おしりの筋肉がついてきて、腰すわりが完成していきます。

赤ちゃんの成長には個人差があるので、これより早くおすわりができるようになったからといって心配する必要はありませんし、10ヵ月を過ぎてもおすわりが安定しなくてもあせることもありません。あくまでも目安の月齢としてとらえてください。

腰がすわるまでの過程

赤ちゃんの成長過程のパターンとされているものをみると、

  1. 首がすわって寝返りができるようになると、
  2. うつ伏せの状態から腕の力で前進する(後退することもあります)ずりばいをして、
  3. 腕で上半身が持ち上げられるようになると移動手段がハイハイへと替わり、
  4. 足腰が鍛えられたところで腰がすわっておすわりができるようになる

という順序のものが多いですが、必ずしもこの順序で赤ちゃんが成長していくわけではありません。

実際に私の子どもは、まだずりばいやハイハイをしていない時期におすわりを先に習得し、おすわりの姿勢から前に手を伸ばしてハイハイをするようになりました。

赤ちゃんは自分自身のペースで成長していきます。パターンどおりにはいかないこともあることを念頭に置いておきましょう。

練習は必要?「腰すわりとおすわりの練習の関係」と「練習時期や方法」

おすわりに興味を持つようになってから、腰がすわっておすわりが安定するまでには2~3ヵ月の期間があります。

練習を重ねれば、おすわりがうまくできるようになると思いがちですが、実際には足腰や背中、おしりの筋肉の発達が伴っていないと腰すわりは完成しません。

そこで、腰すわりとおすわりの練習の関係と練習の仕方について確認しておきます。

腰すわりとおすわりの関係

おすわりというと、赤ちゃんが座っている姿勢の総称のように感じますが、おすわりができるようになったととらえる判断基準は、前にも記したとおり、支えがなくても安定して座っていられる腰がすわった状態のことです。

腰がすわっておらず、なかなかおすわりが安定しないと不安に感じ、早く腰がすわるように練習をさせた方がいいのではないかと考えるかもしれませんが、腰がすわっていない赤ちゃんにおすわりの練習をさせ過ぎると、腰への負担が大きく、体の歪みなどの原因になります。

練習は無理強いせず、赤ちゃんの成長のペースに合わせて、温かく見守りましょう。

おすわりの練習に適した時期

無理に練習をさせる必要はありませんが、おすわりに興味を示すようになる目安として記した6ヵ月頃になっても、おすわりをする気配がない場合や、おすわりの姿勢に興味を示していない場合には、大人の足の間に入れて、赤ちゃんの肩をしっかり支えた状態でおすわりの姿勢を経験してもらうのは、赤ちゃんの脳にいい刺激を与えます。

嫌がるようでしたら、今がタイミングではないと判断して、まだ少し日数を置いてから試してみましょう。

おすわりの姿勢を嫌がるわけではないけれど、腰がすわらず、いつまでもおすわりが安定しないと心配になるようでしたら、赤ちゃんの不安を煽らないよう、倒れても痛くない環境をつくり、腰に負担がかかり過ぎないよう、短時間ずつおすわりの姿勢をさせてみましょう。

それでも不安が解消されない場合は、一度小児科を受診し、専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。

おすわりの練習方法

赤ちゃんがおすわりをする気配がなかったり、興味を示していなかったりする場合は、きちんと支えたうえで、おすわりをさせてみる以外に、おすわりしたときと視界が似ている縦抱きを増やすことで、興味を示すようになることがあります。

また、おすわりの状態で手が届く範囲にお気に入りのおもちゃを置くことで、おもちゃを自分で手に取ることができる喜びを感じてもらうのも効果的です。

なかなか腰がすわらない場合には、背中に柔らかい枕やクッションを挟み、斜めの姿勢をとる練習をしてみましょう。

いきなりおすわりの姿勢を長時間練習させると腰に負担がかかり、体に歪みが生じたり、赤ちゃん自身が苦しいと感じ、おすわりに抵抗を示すようになってしまいます。

クッションで作る背中の傾斜を少しずつ大きくしていくことで、徐々におすわりの姿勢に慣らしていきます。そのあいだに腰すわりに必要な足腰や背中の筋肉も少しずつ備わっていくので、無理なく腰すわりを迎えることができます。

まとめ

腰すわりの時期の目安と判断基準についてお伝えしましたが、時期はあくまでも目安でしかありません。

まだ言葉を発することもなく、コミュニケーションをとるのにも苦労しますが、赤ちゃんの表情や動きをよく確認し、赤ちゃんがいまどの段階にいるのかを把握するよう意識しましょう。

そうすることで、赤ちゃんとの距離がぐっと縮まり、気持ちが伝わったと喜びあえる瞬間をむかえることができるでしょう。