プレ幼稚園、あるいは未就園児クラスというものが一部の幼稚園で実施されているのをご存知ですか?
言葉は聞いたことあるけどよく知らない、周りのお友達が検討しているみたいなので、プレ幼稚園について情報収集し始める方もいるかもしれませんね。
プレ幼稚園のメリット・デメリットについて知りたいという方のために、ここではプレ幼稚園を選ぶポイントなどについて紹介します。
我が家の体験談も交えて紹介しますので、参考にしてみてください。
プレ幼稚園とは?保護者・園にどんな目的があるの?
子育て支援をすることを目的として、文部科学省はプレ幼稚園(未就園児教室)を幼稚園に推奨しています。
また、厚生労働省の子育て安心プランによると、保育の受け皿の拡大策の一つとして”幼稚園における2歳児の受入れや預かり保育の推進”(※1)をしており、今後プレ幼稚園がさらに注目されると思われます。
プレ幼稚園では、幼稚園によって方針は違いますが、基本的に未就園児(2歳児)が親子で登園し、様々な体験や交流をします。
園側にとってのプレ幼稚園とは
- 園のことをよく知ってもらう
- 入園後もスムーズに慣れるように支援する
- 親子分離などの環境にも少しづつ慣れてもらう
園をよく知ってもらうことと、入園後スムーズに移行できることを大きな目標と掲げているところが多いです。
保護者側にとってのプレ幼稚園とは
一方、保護者側はどのような点をプレ幼稚園に期待しているのでしょうか。
- 幼稚園入園に向けて準備ができるように
- 普段親や仲の良いお友達くらいしか接していないので、親以外の大人や同年代の子供達に接してほしい
- プレ幼稚園利用者は優先枠で入園できるところがあるので
- 周りのお友達がプレ幼稚園に通いだしたので
- 色々なイベントや体験ができるので
- 今のうちから色々な幼稚園をみておきたいので
やはりプレ幼稚園の後の幼稚園生活を見据えて、親子ともに心も体も準備していく気持ちが見えますね。1園だけでなく複数の園をかけもちでプレ幼稚園に通わせているケースもあります。
プレ幼稚園に行くべきか、メリット・デメリットから必要性を考える
プレ幼稚園のメリット・デメリットについて調べて挙げてみました。参考にしてみてください。
プレ幼稚園のメリット
主に以下の6点をメリットとしてあげてみます。
【家庭ではなかなかできない体験ができる】
普段、家や公園で遊ぶだけではなかなかできない体験を、プレ幼稚園ではさせてくれます。
と言っても家庭でされている遊びのちょっと拡大版というものから、アクティブで大胆な遊びまで様々ですが、子供にとって刺激になることは間違いないでしょう。
一例ですが、
- じゃぶじゃぶ池で遊ぶ
- どろんこ遊び
- 講師を呼んで親子でアートを体験する
- プレ幼稚園だけの運動会
- 園の中を探検ごっこ
- 園外の公園にバスに乗ってお出かけ
- クリスマスにサンタさんが遊びにくる
などがあります。
【幼稚園を選ぶ参考になる】
その幼稚園に入園を希望しているなら、自分たちの目で見て知るという意味で、プレ幼稚園で実際の園生活に近いものを体験できることが大きなメリットになります。
- 子供に対しての接し方
- 先生同士のちょっとしたやりとりから感じる園の雰囲気
- 通わせている保護者の様子
- 遊具、在園児の雰囲気
- 園長先生の考え方
- 環境、周辺の様子
- 実際に登降園するまでのアクセスのしやすさや時間
などなど、プレ幼稚園を通して貴重な情報を得ることができます。時間や経済的に余裕があれば複数のプレ幼稚園に通うことにより、幼稚園の比較もできますね。
【 集団生活を体験できる】
ママ・パパと子供だけで過ごす時間はとても貴重です。その時間をベースにしつつ、さらに広がって同じ年の子どもたちと一緒に過ごす時間も、また貴重です。
これは社会に出る初めての一步となります。集団生活を通して、嬉しいこと、悲しいこと、いいことや悪いこと、自分だけでなく他の人への気持ちについて考え始めていくなど、色々なことを経験していきます。
【 親子ともに交流が広がる】
集団生活を体験するメリットと重なる部分があるかもしれませんが、他の親子とも知り合いが増えます。プレ幼稚園を通して、仲の良いお友達ができるかもしれません。ママ・パパも、同じ子育て環境にいる者同士で交流する機会が増えます。
それだけでなく、園の先生に子育てについて相談することもできます。
我が家も子供のトイレトレーニングについて随分先生に相談しました。家では一人で悶々と悩んでいた時間が、先生に相談できる時間に変わり、先生を通して他のママ友さんとも話が弾んだりと、交流の輪が広がりました。
ちょっと交流は苦手という方も、どのようにしたらママ友さんと距離感を保ちつつ具合良く過ごせるか、ということを学べるいいチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。
【入園にむけて心の準備と生活リズムを知る】
週に一回でも、月に一回でもプレ幼稚園の日を過ごすことにより、生活リズムにメリハリがつきます。
そして入園に向けて、少しずつ園生活を意識する力が養われます。早寝早起きに近づくことや、おはよう・ありがとうなどの挨拶を心がけるようになることなどです。
【プレ幼稚園が優先枠に入るところもある】
プレ幼稚園に通っている園児を優先枠で入園できるシステムが、幼稚園によってあります。
検討している幼稚園にそのような枠があるのかどうか、確認してみるとよいでしょう。幼稚園側としても入園児の確保という意味で、このような方法を取り入れているところは多いです。
もしそのようなシステムがある幼稚園で、かつその幼稚園に入園を希望するのであれば、プレ幼稚園に参加することをお勧めします。
プレ幼稚園のデメリット
メリットをたくさんあげましたが、デメリットもあります。
実際、私のまわりでも子供をプレ幼稚園に通わせずに年少あるいは年中から入園させたという話をよく聞きます。
プレ幼稚園に通わせないといけないことはありませんので、ここで挙げるメリット・デメリット両方をよく知って、御自身の家庭にとってプレ幼稚園はどうなのかという検討材料にしてみてください。
【 費用がかかる】
入会金、保育料、その他かかる諸費用があります。幼稚園によって違いますが、我が家が通っていた幼稚園のプレ幼稚園は以下の通りでした。
- 入会金 6,000円
- 保育料 4,500円(月額)
- その他 数百円~1,000円前後
週1~、週に2,3日~、月に1回など幼稚園によって回数も費用も違いますので、問い合わせるのが確実ですが、相場としては以下のようになっています。
- 入会金 無料~数万円
- 保育料 無料~2,3万円前後
その他に施設料、諸費用(冷暖房費、給食費、教材費、制服代(帽子、スモッグなど))、バス通園代があるところもあります。
我が家の場合は諸費用として、プレ幼稚園後半から始まった給食費・赤白帽の購入費などがありました。スモッグや上履きは個人で用意する形でしたので、制服代などの負担はありませんでした。
【我が子以外の子の成長が見える】
プレ幼稚園がスタートすると、10名前後の同年代の子達を一様に見る機会が増えます。
それまで我が子だけの成長を見てきたママ・パパは、無意識の内に我が子と他の子を比較していることに気づくかもしれません。そしてそれが時としてプレッシャーになる場合もあります。
親子ともに他の子の成長が、いい意味で刺激になればいいのですが、あまりにプレッシャーになるようならプレ幼稚園に通わせないという選択肢も検討してみましょう。
プレ幼稚園がいやだなあと思うくらいなら無理して通うよりも、親子の時間を大事にしてゆったり過ごす方がいいですよね。
【ママ友の交流が(少なからず)ある】
ママ友との交流が楽しい、親子分離のちょっとした時間に集まってお茶するのが息抜きになる、という人はよいのですが、逆に交流が負担…というケースもありますね。
私は交流したい人はしたい人同士で楽しい時間を持つのは大いにいいと思います。そしてそれが苦手なママに対してはそっとしておいて、詮索したり話題にしないかわりに、お迎えの時間などで会ったら「今日はこどもたち楽しく遊んだみたいだね?」と一声かけるくらいがちょうどいいと思います。
逆に交流が苦手なママ・パパも、子育てや園の情報をもらうくらいに割り切って、ちょっと勇気をだしてママさんたちの会話に入っていったりすると、案外すっと中に入れたりするものです。
またママたちとの間に、自分の中でほどよい、納得のいく距離感を見いだすと、交流の煩わしさに心騒がすことなく、落ち着いて子供をプレ幼稚園に送り出すことができるでしょう。
プレ幼稚園に通わせた、我が家の体験談
我が家は二人とも同じ幼稚園のプレ幼稚園に通わせ、そのまま同幼稚園に入園しました。
上の子が年長の時に下の子が年少というダブルの保育料発生が一年間かかることがわかっていたので、(少しでも費用を抑えるために)下の子のプレ幼稚園は見送ろうかな…と検討していました。
が、上の子のプレ幼稚園の一年間が本当に楽しく通えたので、下の子も同じ環境で…と夫婦で話し合って決めました。
結果的に二人とも週に1回のプレ幼稚園を一年間楽しく過ごしてくれました。とはいっても、その過程には色々なことがありました。
母子分離に最初は大泣きも大泣き、それはもう大変で、慣れるまで随分時間がかかったものです。下の子は早生まれだったのでトイレトレーニングもままならない状態で(結局我が家は二人とも幼稚園入園後の1ヶ月でオムツが外れましたが)、一年間過ごしたりしました。
それでも次のような良いことがありました。
- プレ幼稚園の後半から徐々に生活リズムが整い始めたこと
- 子供自身の中に、来年から幼稚園に毎日通うんだという意識が芽生えるようになった
- 同年代のお友達とのかかわり合いを学んでいった
- お友達に刺激され、それまでできなかったことが随分できるようになった
- 集団生活だと実は我が子ってこんな一面があるのか!という発見や驚き、感動があった
- ママ友との交流を通してたくさんの情報を得ることができた
- イベントを通して、家ではできない体験を親子ともにすることができた
- 幼稚園ホームページからは知ることができない、リアルな園の雰囲気を知ることができた
というような成長を親子ですることができました。今振り返ってみても、週に1回のプレ幼稚園に通わせてよかったなとしみじみ思います。
プレ幼稚園を選ぶポイント
幼稚園ほど気合いをいれて慎重に選ばなくてはならない訳ではありませんが、選ぶポイントとしては以下の点を考慮するといいでしょう。
園の方針と家庭の方針
家庭によって方針もそれぞれ違いますし、幼稚園の方針も色々あります。
まず、家庭内の教育方針(難しく考えずに、我が家のカラーはこんな感じだよね程度でいいと思います)を話し合っておくといいですね。その上で、幼稚園の園長先生の話をよく聞いておきましょう。
- 園長先生の目指すところはどこらへんなのか
- どんな幼稚園にしていきたいと考えているのか
- プレ幼稚園はどんな考えで運営しているのか
- 子供達に対する思いについて
- 担任の先生、スタッフに対する思いについて
などなど、説明会の時に聞いてみてください。わからない部分は質問してもいいですよね。そうすると家庭の方針と合致する点、ちょっと違うなという点が見えてきます。
その相違点が、親として納得して通わせられるかどうかの判断材料になりますね。
通いやすさ
プレ幼稚園といえども通いやすさはかなり重要です。
たとえ月に1回しかなくても、もしそこに入園することになった時、毎日通うことになります。自宅から通うのに大変な距離では、様々な面で負担が大きくなってしまいますね。
我が家は市をまたいでの登園でしたが、自宅から比較的近く通いやすかったため、第一候補にあげていました。実際週に1回の登園でしたが、上の子がプレ幼稚園の時期に下の子が乳児だったので、距離が近いことはかなり助かりました。
距離が遠くても通いやすい手段がありアクセスしやすいのであれば、そこを第一候補にするというのもありでしょう。
お散歩がてら時間がある時に、実際園まで行ってみるのもいいですね。地図上だけではわからない部分(道のりや景色、環境など)が見えてくるので、いい参考情報になります。
母子分離の有無、程度
母子分離にどうしても馴染めないお子さんもいますし、ママ的にはちょっとでも子供と離れた時間、ゆっくりお茶して一息つきたい!という方もいるでしょう。
母子分離を最初からする園、徐々に母子分離にする園、最初から最後まで母子分離がない園など、幼稚園によって様々です。
それによって親のかかわり具合も変わっていきます。一年間を通して母子分離の有無、ある場合はどの程度(回数、時期など)なのかをチェックしておくとよいですね。
まとめ
プレ幼稚園は必ず通わなければいけないということではありません。今しかない貴重な時間を親子だけで過ごすことはとても素敵です。
でも、仮に幼稚園入園を希望していて、経済的にも時間的にも余裕があれば、幼稚園を知る一年間としてプレ幼稚園に通ってみることをおすすめします。
プレ幼稚園を通して、ママ・パパもお子さんも、さらに成長できる期間となりますように。