4歳で言葉が出ないという状態は、保護者にとっては発達障害を疑うことが多いはず。

喋らないというだけでなく、落ち着きがない状態やルールが守れないなど、行動面で気になることも増えてきます。全く喋らないのではなく、単語しか話さない状態や、宇宙語のような表現が多いという悩みも出てくるころです。

ここでは、4歳になっても言葉の発達に心配がある子供の相談方法と、発達障害との見分け方のポイントを紹介します。

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4歳で言葉が出ない原因は?言葉の遅れから考えられること

4歳を迎えても言葉が出ないという状況は、一般的な発達から見ても遅れていると言えます。でも、何が原因で遅れているかを把握しなければ、子供の状態にあった成長のステップを歩むことができません。

保護者にとっても馴染みがあるのは、発達障害や知的障害といったものではないでしょうか。でも、障害という診断がつかなくても、言葉の成長が遅いという言語発達遅滞というものも存在します。

子供の言葉を見てくれるサービスはいくつか存在します。

  • 地域の保健センター
  • 小児科
  • 耳鼻咽喉科
  • 発達支援センター
  • 幼児の発達支援を行っているNPO法人
  • 子育て支援センター
  • 幼稚園や保育園を巡回している相談員


発達障害や知的障害といった診断をつけてもらうのであれば児童精神科医が在籍している小児科へ行くのがスムーズですし、言語全般の評価を行ってもらうのであれば、言語聴覚士が在籍している小児科や耳鼻咽喉科、発達支援センターへ伺いましょう。

まずは気軽に相談するところを選択したいというのであれば、子育て支援のサービスや子供が所属している幼稚園や保育園で言葉の面での心配をぶつけてみるのもおすすめです。

地域で多くの子供の発達支援を行っているNPO法人を利用することで、専門的支援の道を整理してくれることもあります。

4歳で言葉が出ない原因は、障害とそれ以外の要素を鑑別することが必要です。正しい見立てが今後の成長にも影響するからこそ、子供が持つ困り感に寄り添った支援の切り口を探さなければなりません。

発達障害・知的障害の可能性

4歳になって言葉が出ないという状況は、発達障害や知的障害を疑うことが多いはずです。

全く喋らないのか、話してくれる内容が宇宙語のように聞こえるのか、オウム返しのように言っていることを繰り返すだけなのか、といった詳細を伝えると、保護者が抱える困り感が伝わります。

発達障害や知的障害といっても診断は一つとは限らないのが一般的。色々な要素を併せ持っている場合もあるので、言葉が出ない原因をきちんと把握してもらうためには、専門的な評価が行えるところに相談するのが良いでしょう。

どこに行けば良いかわからないという場合には、地域の保健センターに問い合わせてください。発達に心配がある子供を繋ぐための流れを知っているため、スムーズな案内から支援へと繋がります。

発達障害は

  • 自閉スペクトラム症(自閉症や広汎性発達障害、アスペルガー症候群など)
  • 学習障害
  • 注意欠如・多動症

などに分類されますが、それぞれが独立した障害ではなく、その要素が入り混じっていることが多いのも特徴です。

知的障害は発達検査を実施して、いわゆるIQという知能指数などで発達の遅れを判定します。生活年齢に比べてどれくらいに相当するかを判断し、知的な遅れを評価します。

自閉スペクトラム症の子供の半数以上は知的障害を併発していることも知られているため、両方の要素を調べてもらうことが必要な場合も少なくありません。

表出に特化した言語障害「言語発達遅滞」も存在する

発達障害や知的障害という枠組みでの診断ではなく、言葉の表出だけが遅れているということもあります。

保護者が言っていることはわかっていて、簡単な行動の指示も理解できるという状況が日常的にある場合には、言葉が出ない原因を詳しく探り、どこが繋がっていないかを判断しなければなりません。

言語発達遅滞という診断を受ける子供は、言葉の表出・理解の遅れがあるケースです。

理解が遅れているということは、表出は確実に年齢よりも発達が遅いのが一般的です。でも、理解は年齢並みの成長をしていても、表出だけが年齢との差があるということも考えられます。

表出の遅れが顕著に確認できるものの、行動指示の理解はきちんとできているというギャップがある場合には、言葉のスキルを切り分けて確認する必要があります。


保護者に聴取するような発達検査は、言葉の表出と理解を比較することができるものもあり、4歳で言葉が出ないという悩みや、言っていることがわからないという悩みを明確にするために行われます。

全般的に遅れているのではなく言葉の発達の一部が抜けてしまっているという状況を知ることもできるため、単語しか話さないという悩みや、質問ー応答が十分ではないというときにも相談できるでしょう。

発達障害として考えられる子供のポイント

発達障害への疑いは、日常的な行動や言葉の解釈から考えることができます。

保護者が心配な要素は評価という形で浮き彫りにすることで、今後の支援が見えてくるため、4歳で喋らないという状況をそのままにせず、問題を解決するために専門家への相談を考えましょう。

ここでは、落ち着きのなさや言葉の解釈がうまく繋がらない子供の特徴を解説します。

発達障害かもしれないという疑いを持つだけでなく、コミュニケーションが円滑に進められないという悩みを解決するためには、子供の成長をありのまま知る必要があります。

落ち着きのなさ

落ち着きがない子供は珍しいものではなく、何らかの理由があって落ち着かない状況が起こっていると考えるべきです。

4歳は椅子に座って活動するのも上達し、一つのことを長く続けるのも上手になります。いつもせわしなく動いている場合には、落ち着いていられるタイミングと、そうでないタイミングを観察するように心がけましょう。

どれだけ落ち着きがない子供でも、何かのきっかけで落ち着ける時間が流れます。オンとオフの時間を知ることが、子供を落ち着かせるカギになります。

たとえ発達障害の要素があったとしても、指示を聞いてもらうことや、やり取りに注目してもらうことは必ずできます。その糸口を見つけるには、行動を分析しながら子供の様子をじっくり見守ることから始めなければなりません。


保護者だけでは子供の気持ちの変化に気づけない場合もあるので、専門家の元で落ち着きのなさに対する観察をしてもらうことで、気持ちを汲み取る突破口が見つけられます。

すると、落ち着いて人の話を聞く頻度がアップして、分かり合えることが増えるようになります。ただ、多動=発達障害ではありませんので、一つの特徴として考える視点も必要です。

落ち着きのなさだけが発達障害の決定的な要因ではないため、どのような場面でそうなりやすいかを考えるネタに使うのが良いでしょう。

言葉の解釈の偏り

話し言葉には隠れた意味が存在することがあります。それを察して解釈する力は、日ごろのやり取りの中で子供にも波及します。

くどくどと説明するのではなく、簡潔に言っただけで理解できるということは、解釈が繋がったと判断できるでしょう。

大人が考えるような言葉の認識とズレている場面が生活の中で見つけられる場合には、理解の弱さが関係しているのか、解釈の角度が人とは違った感性であるかを判断しなければなりません。


4歳は言葉でのやり取りが増加する時期です。その分、やり取りが続かないという悩みや、意図した展開とは違った関わりに違和感を覚えることが多くなる時期でもあります。

知識が足りずに解釈できないのか、意味のとらえ違いが生じているのかは慎重に確認が必要です。

日常のエピソードを発達相談で伺うことができると、言葉の理解の偏りが把握できます。子供自身に働きかけを行ったときに、どのような解釈をして新たな展開へと進むかを分析すると、「えっ!?」と思うようなことがあるかもしれません。

その頻度が多い場合には、発達の評価を受けて子供の偏りを把握しましょう。適切な対応によって言葉の遅れは追いつくかもしれません。

言葉の出ない程度とは?喋らない・単語だけ・繰り返す・宇宙語のように不明瞭

4歳で言葉が出ないというのは、主たる悩みは同じであっても、程度は個人差があります。

  • 全く喋らない
  • 文章での会話ができず、単語の羅列となる
  • 長く話してくれるが宇宙語のように不明瞭

こうした違いは、後の支援の方向性を検討するうえでも重要です。

全く喋らないのであれば理解の育ちを評価して理解・表出のギャップを知ることになります。助詞の運用ができずに単語での表現しか使わないのであれば、言葉のまとまりを学んでもらう必要もあるでしょう。

話は長々としてくれるけれど、言っていることが不明瞭でわからないということもあるため、発音の評価を行って正しい音へ修正する作業が生じる場合もあります。


言葉が出ないという程度を評価してもらうには、言語聴覚士をはじめとした子供の言葉の発達を診てくれるところに相談しなければなりません。

4歳よりも成長が遅いと判断されるようであれば、小学校にあがるまでには言葉の遅れが追いつくようなビジョンを持つことも必要です。意図的に介入し、家庭でも指導された内容に沿って子供と関わることで、言葉の遅れが追いつくことがあります。

発達障害の要素が否定され、原因が今までの経験で言葉の成長が遅かったという結論に至るようであれば、4歳からでも年齢水準まで挽回することは十分考えられます。

言葉が出ないときは相談に繋げるべき

4歳で言葉が出ないという悩みを抱えている保護者は、すでに何らかの行動を起こしているという可能性が高いはず。

でも、様子を見ていたらそのうち喋るようになるという安易な考えで毎日を過ごしているようであれば、その考えを改める時期にきていることを悟るべきです。

意図的な関わりで子供の成長を妨げている要素を取り除くか小さくすることで、今まで動かなかった部分に刺激が及びます。その道を作ってくれるのが言葉の専門家として支援を行ってくれる専門家です。

相談方法は地域によって違いますが、乳幼児健康診査を行った保健センターであれば、今までの成長の過程も踏まえた判断をしてくれることもあります。



自閉症などの発達障害や、診断には至らない言語発達遅滞など、問題をはっきりさせるには有効な時期でもあるため、言葉の遅れを解消するための第一歩を家族が一丸となって進むべきです。

4歳は文章でのやり取りが行えるのが一般的ですから、単語しか話さない状況や、言ったことを繰り返すだけでわかっていないというときにも、相談によって解決のための指導を仰ぎましょう。

その判断が早く、家庭で取り組むべきものが明確になるほど、言葉の遅れは追いつくかもしれません。