歩行器に乗るのが大好きな赤ちゃん、多いですよね。

でも、その反面、歩行器を使うのは、赤ちゃんのためにならないと言われたり、ネットで見かけたり・・・「歩行器、もうすでに使ってるし!」「歩行器、やめた方がいいの!」と、迷ってしまいますよね。

大丈夫!歩行器を使うこと自体がよくないわけではありません。要は、使い方なんです。

スポンサーリンク

ひとり歩きをする時期には個人差がある!赤ちゃん自身が歩く気がない場合も

赤ちゃんがお座りをできるようになると「歩行器どうしよう・・・」そう頭を悩ませるお母さん、たくさんいますよね。

昔は当たり前に使っていた歩行器も、今では使ったらダメと言われることが多いので、どちらがいいのか、迷ってしまうのも無理はありません。

ひとり歩きをするようになるのは、1歳前後が平均です。

だからといって、絶対に1歳前後に歩けるようになるわけではありません。赤ちゃんの成長には個人差があるので、10か月で歩けるようになる子もいれば、うちの長女のように、1歳9か月まで歩かない子もいます。


私事ですが、長男と長女は年子で、長男は1歳の時、手を離して立てるようになったのにもかかわらず、おなかにいる長女があと数週間で産まれるという時期になると、歩くどころか、手を離して立つことすらやめてしまい、抱っこ抱っこの毎日でした。

「どうして立とうとしないの?」「このまま、ずっと歩けなかったら・・・」私の感じた、どうしようもない不安は、みなさんだったら、わかりますよね。

そして、なんとかして歩きたくなるようにしなければと、登場したのが歩行器です。

それまで、良い悪いは別として、必要性を感じなかったので歩行器を買わなかったのですが、下にも使えるからと思って買うことにしました。


新しいおもちゃ感覚だったのか、「甘えたいから歩きたくない、でも、本当は歩きたい」という感覚だったのか・・・「ひとり歩きする気はないけど、歩行器では歩くよ~」と言わんばかりに、座らずに、上手に歩いていました。

「絶対、歩けるよね・・・歩かないだけだよね・・・」と、初めて赤ちゃんを育てている私でも、わかるくらい上手に・・・結局、1歳でつかまらずに立てるようになった長男が、ひとり歩きできるようになったのは、1歳3か月の時です。

うちの長男のように、お母さんにまだまだ甘えていたかったり、ただ単に、ハイハイが好きだったりなど、赤ちゃん自身が歩く気がないという場合も少なくありません。

赤ちゃんを、めいっぱい甘えさせてあげてください。
赤ちゃんに、めいっぱいハイハイさせてあげてください。
ひとり歩きできる時期には、個人差があるのですから。

専門医と相談して身体に問題がないのであれば、無理に歩かせる必要はありません。

歩行器を、歩く練習するための道具と思っているのであれば、それは違います。最初から、歩く練習を歩行器に頼るのが間違っているんです。

なぜダメ?赤ちゃんに歩行器がよくない理由・どんな影響やデメリットがある?

では、どうして歩行器を使うのはよくないと言われるようになったのでしょうか?
  

背骨に負担がかかる

腰が座っていない赤ちゃんは、まだ、上手に座ることができない赤ちゃんです。

上手に座ることができていない状態で歩行器に乗せると、身体がくにゃくにゃします。これは、まだ歩くだけの筋力ができていなく、腰骨や背骨がしっかりしていない証拠です。

大人でも、腰を曲げたり、つま先立ちのまま歩いたりすると、身体が痛くなりますよね。それは、いつもとは違った筋肉を使うことと、無理な姿勢を取ることによる骨への負担の現れです。

赤ちゃんも同じです。

身体がくにゃくにゃした状態で歩行器を使い続けると、腰骨や背骨に大きな負担がかかり、発育障害が残る場合もあります。また、変な癖がつき、いざ、歩けるようになった時に、変わった歩き方をするようになる場合も少なくないようです。

後天性股関節脱臼の可能性

「股関節脱臼」という言葉は聞いたことがありますよね。

その名の通り、股関節が外れてしまう病気です。「後天性」というのは、簡単に言うと、産まれてから何かのきっかけがあって起こる病気です。

歩行器の座る場所は、抱っこ紐の構造によく似ていると思いませんか?

抱っこ紐が後天性股関節脱臼になる危険性があるのは、ご存知ですよね。

歩行器も同じです。

歩行器の椅子になっている部分は、決して座りやすい構造ではありません。腰が座っていない・ハイハイを知らない赤ちゃんの場合、腰骨や背骨などに負担がかかるのと同じように、股関節にも大きな負担がかかります。負担がかかり過ぎて、股関節が外れてしまうことにつながってしまいまうんです。
    

ハイハイをしなくなる

赤ちゃんは、ハイハイをすることで様々な筋肉が発達し、肺も丈夫になるので、ハイハイをすることの大切さが重要視されています。

ハイハイで動けるようになっても、赤ちゃんが届かないような高い所に置かれた、気になっている物には手は届きません。

だからこそ、立ちたいと思う気持ちが芽生えて立ちたくなるのですが、ハイハイをする前から歩行器を使ってしまうと、歩くことを先に覚えてしまうので、ハイハイすることを忘れてしまうんです。

ここで問題になるのは、「ハイハイしないでつかまり立ちができるようになる赤ちゃんもいるんだから、同じことじゃないの?」ということです。


同じように感じますが、まったく違います。

歩行器に乗るためには、お母さんの助けが必要になります。しかし、つかまり立ちは、お母さんの助けを借りずに、つかまり立ちをして、初めて出来るようになったことを意味します。

自分でつかまり立ちできるようになったのであれば、それだけ骨がしっかりして、筋力がついた証拠です。する必要がないからしないだけで、ハイハイができるようになっている場合がほとんどです。

その点、歩行器は、お母さんが助けてあげなければいけないのですから、自分でしようとする力がどんどん、失われてしまうこともあるので、注意が必要です

歩くのが遅くなる(筋力が鍛えられない)

赤ちゃんがひとり歩きをし始める平均は、1歳前後です。

人が歩くためには、歩くための筋力やバランス感覚が必要です。産まれてから1歳前後までに、少しずつ少しずつ、お母さんの手を借りながら、歩くために必要な筋力やバランス感覚を鍛えていきます。

しかし、早くから歩行器に乗ると、足に力を入れなくても、バランスを取らなくても歩くことができます。

人は、誰でも楽をしたいものです。赤ちゃんも同じです。楽に歩くことができるのであれば、無理してひとりで立つ必要がなくなり、筋力やバランス感覚を鍛えようという気持ちがなくなってしまいます。

その結果、歩くのが遅くなることにつながると考えられています。
     

歩行器から落ちる・転倒事故

部屋を見渡してみてください。

昔の家と違って、現代の家は段差が少ない構造になっている場合が多いとはいえ、まったく段差がない家は、そうそうないと思います。そのちょっとした段差に、歩行器が引っ掛かると、赤ちゃんを乗せたまま、歩行器が倒れてしまう危険性があります。

怪我で済めばいいですが、最悪の場合、2度と歩けなくなるような障害が残ってしまったり、亡くなってしまったりする場合もあります。

場所をとる

歩行器って、お店で見ている時には、そこまで大きいと感じませんが、いざ、家に持って帰ると、かなり大きいです。リビングが狭くなった感じがしたり、歩くのに、邪魔になってしまう場合も、多々あります。

長男が寝ている時とか、隅の方に置いているにもかかわらず、歩行器に足をぶつけて、何度、痛い思いをしたことか・・・

赤ちゃんに歩行器を使うメリットは?どんな良い効果がある?

上記のようなデメリットを考えた時、歩行器を使うと、赤ちゃんに悪影響があると考えるのは、無理はないと思います。

では、歩行器を使うメリットはあるのでしょうか?

もちろん、あります。どんなによくないと言われることでも、必ずいい部分もあるんです。

赤ちゃんが喜ぶ

歩行器を使うメリットは、なんといっても赤ちゃんが喜ぶことでしょう。

今まで見たことがなかったおもちゃに、赤ちゃんは、興味を示します。

まして、今までハイハイしてしか移動できなかったのが、お母さんと同じように歩いて行けるのですから、そんな嬉しいことはありません。

歩行器に乗れば、今まで届かなかった高い所にも手が届いたり、自由にとまではいかないまでも、家事をしているお母さんのそばに自分の力で歩いて行けたりするのですから、最高の代物です。

 

怪我の防止

忘れてはいけないのが、実は、怪我防止につながることです。

デメリットで転倒事故の危険性の話をしましたが、その反面、まだ、しっかりとバランス感覚がついていない時期には、ほんの少し、お母さんが目を離したすきに、つかまり立ちをしようとして転んで、家具の角に頭をぶつけてしまったなんてことは、よくある話です。

しかし、歩行器に乗せると、歩行器自体が家具にぶつかるので、赤ちゃん本人の怪我を防止することができます。

歩行器の車輪が当たるような段差がある場所にさえ行かないように工夫をすれば、転倒事故は防げるもの。日々の生活の中で起こり得る怪我を防止できて、楽しく歩くことができるのですから、お母さんにとっても、嬉しい限りですね。

使う時期・時間・事故などに注意した使い方をすれば、使うのも使わないのもお母さん次第!

前述したように、まだ腰が座っていない赤ちゃんに、まだハイハイすることを知らない赤ちゃんに対して、歩行器を使うのは決していいことではありません。

まして、赤ちゃんが歩く気がないのに、無理に歩く練習をさせると、「意地でも歩くか!」と言わんばかりに、ますます歩くことを嫌がることも少なくありません。

だからといって、歩行器を毛嫌いするのはどうなんだろうと、私個人としては思います。

少なくとも、私は長男の時に、歩行器にどれだけ助けられたことか・・・

どんなにいいと言われているものでも、必ず悪い部分があり、どんなに悪いと言われているものでも、必ずいい部分があります。


歩行器だって同じです。

悪い部分ばかりが表に出てひとり歩きして、いい部分が隠れてしまい、お母さん方の歩行器離れが始まってしまっただけなんです。現に、うちの子もそうですが、歩行器を使って育てても障害が残っていない赤ちゃんは、たくさんいます。

歩行器を使う必要がないのであれば、無理して使う必要はないのかなと思います。しかし、必要があると感じているのであれば、思い切って使っちゃいましょう。

  • 長時間、使わない
  • 腰が座っていない・ハイハイを知らない赤ちゃんには使わない
  • 転倒事故に気を付ける
  • あくまでも歩く補助であって、最初から歩く練習のために使わない

などのルールを守って、正しい使い方を守りさえすれば大丈夫です。

歩行器を使うも、使わないもお母さん次第ですよ。

まとめ

みなさんが思っている以上に、歩行器は、決して悪い部分だけではありません。

だからといって、無理して使う必要はありません。使わなくても、赤ちゃんは歩けるようになります。

ひとり歩きが早くできるようになるための練習のためのものではなく、あくまでも玩具、あくまでも歩くことを促すためのものと考えて、ちょっとしたおもちゃ感覚で短時間使ったり、歩くことができるのに歩く気がない子に対して、歩くことを促すために歩行器を使うのであれば、まったく問題ありません。

歩行器を使うも使わないもお母さん次第。

歩行器が必要だと感じているのであれば、ルールを守りながら正しく使いましょうね。