赤ちゃんの目って、本当にきれいですよね。

「いつまでもこんな澄みきった目で、輝いていられたら!」なんて、思ってしまうのは私だけでしょうか?

そんな赤ちゃんの白目に、ある日突然、赤い点や赤い線があったら「病気かも!病院行かなくちゃ。」と思ってしまうのも、無理はありませんよね。

でも、安心してください。赤ちゃんの機嫌が良くて、目やにや瞼の腫れなど、他に症状がなければ、様子を見て大丈夫なんですよ。

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赤ちゃんの白目の赤い点や線は気にしなくて大丈夫?

産まれたばかりの新生児の時のことを思い出してください。

赤ちゃんの白目に赤い点や線のようなものがあり、先生に「大丈夫だから」と言われたことはありませんか?

これは、狭い産道を通ってお母さんのおなかから出てくるので、圧迫されて出血あるいは充血してしまった状態です。自然に吸収されて治るので、お母さんが気付いて聞かないと、先生は何も言わない場合もあるかもしれないくらい、気にしなくて大丈夫なんです。

赤ちゃんの白目にある赤い点や赤い線が気になっているお母さん、決して珍しいことではないので、まずは安心して大丈夫です。


しかし、ここで気にしなければいけないのは、赤い点や線の他に症状があるかどうかです。

目やにが出ている、瞼が腫れている、赤ちゃんの機嫌が悪い、よく顔をこすっているなど、他にも何かしらの症状がある時は、何かしら原因があるかもしれません。そんな時は、専門医に相談してみることが大切になります。

【白目の充血と出血の違いを知っておこう】

白目が赤くなる原因は、全体が赤くても一部でも、すべてが充血だと思っている人が大半ではないでしょうか。

実は、充血している状態は、血管が何らかの原因によって拡張している状態で、血管が切れて出血している場合とは違います。

では、充血と出血はどう違うのでしょうか?

充血 出血
血管の状態 結膜の細い血管が拡張して透けて見える状態 結膜の細い血管が破れたりして結膜下に溜まる内出血のような状態
症状 赤い線がたくさん走っているように見え、全体が赤く見える ・赤い点や斑点 ・赤い線
・一部が赤く塗ったように見える
・全体が赤く染まる
痛みや痒み ・なし
・痛みや痒みある場合あり
・なし
・ゴロゴロ感や違和感がある場合あり
原因 ・泣く ・寝足りてない
・結膜炎
・こする ・ぶつける
・結膜下出血
対処法 ・安心できる環境でゆっくり寝かせる
・目やにや瞼の腫れなどに要注意
・1~2週間で自然治癒する事が多い
・何度も繰り返す場合は要注意

表にあげた症状や原因は、充血と出血、どちらも代表的なもので、寝て起きたら充血、あるいは出血していることもあり、原因不明の場合も数多くあります。

充血している場合

充血の場合、寝不足や疲れ、細かい作業などで目をたくさん使うなどから、充血した経験をしたことがあるお母さんも多いと思います。そんな時、目をゆっくり休める、睡眠をとるなどによって、改善されますよね。

赤ちゃんも同じです。他に症状がなければ、抱っこしたりなど、赤ちゃんが安心して寝れる状態を作れば改善するので、病院に行かずに様子を見て、ゆっくりと休ませてあげましょう。

出血している場合

「目が充血している」というのは聞き慣れていますが、「目が出血している」と聞くのは、聞き慣れていなくて、心配になるお母さんも多いと思います。

赤ちゃんの場合、自分で自分の力をコントロールすることができないので、強くこすったり、指先が入ったり、腕を振っているうちに玩具が当たったり・・・どこの家庭でもよくあることです。

出血によって赤い点や斑点、赤い線などがある場合、よほどひどい状態でない限り、病院に行かずに様子を見ても大丈夫です。

ただし、何かしらの理由で、思いっきり目に衝撃を与えてしまった場合には、様子を見ないで、すぐに病院に行くことをおすすめします。



充血と出血、どちらをみても、病院を行かずに様子を見て大丈夫な場合が多いとはいえ、充血があったり、赤い点や線などがあったりすると、心配になりますよね。

そんな時は、すぐにでも病院に行って専門医に相談すると、お母さんの不安解消にもなりますよ。

赤ちゃんの白目の充血、赤い点や線が治らない!原因は?

「様子を見て大丈夫かと思ったけど、全然、治らない」そんな心配のある赤ちゃんもいるのではないでしょうか。

充血している場合

赤ちゃんの白目が充血するのは、寝足りてなかったり、泣いたりすることでの場合が多くなります。

しかし、目やにが出ている、痛がったり痒がったりする、熱が出るなどの場合、結膜炎になっている可能性が高くなります。

代表的な充血の原因を表にまとめてみました。


新生児結膜炎
出生時に膣や外陰部にいる細菌(淋菌、クラミジアや一般細菌)やウイルスに感染することで充血することが原因で、産まれてすぐになければ、後からなることはありません。
逆さまつげ
赤ちゃんの時は、瞼の筋肉が弱かったり脂肪が多いため、瞼が腫れぼったくなるため、逆さまつ毛になり、目にまつ毛が入りやすく、結膜が炎症する
感染性結膜炎
ウイルス性結膜炎
・アデノウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス感染
・涙、黄緑色の目やに、熱、咽の痛み
(症例)
・プール熱(咽頭結膜熱)
・急性出血性結膜炎
・はやり目(流行性角結膜炎)
細菌性結膜炎
・黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌などの細菌感染
・黄色の目やに
アレルギー性結膜炎
アトピー性角結膜炎・・・アトピー性皮膚炎に伴うもの
春季カタル・・・春~夏にかけて発症する重症度の高いもの
ぶどう膜炎
・結膜ではなくぶどう膜が炎症して充血する
・視力の低下、目の前で虫が飛んでいるように見える
・痛みや違和感


他にも、角膜ヘルペス、急性出血結膜炎、急性閉塞隅角緑内障、淋菌性結膜炎など、さまざまな目の病気があり、赤ちゃんだってならないとは限りません。

さらに、4歳以下の幼児がかかりやすく、特に6か月~1歳の乳幼児に多い、川崎病でも白目が充血します。

わが家の長女も1歳の時にかかりましたが、最初の異常は充血から始まりました。次に40℃の熱とBCGの腫れが出た時に入院をして、生命力を信じたものの、残念ながら、発疹、手足の赤み、舌のいちご状の順に進み、ガンマグロブリンという加熱製剤を打ちました。


また、予防注射で知られる風しん(はしか)も、本当にかかれば充血を伴う場合もあります。

このように、目とは全く関係ない身体の病気によって、充血が起きることもあるので、たかが充血、されど充血。大切な赤ちゃんのちょっとした変化に注意しながら、おかしいと感じたら、すぐに病院に行って相談しましょう。

赤い点や線がある場合

赤ちゃんの白目に赤い点や線ができる多くの原因は、結膜下出血です。前途したように、強くこすったり、指先が入ったり、玩具が当たったり・・・

目に何かをおもいっきりぶつけてしまった場合でない限り、様子を見ても大丈夫ですが、時間の経過とともに少しずつ範囲が広くなる、良くなってはまた赤い点や線が出る、赤ちゃんが痛がったり痒がったりする、高熱が出る場合など、他に症状がある場合は、下記のような原因があるかもしれないので、すぐに病院に行って相談しましょう。

  • 結膜炎などとの併発
  • 動脈硬化や高血圧、貧血、白血病、糖尿病あるいは腎炎などの血管や臓器の病気
  • インフルエンザやマラリア、ジフテリアなどの感染症

白目が赤い場合以外のことも知っておこう

赤ちゃんのきれいな白目が汚されるのは、赤くなる場合だけではありません。

◇目やにが出る場合
・鼻涙管閉塞症・・・涙が鼻に降りるための鼻涙管が詰まってしまうことで、涙が鼻に降りずに目やにや涙が出る
・風邪を引くことで鼻水が多くなることで、涙が鼻の粘膜に吸収されなくなるために起こる
◇白目が黄色い場合
・母乳性黄疸・・・母乳の成分によって黄色くなることがあるが、ほとんどの場合、気にしなくても大丈夫
・新生児黄疸・・・血液中のビリルビンが過度に多くなることで起こる
・肝前性黄疸・・・血液に問題があり、肝臓を通る前から異常がある
・肝後性黄疸・・・肝臓や胆管に異常がある
◇白目が青い場合
赤ちゃんの強膜は薄いので、内側にあるぶどう膜が透けて見える。ほとんどの場合、成長することで、強膜が厚くなって白くなる
◇白目にグレーや黒の点や線などのしみがある場合
黒色の脈絡膜が白目の下にあり、透けて見える。ほとんどの場合、成長することで見えなくなる。シミやほくろといった色素の場合もある。

まとめ

赤ちゃんの白目が充血したり、赤い点や斑点、線ができることはよくあることなので、安心してください。

まずは、焦らずに様子を見て、目やにや瞼の腫れ、発熱など、他の症状がないかどうか確認しましょう。なければ、安心してそのまま様子を見て大丈夫です。

症状が改善されない場合、上記のような症状など、充血や赤い点や線以外にも症状がある場合は、すぐに病院に行き、専門医に相談することが大切です。

また、赤ちゃんの白目に異常があるのは、赤い時だけではありません。他にもいろいろな場合があるので、異変を感じて心配な時は、些細なことでも、専門医に相談すると、お母さんの不安解消になりますよ。