赤ちゃんを育てていると「何でこんなにお腹がパンパンなの?!」なんてびっくりすること、ありませんか?

母乳(ミルク)を飲ませて、気持ちよさそうに寝ているわが子を、「大丈夫なんだろうか」と思いながら見ていると「プ~ッ!」なんて、おならの音が!

安心してください。お腹がパンパンになっているのは、決して珍しいことではありません。おなかの張り以外に症状がなければ、気にしなくても大丈夫ですよ。

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再確認してみよう!赤ちゃんお腹がパンパン・わからないときのお腹の張りの見分け方

「お腹の膨らみがすごい!風船?カエル?」「こんなに膨らむのって、なんかの病気?」

初めて、赤ちゃんのお腹の膨らみに気づいた時って、すごくびっくりしますよね。私は、1人目は残念ながらわけがわからないままに1歳を過ぎ、2人目が産まれてから初めて気づきました。

まずは、パンパンに膨らんだ赤ちゃんのお腹を見てみてください。

正常 病気の可能性あり
母乳(ミルク) しっかりと飲む 飲まない
次の授乳時 もとに戻っている もとに戻っていない
吐き戻し 無・少量 滝・噴水のように大量
うんち 3日以内に泣かずに出る 1週間以上出ない・浣腸しないと出ない
お腹の柔らかさ ほっぺたのように柔らかい 硬い
お腹の肌の色 肌色 赤黒い(紫色に近い)
機嫌 いい 悪い・ぐったりしている
ない ある
体重 増えている 増えていない

上記の表の正常な状態であれば、安心して大丈夫です。

後述しますが、赤ちゃんのお腹の張りの原因のほとんどは、空気か便秘か母乳(ミルク)です。


お母さんも初めての経験ばかりで、ちょっとのことでも気になってしまう気持ち、よ~くわかります。私もそうでした。

でも、心配や不安ばかりでは、赤ちゃんにもその心配や不安が移ってしまいます。まずは、お母さんが「どんとこい!」という気持ちで育児することが大切です。

とはいえ、素人目に見て大丈夫そうだと思っても、病気が隠れていることもないとは限りません。そして、お母さんの不安解消も大切なことです。

「様子をみて大丈夫なのか、それとも病院に行った方がいいのかわからない」というお母さんは、まず、小児科に行って相談してみることも大切ですよ。

赤ちゃんのお腹がパンパン・ぽっこり!お腹の張り・膨らみの原因は?

前述したように、赤ちゃんのお腹がパンパンに膨らむ原因の多くは、空気か便秘か母乳(ミルク)です。

空気の場合

生まれて間もない新生児~3、4か月くらいの赤ちゃんに多い原因で、飲む時の様子を見てわかるように、まだまだ上手に飲むことができない場合がほとんどかと思います。そのため、どうしても母乳(ミルク)と一緒に、空気がお腹に入ってしまいます。

成長の遅い子であれば5か月以降でもある話なので、「うちの子、5か月だけど・・・」と思ったお母さん、安心してください。

空気が入っても自然とげっぷを出すことができればいいですが、赤ちゃんの胃はとっくりのような形をしていて、上手に飲んだ空気の処理をすることができません。飲んだ空気を上手にげっぷできないままにしておくと、母乳(ミルク)と一緒に腸に流れます。

腸に空気が入っても、上手におならができればいいですが、産まれて間もない赤ちゃんの腸も、胃と同様に未発達で、自力で上手におならができないことも少なくありません。

げっぷやおならを上手に出来ないと、胃や腸に空気が溜まることになります。この溜った空気が風船のように膨らむことで、お腹がパンパンになります。


空気の場合は、表の「正常」な状態ですが、大量に吐くこともあります。

げっぷはもちろんのこと、ガス抜きをしてあげるなどして、楽にしてあげましょう。少しずつ、母乳(ミルク)を飲むのが上手になり、空気を一緒に飲んでしまう量が減ります。

さらにげっぷやおならが上手にできるようになってくるので、空気がお腹に溜まることもなくなります。大きくなるにつれ、気にならなくなるので様子見で大丈夫です。

便秘の場合

みなさんは、便秘になったことがありますか?便秘になったことがある方ならわかると思いますが、下腹部が徐々に出てきますよね。

赤ちゃんも同じです。

新生児から便秘になる場合もありますが、5~6か月くらいから離乳食が始まります。それまで、母乳(ミルク)が主流だった赤ちゃんが、離乳食を始めることによって水分が不足することで便秘になってしまいます。

また、少しずつ動くことができるようになり、お母さんが思っている以上に汗をかきます。水分が汗にとられてしまうため水分不足になりがちで、便秘になりやすくなります。

便秘の場合は、表の「病気の可能性あり」の状態ですが、お腹の色は肌色です。浣腸しても、すぐにまた便秘になってしまうようであれば、小児科に1度、相談してみるのもいいかもしれません。

母乳(ミルク)を飲み過ぎの場合

新生児~3か月くらいの赤ちゃんは満腹中枢も未発達です。

そのため、母乳(ミルク)を飲み過ぎてしまう場合があります。空気や便がしっかり出ていても、母乳(ミルク)でお腹が膨らんでいる場合があります。

私たち大人も「腹8分目を心掛けているつもりでも、つい食べ過ぎてしまう」なんてこと、ありますよね。そんな時、お腹はどうなっていますか?
いつもよりお腹が出ている感じがしませんか?

赤ちゃんも同じです。小さな身体で、たくさんの量の母乳(ミルク)を飲めば、それだけ赤ちゃんのお腹が膨らんでも、ごく自然なことと言えるのではないでしょうか。


「産まれたばかりの赤ちゃんでも、満腹中枢が全く働かないわけではなく、お腹が空いていなければ飲まない」という考え方もあるようですが、うちの場合は、残念ながらお腹がいっぱいでも飲んで、よく吐いていた子がいます。

その子は、保育園時代に食べ放題のお店に行った時、止めても「トイレ!」と言っていなくなり、隠れて食べていた結果、食べ過ぎで吐いてしまった事件がありました。

母乳(ミルク)の飲み過ぎの場合は、表の「正常」な状態ですが、大量に吐くこともあります。

赤ちゃんがしっかり飲んでくれるのは、健康な証拠です。ただ、母乳(ミルク)を必要以上に飲ませることは、過飲症候群などの病気の引金になります。

過飲症候群などの病気になると、「正常」から「病気の可能性あり」の状態に変わってくるので、そうならないように、適度な母乳(ミルク)の量を守って飲ませましょうね。

赤ちゃんのお腹がパンパン・ぽっこりに膨らむ病気ってあるの?

多くの場合の原因は、わかっていただけたでしょうか。

「上記の表に載ってるけど病気ってこともあるんだよね?」と思うでしょう。

結論から言うと、消化管や臓器の病気の場合があります。

  • 胃軸(いじく)捻転症(ねんてんしょう)・・・胃がねじれて、食道を圧迫する。
  • 肥厚性(ひこうせい)幽門(ゆうもん)狭窄症(きょうさくしょう)・・・胃の筋肉が分厚くなって機能しないため、消化しても十二指腸に流れない
  • ヒルシュスプルング病・・・腸にあるはずの神経がないため、自力でうんちができない
  • 腸(ちょう)重積症(じゅうせきしょう)・・・2歳までになる腸閉塞。腸の壁が二重になって圧迫されて、うんちの通り道が狭くなる。

お腹が膨らむ病気は、意外とたくさんあります。上記はほんの一部の例で、消化管に限らず、肝臓や腎臓、脾臓など、臓器の病気という場合もあります。

表の「病気の可能性あり」のような症状がひとつでもある時には、安心材料として、小児科に相談してみるのもひとつの方法です。

赤ちゃんのお腹の張りに効果的な対策!パンパンになったお腹を解消・マッサージ方法

げっぷ

産院で「必ずげっぷをさせる」と言われたことがあると思います。前述したように、赤ちゃんが母乳(ミルク)を飲む時に一緒に飲んだ空気を出すためです。

しかし、げっぷが下手だったり、げっぷをしないまま寝てしまうこと、ありますよね。

ひたすら、げっぷをさせようと背中を叩いても、全くしそうになくて「どうすればいいの?」と思った経験、私もあります。

  1. お母さんの肩に赤ちゃんの胃の部分が当たるように抱えて、
  2. 胃の後ろ当たりの背中を優しく叩く
  3. 胃~首すじまでを下から上にさする
  4. 少しの間、縦抱きで抱っこする
  5. お母さんの抱っこの角度や、抱っこの体制を変えてみる

要するに、赤ちゃんの胃を軽く圧迫して、げっぷの出やすい環境にするわけです。それでも、げっぷが出ない場合は、無理にさせなくても大丈夫です。

わが家では、げっぷが出ない時、吐き戻し防止のために10分ほど縦抱きしていましたが、20分抱っこしていた方がいいという意見もあります。また、げっぷをさせるために奮闘する時間は、5分くらいでも大丈夫という意見もあります。

あまり長い時間する必要はありませんが、お母さんの気持ち次第かもしれません。


げっぷが出ないまま寝かせるとなると、吐き戻しが心配ですね。

  • 横向きに寝かせる
  • タオルを四つ折りにして、赤ちゃんの枕にする
  • バスタオルを頭から背中にかけて敷いて、上体に傾斜をつける

ちなみに、胃と腸のつなぎ目が右側にあるので、右側を下にして横向きに寝かせてあげると、消化しやすくなり、吐き戻し防止にもつながりますよ。

おならや便秘の場合

げっぷが下手な赤ちゃんは、おならを出してあげると、赤ちゃんも楽かと思います。

  • 綿棒をベビーオイルやオリーブオイルで浸して、綿の部分のみを肛門に挿し、優しく刺激する。やり過ぎはよくないので1日1~2回まで。
  • お腹のおへそより下側(下腹部)を中心に、手の平でのの字にマッサージをする
  • 足の曲げ伸ばし運動をして、お腹を圧迫する
  • お母さんがうつ伏せになり、お腹の上に赤ちゃんをうつぶせに寝かせる
  • オムツ替え時、肛門の後ろから尾てい骨にかけて優しく押してマッサージする
  • 両手でおしり全体を包み込み、右手はのの字、左手は逆のの字に、お尻を持ち上げるように優しくマッサージして、肛門に刺激を与える

うつ伏せに寝かせる時は、窒息してしまう場合もあるので、顔がふさがってしまわないようにすることと、強い刺激は、赤ちゃんがびっくりして逆効果になってしまうこともあるので、必ず優しくマッサージすることだけ気をつけてください。

また、上記の下2つに関しては、私が便秘気味な子やげっぷが下手だった子の時に、効果があった方法です。直接、触れるとばい菌などの影響が心配なので、ガーゼなどを利用することをおすすめします。


一発で赤ちゃんが楽になるのは、綿棒で浣腸することです。

考え方はそれぞれかと思いますが、赤ちゃんが自力でおならやうんちをするのが1番です。いろいろ工夫してお腹を圧迫したり、肛門を刺激できる方法を試してみて、だめだった時に、綿棒で浣腸するのを、私はおすすめします。

便秘の場合

便秘の時には、もうひとつしなければいけないことがあります。

水分補給です。

赤ちゃんの水分補給って、少しのつもりで飲ませても、母乳(ミルク)に影響あったりして、意外と難しいですよね。

基本的には、母乳(ミルク)さえ飲めていれば、無理に水分を飲ませる必要はないという意見もあります。

しかし、夏の暑い時など、汗をたくさんかいた時には、水分が不足しがちになります。便秘になってしまうようであれば、水分補給が必要です。


赤ちゃんにあげる水分は、白湯か麦茶が1番です。

6か月まではスプーン1杯~、6~10か月は100ml~、10か月からは母乳(ミルク)や離乳食に影響のない程度が適量です。

母乳(ミルク)や離乳食の前に飲ませると、影響が出てしまい、後に飲ませると吐き戻しの原因になることもあるので、極力控えた方がいいかと思います。

授乳と授乳の間は、2~3時間ありますよね。だいたい授乳後1時間くらい経った頃に飲ませるのがベストですが、そううまくはいかないものです。

まずは、便秘を解消することを優先する意味も込めて、授乳時に母乳(ミルク)を飲む前に、白湯か麦茶を1~2口飲ませるところから始めるといいですよ。

それぞれ、私がした対策方法を紹介しましたが、おならや便秘の場合、すぐに結果が出る場合と出ない場合があります。

対策をして効果がない場合でも、数分後、数時間後になって効果が得られる場合もあるので、すぐにあきらめるのではなく、しばらく様子をみてみましょうね。

まとめ

赤ちゃんのお腹の張りの原因は、空気・便秘・母乳(ミルク)の飲み過ぎの場合がほとんど。

とは言っても、病気が原因の場合もたくさんあるので、油断は禁物です。明らかに様子がおかしい場合や、対策を取ってみて症状が改善しない場合は、すぐに小児科に相談してみましょう。

調べて「大丈夫かな」と思うより、小児科で専門の先生に診てもらって「大丈夫」と言われる方が、何よりも、お母さんにとっての安心材料になりますよ。