「足が冷たいでしょ!ちゃんと靴下履かせなさい!」なんて、実母に怒られてしまった経験があるお母さん、たくさんいるのではないでしょうか。
新生児の時から手足が冷たいなんて「もしかして冷え症?」「病気?」と、心配になりますよね。
安心してください。手足が冷たいのは赤ちゃんが体温調節を勉強している証です。赤ちゃんが元気で、腕・太もも・身体が温かければ気にしなくても大丈夫なんですよ。
足だけ・手だけ冷たい!赤ちゃんの手足だけ冷たい原因は?
「こんなに手足が冷たいなんて寒いのかな?」と、掛布団をかけて数分後、ものすごく汗をかいていて「今度は暑いの?!」と、掛布団をやめたら、また手足が・・・
しまいには、手足は冷たいのに背中を確認すると汗をかいていたりすると、温かくした方がいいのか、涼しくした方がいいのか迷ってしまいますよね。
私も、最初の子の時は、実家で怒られながら靴下を履かせてみたり、毛布をかけたり、いろいろ試してみましたが、気になって仕方がなかったです。
実は、それ自体が間違っていたというのを知ったのは、3番目の時でした。
まず、赤ちゃんの背中やお腹から胸にかけて・腕・太ももを順に触ってみてください。温かくて、汗をかいていなくて、赤ちゃんが元気であれば、心配しなくても大丈夫です。
新生児の身体は・・・
- 皮下脂肪が少なくて、身体の熱が逃げやすい
- 皮が薄くて、外気の温度に敏感に反応する
- 「寒い」「暑い」を言葉にできない・動けないため、自分で対処できない
上記のような要因から、外気の気温に左右されやすい状態です。
プラスして、赤ちゃんは、体温調節が未熟で上手にできません。
寒く感じる時には、手足の毛細血管を収縮することで、命に関わる臓器のある身体に血液をたくさん送って身体を温めるため、手足に十分な血液がいかずに手足が冷たくなります。
また、暑く感じる時には、汗をかいて身体の熱を逃がす働きをしますが、赤ちゃんの場合、その機能がまだ発達していないので、必要以上に汗をかいて熱を逃がしてしまい、身体が冷えてしまうことがあります。
そのため、身体は暑くて汗をかいていても、手足が冷たいという状態が起きるのです。
手足が冷たい時の対処は?ミトンや靴下は必要?
赤ちゃんの手足が冷たいと、真っ先に考えるのは、ミトンや靴下ではないでしょうか。私も、よく実家で怒られて履かせたりしていましたが、実は、これは間違いです。
もちろん、寒い時期に外に出る場合に靴下は必須ですが、昔の家と違って、現代の家の中で凍えるほど寒い部屋は、まずないですよね。
赤ちゃんは、体温調節を手足でしています。
その手足にミトンや靴下を履かせてしまうと、気温を感じる力が鈍くなったり、暑いと勘違いをして、必要以上に汗をかき、熱を放出してしまったりして、逆に身体が冷えてしまった・・・なんてことになりかねません。
赤ちゃんの手足が冷たくなっていても、それは赤ちゃんなりに体温調節しようとがんばっている証です。身体や腕、太ももが温かければ、心配しなくても大丈夫です。基本的には、家の中でミトンや靴下は必要ありません。
ただ、真冬の寒い時期に素肌を出すのは、手足だけにすることが大切です。部屋を暖め過ぎないようにして、赤ちゃんの身体にも季節感を持たせてあげましょうね。
赤ちゃんの手足が冷たいことよりも、エアコンで室温・湿度の調整、服などで対処することが大切
ネットなどで調べると、赤ちゃんが快適に過ごせる室温と湿度は・・・
- 夏・・・25~28℃、外気温との差を5℃
- 冬・・・18~23℃
- 湿度・・・40~60%
に保つことが大切だといわれています。
「夏に25~28℃って、手足冷たいのにクーラー使っていいの?」「冬に18~23℃って、少し寒い感じがするような・・・」と思いますよね。
「湿度を保てば体感温度下がるし、クーラー使わないでいけるのでは?」「外気温を、こまめに気にしてる余裕ないよ・・・」
私も、体温調節の発達などのことを考えると、常に同じ気温の場所にいるのは、よくないように感じるひとりです。
- 直接、クーラーの風が当たらないようにする
- 部屋の上下の温度を一定になるように、空気を循環させる→サーキュレーター・扇風機が効果的
- 温度計を赤ちゃんが寝ているそばに置いて、服や布団で体温管理する
のような環境でクーラーを使うのは、むしろ推奨されています。
温暖化の影響もあって、昔から比べると、真夏日になることも多く、それに伴い、湿度も80%を超える日が続くことも多くなっています。
体温調節が上手にできない上に、身体の8割以上が水分で汗をかきやすい赤ちゃんには、大人が思っている以上に、過酷な時代です。熱中症などの可能性を考えると、クーラーを使用するのも仕方がないと考えましょう。
夏と冬の室温・湿度についての私の考え
夏の場合
- 室温が30℃を越えたら、一定時間クーラーをつけて消す
- こまめに着替えさせたり、日中に1度、軽くシャワーで汗を流してあげる
- 寝る前に、クーラーで寝室を適温にして1度止めて、暑くて寝れなくなるようであれば、タイマーをかけて30分程度クーラーをつける
- 暑い日は布団なしで、お腹にタオル1枚
冬の場合
- 赤ちゃんのいる部屋は20~23℃にエアコンを設定
- 赤ちゃんの体温は37℃前後。背中に汗をかかない程度の厚着に心掛ける
- 手首やくるぶしより上は肌が見えない服を着せて、手足のみ素肌を出す
- 家全体が同じ設定温度にならないようにして、部屋や廊下の気温差をつける
- 背中に汗をかいているようならお腹にタオル、かいていないようなら布団1枚と布団を増やす。ただし、手足には布団をかけないようにする
夏冬の湿度
- 熱中症やウイルスやカビ・ダニなどの影響を考え、50%前後に保つ
のような環境で、家の中で、気温の変化を赤ちゃんが感じることができるようにします。
新生児の時から無理する必要はないのかなと思いますが、1歳頃までに、少しずつ、体温調節機能が発達する環境を整えて、上手にエアコンを使いましょう。
ただ、思っている以上に、赤ちゃんの体温管理って大変なんですよね。お母さんが疲れて、へとへとになっているような時には、一般的な設定に合わせて、快適な空間で乗り切りることも大切ですよ。
赤ちゃんが体温調節できるのはいつ?太ももや腕の方まで冷たい…冷え症になることはあるの?
体温調節は、生後8か月頃にはできるようになり始めます。
前述したように、体温調節が上手にできず、手足が冷たくなるのは、赤ちゃんであればよくあることなので、汗をかかずに赤ちゃんが元気であれば、それほど気にすることはありません。
しかし、太ももや腕の方まで冷たくなっている時は、必要以上に熱が逃げてしまっていたり、身体を温める機能が低下していたりするので、気をつけなければいけません。
- 手足がすごく冷たくて、しもやけができている
- 機嫌が悪い
- 下痢や便秘など、お腹の調子が悪くなる
- 母乳(ミルク)を飲まなくなる
などの症状があると、冷え症になってしまっている可能性があるので、要注意です。
また、母乳を飲んでいる赤ちゃんの場合、お母さんが
- 冷たい飲み物や食べ物ばかり口にしている
- 偏食
- 運動不足
などのような場合、質のいい母乳が出ていない可能性があります。
特に、冷たい飲み物や食べ物ばかり口にしていると、お母さんの身体も冷え症になっている可能性が高く、本来温かいはずの母乳が冷たくて、赤ちゃんの身体の冷えにつながってしまう場合も少なくありません。
前述した対処に加え、身体だけでなく、手足もミトンや靴下で温めてあげるなどのケアが必要になり、成長に問題が生じるなんてことにもなりかねないので、母乳の質にも十分気をつけることが大切です。
赤ちゃんの手足が冷たくて紫色になるのは大丈夫?病気の可能性や対処方法
「なんで、こんなに手足が紫色してるの?」と、焦ってしまう気持ち、わかります。
私も、あまりにも紫色していて、気持ちよく寝ているだけなのに「息してる?!」と、起こしてしまったことがあります。
- 37.5℃以上の熱がある
- 機嫌が悪い
- 滝のように吐く
- 母乳(ミルク)を飲まない
- ぐったりしている
などのような症状がなければ、手足が紫色になっているのは、手足の先の毛細血管が収縮して体温調節をしているだけなので、それほど気にしなくても大丈夫です。
といっても、そのままにしておくのは、なんとなく気が引けますよね。
手を握ったり、足をお母さんの手で包んだりなど、少しだけ温めてあげると、手足は冷たいままでも、紫色から肌色になって落ち着くこともあります。
37.5℃以上の熱があり他の症状がない場合
37.5℃以上の熱があるのに他に症状がない場合もありますよね。
37.5℃以上の熱があり汗をかいている場合
手足が冷たくて、汗をかいているようであれば、温かくし過ぎている可能性があるので、汗を拭いて着替えさせてあげましょう。
様子を見て、他に症状が現れず、汗が引いて熱が下がるようであれば、そのまま様子を見て大丈夫です。
37.5℃以上の熱があり汗をかいていない場合
他に症状がなくても、これから熱が上がる可能性があります。
この場合、手足が冷たくても身体がとても熱く感じるのに、汗をかいていません。これは、まだこれから熱が上がる証拠で赤ちゃんは寒気を感じています。
様子を見ていると、熱が上がりきって身体だけでなく手足も熱くなります。手足が熱くなって、汗をかき始めるのは熱が上がりきった証拠です。たいていの場合、徐々に何らかの症状が現れるかと思います。
注意
熱以外の症状がある時はもちろんのこと、どんなに赤ちゃんが元気で他に症状がなくても、熱が上がるようであれば、風邪を始め、さまざまな病気にかかっている場合も考えられるので、小児科に相談してみましょう。
まとめ
汗をかくのも手足が冷たいのも、赤ちゃんが未熟ながらに体温調節しようと頑張っている証です。
「足冷たいでしょ!ちゃんと靴下履かせなさい!」と言われた時は、身体、腕、太ももを触って温かければ「体温調節がんばってるんだから大丈夫!」と言い切りましょう。
身体、腕、太ももが冷たいようであば、要注意。上記のように対処することが大切です。他に症状があったり、熱があったりなど、心配な時には、小児科に相談することも大切ですよ。