頻繁だった夜の授乳の回数が少しずつ落ち着いて、ようやくママも夜ゆっくり眠れるようになると思った頃、赤ちゃんの夜泣きに悩まされるママが増えてきます。

抱っこしても、授乳をしても、おむつを替えても、どうやってあやしても泣き止んでくれない赤ちゃんに、ママやパパは困り果てて、「泣きたいのはこっちだよ」と、思わず口に出してしまいそうになります。

赤ちゃんの夜泣きは、いつから始まって、いつ頃まで続くのか、不安でいっぱいのママも多くいるでしょう。赤ちゃんの成長過程のひとつでもあるので、夜泣きをなくすことは難しいですが、夜泣きをする時期や、夜泣きの原因を知ることで、少しでも赤ちゃんの夜泣きからくるママのストレスや苦痛を減らす方法を考えていきましょう。

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赤ちゃんの夜泣きはいつから

赤ちゃんの「夜泣き」は、夜泣くこと全般を指している言葉ではありません。まずは、「夜泣き」の正しい意味を知ることから始めましょう。そして、その夜泣きがいつから始まり、いつ頃まで続くものなのかを確認していきましょう。

夜泣きとは

「夜泣き」は、その文字のとおり、赤ちゃんが夜泣くことを意味していると思われがちですが、その解釈は少し違っています。

夜泣きは、赤ちゃんが特に理由もなく泣き出し、どんなことをしてあやしても泣き止まない現象のことを指した言葉です。「特に理由がない」というところがポイントで、なにか要求したいことがあって、泣いているときは、夜泣きには該当しません。

おっぱいが飲みたい、おむつを替えてほしい、ママにそばにいてほしい等、明確な要求があって泣いている場合は、夜泣きとは言いません。

まだ赤ちゃんが言葉を発してはくれないので、要求を読み取ることは容易ではありませんが、要求しているものをママが察知して解決してあげることさえできれば、赤ちゃんは泣き止んで、ぐっすりと眠ってくれます。

それに対し、夜泣きは特に理由なく泣いているので、解決手段がなく、泣き止ませることが困難です。授乳をしたり、抱っこをしたりして、いくらあやしても泣き止んでくれないので、「どうして泣き止んでくれないの?」というママのストレスはたまる一方で、夜も眠ることができず、心身ともに疲れ果ててしまうのです。

夜泣きが始まる月齢

赤ちゃんには個人差があるので、一概には言えませんが、夜泣きが始まる時期は、早い赤ちゃんだと生後3ヵ月頃からと言われています。平均的には6ヵ月頃から始まる赤ちゃんが多いようです。

赤ちゃんの1日の生活リズムが安定してきて、夜の授乳回数も減り、ようやくママもゆっくり眠ることができると思った矢先に始まることが多いので、ママはしばらく気を抜くことができません。

こちらも個人差がありますが、赤ちゃんの夜泣きのピークは、生後8~9ヶ月頃だそうで、その時期に夜泣きに悩まされるママが多いようです。

特に理由がなく泣くので、なぜその頃にピークを迎えるかの明確な答えもないのですが、夜泣きをする月齢は、赤ちゃんの脳が目覚ましく成長する時期にあたるので、脳の成長と関連しているのではないかという説もあります。夜泣きは、赤ちゃんの脳が成長している証ととらえて、乗り切りましょう。

夜泣きが治まる時期は、およそ1歳半頃と言われています。一方で、2歳や3歳を過ぎても夜泣きをする子や、2歳を過ぎてから夜泣きが始まる子など、夜泣きのケースは様々です。ここに記載した月齢は、あくまでも参考であると考えてください。

新生児が泣く理由

夜に泣く新生児も多いのに、夜泣きが始まる時期は、早くても生後3ヵ月頃からという記述に疑問を感じた人もいるかもしれません。前述したとおり、夜泣きは、赤ちゃんが夜寝ている時に、特に理由なく泣き出して泣き止まないことを意味しています。

まだ昼夜の区別がついていない新生児は、昼夜を問わず、寝たり起きたりを繰り返しています。「夜だから寝る」という感覚がまだ備わっていないので、昼でも夜でも時間を問わず、何か要求があるごとに泣きます。

新生児が夜に泣く理由には次のようなものが考えられます。

  • お腹が空いている/喉が渇いている
  • 暑い/寒い
  • おむつが気持ち悪い
  • そばにいてほしい

新生児が夜に泣いていたら、このような要求をしていることがほとんどです。まだ言葉を発してくれないので、どれを要求しているか判断することは容易ではありませんが、ひとつひとつ解消していくことで、落ち着いてくれることでしょう。

夜泣きをする子・しない子

夜泣きが激しく、毎日泣き続けてママを困らせる赤ちゃんもいれば、夜泣きをほとんどしない子もいます。できれば夜泣きしないで、ぐっすり眠ってくれるとママは助かるのですが、そううまくもいきません。

夜泣きとする子としない子では性格や生活習慣になにか違いがあるのでしょうか。

夜泣きをしない子もいる?

夜泣きに悩まされた経験を持つママは、夜泣きしない子なんているはずがないと思うかもしれませんが、夜泣きをしない子も存在します。

私の第1子の娘は、まさしく夜泣きをしない赤ちゃんでした。授乳以外の理由で泣いた記憶はほとんどなく、泣いたとしても、泣き止まなくて困った経験は一度もなかったように思います。

そのため、私は夜泣きの苦労を知らないまま育児を続けていました。夜泣きに苦しんだママからは、夜泣きをしない子を育てる育て方があるのではないかと聞かれたこともあります。それをお伝えできれば一番いいのですが、私にはそれを伝える資格がありません、なぜなら、第2子の息子は、夜泣きが激しいタイプの赤ちゃんだったからです。

同じ家庭環境のなかで、同じ育児方針で子育てをしても、夜泣きをする子としない子が育つことを実体験として学んだ私が言えるのは、夜泣きをするかしないかは、ママの育て方や家庭環境だけで決まるものではないということです。

赤ちゃんの夜泣きに対して、どうか責任を感じないでください。よく泣く赤ちゃんが産まれてきただけのことです。元気な証ととらえて、温かく見守ってあげてください。

夜泣きをする子の性格・特徴

夜泣きをする子には、次のような特徴があることが多いという説があります。ただし、あくまで仮説ですので、参考程度にとらえてください。

母乳育児の赤ちゃん

ミルクに比べると、母乳は腹持ちが悪いので、夜泣きにつながる可能性があると言われています。

ただし、授乳をすれは落ち着く場合は夜泣きではありません。お腹が空いた不快感で、授乳とは関係なく泣き続けることが考えられます。お腹を空かせている可能性がある場合には、夜間だけでもミルクに変えてみると、ぐっすり眠ってくれるかもしれません。

ベビーベッドで寝ている

ベビーベッドで寝ていると、気が付いたら1人ぼっちで、寂しくて泣いてしまう赤ちゃんもいるようです。

布団なら、泣いてもすぐ横にママのぬくもりを感じることができます。ベビーベッドに寝ていて、夜泣きがひどいと、その都度ベッドから赤ちゃんを抱き起こすママも大変です。布団で添い寝を試してみるといいかもしれません。

女の子

男の子に比べて、女の子は脳の発達が早いと言われています。そのため、女の子は、寝ているときに、現実に近い夢を見ることがあります。それが恐怖感を感じる内容だった場合、怖くて泣いてしまい、泣き止まなくなると考えられます。

大人でも悪夢にうなされることがあります。赤ちゃんも夢の内容を「怖い」と判断できるようになってくると、夢を見て泣くことが出てきます。

神経質

少しの物音でも目を覚ましてしまうような神経質な赤ちゃんは、やはり眠りが浅い傾向にあり、夜泣きをしてしまう可能性があります。

こればかりは生まれ持った性格なので、簡単には変えることはできません。少しでも赤ちゃんが安眠できるような環境を作ってあげるよう努力しましょう。

夜泣きをしなかった娘と夜泣きをした息子の特徴

参考までに、夜泣きをほとんどしなかった娘と、夜泣きの激しかった息子の性格や特徴をお伝えします。

前述した「夜泣きをする子の性格・特徴」と異なる点も多いため、やはり、夜泣きをするかどうかは人それぞれだということを先にお伝えしておきます。

【夜泣きをしなかった娘】

  • 母乳育児(11ヵ月で卒乳/食欲旺盛)
  • ベビー布団(隣の布団にママ)
  • 第1子の女の子
  • 入眠はおしゃぶりを使用(1歳後半まで)
  • 物分かりがいい(大人のいうことを理解できる)
  • 言語発達が早い
  • 暗い部屋が苦手(寝るときも灯りが必要)
  • 物音では起きない(隣の部屋でテレビを見ていても問題ない)

【夜泣きが激しかった息子】

  • 母乳育児(こちらも11ヵ月で卒乳/食欲旺盛)
  • ベビー布団(隣の布団にママ。夜泣きがひどかったので、お姉ちゃんはパパの元へ避難)
  • 第2子の男の子。上はお姉ちゃん。
  • 入眠時に布団やタオルケットを噛む癖がある(おしゃぶりは不使用)
  • 入眠時も睡眠時も布団の上で動き回る
  • 眠りが浅く、物音に敏感
  • 甘えん坊(ママっ子)

今思うと、娘は言語発達が比較的早かったので、自分の欲求や思いを言葉にすることができたので、親が困惑するほど泣き続けなくてもよかった可能性があります。

夜寝ているときに急に泣き出して、「寂しかった」「怖かった」という趣旨の発言をしたのを、何度か耳にしたことがあります。泣いている理由が分かれば、こちらとしてはなだめやすいので、それほど手こずった印象を持っていないのかもしれません。

夜泣きした赤ちゃんへの対処法

特に明確な理由がなく泣き続ける赤ちゃんを泣き止ませることは、至難の業です。泣き止ませることができないとしても、夜中に泣き続ける赤ちゃんをそのまま放置するわけにもいきません。

夜泣きが始まってしまったら、どのような対処をするのがベストなのでしょうか。

対処法には次のようなものが挙げられます。

  • 授乳を試みる
  • 抱っこする
  • 添い寝(横で寝たふり)する
  • 思い切って一回起こす
  • 外に出る

それぞれ詳しくみていきましょう。

授乳を試みる

母乳育児の場合は、とりあえず授乳を試してみましょう。お腹が空いていなくても、おっぱいを咥えることで、ママがそばにいることを感じ、安心して眠りについてくれることもあります。

赤ちゃんを抱き起こすことなくできる「添い乳」も有効です。おっぱいを咥えてくれる場合には、授乳しながら眠りについてくれるのを待ちましょう。

ミルク育児の場合は、前回のミルクからの間隔を考慮し、飲ませ過ぎにならないように気を付けてください。ミルクを飲ませ過ぎると、泣いた拍子に吐き戻してしまうことがあります。お腹が空いていたり、喉が渇いていたりする可能性があるときだけにしましょう。

抱っこする

明確な理由は分かりませんが、寂しさや不安を感じて泣いていることも考えられるので、抱っこして、ママやパパのぬくもりを感じさせてあげることも夜泣きには有効です。

夜なので、あまり立ち上がりたくないところではありますが、座ったまま抱っこされることに抵抗を示す赤ちゃんは多くいます。少しでも早く泣き止んでもらうために、重い腰を上げましょう。立って抱っこしてあやしてあげることが、赤ちゃんが泣き止んでくれる近道となるかもしれません。

添い寝(横で寝たふり)する

夜泣きがひどい息子に、最終的に私がいつも使っていた手段は、添い寝で寝たふりでした。授乳しようとしても、立って抱っこしても泣き止まないので、疲れて結局は泣いていても布団に下ろして、横で気づかないふりを続けていました。

そばにいることは伝えつつ、みんな寝る時間であることを理解してもらおうという苦肉の策ですが、ひととおり泣き疲れると、赤ちゃんも眠ってくれます。

夜泣きによる睡眠不足で疲れ切っているママは、寝たふりしている間にママが先に眠ってしまうこともあるでしょう。赤ちゃんが泣いていても眠りにつけるということは、ママも限界にきている証拠です。寝落ちしてしまって目覚めたら、横で赤ちゃんも眠りについてくれていることでしょう。

思い切って一回起こす

抱っこしたり、添い寝したりしても泣き止む気配がない場合には、思い切って一度起こしてしまうのもひとつの手段です。眠くなくて、遊びたいと感じているかもしれません。少しの時間おもちゃなどで遊ばせてみましょう。

ただし、テレビやビデオなどを見せることは控えましょう。テレビ画面のブルーライトの影響で、そのあと眠りづらくなってしまいます。また、大きな音が出るおもちゃやピカピカ光るタイプのおもちゃは、脳に刺激を与えてしまうため、交感神経が刺激され、眠気を遠ざけてしまいます。使用を避けた方がいいでしょう。

おすすめなのは、絵本の読み聞かせやパズル、積木など、少し頭を使う遊びです。脳が疲れて眠りに誘導しやすくなります。できる限り、子どもの方から「眠い」という言葉を引き出すことを意識しましょう。

外に出る

同居の家族がいる場合、特にまだ小さい兄弟がいる場合には、室内でいつまでも泣き続けられると、他の家族の睡眠にも悪影響を与えます。あやしても、遊ばせようとしても、どうにも泣き止まない場合には、気分転換に外に連れ出してみましょう。

外の気温が低い冬にはおすすめできませんが、気候のいい季節であれば、抱っこしていつもと違う景色をみることで、赤ちゃんの気持ちを入れ替えることができるかもしれません。

車に乗ると、運転中の車の振動で眠りにつきやすい赤ちゃんもいます。車の中が好きな赤ちゃんの場合は、車でドライブに出て、寝たところで、家に戻って布団に寝かすことも効果的です。

私は運転ができないので、この方法を実践したことがありませんが、私の友人は、赤ちゃんの夜泣き対策として、幾度となく深夜のドライブを繰り返していました。

ただし、赤ちゃんが深夜のドライブを心待ちにするようになってしまうと、本末転倒です。ママもゆっくり眠る時間が必要です。深夜のドライブは、最後の切り札として使うことをおすすめします。

夜泣きに対する準備

夜泣きをすると言われる月齢が近づいてくると、まだ夜泣きしているわけでもないのに、そわそわした気持ちになることがあります。今日は泣くかな?泣いたらどうしよう?と気が早って、心配をし過ぎて、ママが眠れなくなってしまうこともあるでしょう。

いつ始まるか分からない夜泣きに備えて、事前にしておくことができるのは、次のようなことがあります。

  • 泣く理由の候補をリストアップ
  • ママも昼寝をしておく
  • 家族に協力を依頼

泣く理由の候補をリストアップ

夜泣きは、特に理由なく泣き続ける現象ですが、夜泣きだと思っていたら、実はお腹が空いているだけだったり、汗をかいて体が冷えていることを訴えているだけだったりすることもあります。

赤ちゃんが夜に泣き出しても、夜泣きが始まったと焦る気持ちを抑えて、まずは、泣いている理由を考えるようにしましょう。授乳をしたり、おむつを替えてあげるだけで、要求が満たされて、落ち着くかもしれません。

泣き出したときに焦らなくてもいいように、赤ちゃんが夜に泣くことが考えられる理由とその対策をリストアップしておきましょう。リストアップした候補から原因をひとつひとつ解消していき、それでも泣き止まないときは、夜泣きと判断するしかありません。気長に付き合いましょう。

ママも昼寝しておく

いつもは泣かない赤ちゃんが急に夜泣きを始めることがあります。夜寝る時間を確保できているから大丈夫、と過信せず、時間が取れるときには、赤ちゃんと一緒に昼寝をする習慣をつけておくことをおすすめします。

私は第1子が夜泣きしなかったとこもあり、昼寝をする習慣がありませんでした。そのため、第2子が夜泣きを始めて、夜に寝る時間が確保できなくなっても、うまく昼寝をすることができず、睡眠不足の日々を続けることになってしまいました。

時間を見つけて寝るというのは、簡単にできそうに思えて、実はそれほど容易なことではありません。事前に習慣付けておくことで、いざというときに対応することができます。少しでも体力を回復する方法を身に付けておきましょう。

家族に協力を依頼

睡眠不足の日が続くと、ママは心身ともに疲れ切ってしまいます。SOSを出すのは、睡眠不足になって、体調をくずしてからでは遅いです。

赤ちゃんが産まれてからしばらくは、夜泣きに関わらず、授乳などで睡眠不足になりがちな時期です。家族の理解を得て、できる限り協力してもらえる体勢を事前に築いておきましょう。

私の旦那さんは、ありがたいことに育児に積極的に参加することを望む人なので、別室で寝ていたものの、赤ちゃんの泣き声がするとすぐに駆け付けてくれていました。

本当は、同室で寝ることで、一緒に夜泣きの苦労を味わうと言ってくれていたのですが、翌日仕事に出かける旦那さんが睡眠不足になってほしくなかったため、私がお願いして別室で寝てもらっていました。

そんな育児に協力的なパパですが、残念なことに、夜泣きがひどかった第2子は、強度のママっ子だったこともあり、パパが駆けつけて抱っこを変わっても、まったく泣き止みませんでした。

抱っこした腕の中で暴れて抵抗する息子にあたふたしながらも、私の力になれないことに落ち込む日々を送っていたパパ。結局は、私が寝かすことになるのですが、それでも一緒に育児をしてくれている人がいるという心強さは、他の何にも代えがたいものです。

体力だけでなく、精神的にも限界を迎える前に、家族に相談し、一緒に育児に取り組む環境を作っておきましょう。

まとめ

特に理由もなく、夜中に泣き続ける夜泣きは、やっと赤ちゃんとの生活に慣れ始めてきたママを心身ともに追い詰める現象です。

とはいえ、夜泣きは赤ちゃんの脳が著しく発達する時期に起きている現象で、夜泣きをしてしまうのは、赤ちゃんの脳が成長しようとしている証ともいえます。睡眠不足が続き、体力的にもつらいところではありますが、赤ちゃんも成長しようとがんばっているととらえて、一緒に乗り切りましょう。

まだ小さい赤ちゃんの育児は体力勝負です。赤ちゃんと一緒に昼寝をしたり、家族の協力を得て、夜泣きの寝かしつけをお願いしたりしながら、体力を少しでも蓄えることに努めましょう。