まだ言葉を発してくれない赤ちゃんの夜泣きが続くと、「どうして泣くの?」「なぜ泣き止まないの?」と、泣く原因もどうしたら泣き止んでくれるのかも分からず、イライラしてしまうことがあります。

そんな日が続くと、充分な睡眠時間がとれないので、ママも睡眠不足になり、疲れとストレスが溜まってしまいますよね。

夜寝ているときに、赤ちゃんが泣いたら、まず最初に考える対応策は「授乳」です。授乳で眠ってくれるのであれば、それほどイライラせずにすみます。

問題は、授乳を拒否するとき。授乳を嫌がって泣かれたときには、手の打ちようがなく、途方に暮れてしまいます。

夜泣きしている赤ちゃんが授乳を嫌がる理由とはどこにあるのでしょうか?また授乳を嫌がるのに泣いているのはどうしてなのでしょうか?夜泣きの理由と授乳の関係についてお伝えします。

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母乳は拒否?!授乳だけではない、赤ちゃんが夜泣きする理由

赤ちゃんが泣いていると、どうせおなかが空いたのだろうと思って授乳で解決しようとしがちですが、夜泣きの理由は、おなかが空いている以外にもあります。

授乳を嫌がる場合には、授乳以外の理由で泣いている可能性があるので、赤ちゃんの様子をよく観察してみましょう。

おむつが気持ち悪い

おしっこがたくさん出ていたり、うんちをしたりして、おむつが蒸れて不快感を感じて泣くことがあります。

この場合、授乳しようと抱き上げることで、おむつがさらに密着して不快感が増すので、授乳の体勢になることすら嫌がります。

前回のおむつ替えから少し時間がたっているようであれば、おむつを替えてあげることでさっぱりした気持ちで眠ってくれるかもしれません。


私の息子も寝つきが浅く、よく泣く赤ちゃんでしたが、授乳しても寝ない、抱っこしても寝ない、と手詰まりになったとき、ふとおむつの中をのぞくと、うんちをしていたり、おしっこが横漏れしていたりすることが何度かありました。

不快感を取り除いてあげると、泣き喚いていたのがウソのように、穏やかに眠ってくれることがあります。泣き止まない時には、おむつをチェックしてみましょう。

体温調整がうまくいかない

赤ちゃんは寝汗をたくさんかくので、汗で濡れたパジャマや下着が肌に貼り付いて、冷えてしまうケースもあります。

たくさん汗をかいているようであれば、おむつ替えと同時に着替えさせてあげるのも効果的といえます。特に季節の変わり目は、気温の変化が激しいので、大人でも何を来て寝たらいいか悩むことがあります。


まだ、自分で体温調整がうまくできない赤ちゃんの体温調整は、親の役目です。

汗をかき過ぎていたり、手足が冷えてしまっていたりする場合には、服装や部屋の温度をチェックしてください。

厚着または薄着にさせ過ぎていないか、ふとんをかけすぎていないか、エアコンの風が強すぎないか等を確認し、赤ちゃんの寝心地を悪くする原因がある場合には、調節してあげましょう。

「暑い」「寒い」などの言葉を発してくれないので、赤ちゃんがどう感じているかの答えは分かりませんが、体を触ることで、赤ちゃんの気持ちを感じ取ってあげることを意識してみてください。

特に理由なんてない

授乳でもない、おむつ替えでもない、体温調整もできている気がする…。これ以上、いくら考えても夜泣きの理由が思い浮かばないこともあります。

赤ちゃんの気持ちが理解できないことで、頭を悩ませないでください。それはママの責任でもなんでもありません。


赤ちゃんの夜泣きには、理由なんてないことがしばしばです。というのも、本来「夜泣き」というのは、赤ちゃんが夜に泣くこと全般を指している言葉ではありません。寝ている赤ちゃんが突然、理由もなく泣き出すことを「夜泣き」というのです。

授乳やおむつ替えといった、泣いている明確な理由があるときは、「夜泣き」ではなく、「夜泣いている」だけです。

夜泣きには特に理由がないので、泣いている理由が分からなくて当然です。この場合、何かをしてあげることで泣き止むというわけでもないので、赤ちゃんが落ち着くまで見守るしかありません。

泣いている理由を考え過ぎて、イライラしないようにしましょう。

泣いているのに授乳を嫌がる・母乳を飲まない原因は?

赤ちゃんが夜、泣く理由は、おなかが空いている以外のものもあるということをお伝えしましたが、授乳を拒否してまで泣き続ける理由はどこにあるのでしょうか。

授乳を拒否する原因に限定してみていきましょう。

授乳以外の理由で泣いている

泣いている理由が、お腹が空いている、あるいは喉が渇いている以外にある場合、「おっぱいが欲しいわけじゃない!」という訴えのもと、さらに強く泣き続けます。

おっぱいを咥えさせようとした時点で拒否する場合には、授乳を求めていない可能性が高いです、別の理由を考えてみましょう。それでも理由が見つからない場合には、理由なき夜泣きかもしれません。

理由が見つからない場合には、焦らず冷静になり、赤ちゃんが落ち着くのを待ちましょう。

授乳のし過ぎ・ミルクのあげすぎでおなかが苦しくて泣いている

泣く度に、とりあえず授乳で解決しようと、何度もおっぱいを咥えさせていませんか?

満腹中枢が未発達の赤ちゃんは、お腹がいっぱいなのかどうか自分で判断ができず、与えられるがまま母乳を飲みすぎて、おなかが苦しくなっていることがあります。

何度か授乳を繰り返しているうちに、授乳を拒否するようになった場合には、もうお腹いっぱいで、授乳しないでほしいというアピールの可能性があります。

泣いている理由を授乳を求めていると決めつけず、他の原因も探ってみましょう。

母乳が出ていない・足りていない

飲み過ぎて苦しくなるのとは反対に、授乳を何度しても赤ちゃんが度々目を覚まして授乳を欲する場合には、母乳の出が悪いことが考えられます。

日中も同じ現象が起きているのであれば、夜だけ母乳の量が増えることはありません。赤ちゃんのお腹を満たすほどの母乳が供給できていない可能性があるので、ミルクも追加することを検討しましょう。

泣いている理由が母乳不足であれば、寝る前だけでもミルクにすることで、長い時間眠ってくれることでしょう。


夜中に赤ちゃんが何度も泣くので、一晩で10回以上授乳したという友人がいます。この友人はやはり、日中の授乳回数も多く、ミルクを飲ませると授乳回数が減ると言っていました。

それでも極力ミルクに頼らず、母乳で育てたいという願望で、何度も授乳する日々を送っていたのですが、夜まともに眠ることのできないママも、そして満腹感を得られない赤ちゃんも、疲弊してしまいます。

母乳育児にこだわりたいという気持ちはよく分かるのですが、母乳がでていない可能性がある場合には、ミルクを飲ませてあげてください。

ママも赤ちゃんもストレスのない生活を送る方が健康的な赤ちゃんを育てることにつながることでしょう。

鼻詰まりでおっぱいが吸いにくい・うまく飲めない

体調不良のときの赤ちゃんは、おっぱいを吸うだけでも労力がいるものです。

特に鼻が詰まっているときは、おっぱいを吸うのがつらい動作になります。おっぱいで口が塞がれるため、口呼吸ができず、息ができなくなってしまうためです。

おっぱいがうまく吸えず、赤ちゃんがイライラしているようであれば、鼻吸引などで、まずは鼻詰まりを解消してあげてください。

鼻呼吸ができるようになることで、スムーズに授乳ができ、赤ちゃんは満足することでしょう。

母乳の味がいつもと違う・おっぱいを吸わない

赤ちゃんの味覚は敏感です。おっぱいを一旦咥えたうえで、授乳を嫌がって泣いているのであれば、母乳の味がいつもと違うことに抵抗しているのかもしれません。

母乳は、ママの血液から作られています。ママが食べたものや飲んだものから、ママの血液は作られているので、当然、母乳にもママが摂取したものが影響を及ぼします。

脂っこいものを食べたからといって、いきなりその日から母乳の味が変わるというわけではありませんが、脂質や糖質の取り過ぎで、血液がドロドロしている場合には、やはり母乳もドロドロしてきます。


母乳の味を意識するというよりは、栄養バランスのとれた食事で、自分の血液をサラサラにすることを意識しましょう。

ママの血液がキレイになることで、赤ちゃんにもおいしい母乳を提供することができます。赤ちゃんが母乳を嫌いにならないよう、そしてママの体を健康に保つためにも食生活を見直すことが重要です。

急に母乳を嫌がるようになった、もうおっぱいは卒業?

早いと生後9ヵ月を過ぎたあたりから、突然授乳を拒否するようになる赤ちゃんがいます。それは、赤ちゃん自身が卒乳に向かっていると考えられます。

それまで、寝かしつけや夜泣いたときは授乳で対応していたのに、ある日を境に突然授乳を拒否されると、ママも焦りますよね。

ただ、この場合は夜だけでなく日中の授乳も拒否するようになります。日中も同じ現象が起きているのであれば、卒乳に向かっていると考えて問題ありません。


1歳近くになると、離乳食も進み、母乳以外で栄養や水分を摂取できるようになってきます。特に食べることが大好きな赤ちゃんは、自分自身で母乳はもう必要ないと判断することがあります。

そして、そのまま赤ちゃんの意思でおっぱいを卒業します。それが「卒乳」と呼ばれるものです。

離乳食などで充分に栄養が採れていれば、無理に授乳を続ける必要はありません。寝かしつけの方法や夜泣きの対策は、別の手段を考える必要があるでしょう。

泣いているのに授乳を嫌がるときの対処法

赤ちゃんが泣いているのに、授乳を嫌がって泣き続ける場合、どのように対処したらいいのでしょうか。私の実体験も踏まえてご紹介します。

泣いている理由は授乳?それ以外?

まずは、泣いている理由が授乳に関連したことなのか、授乳以外のところにあるのかを探るところから始めましょう。それによって、対処方法が異なってきます。

見極めは難しいとは思いますが、おっぱいを見ただけで泣いたり、口に咥えようともしない場合には、授乳以外の理由で泣いているものを推測できます。

一度はおっぱいを受け入れようとしたのに、それを拒否する姿勢に転換したのであれば、授乳に関連したところに原因がある可能性が高いでしょう。

授乳以外の理由で泣いている場合

授乳以外の理由で泣いている場合には、前述したとおり、おむつが蒸れていたり、体温調整がうまくいっていなかったりして、赤ちゃんが不快感を感じている可能性があります。

赤ちゃんが不快に感じるかもしれない要素をひとつずつつぶしていきましょう。地道な作業ではありますが、泣いている理由を絞り込むことが大切です。

一通り確認しても、相変わらず泣き続けている場合には、理由なき「夜泣き」と判断しても問題ないでしょう。

その場合は、理由を考えても、なんとかして泣き止ませようとしても、埒があきません。赤ちゃんが落ち着くのを待ちましょう。

とはいえ、深夜に泣き声を響かせたままにすることには抵抗がありますよね。近所迷惑なほどの声量で泣き続ける場合には、一度抱っこ紐で抱くなどして、赤ちゃんが落ち着く姿勢をとりましょう。

手で抱っこしたままあやすより、ママの負担も軽減することができます。

授乳が理由で泣いている場合

一度は飲む気になっていた母乳を拒否するということは、飲みづらいかもういらないかのどちらかである可能性が高いでしょう。

鼻詰まりなどの症状があると分かっているときは、まずそれを解消してあげてください。

味に異変があった等の理由で、母乳自体が飲みづらい状態になってしまっているときには、いきなり、飲みやすい母乳に変換することはできません。

とはいえ、お腹が空いたり、喉が渇いたりしたままでは、赤ちゃんはゆっくり眠ってくれません。ミルクや麦茶、白湯などをあげて、赤ちゃんのお腹を満たしてあげましょう。

離乳食が始まっている赤ちゃんでしたら、フォローアップミルクを試してみるのも効果的です。少しでも赤ちゃんが摂取してくれるものをみつけましょう。


次の日の日中も、授乳を嫌がっているようであれば、本格的に母乳を拒否している証拠です。

卒乳の時期でしたら問題ありませんが、まだ卒業できる段階でない場合には、食生活に問題点がないか見直してみてください。改善すべき点があれば、少しずつでもかまいません。改善する意識を持ちましょう。

また、心配な場合には、助産院などで行われている母乳相談を訪れることをおすすめします。母乳育児の専門家に、赤ちゃんの状態と、ママのおっぱいの状況を判断してもらうことで、適格なアドバイスをもらうことができるでしょう。

育児には1人で思い悩んでいても、解決できない問題が多々あります。人の意見を聞いてみることで、解消できる悩みはどんどん解消していきましょう。

まとめ

授乳で解決できない夜泣きは、ママにとっては過酷な時間です。早く泣き止ませたいと焦る気持ちは充分に理解できます。

でも、焦っても赤ちゃんを泣き止ますことはできません。考えられる理由をひとつひとつ確認していきましょう。

授乳は、赤ちゃんを安心させる手段のひとつである一方で、栄養補給の場でもあります。栄養補給ができていないと、赤ちゃんの健康被害につながってしまうので、日中の様子も確認しながら、母乳の状態をよく整えることを意識しましょう。