子どもの成長って早いですよね。やっと歩けるようになったと思ったら、毎日のように絆創膏を貼るくらい走っては転んでの繰り返しですから、びっくりしますよね。

「子どもって本当によく転ぶよね。まあ、頭重くてバランス悪いからしょうがないか。」なんて思っているお母さん、原因は、バランスが悪いからだけではないんです。

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幼児期までの子供は頭と身体のバランスが悪く転びやすい

子どもの身体って、頭が大きくて、手足が短いのは、ごくごく当たり前のことですね。

個人差はありますが、頭の大きさは、新生児で3~4頭身、幼児期に徐々に5頭身になり、幼児期終了の6歳になる頃までに、約6頭身になるのが平均的です。

重さに変えると、新生児の場合は体重の約30%が頭ですから、ものすごい比率ですよね。

幼児期くらいまでに、頭の重さは、大人と同じ体重の10パーセント前後になりますが、その間、1番上にある頭がこれだけ重たいのですから、バランスが取れなくて当然です。


栄養状態が悪い場合や、病気をした場合などにありがちですが、産まれた時から今までの身長の伸びが悪く低身長の場合は、さらに頭と身体のバランスが悪くなることがあります。

そういった場合は 成長するにつれて他の子と同じように目立たなくなってくるので、今現在平均並みに成長しているのであれば気にしなくて大丈夫です。

この頭と身体の比率やバランス感覚が、子どもがよく転ぶ大きな原因になっているのは、知っているお母さんも多いですよね。「歩き始めて2~3年で転ばないようになんて無理でしょ」「他に原因あるの?」というお母さんもいるかと思います。

よく転ぶ子・よくつまずく子は、靴が原因の場合が多い

「子どもはすぐに大きくなるからワンサイズ大きい靴を買う」お母さんが思うことは、みんな一緒ですよね。

実は、ワンサイズ大きい靴がよく転ぶ大きな原因になることを知っていますか?

私は足が小さいので、ワンサイズ大きいサイズを履くことが多いんですが、歩く時に、靴の先が引っ掛かって転びそうになること、よくあるんです。

大人の私達は、子どものように本気で走ることってあまりないので、それほど影響ありませんが、本気で走る子どもにとっては、つま先が引っ掛かったら、そのまま転んでしまうのも無理はないかと思います。

逆に、小さくても同じです。もともと身体に対して足が小さい子どもはバランスが上手に取れずに転んでしまいますよね。最近、転ぶようになったなと思ったら、靴のサイズを確認して、足にぴったり合っている靴を履かせてみてくださいね。


また、ワンサイズ大きい靴では指が遊び、小さい靴では指が曲がってしまいます。

靴のサイズが合っていないと、足の指が自然と上がってしまう「浮き指」になる可能性があります。

現に私もなっているのですが、浮き指になると、転びやすくなるだけでなく、冷え症や腰痛や肩こり、自律神経にも影響が出る可能性があります。浮き指は、子どもだけでなく、ハイヒールやつま先の細い靴の影響で女性にも多いので、お母さんも気を付けてくださいね。

3歳以上の子どもが、よく「転ぶ・つまずく・ぶつかる」原因になる障害・病気

前述したように、赤ちゃんの頭の大きさは3~4頭身で、重さは体重の約30%ほどです。よく転ぶのは当然のことです。

しかし、これは3歳くらいまでの話です。

3歳以上になると、運動神経が発達することでバランス感覚ができあがり、頭と身体の比率にも変化が出てくるので、よく転ぶ原因が元気いっぱい活発に走り廻ることに変化します。

しかし、3歳を過ぎても、何もない所で転んだり、あまりに転ぶことが多い子どもは、脳・筋肉・神経・骨の疾患がある可能性も考えられます。

代表的なものを紹介します。

巨頭症

検診時に頭の大きさを計りますよね。これは、頭が平均以上に大きくなっていないかを調べています。平均以上に大きくなっていて、不自然に頭が大きく感じられる場合、脳の疾患の総称である巨頭症が疑われます。

巨頭症の場合、運動神経や精神の発達が遅い場合が多く、歩き出しが遅いため、3歳過ぎても普通によく転びます。

巨頭症になる原因には・・・

  1. 脳の内部に髄液が溜まる水頭症
  2. 脳の表面に血液が溜る硬膜下血腫
  3. くも膜と硬膜の間に髄液や血液などが溜る硬膜下水腫
  4. くも膜に髄液が溜って脳を圧迫するくも膜のう胞
  5. 発達が遅いにもかかわらず頭と身体の成長は早いソトス症候群
  6. 小児がんでよく知られる脳に腫瘍ができる脳腫瘍

の6つが代表的です。

外傷性や病の場合など原因はさまざまですが、バランス感覚がとれていない、今まで以上に転び方が激しい、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状がある時には、すぐに小児科あるいは脳神経外科に行くことをおすすめします。

発達障害「広汎性発達障害・注意欠陥・多動性障害(ADHD)」

発達障害とは、脳の神経系に疾患がある先天性の障害です。

発達障害は、大きく3つに分けられますが、問題になるのは、広汎性発達障害・注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。

広汎性発達障害の中でも、自閉症スペクトラム障害の人の約30%は、上記の巨頭症を発症しているそうです。

また、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を抱えていると、注意力がないままに突発的に動こうとするので、よく転びます。

発達状態はもちろんのこと、行動にも注意してみましょう。もし、心配な時には、小児科でもいいですし、市の保健師さんや保健所に相談するといいですよ。

筋緊張低下症(低緊張)

フロッピーインファントとも呼ばれることがありますが、筋肉の張り方が弱いため、身体を支えることができずに、よく転びます。

代表的なものに、ダウン症候群や筋ジストロフィーなどがあります。

お座りができるようになった時に、手を使ってお尻をずらしながら移動するシャフリングベビーや、足を大きく広げてお尻をつきだすような姿勢で歩く子が多いです。

また、筋肉の張りと同時に、関節にある腱や靭帯も弱い場合があるので、脱臼などになりやすいという特徴もあります。手首や足首などの関節の柔らかさを確認してみましょう。

もし、気になる症状があれば、小児科あるいは神経科で相談してみましょう。

運動ニューロン疾患(よく転ぶようになった場合)

脳と脊髄の運動神経に進行性の疾患があり、筋肉が萎縮して筋力が弱くなる病気で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が、数年前にドラマで話題になりましたね。

脊髄の運動神経のみに疾患がある場合、上半身のみだったり、下半身のみだったり、脳には全く異常がなく、筋肉のみに症状が現れる場合などもあります。

あまり気にしたことがないというお母さんも多いかと思いますが、ごく一般的に成長していたはずが、「よく転ぶようになった」「今までより力が弱い」「腕や足が細くなった」など感じることがあれば、小児科あるいは神経科で相談してみましょう。

骨の変形(内股歩き・外(内)反足)

足の骨に変形している個所がある場合、歩き方がぎこちなくなったり、転びやすくなったりします。

O脚やX脚、XO脚の影響による内股歩きではないでしょうか。もともとの骨格の場合もありますが、くる病やブラウント病などの病的な場合もあるので、軽視するのは禁物です。

また、内股歩きだけでなく外(内)反足なども、うちの子がそうだったのですが、症状が軽度の場合には見落とされがちになるので、よく転ぶ時には確認してみてくださいね。心配な時には、小児科あるいは整形外科で相談してみましょう。

弱視(ものにぶつかりやすい)

人が歩くためには「視る」という動作が不可欠になります。

子供がまったく見えていない場合は、すぐにわかりますが、軽度の弱視だと、わかりにくいことがあります。まったく問題のない人でも、ソファーやテーブルの角に足をぶつけて転びそうになることがあるので、突発的に動く幼児期は、なおさらわかりにくいものがあります。

「どじな私の子供だからしょうがないか」と思って、まったく気にしていませんでしたが、小学校に上がった時に、視力が悪いことが判明しました。

物にぶつかって転ぶことが多い場合には、眼科で1度検査してもらうことをおすすめします。

まとめ

子どもは、頭が重たくてバランスが悪いからよく転ぶもの。

とはいえ「他の子と比べて転びやすい」「急によく転ぶようになった」「3歳以上になっても何もない所でよく転ぶ」などの場合は、病気や障害の場合もあるので、心配な時には小児科で相談しましょう。

また、すぐに大きくなって履けなくなってしまうので、ワンサイズ大きい靴を買うお母さんが多いですが、大小問わず、靴のサイズが合っていないと転びやすくなるので、足に合ったサイズの靴を買って、時々、靴の確認をしましょうね。