家族みんなで手巻き寿司パーティ!わいわい楽しく盛り上がりたいけれど、子供にお刺身のネタ、食べさせていいのかしらと悩んだこと、ありませんか?納豆や卵の別メニューにしたけど、やっぱりみんなと同じものを食べたい!と泣かれちゃったことなど。
あるいは、今日は夕ご飯ちょっと手を抜いてメインはお刺身でいいかな〜、でも親はよくても子供はまだ食べても大丈夫か分からないから結局ちゃんと作ちゃった、なんてことなども、もしかしたらあるかもしれませんよね。
我が家もお刺身はいつから子供に食べさせてよいのかわかりませんでした。はっきりと何歳からと書いてあればよいのですが、育児書によって書いてあることがまちまち。
ここでは、いつから食べさせてよいのか食材別に紹介します。また、食中毒やお刺身を食べる時に気をつけたほうがよいことなども紹介します。
子供にお刺身をいつから食べさせていたか
我が家の場合、友人ママの場合、そしてアンケート調査ではどうだったのかを紹介します。
我が家の場合
上の子も下の子も実はあまり気にせず、離乳食が終わった時期からぼちぼち食べさせていました。最初はほんのわずかのマグロの赤みを食べさせ、徐々にサーモン、イクラ、えびなどです。特にアレルギー反応等なかったため、幼稚園の頃には大体のものは食べさせていました。
基本的に本人が食べてみたいものはまあ大丈夫だろうと、親の判断の元で食べさせていました。
ただし、上の子が3才の頃イカの炒め物を夕ご飯に出しました。すると食べてしばらくしてから嘔吐してしまいました。イカは消化がよくないのだなと反省、それ以降小学生になるまでは食べさせませんでした。
友人ママの場合
私の友人ママの家では、お刺身ネタが大好きなお子さんがいたので、1歳半過ぎから食べさせていました。
ママが復職する関係で離乳食も早めにスタートし、市の健診・保育園の保健指導や食事指導等でも、アレルギーは問題無いということで食べさせていたとのこと。今でも特に問題なく、大好きなマグロを食べています。
ピジョンの公式サイトにある「お刺身いつから?」アンケート調査では以下の通りでした。
1歳前 4% 1歳~1歳半 21% 1歳半~2歳 25% 2歳~2歳半 21% 2歳半~3歳 7% 3歳以上 21%
このアンケート結果では1歳半〜2歳が最も多いことがわかります。離乳食が終わる時期が大体1歳半〜ですので、ちょうどその頃からお刺身を食べ始める家庭が多い印象です。
子供にお刺身はいつから食べさせればいいのか明確な答えはない!食べ始める時期・目安のポイントから検討する
色々調べても、はっきりとこの年齢からOKという明確な答えはありませんでした。
それでも、食べ始める時期の目安としていくつかのポイントが分かったので紹介します。上で紹介した、アンケート結果と照らし合わせながら、お子さんの年齢に応じて&状態に合わせて食べ始めの時期を検討してみてください。
1.離乳食終了期〜
離乳食が終わってないうちはお刺身は控えましょう。まだまだ消化器官が十分ではありません。お刺身を無理にでも食べさせなければならないことはありません。もう少し大きくなってから食べ始めても十分お刺身の味を楽しむことができます。
2. 3歳を過ぎてから
3歳を過ぎた頃を一つの目安としている意見が多くみられました。赤ちゃんの頃よりは内臓の消化器官もある程度発達してきていることが理由の一つです。また、個人差はありますが、大人の言うこともわかってくる年齢ですので、例えば「よく噛んでからゴックンしよう」と伝えると実行してくれるのも理由にあります。
3.小学生になってから
これも一つの意見ですが、より慎重に対応するなら小学生以降食べ始めるのがよいでしょう。というのも大人と同じ位の消化器官が作られるのがだいたい7、8歳前後と言われているからです。
子供に食べさせるお刺身の個別食材に注目
では、個別の食材がいつから食べても大丈夫なのかを見てみましょう。
サーモン
ピンク色のサーモン、美味しいですよね。意外かもしれませんが実はサーモンは白身魚です。
白身魚は離乳食の初期からOKの食材ですが、それは火を通した場合の話であって、生食は以下の懸念点があります。
1.アニサキスなどの寄生虫がいる場合がある
生のサーモンにはアニサキスなどの寄生虫がついている場合があります。よく噛んでから飲み込めばリスクは減りますが、子供によく噛んでと言っても、そう毎回よく噛んでくれる訳ではないですよね。この回避策としては「冷凍する・火を十分に通す」ことです。
他にもアジ・サンマ・カツオ・サバなどが該当します。
2.食物アレルギーの特定原材料にさけ、つまりサーモンが入っている
消費者庁のアレルギー表示にさけが特定原材料等に含まれています。参考に消費者庁が公表しているアレルギー表示について紹介します。
以上の2点から、寄生虫やアレルギー反応がでる可能性もなくはないということを頭に置いておくと、食べた後に万が一なにかあっても対処しやすくなります。もし心配な場合は、ある程度の年齢が上がってから食べさせたほうが安心です。
マグロ
鉄火巻のマグロやマグロのたたきは子供でも食べやすそうなので、年齢が低くても大丈夫かなと思いますが、調べていくと以下の3点が気になりましたので紹介します。
メチル水銀についてはそれほど心配しなくても
水銀を含む小魚を食べて含有量が多い(食物連鎖で頂点にいくほど含有量が多くなる)魚について、妊婦に関しては摂取を控えるように食品安全委員会から発表されています。
しかし、内閣府食品安全委員会事務局が平成17年に公表した『魚介類等に含まれるメチル水銀に係る食品健康影響評価』のポイントについて」の内容では、幼児が仮に水銀を体内に摂取しても成人と同じように体外に排出しますので、乳幼児ともに問題ないという評価があります。
“乳児、小児はメチル水銀の影響を受けないのか?乳児:母親が通常の食生活をしていれば母乳中のメチル水銀は低濃度であり、問題はない 小児:成人と同様にメチル水銀を排泄”
過度な摂取は控えるべきですが、そうでなければ極端に恐れる必要はないということがわかります。
クドアという寄生虫による食中毒
厚生労働省によりますとヒラメなどに寄生するクドア属の粘液胞子虫という寄生虫によって、食後数時間後に嘔吐や下痢などの症状がみられるとのことです。
そしてヒラメだけでなく、マグロにもこの寄生虫による食中毒の報告例がでてくるようになりました。
“種不明のマグロ1検体、メジマグロ4検体、メバチマグロ1検体であった。検査の結果、メバチマグロを除き、5検体からクドア属粘液胞子虫が検出された。”
事例として報告されているものの症状は一過性であり軽症であることが記載されています。が、大人でも下痢や嘔吐は辛いですよね。ましてや小さな子供にとってそれらの症状は大変辛いことです。
予防策としてはやはり徹底した冷凍か加熱をすることにあります。しゃぶしゃぶのようにさっと湯がいて少量からスタートしてみてください。
ヒスタミン中毒
マグロだけでなくブリやサバなどにも見られる中毒ですが、ヒスタミン産生菌が酵素の働きでヒスチジンという化学物質をヒスタミンに変えます。
ヒスタミンは加熱してもなくなることはないため注意が必要です。
まず大人が食べてみて舌がピリっとする場合はやめてください。マグロの他にもカジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどがヒスチジンを多く含む魚としてあげられます。
イクラ
イクラもアレルギー発症が多い食品としてあげられていますので、初めての場合はごく少量を食べさせてみましょう。もしアレルギー反応がでないようであれば、
- 塩分が濃い
- カロリーが高い
主にこの2点に気をつけながら、少しづつ食べてみてもよいでしょう。
鯛
白身魚の鯛は離乳食初期から比較的OKな食材ですので、お刺身で食べさせても比較的安心な食材と言えます。
牡蠣などの貝類
牡蠣などの貝類は食中毒がとても怖いので、必要がない限りはあえて食べることは控えましょう。
参考までに食品安全委員会が発表した牡蠣類などの食中毒に関する記事を紹介します。ノロウィルスは貝類以外でも乳幼児は感染しやすいものなので、極力リスクが高い食材は避けたほうがよいですね。
ヒラメ
さきほど紹介したクドアによる食中毒はヒラメに多くみられる事例です。十分加熱するなどの処理をしたものなら離乳食でも食べさせられる食材ですが、生のものはある程度年齢が達してからのほうがよいでしょう。
エビ・カニ
これらの食材は乳幼児だけに限らず、年齢が上がって大人になっても突然アレルギー反応をおこすことがある食材です。赤ちゃんはやめたほうがよいのはもちろん、初めて口にするのも3歳以降、もっと慎重にしたい場合は小学生以降と、遅らせたほうが無難です。
もしどうしても食べたい!という場合は、最初はほんの少しの量を食べさせてみて、反応がないかどうか注意深く見ておきましょう。
甲殻類アレルギーについて
甲殻類アレルギーとは甲殻類に含まれる「トロポミオシン」というたんぱく質に身体が反応することです。主に以下の4つの症状がでると言われています
- 皮膚や喉などの粘膜が腫れる、かゆみ・発疹・蕁麻疹がでる、唇やまぶたが腫れるなど
- 呼吸器系の異常(くしゃみ、鼻水、喉の腫れ、呼吸困難など)
- 消化器系の異常(腹痛、嘔吐、下痢など)
- アナフィラキシーショック
エビ、カニはこれらの反応がでる可能性があることを頭の片隅に入れておいた方が良さそうです。
子供にお刺身を初めて食べさせるときに気をつけること
お刺身を食べる時は以下の点に気をつけてみてください。
心配なものは口にしない
「うーん、これどうだろう?大丈夫かな…。」とちょっと不安・心配な食材はやめておいたほうが無難です。もう少し年齢が上になってきてからでも十分にお刺身を楽しめます。
新鮮なものにする
お刺身を初めて口にする時はなるべく新鮮なものを食べさせましょう。低温を好む菌もいますので冷蔵庫の機能を過信せずに、なるべく早めに食べるようにするといいですね。
火を通す
これはもうお刺身ではないという方もいるかもしれませんが、火を通すことでリスクを軽減することができます。電子レンジでチンでもいいです。最初はゆがいたもの→徐々に生で→大丈夫なら量を増やして、と移行していくのもいいですね。
少量からスタート
初めての食材は基本的に少量からスタートしましょう。そして食後は少し注意して状態を見ます。
体調がよいときに
大人でも体調が悪い時の食事は、なるべく消化器官に優しいものを選んで食べますよね。子供も同じです。元気な時にお刺身を楽しみ、体調がいまいちの時はお刺身を控えましょう。
無理して食べさせない
他の食材で栄養を補えないのでお刺身を食べないとダメ、ということはないです。お刺身を無理して食べさせるよりも、食べたいと本人が言った時や、ある程度の年齢(その年齢は各御家庭のお子さんの状況・状態を見て判断)になってからでもよいのではないでしょうか。
まとめ
ここで紹介した内容を踏まえつつ、各御家庭で判断してまずは少量からスタートし、大丈夫そうなら少しづつ量を増やしていってみてください。
家族みんなで美味しいお刺身を楽しく食べられますように。