赤ちゃんが産まれて最高に幸せな時間を過ごすと思っていたのも束の間、「なんかすごい旦那が腹立つ!」「無性にイライラする」なんてお母さん、多いのではないでしょうか。

そんな時は「離婚」という2文字が頭から離れてくれなくなるものですよね。

大丈夫!まずは、お母さん自身が冷静になってください。急ぐ必要はありません。産後クライシスに陥っても、乗り越えた夫婦はたくさんいます。まずは、精一杯、自分が今できることをやってみることが大切ですよ。

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産後クライシスって何?症状はいつまで続くの?

最近、産後クライシスという言葉をよく耳にするようになりましたよね。でも、実際、どのようなものなのでしょうか?

産後クライシスとは、2012年にあるNHKの情報番組で言われた言葉です。

クライシス(crisis)の意味は、プログレッシブ英和中辞典に「危機」「重大局面」「決定的段階」「転機」とのっています。日本語で「産後の危機というより~」という観点が、そのまま定着したといったところでしょうか。

産後クライシスは、赤ちゃんが産まれ2~3年以内に夫婦の愛情が冷めて、仲が悪くなってしまうことをいい、それがいつまで続くのかは誰にもわかりません。

3か月で元に戻る場合もあれば、10年、20年と続き、熟年離婚する夫婦も少なくないのが現状です。ひとつ言えることは、その中の約30%の夫婦が離婚の道を選んでしまうということです。

産後うつと勘違いするお母さんも多いですが、産後に、さまざまな要因からうつ状態になってしまう精神的な病気のひとつで、産後クライシスは、前述したように、さまざまな原因から夫婦間の愛情がなくなってしまう、産後の危機的な状況そのものを指す言葉です。

イライラして、つい家族にあたってしまったり、旦那さんのことが好きと思えず、「離婚」の文字がよぎることがあれば、それは、産後クライシスになる、またはその可能性が高いといえます。

でも、離婚はいつでもできます。結婚はいつでもできるものではないので、もう少しだけ離婚を考えるのは後回しにして、産後クライシスの原因を知って、乗り越えようと努力することが大切です。

産後クライシスになりやすい夫婦とその可能性

産後クライシスになりやすい夫婦は・・・

  • 旦那さんの仕事が残業が多い
  • 亭主関白
  • もともと奥さんの気性が荒い
  • 完璧主義な奥さん
  • 二人目がほしい奥さんor旦那さんと、ほしくない旦那さんor奥さん
  • 夫婦間のコミュニケーションが少ない
  • 義父母の極端な介入

   
などが挙げられますが、当てはまるものがあったでしょうか?

当てはまる場合は、産後クライシスになる可能性が高いので、妊娠中のお母さん、今からしっかりと対策を考えていきましょう。

今、現在、産後クライシスではないかと悩んでいるお母さんは・・・

       

  • 旦那さんが家事や育児に対して協力する気がない
  • 旦那さんの家事や育児が中途半端でやり直しが多い
  • 旦那さんor奥さんが相手に対して配慮が足りない
  • 旦那さんor奥さんの浮気
  • 旦那さんが奥さんを女として見なくなった
  • 奥さんが旦那さんを生理的に受け付けられない
  • 奥さんが旦那さんに対して態度が冷たい
  • 夫婦間のコミュニケーションが少ない
  • セックスレス
  • 旦那さんに「性格変わったね」と言われたことがある
  • 何というわけでもなくイライラして、つい家族にあたってしまう

それぞれの夫婦によって、まったく違うと思うので、上記に当てはまらないからといって、安心してしまうのはタブーですが、一般的には、上記に当てはまる数が多ければ多いほど、危険な状態といえます。

産後クライシスの原因はホルモンバランスと生活リズム

産後クライシスになるということは、夫婦間で、何かしらの原因がある場合も少なくありませんが、実は、それだけではありません。

  • ホルモンバランスの変化
  • 生活リズムの変化

などによって、みなさん自身が疲れていたり、睡眠不足だったりして、イライラしていることが原因になっている場合もあります。

ただ、前述したように、それぞれの夫婦によって、まったく違う原因があると思うので、必ず当てはまるとは限りません。「どれも違うんだよなぁ・・・」なんて、思うお母さんもいると思いますが、考え方はすべて同じです。

「乗り越えたい」と思う気持ちがあるかどうかです。その気持ちがあれば、幸せいっぱいの夫婦間を取り戻すのも夢じゃありません。

まずは「離婚」の2文字は、頭の隅に追いやって、「乗り越える」ことを考えてみましょう。

産後クライシスを解決・乗り越えるために大切なこと「お母さん編・お父さん編・夫婦編」

ここでは、産後クライシスを乗り越える大切なことをお母さん・お父さん・夫婦、それぞれの目線からお伝えします。

産後クライシスを乗り越える「お母さん編」

「私、疲れてるので!」「手伝うのが当然でしょ!」「そんなことくらい完璧にしてよ!」「ホルモンバランス変化してイライラするんだから、しょうがないでしょ!」と、「自分の方が大変だ」と当たり前に思っているお母さん。

気持ちは、ものすご~くわかります。でも、かなり危険な状態です。本人に言ったことはありませんが、私も、正直そう思ってました。まずは、自粛しましょう。

お父さんが積極的に育児や家事をする「イクメン」がもてはやされていますが、それは、当たり前のことではないんです。

  • 旦那さんの会社がイクメンに対して協力的なのか
  • 旦那さんの仕事が、育児や家事に協力できるだけの余力を残せるような状態なのか
  • そもそも旦那さんが育児や家事に向いているのか

など、旦那さんの状態も考えて、協力してもらえたら「ラッキー!」と思ってください。旦那さんには仕事があり、必ずできるとは限らないものです。旦那さんは、仕事が最優先なのですから。



そして、家事や育児をしているみなさんでも、完璧にこなすのは難しいですよね。育児書通りなんて、まずあり得ないですし、育児をしながら家事を完璧になんてしてたら、みなさんが壊れてしまいます。

旦那さんも同じです。協力してくれても、完璧にできる旦那さんは少ないと思います。普段してないことなのですから、完璧にできないのが当り前なんです。産後クライシスに陥ると、目先の大切なものが見えなくなることも多いので、まずは、お母さん自身が落ち着きましょう。

「亭主元気で留守がいい」という言葉がありますが、どちらがいいかは夫婦間の考え方によって違うものです。「産後まもないうちだけでも~」「父親としての自覚を~」と思う気持ちもわかります。

どちらにおいても、協力してくれた時に、きちんと「ありがとう」と一言、感謝の気持ちを伝えるだけで、旦那さんは、急にやる気を出したりするものです。男性は、大きな子どもだと思うのが1番の早道かなと私は思います。(お父さん方ごめんなさい)

産後クライシスを解決・乗り越える「お父さん編」

「自分が働いたお金で生活をしている」「家事や育児は奥さんがするもの」「休みの時に自分のしたいことをして時間があったら手伝う」そんな考えがあるお父さん、すぐに考え方を改めましょう。

とっても危険です。そういった考えは、はっきり口に出さなくても、奥さんには伝わっています。

女性は、複雑な生き物なうえに、妊娠~産後は特に、ホルモンバランスが崩れているので、よかれと思った旦那さんの言動でも、違うように感じとります。

私は、離婚して仕事と家事と育児を1人でしていた時期があります。すごく大変なことですよね。それは、とってもよくわかります。とはいっても、残念ながら、私は旦那さんの立場に立ったことがないので、うちの例をいくつか挙げたいと思います。

うちは、子供が多いので(5人)家事や育児にかかる時間は、半端じゃないです。簡単な夕食でも1~2時間が最低ライン、ちょっと手の込んだものと思うと、3時間はみなければいけません。茶碗洗いでさえも、多い時では1時間くらいかかる時もあります。

それにプラスして掃除に洗濯に内職・・・それを念頭に置いて読んでみてください。

・「何か手伝おうか?」本当にイラッときます。
「何かって言わないとできないの?」「なんで自分だけずっと動いてるんだろう?」
「状態考えたら、手伝うじゃなくて自分のするべき事だと思ってください。」
・「同じ日に仕事休んだ方が家事の効率いいじゃん。」あり得ないです。
「家事したくないから言ってるだけでしょ?私いたらTV観てるだけじゃん」
「私は仕事したらダメなの?」
・「俺の稼ぎだけなんだから。」この言葉、一生忘れません。
「じゃあ、どうして仕事するために動こうとしてる私の邪魔をするの?」
「何が理由で、私が仕事をあきらめたのか覚えてる?」
・「給料の中で出来るように、多少、おこづかい減らすとか我慢すればなんとかなるもの」
生計の立て方を聞いてきた知人に言った言葉です。
「あなたの給料だけなの?」「私が働いてた時の貯金を崩しながら生活してるんであって、あなたの稼ぎだけじゃ足りてないけど?」「自分だけが我慢してるの?」


愚痴みたいになってしまいましたが・・・いくらでも出てきます。

そんな私の気持ちは、小出しに話すことはありますが、多少、わかってくれてきているのかなと思う節もありますが、現夫は理解できてない部分も多いです。

我慢が効かずに、時々、プチッとなった時に強い口調になるので「切れ所がわからない」と言われます。もともと産後クライシスになった原因は違う所にあり、私も外で働くのは無理だとあきらめたので、今は、それほど夫婦仲は悪くないです。

お互い様だとは思いますが、産後クライシスに1度陥ると、その時は乗り越えても、奥底にある気持ちは消えないものです。

夫婦によって、さまざまな原因があるかと思います。口うるさく言われると嫌になる気持ちもわかりますが、少しだけ、逃げずに奥さんと話をしてみてください。思っている以上に奥深い原因が、他に何かあるかもしれません。

産後クライシスが一時のもので終わるのか、ずっと続くのか、離婚という道に進むかは、お父さん自身にもかかっているんですよ。

産後クライシスを解決・乗り越える「夫婦編」

どのような夫婦においても、産後クライシスになる可能性はあります。亭主関白、奥さんが強い、もともと干渉しあわない夫婦など、いろいろな夫婦の形があると思います。

まずは、夫婦の間でのルールを決めてください。

このルールは、お互いの気持ちを思いやるためのものであり、決して、自分勝手なものであってはいけません。お互いがお互いの気持ちを思いやることができないルールは、まったく意味がありません。

  • 1日に最低1回、話をする時間をつくる(短時間でもOK)
  • 1日の出来事の中で、最低1つ何でもいいから話す

ルールの中にこの2つを付け加えてください。これ意外と大切なことで、夫婦間はこれがあるかないかで、全く違うと私は思います。

そして、夫婦間で話し合った方がいいということに合わせて、次のことを話し合ってください。

  • お互いに完璧を求めていないか
  • お互いへの感謝の気持ちと、ここだけは変えたいと思う気持ちがあるか
  • 奥さんが家事や育児をしてもらうことが当り前になっていないか
  • 旦那さんが家事や育児をどのくらいできるか
  • 旦那さんが毎日1つ、絶対的にできるものがあるか (出張の間は除く)
  • 奥さんが仕事をすることに賛成か、反対か(奥さんが働きたい場合)

奥さんは協力してくれた時に、感謝の気持ちを伝えることを忘れずに、旦那さんは仕事してるから家事や育児をしなくていいと思わずに、しっかり向き合って話し合いながら、夫婦関係を築いていきましょうね。

人生は1度!後悔しない道を選ぼう

ここまでは、夫婦の幸せを取り戻すための話をしましたが・・・

もちろん、何もせずに、ただ離婚してしまうのは決していいことだとは思いません。あくまでも私の考えですが、自分なりに精いっぱい努力した結果、どうしてもだめだった時には、離婚を選ぶのも選択肢のひとつだと私は思います。

私は、産後クライシスを何度となく経験しました。前夫との間で2度乗り越え、3度目に離婚の道を選びました。まだ若かったので、お互い子供でした。私も、悪い部分はたくさんあったと思います。ただ、私は、前夫と離婚したことを後悔したことはありません。あのまま一緒にいても、同じことの繰返しだったでしょう。

数年後、現夫と再婚してからも1度経験し、なんとか乗り越えました。まったく何もないかと言えば嘘になりますが、ごく一般的な家庭だと思います。「また同じことの繰返し」「自分が悪いんだ」「離婚」そう思いましたが、話し合いながら乗り越え、離婚しなくてよかったと思えるようにまでなりました。


産後クライシスを乗り越えられなかった経験と、乗り越えた経験を併せ持っている1人の母親として言えることは、たったひとつです。

自分が後悔しない道を選んでください。

もちろん、子どもがいるのですから、子どもを優先に考えることは大切なことです。旦那さんの想いもあるので、全てが自分の思い通りになることはありません。

「離婚したら後悔するかも」と思う気持ちがあるうちは、はんこを押さないで下さい。もし、言われることがあっても「はんこ、押さないので!」と、突っぱねましょう。「離婚しない方が後悔するかも」と思う気持ちがあれば、はんこを押してください。

相手が押してくれないこともあると思います。その時は、また次のチャンスを狙いましょう。相手も押してくれたのであれば、そのまま突き進んじゃってください。

どちらの道を選んだからいい、悪いというのは、人が決めることではありません。どちらの道を選ぶかは、夫婦の間で決めることなのですから・・・

ただし、離婚を選ぶ場合は、覚悟を決めておかないといけません。

1人で子どもを育てるということは、思っている以上に大変です。育児、家事、仕事、すべてが自分1人の肩にのしかかり、その責任の重さは、本当に重く感じることを頭に入れておいてくださいね。

まとめ

産後クライシスは、ホルモンバランスの影響もありますが、旦那さんの家事や育児への考え方も、影響が大きいものです。「自分達夫婦は大丈夫」なんて油断しないで、対策を練って備えましょう。

もし、産後クライシスになってしまった時には、乗り越えるために、精一杯、がんばってみてください。がんばってだめだった時に、次のことを考えればいいんです。みなさんが後悔しない道を選ぶことができるといいですね。