「妊娠中なんだからそんな辛い料理食べたらだめでしょ!」お母さん本人は、それほど辛いと思っていない料理に対して言われてしまう・・・
そんな経験がある妊婦さんも少なくないのではないでしょうか?
そんな激辛料理好きのお母さんの中には、赤ちゃんへの影響を心配に思う方もいらっしゃいますよね。でも、大丈夫!激辛料理を食べても、赤ちゃんへの影響は心配しなくても大丈夫なんですよ。
赤ちゃんよりお母さん本人への影響の方が大きい激辛料理
激辛料理を食べると、赤ちゃんに影響があるんじゃないだろうか・・・
そんな不安をお持ちの妊婦さんはたくさんいらっしゃると思いますが、赤ちゃんに影響はないので、不安に思うことは一切ありません。
とは言っても、お母さんが口にしたものがお母さんの血液になり、そしてへその緒を通して、お腹の中にいる赤ちゃんの栄養になるのですから、激辛料理を食べることが全く影響ないと言われただけでは、何かのどに魚の骨が刺さっているような気分になってしまいますよね。
でも、お腹の中にいる赤ちゃんに影響があるなら、韓国、インド、タイなど激辛料理先進国の赤ちゃんが健康に生まれているのはなぜか・・・という疑問が残ります。
結局のところ、激辛料理は赤ちゃんに影響があるのでしょうか?ないのでしょうか?
要するに、激辛料理先進国の方にくらべて、香辛料を分解する力が日本人は弱い方が多いため、激辛料理先進国の方と同じように食べるのは、身体によくないというのが答えで、お腹の中の赤ちゃんよりも、お母さんへの影響の方が大きいんです。
どうして妊娠中に激辛料理を食べたらだめと言われるの?
激辛料理が大好きな人にとって、キムチやカレーライス、激辛ラーメンや麻婆豆腐なんて目がないですよね。
私は妊娠中に、近所のラーメン屋さんの激辛ラーメンが無性に食べたくなって食べに行ったら、昔ながらの考え方の両親に偶然会って、ものすご~く怒られた経験があります。
では、どうして妊娠中に激辛料理を食べたらだめと言われるのでしょう?
1.塩分がたくさん入っている料理が多い
激辛料理は、基本的に塩分もたくさん含んでいるものが多いことは、ご存知の方も多いと思います。
塩の主成分は塩化ナトリウムで、非妊娠の方、妊娠中の方ともに1日に7.0g未満の摂取量で充分足りるものなんです。激辛料理1品だけで、すでに足りてしまうなんてこともないとは限りません。
特に、妊娠中は高血圧、尿たんぱく、むくみなどの症状が現れ、妊娠高血圧症候群になることもあり、塩分は妊婦さんにとって最大の敵ともいえます。
2.辛さをごまかすために水分をたくさん飲んでしまう
人の身体の60%が水分で、非妊娠の方で1日に1.5ℓ、妊娠中の方は2ℓは飲んだ方がいいとされています。
しかし、激辛料理を食べると、辛さを紛らわすために、つい水分をたくさん摂ってしまいがちになって、気が付いたら、1度の食事で1ℓ近くの水分を取ってしまうなんてこともよくあることです。
それが、必要以上の水分補給につながり、水毒症やむくみの原因になります。
3.食欲増進でご飯をたくさん食べてしまう
激辛料理には、食欲増進効果がある香辛料が含まれていることが多く、ご飯=お米をつい食べ過ぎてしまうということはよくあることです。
お米は炭水化物のひとつでエネルギーになる食材のひとつですから、食べ過ぎると、妊婦さんにとって、最大の敵の体重の増加につながり、妊娠中毒症などの原因になります。
4.胃腸への悪影響や痔の原因になってしまう
香辛料の多くは、刺激の強い成分が含まれていることが多く、胃腸の粘膜を傷つけてしまう可能性を秘めています。
胃腸を傷つけてしまえば、胸やけや胃もたれの原因になります。また、消化作用がある半面、食べ過ぎると、妊婦さんにとって、最大の敵の便秘になってしまうこともあり、その結果、痔になってしまうことさえあります。
大好きな激辛料理を食べて心も身体もぽっかぽか!
激辛料理を食べるのが怖くなってきたというお母さんもいるかもしれませんね。でも、悪いことばかりではないんです。
激辛料理にだって、とても素晴らしいところがあるんですよ。
- 血行促進作用がある。
- 血液をサラサラにする作用がある。
- 免疫力・体力上昇する作用がある。
- 美容効果や抗酸化作用がある。
- 我慢によるストレス解消。
香辛料の成分による効果
香辛料の代表的なものと言えば、唐辛子、山椒、胡椒、生姜といったところでしょうか?
そして、ニンニクやにら、ネギ、オニオン(玉葱)なども香辛料のひとつに挙げられます。どれを見ても、食べると身体が温かくなって汗が出てくるような食材ばかりです。
それは、香辛料に含まれているカプサイシンなどの成分が、血液の流れを良くしているんです。お母さんの血液の流れが良くなると、へその緒から赤ちゃんへと流れる血液の量が多くなり、しっかりと赤ちゃんに栄養が行き届きます。
そして、血液の流れが良くなることで、身体が温まります。体温が1℃上昇すると、免疫力がなんと5倍に上昇!これは、風邪を引くことのできない妊婦さんには、とてもありがたい話です。
また、ブレンドした香辛料であれば、カレー粉もどこの家庭にもたいていありますよね。
よく「妊娠中にはカレーライスは塩分が高いから食べるのは控えましょう。」と言われることがありますが、このカレーライスの着色として欠かせないターメリックという香辛料には、消化作用や新陳代謝を良くする働きがあります。
激辛料理には欠かせない香辛料が、こんなにたくさんの手助けをしてくれていると思うと、悪者扱いされてばかりでは、なんだかかわいそうになりますね。
ストレスを一つでも減らそう
そして、何よりも、我慢することが多い妊娠中だからこそ、ひとつでも我慢することをなくしたいと思うのが本音だと思います。
激辛料理大好きなお母さんにとって、「我慢しないで食べていいよ」と言われると、身体だけでなく心も温まって、「また明日からがんばろう」そんな気持ちになることができるのではないでしょうか。
激辛料理に限らず、どんなものにも良い面と悪い面がある
激辛料理と聞くと、妊娠中に食べてはいけないというイメージが強くなりがちですが、激辛料理に限らず、悪い面ばかりを見ていたら、何も食べるものがなくなってしまいます。
- お母さんが野菜をほとんど食べずにお肉ばかり食べていたら、どうなりますか?
- お母さんがきちんと食事をせずにお菓子ばかり食べていたら、どうなりますか?
- お母さんが安静が大切と全く運動しなければ、どうなりますか?
- お母さんが赤ちゃんのためにと我慢ばかりしていたら、どうなりますか?
激辛料理に限らず、悪いイメージのものでもいい面があり、良いイメージのものでも悪い面があります。何事もほどほどが大切で、バランスを考えるのが1番大切なことです。
「妊娠中に激辛料理は絶対食べたらだめ!」ではなく、辛さを今までよりワンランク下げたり、回数を減らしたりといった工夫をしながら、大好きな激辛料理を食べた方が、ずっと赤ちゃんのためになります。
まとめ
今度、「妊娠中に激辛料理を食べたらだめ!赤ちゃんに良くないよ」と言われたら、教えてあげましょう。
「激辛料理に入っている香辛料だって、悪い面ばかりじゃなく、こんなにたくさんいい面があるんです。バランスが大切なんですよ。」と・・・。