妊娠したのがわかった時、不思議な感覚を覚え、そして喜びの気持ちが湧きあがりますよね。しかし、そんな喜びも束の間、つわりが始まり、体型の変化を感じ・・・

不安や心配の毎日にストレスで、押しつぶされそうになっている妊婦さんも多いのではないでしょうか?

ストレスの感じ方に人それぞれ違いがあるように、発散方法も人それぞれ違います。自分に1番合った発散方法をみつけることが、何よりも先決です。

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妊娠中はホルモンバランスの変化もストレスを感じるひとつの原因

妊娠中のストレスには、さまざまな原因があります。つわり、不安、周囲に対するもの・・・人それぞれまったく違います。

しかし、どんな妊婦さんにとっても共通するものが一つだけあります。それは、ホルモンバランスの変化です。


<非妊娠時の正常値>

卵胞期 排卵期 黄体期
プロゲステロン(黄体ホルモン) ng/mℓ 0.9以下 2.4以下 1.2~30.0
エストロゲン(卵胞ホルモン) pg/mℓ 28.8~196.8 36.4~525.9 44.1~491.9
プロラクチンng/mℓ 3~30


<妊娠時の正常値>

妊娠初期 妊娠中期 妊娠後期
プロゲステロン(黄体ホルモン) ng/mℓ 13.0~50.0 40.0~130.0 65.0~220.0
エストロゲン(卵胞ホルモン) pg/mℓ 208.5~4289 2808~28700 9875~31800
プロラクチン ng/mℓ 20~200


この2つの表にある「プロゲステロン」と「エストロゲン」は、妊娠を維持するために必要といわれる女性ホルモンの代表格の2つのホルモンです。

女性ホルモンの働きや数値の変化の意味などがわからなくても、この2つの表の数値を見比べただけで、どれだけ女性ホルモンの分泌量に違いがあるかわかるかと思います。

これこそが、ストレスを感じさせる原因にもなっているんです。

ノーストレスに向けてできることをしよう

上記の表にある「プロラクチン」は、代表格の2つの女性ホルモンの分泌を、大脳の視床下部から伝達する役割を果たしています。

このプロラクチンの分泌量が増加することによって、同じ大脳の視床下部で分泌されている、自律神経にとても関係のある「セロトニン」に悪影響を及ぼし、ストレスを感じるようになります。

このセロトニンは「幸せホルモン」ともいわれていて、たくさん分泌されていると、気持ちに安定をもたらします。

セロトニンを分泌するには

セロトニンは、朝日を浴びたり、生活のリズムを整えたり、栄養バランスが摂れた食事をするだけでも、分泌を促すことができます。

また、セロトニンの材料ともなるトリプトファンがたくさん入っている乳製品や大豆食品、バナナなどを始め、その分泌を助けるビタミンB6をたくさん含んだ魚類や肉類などは、セロトニンを増加する助けをしてくれるので、積極的に摂るといいですよ。


また、表にはないですが、目の近くにある室傍核と視索上核から分泌されるオキシトシンというホルモンがあり、このホルモンは「愛情ホルモン」と呼ばれています。

このホルモンは、スキンシップなどによって、たくさん分泌されることが知られていて、オキシトシンが増加すると、「幸せホルモン」のセロトニンも増加し、人は、心からの幸せを感じることができるのです。

オキシトシンを分泌するには
残念ながら、オキシトシンを増加する食材はなく、相手を思いやる心やスキンシップ、趣味を通してなど、自分以外との関係によって分泌されるもので、食事で分泌量を上げることは出来ません。

家族とのスキンシップや友達などと話をするのはもちろんのこと、料理、本を読む、掃除をするなど、なんでもいいです。(ちなみに、私は妊娠中ひたすらパズルをしてました)

無理をせずに、気軽にできる何かを探してください。その何かをすることで、オキシトシンがたくさん分泌してくれますよ。


ストレスによる赤ちゃんへの影響

妊娠中に限らず、ストレスが身体によくないことは、誰もが知っていることです。

妊婦さんになると、大きなストレスがかかると、血流の流れが悪くなり、赤ちゃんに栄養や酸素が行き届かなくなります。そして、妊婦さん本人だけではなく、おなかの赤ちゃんにも悪影響を及ぼします。

  • 切迫流産や切迫早産になる可能性
  • 赤ちゃんに栄養が行き届かず低体重になる可能性
  • 赤ちゃんに酸素が行き届かず脳に障害が起きる可能性
  • 赤ちゃんが夜泣きするようになる
  • 情緒不安定な性格の子になる


このようにストレスによって、さまざまな悪影響がある場合もありますが、それが全てというわけではありません。妊婦さん本人がストレスを感じているうえに、さらに、赤ちゃんの心配ばかりしていると、ストレスが倍増してしまいます。

お母さんがストレスを感じた時、おなかが痛くなったり、張ってくるのを感じる人も多いと思います。この場合、血流が悪くなるために起きるようですが、おなかの赤ちゃんが「お母さん、苦しいよ」と言っているようで、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、自分をものすごく責めますよね。

その反面、お母さんがストレスを感じた時、赤ちゃんがおなかを蹴ったり動いたりといった胎動を感じることがありませんか?

この場合「お母さん、大丈夫だよ」と励ましを受けているように感じて、がんばろうという気持ちになれますよね。そんな、おなかの赤ちゃんの気持ちを感じ取れたら、それで十分。

こどもの気持ちがわかるしっかりしたお母さんになれるので、何も心配することはありません。それだけで、こどもは必ず、お母さんの気持ちに答えてくれますよ。

赤ちゃんの障害はストレスだけが原因じゃない!

私事ですが、上の子は、環境の変化による影響で、私自身が思っていた以上のストレスがあったのか、臨月に入った頃には、胎盤はボロボロで2100g代と小さく産まれましたが、順調に成長しています。

下の子の場合はおなかにいた時、いろいろなことが重なり、過呼吸になるほどストレスのかたまりでした。それでも2600g代と大きく産まれてくれて、ホッとしたのですが、発育が良くなく、現在、低身長で病院に通っています。

2人とも、2歳下のクラスの中に入ってちょうどいいくらい小さいですが、とっても元気で、相手の気持ちを考えることのできる、やさしいこども達に成長しています。


わが家のように、ストレスのあるお母さんから産まれるこどもは、何かしらの障害があるかと言えば、それは違います。赤ちゃんの障害は、ストレスだけが原因ではありません。

もっともっと大変な思いをしている私の友人は、3000gを超える元気な赤ちゃんを産み、現在クラスの中でも大きな方で、リーダーシップ的な存在です。

もし、赤ちゃんが何かしらの障害や病気を抱えていたとしても、

  • 「自分が悪いんだ」
  • 「自分がちゃんとしなかったから悪いんだ」
  • 「もっとストレスかからないようにできてたら、こんなことにはならなかったのに」

などと、自分を責めないで下さい。それこそ、こどもにストレスがかかってしまって、こどものためになりません。

妊娠中だけではなく、それぞれ違った環境で育つのですから、赤ちゃんがおなかの中にいる時のストレスだけが、すべての原因になるわけではありません。

こどものために、今、自分が何をすることができるのか、何をすべきなのか、それが1番大切で、そんなお母さんをこどもはいつも見ています。

しっかりと愛情を注いでさえいれば、おなかにいる時も、生まれてからも、お母さんに答えようと、一生懸命がんばってくれますよ。

まとめ

妊娠中は、多かれ少なかれストレスは付き物。でも、赤ちゃんのために、自分のために、ストレスを軽減することはできます。

ネット上には、いろいろなストレス解消方法が載せられていますし、真似から始めることも大切ですが、自分に合っていなくて、逆にストレスがたまってしまった・・・なんてこともないとは限りません。

最終的には、1番、自分に合ったものを探して、少しでもノーストレスに近い楽しい妊娠生活を過ごしましょうね。