妊娠中によくある頻尿。出産して卒業できると喜んでいたのに、産後にも頻尿が!「もしかして何かの病気?」なんて、不安を感じているお母さん、多いですよね。
外出するのも「トイレ、行きたくなったらどうしよう」なんて不安に思い、家に閉じこもりがちになって、気持ちが塞ぎがちになっていませんか?
産後の頻尿には、まず、筋肉をつけることが大切ですよ。
産後、頻尿に伴って残尿感や排尿痛がある時は要注意
頻尿になると「もし、間に合わなかったらどうしよう!」なんて不安がいつもつきまといますよね。私も、1番下の妊娠中~産後1年間、外出するのが本当に不安でした。上の子達と一緒にトイレのない公園とか「もう無理!」って叫びたくなる感じでした。
頻尿というのは、「1日に8回以上トイレに行く」「夜間、寝ている時にトイレに行きたくて起きる」ような状態のことをいいます。
トイレに行くのを限界ぎりぎりまで我慢すると、膀胱に約400ccの尿を溜めることができるそうですが、頻尿になると、半分あるいはそれ以下の尿量しか溜めることができません。
症状的には、たくさん水分を飲んだ時や、カフェインやアルコールなど利尿作用があるものを飲食した場合に、トイレに行ってもすぐにトイレに行きたくなった経験、あるのではないでしょうか。この状態が、頻尿の状態だと考えるとわかりやすいかと思います。
ただし、ひとつ違う部分があり、上記のような場合、再度トイレに行った時も、普段と同じくらいの排尿量があるかと思いますが、頻尿になると、膀胱に正常時のように尿を溜めておくことができないので、1度に出る排尿量が減少するのが特徴です。
産後に頻尿になるのは、さまざまな原因があり、誰にでも起こり得ることなどで、それほど心配する必要はありません。しかし、頻尿の状態に伴い、残尿感や排尿痛がある場合は違います。
字のごとく「トイレに行ったはずなのに、まだおしっこが溜っているような気がする」「おしっこをした時に痛みがある」こんな時は、膀胱炎や子宮脱など、さまざまな病気が隠れている場合があります。
ひどくなると、出血を伴うだけではなく、慢性化したり、手術が必要になってしまうことにもなりかねないので、そうなる前に、泌尿器科に行って相談することが大切です。
頻尿に伴う尿漏れ(失禁)がある時も要注意
頻尿になって心配になるのは尿漏れですね。
くしゃみをした時、しゃがんだりかがんだりした時、重い物を持つ時など、お腹に力が入ると尿漏れして、おもわず「あっ!やばい!」と思う時、あるのではないでしょうか。
私は、上の子達を抱っこする時に、自分ではかなり気をつけているつもりでも、ちょい漏れすることが、しょっちゅうありました。こうなると、頻尿に「尿漏れ(失禁)」が加わります。
- お腹に力を入れると漏れてしまう「腹圧性尿失禁」
- 急に我慢できないほどの尿意を感じ、間に合わずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」
の2種類ですが、子宮が下がる子宮下垂でも、尿漏れが起きることがあります。
ひどくなると、膣から子宮が出てきてしまう子宮脱になってしまうこともあるので、膣に何かが挟まっている、何か違和感があるなどのような症状がある場合は、産婦人科に相談してみてください。また、さまざまな病気が隠れている場合もあるので、他に気になる症状がある場合は、泌尿器科に相談してみましょう。
ちなみに、尿漏れパットを買うのって、ちょっと抵抗ありませんか?
私は、ずっと生理用ナプキンを代用していて、少量の時には、あまり気づきませんでしたが、一時、ある会社でバイトした時に重たい物を持つこともあり、尿漏れしてしまうこともありました。
でも、仕事中だとすぐにトイレに行けないこともあるんですよね。
いざ、尿漏れがあった時、生理用ナプキンでは、自分でも臭いが気になって仕方がありませんでした。生理と尿では成分に違いがあり、それぞれの商品には、それぞれの状態に対する消臭効果しかないので、生理用ナプキンで尿の消臭は期待できません。
尿漏れがある時には、症状に合わせた尿量を吸収することのできる尿量パットを使用することをおすすめします。
多くの妊婦さんが経験する頻尿の原因
当時は「たくさん産んでるんだから仕方がない」と思いながら、対策を考えていましたが、小学生になった子が失禁するようになり、改めて調べているうちに「産後の頻尿に悩んでいるお母さん、自分だけじゃないんだ」ということに気づきました。
- ホルモンバランスの変化による影響
- 胎児の成長のために血流量が増え、腎臓が活発に働くため、尿がたくさん作られる
- 胎児が大きくなるにつれ、子宮が大きくなって膀胱が圧迫される
などが原因で、赤ちゃんが産まれて子宮が収縮することによって、徐々に解消されます。
しかし、妊娠によって受けたダメージは、出産することで、さらにダメージを受け、それが産後の頻尿へと繋がってしまうんです。
産後の頻尿は出産のダメージによる影響
女性にとって出産はとても喜ばしい経験ですが、その反面、想像以上に身体にダメージを受けています。
筋力の低下
妊娠中は運動制限があったり、お腹にあまり力を入れることができなかったりなど、さまざまな筋肉が弱くなりますが、中でも、骨盤底筋の筋力の低下は、さまざまな影響をもたらします。そのひとつが頻尿です。
骨盤底筋は、骨盤の1番底にあり、子宮、膀胱、直腸などの臓器を支える筋肉の総称で、尿道などを引締めて、尿が出ないようにする働きをしています。
妊娠すると、子宮が大きくなりやすくなるためにリラキシンという女性ホルモンが、この骨盤底筋を緩めます。そして、臓器と骨盤底筋を繋いでいる靭体も同時に緩めてしまい、尿道を引締める力が弱まり、頻尿へと繋がります。
出産することでホルモンは、徐々に元に戻りますが、骨盤底筋や靭帯は、それだけでは元に戻りません。骨盤底筋の筋力が同時に弱まっているため、妊娠中同様に、頻尿になってしまうんです。
若いお母さんや、もともと筋力のあるお母さんであれば、ホルモンが元に戻ると筋力の強さでカバーすることができますが、そうでないお母さんは、特に注意が必要です。
筋肉や靭帯の伸びや損傷
筋肉や靭帯の緩みは、赤ちゃんがスムーズに産道を通ることができるように、出産時ピークに達します。どんなに安産であっても、筋肉や靭帯は、赤ちゃんが産道を通ることによって引っ張られるため、多かれ少なかれ傷はつきものです。
- 3,500g以上の大きな赤ちゃんの出産
- さまざまな要因による難産
などのような場合、特に筋肉や靭帯は、長時間にわたって引っ張られるため、強く影響を受け、一部が切れてしまったり、大きな傷がついてしまう場合もあります。
- 2人目以降の経産婦さん
の場合、すでに1度以上、出産を経験していることから、筋肉や靭帯は伸びやすくなっている傾向にあります。「伸びやすくなっているなら、傷はつかないかも」と思いがちですが、伸びがよすぎて戻りが悪くなってしまう場合があります。
また、以前の出産時の傷口が再び開くこともあれば、新しく傷ついてしまう可能性もあるのですから、骨盤底筋や靭帯は、出産を重ねるごとに傷が増えていきます。傷があれば、それだけ尿道を引締める力が弱くなり、頻尿へと繋がります。
筋肉や靭帯の傷も、他の傷口と同じように徐々に回復するので、頻尿も自然に改善されますが、高齢になり筋肉が衰えてきた時に、その影響が出てくる可能性が高くなるので、要注意が必要です。
産後の頻尿を改善するには筋肉をつけることが1番
産後の頻尿は、出産した多くの女性が経験している症状で、病気が隠れていない限り、時が経てば自然と改善するので、それほど心配する必要はありません。とはいっても、トイレがそばにないと不安な生活から早く解放されたいですよね。
ひとつ注意してほしいのは「トイレに行きたくなるから水分を摂るのをやめる」ことだけは、絶対にしないで下さい。
- 母乳の出方が悪くなる
- 細菌が膀胱にたまって膀胱炎などになる
- 身体の水分が不足して、肌が荒れる
- 血液中の水分が不足して、脳梗塞などになる
- 便秘になって、さらに頻尿がひどくなる
などのような可能性もあるので、水分はしっかりと摂るようにしましょう。
正直に言うと、私は、身体によくないとわかっていたのですが、一時、水分を摂るのをやめた時期があります。膀胱炎になり、血液検査の結果、水分不足で血液はドロドロ、「脳梗塞やエコノミー症候群になってもおかしくないよ」と、医師に言われてしまいました。
産後すぐは、よほどでない限り、諦めて尿漏れパットにお世話になりましょう。そして次で紹介する骨盤底筋を鍛えるストレッチを始めましょう。
産後の骨盤底筋を鍛えるストレッチ
産後1か月頃から、骨盤底筋を鍛えるストレッチを始めます。インターネットを調べると、さまざまな改善のためのストレッチが載っています。
足を肩幅に広げて、肛門や膣に力を入れながらお腹に力を入れないのが基本です。
- 仰向けになって膝を曲げ、お尻を持ち上げて下げるを5セット
- 仰向けになって膝を曲げ、お尻を上げずに肛門と膣を締めて緩めるを5セット
- 四つん這いになって、肛門と膣を締めるて緩めるを5セット
上記の他に、トイレに行くのを我慢して、膀胱に溜められる尿量を増やすと言われることがあります。最初は5分から始めて、徐々に分数を伸ばしていくそうです。
あくまでも私の考えですが、無理しなくていいと思います。赤ちゃんを育てていると、赤ちゃんが泣いたり、母乳やミルクを上げていたりなど、尿意を感じても、すぐにトイレに行けないことってありますよね。
何もない時に無理して我慢しなくても、赤ちゃんの都合で我慢する時だけで十分ではないかと考えています。膀胱炎になる可能性もありますし、頻尿になって悩んでいるのに、それ以上、我慢しなくちゃいけないなんて切なくなってしまいますよね。
そして、赤ちゃんがいる生活の中で、なかなかストレッチする時間ないですよね。
私が、おすすめしたいのは・・・
- 常に姿勢を正す
- 意識して肛門や膣辺りに力を入れて、お尻を引締めるように立つ
※つま先を揃えて両足の膝をつけるようにして立つと、必然的に、内側の太ももに力が入り、肛門が引き締まる感じがすると思います。「10秒引締めたら10秒緩める」を5回繰り返します。 - TVを観ている時、ご飯を食べる時など、座る時には正座をする
- 買い物などの時に、自分のペースよりも少し早めに歩くことを意識する
この4つです。
私が特に効果があったと思うのは「お尻を引締めるように立つ」「少し早めに歩く」です。
最初は意識しなければできませんでしたが、徐々にその状態が当り前になり、気がつくと、頻尿や尿漏れが改善されていました。
ただ、私に効果があっても、みなさんの症状に合っていない場合もあるかと思います。さまざまな方法を試して改善しないようであれば、泌尿器科に相談することが大切ですよ。
まとめ
産後の女性なら、誰にでも起こり得るのが頻尿です。
原因は、ホルモンの影響と骨盤底筋の筋力の低下と損傷によるもので、時期が来ると治る場合がほとんどで、それほど心配する必要はありませんが、病気が隠れている場合もあります。
ストレッチなどの改善法を試しても効果がなく、頻尿の他にも、何か気になるようなことがある場合、恥ずかしがらずに、泌尿器科や産婦人科で相談してみることが大切ですよ。