妊娠5ヵ月。無事に安定期に入ったところで待っているのが、「安産祈願」です。安産祈願は、妊娠5ヶ月目の最初の戌の日にするとよいと言われています。

安産祈願では、妊婦さんがお腹に腹帯を巻いて、赤ちゃんが無事に生まれてくるようにという願いを込め、神社やお寺でお祓いとご祈祷をしてもらいます。子だくさんで、お産が軽いと言われる犬にあやかり、「戌の日」に行われるようになりました。

古くからの習わしである安産祈願には正装で行くべきであると感じていながらも、妊娠5ヵ月となると、少しずつお腹が目立ち始め、妊娠前に着ていた洋服が入らないというケースが出始めます。

では、妊娠5ヵ月目の安産祈願のときには、どのような服装で行くとよいのでしょうか。

安産祈願に行くときの服装について、一緒に付き添うことの多い男性の服装も合わせて、季節ごとに紹介していきます。

スポンサーリンク

安産祈願の服装のマナー

妊娠5ヶ月に入った最初の戌の日に行くことが多い安産祈願。参拝する際の服装は、どのような点に注意すればよいでしょうか。

安産祈願の服装に、特に決まりはありませんが、お腹の中にいる赤ちゃんが元気に無事産まれてくるようにお祈りする場でもあるので、最低限のマナーは守ることが重要です。

次のような点を意識して服装を選ぶとよいでしょう。

フォーマルがベストです

安産祈願は、神社やお寺でお祓いとご祈祷をしてもらう儀式です。神様や仏様に失礼のないように、男女ともにスーツなどのフォーマルな服装で行くのが望ましいところではあります。

ただし、特に正装でなければいけないという決まりがあるわけではありません。神聖な場所にそぐわない服装でさえなければ、スーツでなくても問題はありません。

神社やお寺などの神聖な場所に参拝することを考慮し、場に見合わない次のような服装は避けるとよいでしょう。

  • 背中や肩が大きく開いたトップス
  • 露出度が高いミニスカートやホットパンツ
  • 色合いが派手な洋服や、絵柄が強い洋服
  • 穴が空いたダメージジーンズ
  • スパンコールなどの装飾品が多くついているもの
  • 部屋着のようなだらしのない格好

妊婦さんは体に無理のない服装で

スーツなどのフォーマルな服装が望ましいといいましたが、妊娠5ヵ月目の妊婦さんは、お腹が目立ち始める時期でもあり、妊娠前に着ていたスーツがきつくなっていることも多いでしょう。

その場合は、無理にスーツを着たり、安産祈願だけのためにマタニティ用のスーツを新調したりする必要はありません。

まだ、つわりに苦しんでいる妊婦さんも多い時期なので、締め付けのない動きやすい服装をすることをおすすめします。

ワンピースを着ると、スーツでなくてもきちんと感が出ます。お腹も苦しくないので、どの季節においてもワンピースがおすすめです。

ただし、ミニ丈のものは、露出度が高いだけでなく、足元が冷えてしまいます。妊婦さんに冷えは禁物です。ひざ丈のものや、ロングスカートがいいでしょう。

足元にも注意が必要です

洋服に気を取られ、見落としがちなのが足元です。

特に夏場は、素足やサンダルで出かけることが多いかもしれませんが、裸足で境内に入ることが禁じられている神社やお寺もあります。

せっかく安産を祈願しに行ったのに、境内に入らせてもらえなくては意味がありません。素足やサンダルは避け、靴下やストッキングを着用するようにしましょう。


また、神社やお寺は、階段の上り下りや砂利道を歩くことが多くあります。

正装を意識し過ぎて、ヒールの高い靴を履いていると、転びやすくて危険です。妊婦さんの転倒は、お腹の赤ちゃんの命に関わります。赤ちゃんのことも意識し、ヒールの無いペタンコの靴を履くことをおすすめします。


足元を冷やさないために、冬はロングブーツなどを履きたいところではありますが、お参りで境内を移動する際には、靴の着脱が発生します。

ブーツがダメというわけではありませんが、脱いだり履いたりが簡単にできる靴で出かけると、祈願の際の移動がスムーズです。

春の安産祈願の服装

春は、少しずつ気温が上がってきて、妊婦さんでもお出かけがしやすい気候になってきます。

しかし、暖かくなってきたからといって油断は禁物です。まだ、冬の寒さが残っていたり、朝夕は急に冷え込んだりします。

春に安産祈願に行く場合は、温度調節ができる服装を意識するといいでしょう。

女性(妊婦本人)の服装

  • トップス:ひざ丈のワンピースor薄手のニットやカットソー
  • ボトムス:ウエストを締め付けないマタニティー用のひざ丈スカート
  • 羽織り物:長袖のカーディガンorストール
  • 足元:厚手のマタニティー用タイツにヒールの無いフラットな靴

簡単に羽織ることができるカーディガンやストールは温度調整がしやすく、ジャケットがなくても、フォーマル感を演出することができるので1枚持参することをおすすめします。

ヒール以外のキレイめな靴がない場合は、スニーカーでもかまいません。神社やお寺は砂利が敷き詰められているところを歩かなければならないことが多くあります。ヒールのある靴で砂利道を歩くのは危険です。

妊婦さんは、見た目のキレイさより、動きやすさを優先してください。妊婦さん自身の体と、お腹の赤ちゃんに負担をかけないようにしましょう。

男性の服装

  • トップス:長袖のシャツorポロシャツ
  • ボトムス:スラックスorチノパン
  • アウター:薄手のジャケット
  • 足元:革靴orキレイめのスニーカー

男性はスーツの着用がおすすめではありますが、一緒に行く妊婦さんとフォーマルの度合いを合わせることで、夫婦のバランスがとることを意識しましょう。

妊婦さんが少しカジュアルな服装の場合には、少しカジュアルな服装でもかまいません。ただし、落ち着いた色味の洋服を選ぶことで、ほどよいフォーマル感を演出することを心がけましょう。

夏の安産祈願の服装

夏は気温がぐんぐん上昇し、猛暑や酷暑ともなると、薄着に素足で過ごしたくなるところではありますが、安産祈願は神事です。

露出が多い服や素足での参拝は厳禁です。安産祈願の際は、最低限のマナーは守った服装で出かけましょう。

女性(妊婦本人)の服装

  • トップス:薄手のワンピースor半袖のブラウス
  • ボトムス:ウエストを締め付けないマタニティー用のひざ丈スカート
  • 足元:マタニティー用ストッキングにヒールの無いフラットな靴
  • 羽織り物:袖の短いボレロorカーディガン もしくは薄手のストール

暑い季節には、体にぴったりと密着するパンツスタイルより、風通しがいいスカートがおすすめです。

肩が出るノースリーブタイプのワンピースやトップスを着用する場合には、袖の短いボレロやカーディガンを羽織ることで、過度な露出を控えるにつながります。


また、夏は、外の暑さとは反対に、室内に入ると、冷房が効きすぎて寒いケースがあります。妊婦さんにとって冷えは大敵です。

薄手のストールを1枚持参していると肩からかけることも、ひざ掛けとして使うこともできます。安産祈願のときだけでなく、夏の外出時には、ストールを1枚持っていると便利です。


素足にサンダルを履きたい気分ではありますが、参拝する神社やお寺によっては、素足では参拝をさせてもらえないところもあります。

産まれてくる赤ちゃんの健康を願うための安産祈願です。ストッキングに靴を履いて参拝しましょう。

男性の服装

  • トップス:半袖のシャツorポロシャツ
  • ボトムス:スラックスorチノパン
  • 足元:キレイめのスニーカー

夏の安産祈願に付き添う男性の服装は、会社のクールビズのときに着用する洋服のイメージです。

タンクトップに短パン、ビーチサンダルといった海水浴にでも出かけるような服装は、神事にはふさわしくありません。カジュアル過ぎる服装にならないよう気をつけましょう。


足元は、参拝することを考慮し、素足ではなく、靴下をはいた状態で靴を履いてください。

服装に合わせるので、靴は革靴でなくてもかまいません。ビジネスカジュアルのような服装には、キレイめのスニーカーが合うでしょう。

秋の安産祈願の服装

夏の暑さが落ち着くと、また過ごしやすい気候になりますが、秋は気温の上がり下がりが大きい季節でもあります。

温かい日と寒い日があるので、服装の最終決定は、当日の朝の気候を見てからにすることをおすすめします。

女性(妊婦本人)の服装

【気温が高い日】

  • トップス:半袖のワンピースor半袖のブラウス
  • ボトムス:ウエストを締め付けないマタニティー用のスカート
  • 羽織り物:長袖のカーディガン
  • 足元:マタニティー用ストッキングにヒールの無いフラットな靴

【気温が低い日】

  • トップス:長袖のワンピースor長袖のブラウスやカットソー
  • ボトムス:ウエストを締め付けないマタニティー用のスカートorパンツ
  • 羽織り物:長袖のカーディガンorストール
  • 足元:マタニティー用のタイツにフールの無いフラットな靴

秋に入っても、日中はまだ半袖で過ごせるくらい暖かい日もあります。気温が高い日は、半袖で過ごし、冷えてきたらカーディガンを羽織って調節できるようにしておくとよいでしょう。

気温が低く、肌寒く感じる日の場合は、少し厚着することを意識しましょう。また、気温が低くなると、スカートでは足元が冷えるという人もいます。冷え症の人は、パンツスタイルにすることで、足元の冷えが軽減されます。


また、戌の日と休日が重なると、参拝者で神社やお寺が混雑し、待ち時間が長くなることがあります。

待っている間は、体を動かすことができないので、体は冷えやすくなります。ストールを持参しておくと、防寒具として活用できるので、1枚持参しておくとよいでしょう。


ちなみに、私が第一子を妊娠していたときの安産祈願は11月でした。休日の戌の日で、さらに寒い日だったので、長時間並ぶことも覚悟し、万全の防寒対策をとっていました。

タートルネックのカットソーにニットのロングカーディガンを合わせ、スカートではなく、パンツスタイルでした。さらに上にはトレンチコートも羽織っていました。

男性の服装

  • トップス:シャツorポロシャツ(気温によって半袖か長袖を選択)
  • ボトムス:スラックスorチノパン
  • アウター:長袖のカーディガンorジャケット

付き添いの男性の服装も、その日の気候に応じて調整が必要ですが、秋になれば暑苦しくないので、スーツの着用でも問題ありません。

スーツほどフォーマルにしない場合は、落ち着いた色味の洋服でフォーマル感を演出しながら、カーディガンかジャケットなどのアウターで温度調整ができるようにしておきましょう。


我が家の第一子の安産祈願に出かけたとき、付き添いの旦那さんは、チェックのネルシャツにベージュのチノパン、上からジャンパーを羽織るというカジュアルスタイルでした。

ただ、この時は、休日の戌の日ということもあり、混雑緩和のため、お祓いやご祈祷は、妊婦本人しか参加できない日でした。そのため、旦那さんは付き添いといえども、参拝はしないという前提で選んだスタイルでしたので、あまり参考にはならないかもしれません。

冬の安産祈願の服装

一気に気温が下がる冬の安産祈願は、寒さとの戦いです。戌の日や休日は神社やお寺の混雑が想定されます。

待ち時間が長くなる可能性があるときには、服装だけでなく、カイロを複数準備するなど、防寒対策を整えて出かけるようにしましょう。

女性(妊婦本人)の服装

  • トップス:ニットorトレーナー(チュニック丈がおすすめ)
  • ボトムス:パンツorロングスカート
  • 羽織り物:ストール
  • アウター:コート
  • 足元:マタニティー用のタイツにヒールの無いフラットな靴orムートンブーツ

長時間外にいる可能性も考慮し、トップスはニットやトレーナーで、できればチュニック丈のものをおすすめします。チュニック丈であれば、お尻まで覆ってくれるので、冷えから体を守ることができます。


ボトムスはスカートよりパンツの方が寒さを防ぐことができます。スカートの場合には、厚手のロングスカートにしたり、厚手のマタニティータイツを着用する等して、少しでも寒さから身を守ることを意識しましょう。


足元はロングブーツで寒さを軽減したいところではありますが、参拝時に靴を脱いだり履いたりすることがあるので、着脱に時間のかかる履物は避けた方がいいでしょう。ブーツの場合は、履くのに手間取らないショートブーツやムートンブーツがよいでしょう。


私の第二子の安産祈願は、12月でした。第一子に引き続き、このときも休日の戌の日だったので、外での待ち時間を考慮し、フォーマル感を出すことよりも、防寒対策を重要視しました。

結果、タートルネックのカットソーに厚手のニットカーディガンで、ボトムスは黒のパンツでした。上には厚手のロングコートを羽織り、足元は、ヒールの無いボア付きのショートブーツでした。

こう見ると、第一子のときの11月と、大差がないかもしれません。

男性の服装

  • トップス:シャツ+セーターorカーディガン もしくはタートルネックのセーター
  • ボトムス:スラックスorチノパン
  • アウター:コート+マフラー
  • 足元:革靴orキレイめなスニーカー

男性も長時間外で待つ可能性があるので、冬の安産祈願の際は、防寒対策をきちんとしましょう。

スーツなどのフォーマルな服装にする場合も、コートやマフラーで防寒してください。寒さが厳しい日の場合は、インナーとして、ズボン下を履いて防寒するのもひとつの手です。


第二子の安産祈願は12月でしたが、その時の付き添いの旦那さんは、トレーナーにチノパン、上にコートを羽織るというスタイルでした。

しかし、残念ながらこの時も休日の戌の日だったので、混雑緩和のため、付き添いの人は参拝できず、私の代わりに外の行列に並んでもらっただけでした。あまり参考にならない情報ではありますが、お伝えだけしておきます。

安産祈願に腹帯は巻いていく?

安産祈願に行く際、妊婦さんがもうひとつ気になるのは「腹帯」を巻いていくべきなのかどうかということです。

安産祈願は、妊婦さんが腹帯を巻いた状態でお祓いやご祈祷をしてもらう神事と言われていますが、安産祈願当日は、腹帯は巻いていく必要があるのでしょうか。

地域によって異なります

安産祈願の当日に腹帯を巻いていくかどうかは、地域性や、神社やお寺によって異なるようです。

以前は、当日は腹帯を巻いた状態で行くのが主流だったようですが、今は、腹帯を持参してご祈祷してもらったり、安産祈願のときに祈祷した腹帯を購入したりと、様々です。

どちらがよいか判断できない場合には、ご自身が安産祈願に行く予定の神社やお寺がどのような安産祈願の形式をとっているかを事前に確認しておくとよいでしょう。


私は第一子のとき、腹帯を巻いていくという風習を知らないまま、安産祈願に出向いてしまったのですが、私が安産祈願をしてもらった神社は、祈祷した腹帯を購入する形式の安産祈願を行っていたので、事前に巻いていかなくても問題ありませんでした。

そして、第一子の安産祈願のときに購入した「岩田帯」と呼ばれるさらしタイプの腹帯は、結局一度もお腹に巻くことはなく、神棚に飾られていました。

お腹の出っ張りが少なかったため、腹帯の出番がほとんどなく、腹巻タイプのソフトなもので充分対応できてしまったからです。そのため、第二子のときは、腹帯は購入せず、安産のお守りだけ購入しました。


ちなみに、第一子のときに購入した岩田帯は、赤ちゃんを無事出産したあと、その長さと丈夫さを活かし、我が家の電子ピアノのカバーにリメイクされて、現役で活躍しています。

ベビー服などにリメイクすることもできるので、腹帯として使用しなくても無駄になることはありません。

腹帯を巻いていく場合

安産祈願のときに巻いていく腹帯はさらしタイプの「岩田帯」が主流です。

岩田帯は、巻き慣れていないと、すぐにゆるんでしまったり、きつく巻きすぎて身動きがとりづらくなってしまったりすることがあります。

腹帯を巻いた状態で祈祷をしてもらう場合には、巻き方のコツおつかんでおくため、安産祈願の1週間程度前から腹帯を巻く練習しておくことをおすすめします。

岩田帯の巻き方は次のとおりです。

  1. 岩田帯の幅が半分になるように折る
  2. 折り目を下にした状態で、へその下に当てて、お腹に一巻きする
  3. 一周しておなかの中央へ戻ったら、帯を上に折り返して再びお腹を一周する
  4. 折り返して一周することを、お腹の上部まで繰り返す
  5. お腹の上部まで巻き終えたら、帯の端をさらしの中に織り込んで完成

安産祈願で腹帯を受け取る場合

安産祈願で、腹帯を受け取る場合は、事前に巻いていく必要はありません。

神社やお寺によって方針は異なり、腹帯の持ち込みが不可の場合や、祈祷できる腹帯の種類に制限がある場合があります。

持参した腹帯のお祓いとご祈祷を希望する場合には、祈祷をしてもらう予定の神社やお寺に、安産祈願の方法について事前に確認しておいた方がいいでしょう。


安産祈願の当日に購入する場合には、購入する腹帯は「岩田帯」となります。種類を選ぶことはできないので、岩田帯が合わない人は、後日、別の腹帯を購入して使用しましょう。

その際、安産祈願の際に購入した岩田帯の一部を切り取って縫い付けて使用し、安産への願掛けする人もいます。腹帯は種類も使い方も様々ですので、自分に合った腹帯を見つけてください。

まとめ

妊娠5ヵ月目は、ようやく安定期に入り、ほっとする人がいる一方で、まだまだつわりに苦しむ人も多い時期です。

安産祈願によい日は、妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日と言われていますが、一番に優先すべきは、妊婦さんの体調です。安産祈願をするために、妊婦さんが体調を崩してしまっては意味がありません。

つわりなどで体調が悪いときには、時期をずらしても問題ありません。自分の体とよく話し合い、無理のないタイミングで参拝するようにしましょう。

服装についても、フォーマルな服装がベストではありますが、フォーマルでなければいけないものでもありません。

体調に合わせて、動きやすい服装で出かけて、赤ちゃんの健康で無事に生まれてくるようお祈りしてきてくださいね。