妊娠が判明し、妊婦健診を受けるようになると気になるのが、お腹の赤ちゃんの様子です。

妊娠初期の頃行われることの多い「経膣エコー」は、家族が同席できないことも多く、赤ちゃんの様子も鮮明には確認することができません。お腹の赤ちゃんの様子を、家族と一緒に確認することができる腹部エコーを心待ちにしている妊婦さんも多いのではないでしょうか。

そこで、腹部エコーはいつから見ることができるのか、腹部エコーをするとどんなことが分かるのかなど、腹部エコーについての疑問点を解決していきましょう。

スポンサーリンク

妊娠健診で腹部エコーはいつから?検査内容や経膣エコーとの違い

赤ちゃんのお腹での様子を確認することができる腹部エコーでの検査は、いつ頃から受けることができるのでしょうか。

また腹部エコーはどのような検査で、腹部エコーより前に行う経膣エコーとはどのような違いがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

腹部エコーはいつから?何週から?

妊婦健診の腹部エコーが始まる時期については、健診を行う産院の方針によって異なりますが、妊娠中期に入った16週目以降から行うところが多いようです。

私は第1子と第2子を違う産院で出産しました。妊婦健診も、それぞれを出産した産院で受診していましたが、腹部エコーが始まったのは、双方の病院とも妊娠5ヵ月に入って最初の妊婦健診のときでした。


妊娠5ヶ月目となると、安定期に入り、お腹も目立ち始めてくる頃です。赤ちゃんも大きくなってきて、膣の中に器具を入れてお腹の中の様子をみる経膣エコーでは赤ちゃんの全身の様子が確認しづらくなるため、腹部エコーに切り替えられていきます。

ただ、受診する医療機関によっては、妊娠初期の10週頃から腹部エコーを行うところもあるようです。

妊婦健診を受診した際、次の妊婦健診の内容を事前に確認しておくといいでしょう。腹部エコーがいつからできるのか知りたい場合も、妊婦健診の受診する産院に直接確認してみるといいでしょう。

腹部エコーとは?検査方法や痛みは?

腹部エコーは、超音波検査のひとつで経腹エコーとも呼ばれます。

お腹の上からプローブという検査機器を当てて、お腹のなかの様子を映像に映し出します。すべりをよくするために、検査の前にお腹に冷たいジェルを塗りますが、その後はお腹の表面にプローブを当てるだけなので、痛みや違和感を感じることが少なく、どちらかというと、くすぐったいという感覚です。

赤ちゃんが小さすぎると、様子が映し出しづらいため、妊娠中期となる16週目以降から妊婦健診の項目に取り入れられることが多いです。

私が妊婦健診を受診していた産院は、第1子のところも第2子のところも、妊娠中期以降の健診では必ず腹部エコーをしていましたが、2回の妊婦健診につき1回など、回数が決められている産院もあるようです。腹部エコーを行うタイミングなどについては受診する産院に確認してみましょう。


腹部エコーは、器具をお腹の表面に当てるだけの検査なので、こちらも産院の方針にもよるかもしれませんが、健診に家族が同席して、モニターに映し出される赤ちゃんの様子を一緒に見ることができます。

我が家はありがたいことに、どちらの子の妊婦健診のときも、旦那さんや母親が妊婦健診に付き添ってくれることが多かったので、ときには旦那さんと一緒に、時にはお義母さんと一緒に、あるときは娘も含め4人という大所帯で診察室に入ったこともありました。

妊婦さん本人とは違う視点で、モニターを見てくれる人がいると、バリエーションに富んだ質問がでてきます。腹部エコーをするようになったら、できれば誰か家族を連れて行ってみることをおすすめします。

経膣エコーとは?検査方法や痛み、腹部エコーとの違いは?

腹部エコーが始まるまでは、膣内にプローブという検査器具を入れてお腹の様子を見る「経膣エコー」という超音波検査が行われます。

赤ちゃんがまだ小さい妊娠初期に用いられることが多い検査方法です。子宮により近い膣から至近距離で、赤ちゃんの様子を確認することができます。

経膣エコーは、内診台に座ると、内診台が自動で動き、足を開いて膣内にプローブを挿入できる姿勢で止まります。お腹にプローブを当てるだけの腹部エコーとは違い、膣内にプローブを挿入するので、人によっては痛みを感じることもあります。

経膣エコー中は、妊婦さんがお医者さんと顔を見合わせることがないよう、カーテンで仕切りがされています。対面での検査ではないため、基本的には家族も同席できません。

エコーが終了したあと、お医者さんと話をする段階からは、家族が同席できる場合があります。一緒にエコーで赤ちゃんの様子を見るのは、腹部エコーが可能になるまで待ちましょう。

妊娠健診の腹部エコーでわかること

妊娠中期以降、腹部エコーができるようになると、どんなことがわかるのでしょうか。腹部エコーでは、次のようなことを確認することができます。

  • 赤ちゃんの成長具合
  • 赤ちゃんの性別
  • ママのお腹の中の状態

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

赤ちゃんの成長具合

妊娠中、常に気がかりなのは、お腹の中の赤ちゃんが順調に成長しているかどうかです。特に1ヵ月に1度程度しか妊婦健診のない妊娠中期は、次の健診を迎えるまで、ハラハラドキドキが続きます。

腹部エコーでは、赤ちゃんがきちんと大きくなっているかを確認し次の数値を測定します。

  • 頭の幅
  • 頭からお尻の長さ
  • 太ももの長さ

これらの数値を基に、赤ちゃんの推定体重を算出します。ただ、この数値はあくまでも推定です。お腹の中で丸くなっている赤ちゃんの各部分の長さを測るので、測定値がずれることも多々あります。

第1子のときは、前回より推定体重が減っていたりすると、不安を感じていましたが、第2子のときには、数字が前後することはよくあることだと割り切って考えられるくらい、ずれが生じるものです。

お医者さんから言われていた体重とはかけ離れた体重の赤ちゃんが誕生するケースもあることを心得ておきましょう。また、赤ちゃんの体の大きさだけでなく、赤ちゃんの心臓や脳、内臓などに大きな疾患がないかなども併せて確認することができます。

赤ちゃんの性別

気になる赤ちゃんの性別は腹部エコーで知ることができます。ただし、初回の腹部エコーで判明するとは限りません。

赤ちゃんの性別を確認するためには、エコーでお股の部分が見えていなければいけません。お腹の中の赤ちゃんがエコーに対して背を向けていたり、お股の部分が隠れる姿勢をしている時には、残念ながら、性別を知ることができません。

赤ちゃんの性別は、早いと16週目頃から判別できますが、遅い場合には、出産が近づくまで分からないこともあります。


私の第2子は妊娠中期に入って最初の腹部エコーで男の子のシンボルをみえたので、すぐに男の子であることが確定しました。

ただ、第1子のときは、妊婦健診のたびに、背を向けている、股に手を隠している、股にへその緒を挟んでいるなど、様々な抵抗に遭いました。

男の子のシンボルを確認することができなかったので、女の子ではないだろうか、という推測しかできないままの状態が数ヵ月続き、お医者さんに「おそらく女の子でしょう」と言われたのは妊娠9ヵ月を過ぎた頃でした。

腹部エコーができるようになったからと言って、性別がすぐに判別するわけではないので、焦らずに結果を待ちましょう。

ママのお腹の中の状態

妊娠中は、ついついお腹の赤ちゃんのことばかりに気を取られがちですが、腹部エコーでは、ママのお腹の中の状態も確認することができます。

赤ちゃんはママのお腹の中で羊水に浮かんで過ごしています。その羊水の量が多すぎると早産や前期破水を引き起こす恐れがあります。その逆で羊水が少なすぎると、赤ちゃんの発育不良につながってしまいます。

そのため、お腹の中の羊水の量が、赤ちゃんが育つのに適しているかどうかを腹部エコーで確認します。


また、胎盤の位置についても腹部エコーで確認できます。

胎盤は、ママと赤ちゃんをつないでいる重要な組織ですが、胎盤の位置が低く、子宮の出口である子宮口を塞いでしまっている「前置胎盤」の場合には、不正出血があったり、帝王切開の必要が生じたりします。

胎盤の位置は移動することがあるので、一度前置胎盤と診断されていても、妊婦健診の都度、お医者さんに状況を確認するようにしましょう。

腹部エコーでも分からないこと

赤ちゃんの様子やママのお腹の状態を鮮明にみることができるので、腹部エコーですべてが分かるような気もしてしまいますが、分からないこともあります。

腹部エコーはあくまでも目視による検査です。染色体や遺伝子などの異常、先天性の病気や障害など、エコーの画像を目視しただけでは分からないこともあります。

出産後に病気が判明するケースや、出産から数ヵ月経ってから見つかるケースもあります。腹部エコーで問題がなくても、病気や障害があるかもしれないということは心に留めておきましょう。

妊婦健診への備え「服装・質問内容」

妊婦健診は、妊娠週数に応じて検査項目が毎回変わります。検査項目の設定は、産院によって異なります。私は第1子と第2子を違う産院で出産したことで、妊婦健診の項目が全員一律ではないことを初めて知りました。

妊娠週数に応じた健診内容の一覧を事前にもらえる産院もありますが、検査項目が分からない場合には、妊婦健診が終わったあと、産院で次の妊婦健診の検査項目を確認するようにしましょう。

特に注意が必要なのは、エコー検査の有無です。エコー検査がある場合には、検査のしやすい服装で出かけることをおすすめします。そのため、どのエコー検査があるかを事前に知っておいた方がいいでしょう。

経膣エコー時の服装

妊娠初期に行われることが多い経膣エコーの場合は、ショーツを脱ぐ必要があります。

ゆるめのワンピースやフレアスカートで受診すれば、スカートをめくってショーツを脱ぐだけですむのでおすすめです。

上半身の検査はないので、トップスはどんなものでもかまいませんが、着脱に時間のかかるボトムスは避けた方がいいでしょう。

妊娠初期の経膣エコーだけでなく、妊娠後期には、同じ内診台に座り、膣内に指を入れて触診する「内診」が検査項目に加わります。内診のときも経膣エコーと同じ姿勢になるので、同じことに注意した服装を選ぶことをおすすめします。

経腹エコー時の服装

経腹エコーの場合は、ベッドで仰向けになり、お腹を出して検査をします。

お腹を出しやすいようにふわっとしたゆるめのトップスを着るのがおすすめです。ボトムスは脱ぐ必要はないのですが、お腹を出すために少し下に下げるので、タイトなものではなく、下げやすいものを選ぶといいでしょう。

上下がつながっているワンピースやサロペットなどは、脱いだりめくったりすると下半身まで見えてしまいます。助産師さんなどがバスタオルなどで隠してはくれるので問題はありませんが、少し恥ずかしい思いをするかもしれません。

聞きたいこと・質問内容をまとめておこう

経膣エコーにしても腹部エコーにしても、エコー画像を見ながら説明する内容はお医者さんによって異なります。

私は2人の子どもを別々の産院で出産したのですが、双方の病院とも特定の主治医の診察を受けるタイプの産院ではなかったため、様々な産科医の妊婦健診を体験しました。

懇切丁寧におなかの赤ちゃんの状態を説明してくれるお医者さんもいれば、数値の測定と異常がないかの確認作業として検査を行うお医者さんもいました。様々な角度から見たエコー画像の写真を何枚もくれるお医者さんもいれば、一枚しかくれないお医者さんもいました。


最初に丁寧なお医者さんの診察を受けると、それが毎回続くと思ってしまいますが、同じ内容の説明が聞けるとは限りません。「え?それで終わり?」と、なんだかモヤモヤした気持ちで帰路についたこともありました。

自分が聞きたいと思っていること、家族に聞いてほしいと言われた内容については、事前に質問をまとめておくことをおすすめします。

そして、恥ずかしがらずにメモ書きなどを持参して、疑問を疑問のまま持ち帰らないようにしましょう。疑問を抱えたまま過ごすことは、ストレスにつながります。妊婦さんの体にもお腹の赤ちゃんにもいいことではありません。分からないことは何度でも聞いて、不安を払拭してから帰るようにしてください。

まとめ

敬遠されがちな経膣エコーとは対照的に、腹部エコーを心待ちにしている妊婦さんは多いでしょう。

モニターに映し出されているのが、自分のお腹の中だと考えると、とても不思議な気持ちになります。エコーのたびに違う動きや違う表情を見せてくれる赤ちゃんの様子を見ることができる日を楽しみにしていてください。

また、個人的には腹部エコーがある健診の際には、家族を同伴していくことをおすすめします。

妊婦さんは自分のお腹の中に赤ちゃんがいるので、その重みや胎動で、赤ちゃんの存在を認識することができますが、家族はなかなかそれを体感することができません。

腹部エコーに同席した旦那さんや義理のお母さんは、お腹のなかで動く赤ちゃんを映像としてみたことで、お腹の中で育っている赤ちゃんの存在を強く認識することができたそうです。

お腹の中にいるときから育児は始まっています。妊娠、出産、育児をママ1人で抱え込まないためにも、妊娠中から家族みんなで育てる意識を共有していきたいですね。