赤ちゃんが、長時間、寝ていると「息してるのかな・・・」「病気?」と、不安を覚えますよね。あまり長い時間、寝ていると心配になるのは、当然のことです。
赤ちゃんは、寝るのと泣くのが仕事です。寝る子は育つという言葉があるように、寝ることは決して悪いことではありません。
起きない赤ちゃんにとって大切なことは「病気」「体重の増加の状態」「おしっこの状態」について気をつけることなんです。
起きない赤ちゃんを無理に起こすと悪循環に陥る可能性がある
夜泣きで寝ることができないお母さんや、抱っこばかりしていて家事をするのが大変というお母さんにとって、羨ましい限りの「起きない赤ちゃん」けっこう多いですよね。
うちの4番目がそうでしたが、寝ないのも困る、でも、起きなければ起きないで「病気なのかも」「体重減らないかな」「乳腺炎になっちゃう」と、心配は尽きないものです。
うちの4番目は、体重2,100g代で産まれたので、体重増加の様子を確認するために、1週間に1度、病院に検診に行っていました。
当時30~40分母乳を飲んで3時間寝ると泣いて授乳、体重の増加は30g前後と、教科書通りだったのにもかかわらず、2週目の検診で「具合悪くて泣けないのかもしれませんよ。もともと体重少ないんだから、もっと増えるように起こしてでも授乳しないとだめですね。」と、看護師さんに言われました。
- お腹が空いていない(充分、母乳やミルクが足りている)
- 眠たいから寝る
- 具合が悪い
などが挙げられますが、具合が悪い感じではありませんでした。
3時間おきにしっかり泣いていました。決して問題のない状態のように感じましたが、言われたとおり、2時間30分で起こすようにして母乳を飲ませるようにしました。
・・・が、起こしても起きてくれません!
飲ませようとがんばっているうちに、おっぱいだけが張って「ピューッ!」と飛び出すなんてこともしばしばで、しまいには、無理矢理起こされたために機嫌が悪くなって、大泣きして、逆に飲んでくれないなんてことも、しょっちゅうでした。
母乳が出てしまっているので、4番目が飲みたくなった時には、母乳の生産が間に合わず、足りなくてミルクを足し、今度は、意地でも起きずに6時間くらい経ってしまう・・・と、悪循環が繰り返され、起こすのをやめました。
赤ちゃんがあまりにも起きない場合、病気のこともあるの?
赤ちゃんが起きない時に、1番気をつけなければいけないのは、病気かもしれないということです。4番目が言われたように、まず、病気を疑ってみるのは大切なことです。
- 熱が37.5℃以上ある
- 泣き方が弱い
- 母乳やミルクの飲みが悪い
- 滝のように吐く
- ぐったりしている
上記のような時は、風邪を始め、さまざまな病気にかかっている可能性があります。自分で判断せずに、小児科に相談するのがベストです。
・黄疸
産まれたばかりの赤ちゃんは、肝臓や胆のうの働きが未発達なために起こるもので、肌の色や白目の色などが黄色くなります。たいてい、2週間程度でよくなりますが、母乳を飲んでいる子は、1か月程度かかることもあります。
特に、低体重で生まれた子や、お母さんと赤ちゃんの血液型が違う場合などに出ることが多いようですが、うちの場合、上3人は、新生児黄疸が強くて保育器に入りましたが、1番小さく産まれた4番目は、黄疸の確認をするためのビリルビンの数値は高めでしたが、保育器に入るほどではありませんでした。
気になるようであれば、小児科で相談してみましょう。
・発達障害
ADHD、アスペルガー、学習障害などの発達障害が有名ですが、こういった障害は、赤ちゃんが起きないからといって、断言できるものではありません。生後6か月以降から、少しずつ兆候が現れたり、もっと大きくなってからでなければわからない場合がほとんどです。
うちの子たちの中にも、病院には行っていませんが「グレーゾーンだよね」と思う子がいますが、起きない子でなく寝ない子だったので、様子をみてみましょうね。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)
この病気は、何の前触れもなく突然に赤ちゃんを襲う病気で、名前の通り、赤ちゃんが寝ている間に突然なくなってしまう病気です。
厚生労働省の調べでは、乳時期の死亡原因で第3位という結果になっています。
「うつ伏せに寝かせない」「母乳育児」「たばこを吸わない」の三原則で、発症率をかなり抑えることができるそうです。
赤ちゃんが起きない時には、くれぐれも赤ちゃんが息をしているかどうか、時々、確認してくださいね。
赤ちゃんの体重の伸び率も睡眠時間も個性のひとつ
私のように、病院で2時間30分~3時間おきに起こして飲ませるように言われたことがあるお母さん、多いのではないでしょうか。
年齢 | 体重の伸び率 | 睡眠時間 | 睡眠周期 |
---|---|---|---|
新生児~2か月 | 平均30g/日 | 約16~18時間 | 40~60分 |
2~3か月 | 平均25g/日 | 約14~16時間 | |
4~6か月 | 平均20g/日 | 約13~15時間 | |
7か月~1歳 | 平均10~15g/日 | 約11~13時間 |
上記の表のように、赤ちゃんの1日の睡眠時間の目安や体重の伸び率は、月齢によって違いがあるのがわかりますよね。しかし、赤ちゃんの成長には個人差があり、体重の伸び率も睡眠時間も、みんなそれぞれ同じように成長するとは限りません。
赤ちゃんを取り巻く周囲の環境によっても、まったく異なります。十人十色という言葉があるように、赤ちゃんも1人1人に個性があり、赤ちゃん全員が同じ量を飲むわけでも、同じ時間寝るわけでもありません。
小食な人に「大食の人と同じだけ食べなさい」と言っても、無理な話ですよね。たくさん寝ないと疲れが取れない人に「寝るな」と言っても、無理な話ですよね。
あくまでも平均なので、当てはまらないからといって気にし過ぎると、却って悪影響になってしまいます。小さくても大きくても、成長曲線と平行線をたどっているうちは、個人差もあるので、それほど気にする必要はありません。
ただ、標準の線より大きく離れている場合は、治療の対象になる場合もあるので、小児科で相談してみるのもひとつなのかもしれません。
赤ちゃんの体重は1か月トータルで増えていれば大丈夫!「おしっこの状態」を確認して
日本の小児科で検診を受けると、体重の増加がみられない場合、あるいは増加が多すぎる場合には、母乳やミルクの量を調節するように言われることがあります。
母子手帳の成長曲線とWHOの成長曲線を比べてみてください。WHOの方が少しカーブの仕方が緩く見えますよね。
私は、残念ながら英語は全くダメなので、WHOの文章を読むことができませんでしたが、日本では平均30g/日が望ましいと病院では言われる体重増加でも、WHOでは、こういった数字は載っていないそうです。
日本では、ネットを調べると、18g/日、25g/日、30g/日と、いろいろあるのでわからなくなりますが、WHOでは、6か月までに体重が2倍、1歳までに3倍になれば大丈夫というざっくりな感じです。
WHOでは、母乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんの場合、薄い色のおしっこが1日6回以上出ていれば、母乳が足りているとされています。
うちの4番目の子は薄い色のおしっこを6回以上していて、匂いもそれほど強くありませんでした。他の子達と違って、寝る時はとことん寝る、寝ない時は寝ないと、産まれたばかりの頃からはっきりしていました。
そして、母乳が足りていない時は、濃い色で匂いが強くなります。起こして飲まそうとして悪循環になってしまった時に経験して「これか!」と、私でもすぐにわかったので、みなさんもすぐにわかると思います。
赤ちゃんを起こす時に大切なのはタイミングと起こし方!「おしっこの状態」がよくないときの対処法
正直に言うと、看護師さんは「体重しか見ていなかったのではないか」と感じています。
低体重で産まれ、成長曲線と平行線をたどっている4番目の子に対し「もっと大きくなってほしい」と思ってくれていたのかもしれません。
3~4時間たっても起きないようであれば、優しく起こしてみてください。起きないようであれば、赤ちゃんが熟睡体勢に入っていて、起きる時間ではないのかもしれません。起こす時に1番大切なのは、タイミングです。
表に「睡眠周期」があるのを見たでしょうか?赤ちゃんの睡眠周期は、大人平均90分に対し、約3分の2の40~60分です。
新生児~2歳くらいまでは、一生の中で1番成長する時です。そのため、眠りが浅い動睡眠(レム睡眠)が長く、眠りが深い静睡眠(ノンレム睡眠)が短いのが特徴です。
- 乳首を吸うように、口元が動いている
- 手をグーにしている
- 伸びをしたり、何かしら身体が動いている
上記のような時は、眠りが浅い可能性が高く、動睡眠(レム睡眠)の状態です。
静睡眠(ノンレム睡眠)中に起こすと、うちの子のように、機嫌が悪かったり、まったく起きなかったりと、とても大変なので、眠りの浅い動睡眠(レム睡眠)の時を狙って起こすのがおすすめです。
赤ちゃんの起こし方
そして、起こすタイミングがわかってきたら、起こし方をみつけましょう。
- 掛布団をめくる
- 脇や足の裏などをくすぐる
- ほっぺたをつんつんしたり、軽くつまんでみたりする
- 口元をガーゼなどでつんつんと触る
- 耳たぶを触る
この時の起こし方は「起きるかな、起きないかな」くらいでも大丈夫です。問題なのが、濃い色でにおいが強いおしっこを1日6回未満しか出ていない場合です。
濃い色でにおいが強いおしっこを1日6回未満しか出ていない場合
- 母乳が足りず、体重の増えが悪い、あるいは減っている
- 必要以上に汗をかいて、水分不足になっている
などのような可能性が考えられます。おしっこに違和感を感じたら、
- 赤ちゃんを抱っこして体重計に乗る
- 赤ちゃんを降ろして体重計に乗る
①から②を引いた数字が、赤ちゃんの体重です。よく、新生児用の体重計を買ったり、レンタルしたりするように言われる場合もありますが、私は必要ないと思います。
そして、体重がわかったら成長曲線に記入してみてください。
体重の増えが線と平行に成長しているようであれば様子をみても大丈夫です。横ばいになっているようであれば、母乳やミルクが足りていない可能性もあるので、気合を入れて起こして飲ませる必要があります。
上記の方法で、起きないようであれば、
- 縦抱きをしながらあやす
- 鼻を軽くつまむ
- ベランダや玄関先など、外に出てみる
- お風呂に入れる
- 乳首を口に入れる
- 母乳を一滴、口元にたらす
など、いろいろな方法がありますが、その子その子によって、起きるつぼは違うと思うので、いろいろ試してみるといいですよ。ただ、起きないからといって、乱暴に扱うような起こし方だけはやめましょうね。
もし、どうしても起きずに授乳回数が減ってしまうような場合、母乳育児をしているお母さんは、母乳の生産率が減ってしまったり、詰まって乳腺炎になってしまうこともあるので、搾乳することが大切です。
私的には、乳首に必要以上の負荷がかかってしまったり、搾乳し過ぎて母乳の生産率があがりすぎ、これもまた、乳腺炎になってしまうこともあるので、圧迫感が少し残る程度に手で絞ることをおすすめします。
まとめ
赤ちゃんが起きない時に気をつけなければいけないのは「病気」「体重の増加の状態」「おしっこの状態」です。
病気の可能性が感じられるような場合や不安がある時は、小児科に相談してみましょう。大丈夫な様子であれば、無理に起こす必要はないとはいえ、体重やおしっこ、母乳に影響があってはいけないので、タイミングを図りながら、起きるポイントを探してみましょうね。どうしても起きない時には、搾乳することを忘れずに!